É a vida
「エ・ア・ヴィーダ」と発音します。
英名 That's life、 和名 それが人生。
d0113817_231953100.jpg

時化、不漁。
なぜ、なのでしょうか。

そんなにシビアな話ではありませんが、不思議でならない話です。「雨女雨男」、「遠足の日には必ずお腹が痛くなる」、といった類の話です。どこの定置網も同様でしょうが、ここでもやはり時々「お客さん」を連れて沖に行きます。でもそんな時に限って、海が波立ったり、漁が少なかったりします。その度合いの傾向を見ますと、こちらが「このお客さんにはどうしても、いい漁を見せたい」という気持ちが強ければつよいほど海が時化たり、漁が少なかったりします。また、その逆にお客さんによっては口には出さねど「どうしても大漁の瞬間に居合わせ、日本に帰ってから皆んなに自慢したい」、「漁師から『また来てください』と言ってもらいたい」といった気持ちが強ければつよいほどダメな時が多いのです。
d0113817_0264129.jpg

今シーズンも早速ありました。
連日、好漁が続いていたのですが、お客さんが行った日に限り極端に不漁でした。おまけに、この時期としてはめずらしく海が波立ちました。まるで、海が「見慣れない侵入者を拒むように」。

決して信心深いことはありませんが、「縁起」は気にするのが漁師です。ほとんどの訪問者がそのことに気がついていますので、是が非でも良い漁を望んでしまいます。すると、その「気」が、まるで、逆効果のように結果に出てしまうのは何故でしょう。

訪問者を迎える側には何もできないのが実情です。毎日同じことをやるだけです。しかし、こういう現象がたびたび起きてしまうと、海神様の存在を本当に信じたくなってしまいます。

当事者だった方々へ。
大変な目に遭いましたが、単なる巡り合わせですので、どうか気にすることなく、またいらして下さい。

ポルトガル人がこんな時いつも口にする言葉が、"É a vida" です。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-05-07 06:35 | ポルトガル文化 | Comments(0)
クスクス魚
タイ(Pargo)の1種です。

d0113817_19501286.jpg


学名 Pagrus auriga、 英名 Red-banded sea bream、 ポルトガル名 Pargo sêmola、 和名 ありません。
この種の生息数を知る可能性は皆無ですが、アルガルベで水揚げされる量は少ないです。定置網にも年に数尾入るぐらいでしょうか。ですから、この魚についても詳細はよくわかっていません。たびたびのように、この魚名がなぜ"Pargo sêmola"となっているのかは地元漁師にはわかりませんでした。彼らはたまの漁獲の際は、この魚を"Pargo listado"(縞タイ)とか呼んでいるようです。では、ズバリいってみたいと思います。

d0113817_20385242.jpg


"sêmola"とは北アフリカでは伝統的な料理「クスクス」の原料となり、またヨーロッパではこれまた言わずもがな、「パスタ」の原料となる硬質小麦のあら挽き状のもののことです。(多少、「しったか」入っています。) ようするに、この魚の歯が粗大な小麦粉に似ていることから、このように命名されたものと推測します。活魚部スタッフの中からこの意見がでた時、「なるほど」と思いました。

d0113817_2057356.jpg


背鰭棘条が第1、第2は小さく、第3、4、5と長くなっているのが特徴です。(残念ながら第3棘は折れてしまっています。)

d0113817_214488.jpg


それでは、またいつの日か、に。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-05-04 04:22 | | Comments(0)
アロサ アロサ
ニシン科(Clupeidae)の1種です。
d0113817_651855.jpg

学名 Alosa alosa、 英名 Allis shad、 ポルトガル名 Savel、 和名 アロサ アロサ です。
この"Alosa属"は「ニシンダマシ属」とも呼ばれているようです。ようするに「ニシンに似ているがニシンじゃない魚」
ということでしょうか。
定置網には何年かに1度まとまって入るといった感じの種でしたが、近年は姿が見えないな、と思っていたら、
今日、1尾だけ入りました。全長44cmです。
FNAMでは、北東大西洋および地中海海域では本種"Alosa alosa"の他、ニシンダマシ属では"A.caspia"、
"A.fallax"、"A.pontica"が生息しているとなっています。その中でも本種は最大の種で、鰓杷数も
最も多くなっています(この個体は鰓杷数102でした)。
d0113817_6331830.jpg

という具合に種の同定はできたのですが、生態についてはまったく知らなかったのでちょっと調べてみました。
まず、この種は春に産卵のため河を遡上するということです。河を登って産卵をすると聞くとサケのことを
思い浮かべますが、産卵後死んでしまうサケとは異なり、アロサ属は再び海に戻るそうです。
そこで、"The New York Times"で1989年の面白い記事を見つけました。
記事のタイトルは"Poor Man's Salmon' Arrives in April"というもので、そのまま訳して「貧乏人のサケは4月に来る」となります。
この魚は英名=American shadとよばれるもので、学名はニシンダマシ属の"A.sapidissima"ですので、「サケ」ではありません。
4月中旬になるとアメリカ北東海岸の河に姿を現しているようです。
では何故これが「貧乏人のサケ」なのかというと。
[記事抜粋] In this country, one has to journey to Maine to fish for sea-run Atlantic salmon,
and most of the angling for them on this continent is in Canada's Atlantic provinces.
In Canadian waters controlled by outfitters or private clubs, a day of Salmon fishing
can cost from about $200 to more than $500.
Equipment for shad fishing need be nothing more than a spinning rod and reel
and a few dozen shad darts, although a pair of hip boots or waders is often helpful.
と記述されていますが、ごくごく簡単に訳しますと、「アトランティック・サーモンの釣りの場合は遊魚料を200ドルから
500ドル以上も払わなければならねーけど、アメリカン・シャッドの場合はスピニング・ロッドさえありゃいいのさ。」
てな感じになります。ようするに余計な出費がかからない、「タダ」で釣りが楽しめることから「貧乏人のサケ」
と呼ばれているようです。

アルガルベ地方にはあまり大きな河はありませんが、しいて言えば、スペインとの国境にグアディアナ河
(Rio Guadiana)というのがあります。しかし、この河にアロサアロサが遡上し、産卵をしているかは
今のところ定かではありません。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-05-01 00:54 | | Comments(0)
おまけ
シビレエイその2の続報です。今日、小さめのものが2尾、定置網に入りました。
学名 Torpedo torpedo、 英名 Common torpedo、 ポルトガル名 Tremelga de olhos、 和名は未だ分かりません。
まずは1尾目です。
d0113817_5464912.jpg

きれいですね。どうしてこういう模様ができるのか不思議でなりません。では2尾目です。
d0113817_55525100.jpg

こちらもきれいですが。おや、1尾目とちょっと違いますね。なんか白い点が多いような。
d0113817_557827.jpg

おやおや。サン・ペドロの落としたコインがなんと「6つ」あります。ふつうは5つですから、これは珍しいです。もうけましたね。これは「おまけ」というよりは、今年は最高のご利益が期待できそうです。個体差なんでしょうけど、時々はこんなのもいるんですね。

もうひとつの「おまけ」は、今日の水揚げ時のかわいらしいビジターたちです。
d0113817_625998.jpg

Olhãoのカブスカウトの少年少女たちです。ここでもやっぱりカブスカウトは「元気」です。










______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-29 00:18 | サメ・エイ | Comments(0)
BS
日本のBS社製の「曳航イケス」です。定置網に入った魚の出荷調整用に使っています。
d0113817_1755870.jpg

可動式のこのイケス、とても便利です。もちろん写真では表層に浮くゴム製のフレームのみです。これにイケス網を吊り下げて完成です。このイケス網の中に魚を入れたまま、曳航が可能ですので、必要に応じてイケスの位置を移動します。しかし、前述のとおり便利なのですが、メインテナンスには多少手間がかかります。ここでは数年に一度丘に揚げ、分解をし、きれいに掃除を行い、修理をし、再塗装を施し、組み立てながら海に戻します。そして再び曳航して沖にもって行きますが、今年はなぜか「曳航許可」と「伴走費用」として"Capitania"から300ユーロちかい金額を徴収されてしまいました。
d0113817_2433052.jpg

"Capitania"とはいわゆる「海上保安庁」のようなもので、ここでは「海軍」直属です。つまり、ポルトガルの「海のボス」で、海に関する権限を一手に牛耳っています。トップは各地のCapitaniaに配属されている"Comandante"(コマンダンテ)と呼ばれる制服組の人間ですので、普通の人はやや引いてしまいます。でも、この人間が今回のBSの「料金」から、桟橋での遊魚料金まですべてを決めますので、「敵」にするとうまくないです。
d0113817_344567.jpg

くしくも、この日、4月25日(25 de Abril)は「自由記念日」(Dia de Liberdade)で祝日です。1974年4月25日 カーネーション革命。それまでの長期独裁政権を軍隊による無血クーデターにより打破。そしてポルトガルは「民主化初日」を迎えました。

上の写真はOlhãoのCapitaniaの庁舎です。建物の上に揚がる黒いバルーンは海況を表示しています。円筒形のものは沖が「南東からのうねり2m以上」です。ようするに「時化」ということです。また、夜間は黒いバルーンは見えませんので、緑のライトが点灯します。

うまくつき合っていくことが肝要です。












______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-26 07:02 | 定置網 | Comments(0)
自己最高
これは今までに「見た」最も大きなサバだと思います。
もちろん、定置網に入ったものです。
d0113817_16533643.jpg

学名 Scomber japonicus、 英名 Chub mackerel、 ポルトガル名 Cavala、 和名 マサバ です。
地元の人間も一様に「こんなにでかいサバは今までに見たことがない」と言っていました。

全長60cm (尾叉長 57cm)、魚体重1.7kg の大物です。
FishBaseでは 全長 64cm、 魚体重 2.9kg、魚齢 18年 という記録があると記載されていますが、
ことの真実は分かりません。
一方、FNAMではサイズは尾叉長で50cmまで、通常は30cmほどとなっていますので、優にこのサイズは超えています。
また、日本のサバについては神奈川県水産技術センターのWebページに詳しく記載されていますが、
そこにもこんなにでかいサバについての記述はありません。
d0113817_18443598.jpg

第1背鰭棘条は8本です。

捕獲日:2008年4月21日、 場所:ポルトガル・アルガルベ、 漁法:定置網、 水温:14℃、 天気:快晴。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-24 00:36 | | Comments(0)
今日の五目
漁の方は、少し調子が出てきました。
「今日の五目」を選んでみました。
d0113817_634344.jpg

何れも、今までにすでに登場した魚たちです。
メルルーサ鯛鹿タイ4姉妹「偽」ササウシノシタサルモネッテ
これらの記事を参照ください。
d0113817_6231440.jpg

毎年のことながら暖かくなるにつれて港での水揚げ時のギャラリーの数が増えてきます。
そんな中、本日のスペシャルビジターです。
d0113817_6275710.jpg

学名 Egretta garzetta、 英名 Little egret、 ポルトガル名 Garça branca pequena、 和名 コサギ です。
夏は北へ、冬は南へ移動する渡り鳥ですが、アルガルベ地方では年間を通じてその姿を見ることができます。
「今日の六目」でした。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-22 00:46 | 定置網 | Comments(0)
INOX
昨今、食品衛生上の問題からその必要性が急激に増加しています。
漁業の分野も例外ではありません。
d0113817_2259090.jpg

英名 Stainless Steel、 ポルトガル名 Aço Inoxidável、 和名 ステンレス鋼 です。
ポルトガルでは上記正式名から通常は"INOX"(イノックス)と呼ばれています。
INOXとは簡単に言えば「錆びにくい鉄」のことですが、鉄にクロム(Cr)を10.5%以上混ぜて作られます。
すると表面にうすい皮膜ができ、錆の発生防ぐというカラクリです。この皮膜は優れもので、傷ついてもすぐに
新しい膜が再生さ、いつまでもその美しさを保てる、ということです。

前述のとおり、INOXは漁業において今では無くてはならないものとなっていますが、それは食品衛生面のみならず、
むしろ、漁船においてはその機動性の維持に必要不可欠な素材となっています。
周知のとおり、船は水の上に浮かび、絶えず水と接していますので、そこで鉄を使用すると直ぐに錆びてしまい、
そのものの機能を著しく低下させる原因となってしまいます。そんな場合はINOXを使用します。
例えば、ここの定置網船ではいつも水の中にあるプロペラシャフトやプロペラ保護柵などはINOXを使用しています。

いつもピカピカ、スベスベで衛生面もOKで、機能性もバッチリのINOXですが、ひとつだけ大きな問題があります。

それは最近ますます高騰している「価格」です。
とにかく、高いです。
単純には比較できませんが、日本のそれより高いのは確実です。加えて21%(6月まで)のIVA(付加価値税)です。
たまりかねて、お隣りスペインのINOXの価格調査をしましたが、同じでした。
でもIVAが16%なので、この5%の違いは大きなものとなっています。

どうしても必要なものがこう高いと本当に困ってしまいますが、他にオプションがないので高くても購入してしまいます。
すると、もっと高くなってしまうということなのでしょうか。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-19 06:25 | 定置網 | Comments(0)
操業再開
まだ、天候が安定しません。無事、網入れは終えたものの、南東からの波の高い状態が続き、漁が思うようにできません。予報では、週末にもう一「波乱」ありそうな状況です。

でも、毎年のことです。
d0113817_2338238.jpg

「能書き」の多いことが、この商売の特徴です。
d0113817_052177.jpg

初物に感謝、です。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-17 05:50 | 定置網 | Comments(0)
Copo
今朝の日の出はジャスト7時でした。
d0113817_4575068.jpg

いざ、出陣です。
d0113817_459284.jpg

ポルトガル名 Copo(コポ)、 英名 Box net、 和名 箱網。
今日は「箱網の網入れ作業」です。
"Copo"とはコップやグラスのことです。英名のBox Netが和名の箱網の直訳であるのに対し、
独自の定置網文化を有するポルトガルではその形状から"Copo"呼ばれるようになったのだと思います。
d0113817_510341.jpg

定置網はいくつかの異なった網の組み合わせによって成り立っています。
Copoとは最終的に魚を漁獲する箇所の網で、他の網との一番の違いは底にも網がある点です。
よって網は「コップ状」になっています。
d0113817_515713.jpg

他には、道網、登り網、運動場網などがありますが、これらは水面から海底まで網を吊るし下げ、
魚を箱網まで誘導するために設置されているだけで、これらの網で魚を獲ることはできません。
d0113817_5234497.jpg

ポルトガルで日本式定置網を始めてから十年以上になりますが、この「箱網網入れ作業」は何度やっても難しいです。
というのも、ここでは基本的に年に1~2度のみ作業なので、漁師にとっては「覚えづらい」作業のようです。
d0113817_5335561.jpg

今日は特に風向きと潮向きが逆だったため、少々手間取った面もあった様子ですが、とりあえず、
無事作業を終えることができました。
d0113817_539134.jpg

明日から操業再開です。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-15 05:47 | 定置網 | Comments(0)
キクザメ
DD(Data Deficient : 情報不足) の1種です。地元刺し網船がOlhãoの市場に水揚げしました。

d0113817_695798.jpg


学名 Echinorhinus brucus、 英名 Bramble shark、 ポルトガル名 Tubarão prego、 和名 キクザメ です。
体長240cm、体重144kgの大物であり、市場内で明かりが少なかったことからうまく写真撮影できませんでしたが、キクザメとはこんな感じのサメです。

d0113817_4123552.jpg


最大の特徴は和名の由来でもある体表の「菊のご紋」です。またその紋の中央は棘条になっており、このことより英名では"Bramble(=いばら) shark"と呼ばれています。

d0113817_6115137.jpg


また、ポルトガル名も"Tubarão(=サメ) prego(=釘)となっています。歯も特徴的で、これにて「キクザメ」であることが直ぐにわかります。

d0113817_6273159.jpg


ovoviviparous(卵胎生)だと思います。世界中に分布しているようですが、冒頭にも述べたように、ごく稀にしか捕獲(漁獲)されないため、その生態等についてはほとんどわかっていないようです。

d0113817_6133972.jpg

体の後方に第1背鰭、第2背鰭、尻鰭、尾鰭がまとまっています。

d0113817_6144379.jpg


眼もいわゆる深海ザメのそれというよりは、ネコのような瞳があるかのようでした。

こんな感じですので、分類学上も他種との違いからキクザメ目(Echinorhiniformes)のキクザメ科(Echinorhinidae)、キクザメ属の1目、1科、1属2種とされる場合もあるようです。もう1種は「コギクザメ」(学名 Echinorhinus cookei)ですが、残念ながらこちらは大西洋には生息していないようです。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-08 05:23 | サメ・エイ | Comments(0)
IVA
「イヴァ」と読みます。
学名 「税金」、 英名 VAT(Value Added Tax、付加価値税)、 ポルトガル名 IVA(Imposto de Valor Acrescentado、付加価値税)、和名は「消費税」です。
d0113817_5552896.jpg

写真の新聞記事は総選挙を1年後にひかえたポルトガルの首相(PM)、José Sócrates(ジョゼ・ソクラテス)が先日、本年7月1日よりIVAを1%引き下げると発表した時のものです。とは言え、ポルトガルのIVAはヨーロッパでもトップクラスの21%ですので、1%のみの引き下げでは国民の反応はいまひとつのようです。それでもソクラテス政権はお隣りスペイン(16%)に近づいたと、その成果を強調していますが、2005年にもともと19%だったものを21%にいきなり引き上げたのも同政権ですので、説得力にも欠けるようです。当然、あの高い漁師の燃料代にも21%のIVAは課税されていますが、日本の消費税のように全ての物品に一律同率課税ではありません。例えば、生鮮食料品は5%ですので、鮮魚も5%です。ビールは残念なことに21%ですが、ワインはアルコール度数が高いにもかかわらず12%です。これは相当国民に配慮した結果だと思われます。その他かなり細かく分類されていますが、自動車や電化製品、衣料品は基本的に21%です。

何れにせよ、国の財政にあまり余裕のないポルトガルにおいて、今回のIVA引き下げ決定に反対の意を示しているポルトガル銀行の総裁などは「これで今年のあらゆる分野での減税の余地はなくなった」とか言っていますので、この先どうなるのやらです。

つい最近知ったことですが、例のASAEは抜き打ち強制検査ですが、「有料サービス」だそうです。検査を受けた方にとっては、まさに「踏んだり蹴ったり」の内容のようです。











______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-04 04:56 | ポルトガル経済 | Comments(0)
「偽」ササウシノシタ
日本にもたくさんいます。「ニセ×××」と呼ばれている魚の話です。
d0113817_3372140.jpg

学名 Microchirus azevia、 英名 Bastard sole、 ポルトガル名 Azevia、 和名はありません。
上記学名はFishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean(FNAM)の記述どおりですが、
FishBase等では"Microchirus theophila"となっています。どうしてこういうことになっているのかは分かりませんが、
両者は「同一種」です。
d0113817_522131.jpg

これまでに登場したササウシノシタ科(Soleidae)とは比較的簡単に見分けることができます。
まず、側線が眼と鰓蓋間上部で鋭角に折れ、S字を描いています。他の種ではこの角度が鈍角です。
また、無眼側の背鰭、尻鰭、尾鰭に「青色と黄色」の配色が認められます。(注:鮮度落ちした個体では識別は
難しいと思われます。)
d0113817_529199.jpg

他の種に比べ、尾鰭が大きく、背鰭・尻鰭とは完全に離れているのも特徴のひとつです。
d0113817_5342231.jpg

このように他種とはいろいろな点で異なり、明らかに"Microchirus azevia"なのですが、何故か英名では
「ニセササウシノシタ」と呼ばれています。"Bastard"とは「雑種」「偽物」などあまりよい意味では用いられず、
相手を罵倒する言葉としても使われています。インパクトとしては「ニセ」よりもずいぶんと強い印象を受けます。
d0113817_5494792.jpg

英国人の考えていることはよく分かりません。日本人にとっては「当たり前」のヒラメ(Paralichthys olivaceus)も
英国人にとっては「ニセ・ハリバット」(Bastard halibut)となります。彼らにとってはハリバット(オヒョウ)
(Hippoglossus hippoglossus)が「当たり前」で、ヒラメは「偽物」ということになります。しかもヒラメはヒラメ科
(Paralichthyidae)ですので左向きですが、オヒョウはカレイ科(Pleuronectidae)の魚ですので右向きです。
大きさもぜんぜん違います。なのに「われわれの方が本物」と言い張ります。
とか言っても、"メジナモドキ"というのがいました。これは当然日本人がつけた名前です。
やはり、どこでも「おらが村が一番」なのでしょうか。
d0113817_6395253.jpg

ところで、現地ではこの種に関して困った問題があります。上の写真の個体も"Microchirus azevia"です。
冒頭の写真のものと「色」以外は何も変わりませんが、これらがまとまって漁獲されるのです。
よく観察すると「同一種」であることが分かりますが、パッと見、異なります。ですから、市場では違う種として
扱われています。ポルトガル名は前者を"azevia"、後者を"malacueco"と呼んでいます。
この種に限らず、ポルトガル名には別名、俗名、地方名など数多く存在します。極端な例としては
20kmしか離れていない隣村ですら名前が異なる場合もあるほどですので、今回に関しては「アルガルベの
オリャオ」においての話と、限定します。
d0113817_6594011.jpg

"malacueco"(マラクェッコ)ですが、地元の人間にとっては「ニセササウシノシタ」以外に、祭りの屋台などで
よく売っている小麦粉と卵を練り混ぜて揚げた後に砂糖をたっぷりまぶした「ドーナッツ・モドキ」のことも
やはり「マラクェッコ」と呼んでいます。昔は街中で売り歩く人の姿もよく見かけたそうです。
「魚」が先か、「ドーナッツ」が先かはどちらでもよいのですが、甘いもの好きのポルトガル人にとっては
"malacueco"と名のついた「ニセササウシノシタ」の方が「美味しそう」に見えるらしく、常に高値です。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-04-02 00:38 | | Comments(0)
コケビラメ
"Carta"(カルタ)という名で知られています。「いろはかるた」のそれです。
d0113817_7572889.jpg

学名 Citharus linguatula、 英名 Spotted flounder、 ポルトガル名 Carta de bico、 和名はありません。
コケビラメ科(Citharidae)で1属1種です。
上記ポルトガル名は"Carta"に"bico"(とんがり)という形容する言葉が付いていますが、これについては
あくまでもオフィシャル・ネームということで、漁師、お魚屋さんをはじめ、知っている人はごく僅かと思われます。
d0113817_895137.jpg

"Carta"には手紙、免許書、カード、トランプ、地図などいろいろな意味がありますが、ようするに「ペラペラなもの」ということです。
アルガルベでは本種以外にもダルマカレイ科(Bothidae)のナガダルマガレイ属(Arnoglosus)の魚が同じく
"Carta"と呼ばれています。
d0113817_825654.jpg

種によっては両者はとてもよく似ています。ナガダルマガレイも「カレイ」といいつつも「左向き」です。
個人的にはこの2種を識別する際、その両眼の位置を確認します。上眼が下眼より前に出ていればコケビラメ。
またその逆で、上眼が下眼より後ろにさがっていればナガダルマガレイ、といった感じです。
d0113817_8354292.jpg

英名では"Spotted flounder"となっていますが、肝心の「スポット」がよく分かりません。
これはこの種が漁獲される際に魚体を傷めてしまうためです。「スポット」は上の絵のように背鰭、尻鰭の基部に点在します。

食する場合は「干物」が最適です。カラッと、ビールで。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-31 00:15 | | Comments(0)
寒のもどり
彼岸が過ぎて「寒のもどり」です。
等圧線が南北に伸び、寒気が南下してきています。風が冷たく、朝晩冷え込みます。一気に乾燥させます。
とはいえ、ここでは朝の気温が10℃以下になると個人的に勝手にそう思っているだけのことです。

海とは反対の北側にできた積乱雲(入道雲)です。
d0113817_626434.jpg

その前には、天気は少し愚図ついて、虹も出てました。
d0113817_637750.jpg

週末はまた少し雨模様の天気になるのかもしれません。
天候が落ち着くにはもうしばらくかかりそうです。
d0113817_22375941.jpg

水温が下がり、巻き網船はイワシに混じりカタクチイワシを獲っています。

こうしてボーッとしている時にうれしい知らせです。
d0113817_64433100.jpg

元国営市場よりプレートが贈呈されました。
これが少し説明するのが難しいのですが、直訳すれば「威信ある船主2007年」といったことになります。
ようするに「魚のクオリティー」が評価されたわけです。

さーて、今年もそろそろかな。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-28 01:38 | 定置網 | Comments(0)
Mac
また、デカイ看板を立てたものです。
1991年。初めてポルトガルに来た時はまだ1店舗もありませんでした。
d0113817_20221228.jpg

しかし、間もなく最初の店がリスボン近郊にオープンする予定になっていると聞き、少々「遅すぎる」1号店について、
当時、誰かに尋ねた記憶があります。すると彼はこう答えました。
「ポルトガルでは流行らないね。ポルトガルにはうまいパンがある。ポルトガル人はあぁいうパンは嫌いだ。」と。
「なるほど。」と納得したものです。

あれから17年。今ではポルトガル全土で200店舗ちかくとなりました。
数年前にはOlhão(オリャオ)でもオープンしました。
「こんな田舎にまで、世界一元化の波」です。
正直言って、流行っています。あの人は行かないだろう、と思っていた人たちまで行っています。
でも、漁師はごく一部を除いて、行きません。「漁師」とはやはりそういった人種なのでしょうか。

昨今、一般的にこうした「世界中どこへ行っても同じ」というものが増えています。
アルガルベも例外ではなく急速にそうなりつつあるように思われます。
特にスーパーマーケットやショッピングセンターの類はどこもかしこも同じようなところばかりで、興味半減です。
知らないところで知らないものを見て、触れて、得られる刺激のようなものはトンと少なくなりました。

確かに便利です。
知らない土地で、特に一人の時など、体調が良ければ「冒険」も試みれますが、食事が億劫な時など、
時間に余裕がない時などなど、「知ってる」というだけで少し安心した気持ちで入ることができます。

しかし、どっしり大地に腰を下ろした看板を見ていると、早くもその地に根付こうとしている市場原理の物凄さに
圧倒されてしまう反面、その分あの「うまいパン」が売れていないのかなと、ふと、寂しい気持ちになります。

少し考えは飛躍しますが、海外で定置網をおこなうということも、「こういうことなのかも」と思ってしまいます。

日本での値段は知りませんが、そんなに高くはないのではと思います。
オリャオで、大きなハンバーガー+飲み物(大)+フライドポテト(大) を注文すると、700円ほどです。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-26 02:46 | ポルトガル文化 | Comments(0)
イシナギ
スズキ目(Perciformes)で一見「ハタ」のような魚ですが、実は「イシナギ」という聞き慣れない科(Polyprionidae)の1種です。
d0113817_18412880.jpg

学名 Polyprion americanus、 英名 Wreckfish、 ポルトガル名 Cherne、 和名 アルゼンチンオオハタ。

学名および和名からもこの種がアメリカ大陸側に多く生息している(いた)ことが連想されますが、FishBaseなどによると、大西洋のみならず、インド洋にも太平洋でもその生息が確認されているようです。しかし、日本近海にはいないようです。アルガルベでの水揚量はずいぶんと減少しました。これは資源量の低下というよりは"ユメカサゴ"同様、漁船数の減少に起因するものだと思います。ここで水揚される魚類では一番の高値のつく魚で、当然人気もありますので、定置網の"コルビナ"もこの魚と一緒に市場に並んだ際は値を下げてしまいます。
d0113817_20133740.jpg

和名では「アルゼンチンオオハタ」となっていますが、前述のとおり、「ハタ」ではありませんし、アルゼンチン近海にのみ生息しているものでもありません。よくあることですが、この和名は誤解を生む類のものです。英名では"Wreck(=遭難)fish"と少々恐ろしい名前がついていますが、これはこの魚がたいへん好奇心旺盛で、時に漂流物(=wreckage)などについて泳ぐ習性の持ち主であることから名づけられたものと思います。定置網で漁獲されることはめったにありませんが、定置網の周りでは特にこの若魚(30~40cm)をよく目にします。浮子(アバ)やロープの下に隠れ潜んでいます。そこに石ころでも投げ込むと「何だ」とばかり出てきますが、そんな時、漁師のタモ網ですくわれてしまいます。こんなところは"Balistes capriscus"にも似ています。ポルトガル名"Cherne"(シェルネ)は有名な「ジャスト・ア・ネーム」です。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-24 06:45 | | Comments(0)
「贋作」ガンギエイ
こっちが"「聖ペテロ」のガンギエイ"かと思ったくらいです。「コインがふたつ、はっきり落ちている」と思ったのですが、どうやらこれはコインではなさそうです。
d0113817_2352434.jpg

学名 Raja(Leucoraja) naevus、 英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos、 和名はありません。ポルトガル名は鰭の2点を「目」に見立てて「2ッ目ガンギエイ」といったごく普通の魚名になっていますが、問題は英名です。このエイのどこが鳥の「カッコー」に似ているのか皆目見当もつきません。
d0113817_03485.jpg

「カッコー」はご承知のとおり、他の鳥の巣に托卵することで有名です。世間でこの行動は「無責任で、ちゃっかりもの」と理解されており、それ故かは知りませんが、英語で"Cuckoo"というとあまりよい意味では使われていないようです。日本語でも然り。「カッコー」を「閑古鳥」と表記しますが、これも「さびれた」といったような意味で、物寂しさが漂います。
d0113817_0204864.jpg

「カッコー」といえば、"One flew over the cuckoo's nest"を思い出します。ロバート・デ・ニーロのそれです。この場合も精神科の病院のことを蔑称で"the cuckoo's nest"と表しています。"Cuckoo clock"も日本語では「カッコー」のさびれたイメージが嫌われ、「鳩時計」とかになっています。
d0113817_0423890.jpg

それでは何故、英国人はこのガンギエイを"Cuckoo ray"と呼んだのでしょうか。しないと思いますが、このエイも「托卵」するのでしょうか。このエイを見ていると寂しくなるのでしょうか。このエイが何か悪いことでもしたというのでしょうか。何が「贋作」なのでしょうか。
d0113817_0495250.jpg

ここでは残念ながら結論には至りませんが、英国人が考えるとしたら、この鰭のマークが「カッコーの卵」に似ている、もしくは「托卵された他の鳥の巣の中の様子」に似ている、っていうあたりではないかと思っています。

このガンギエイはシリーズ第5弾です。今までに登場した仲間は下記のとおり。

Raja undulata
Raja clavata
Raja(Raja) asterias
Raja(Leucoraja) circularis










______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-22 04:39 | サメ・エイ | Comments(0)
クラインさんのササウシノシタ
たぶん、大昔の生物学者の人物名だと思います。
その方にちなんで命名されたのが、このササウシノシタ科(Soleidae)の1種です。
d0113817_693265.jpg

学名 Solea kleinii、 英名 Klein's sole、 ポルトガル名 Linguado turco、 和名はありません。
学名についてはその分類の違いによって諸説あるようですが、ここでは"Fishes of the North-Eastern Atlantic
and the Mediterranean"に記載されているとおり、"Solea vulgarisやSolea senegalensis"と同様に
Solea属の1種としました。
d0113817_6241021.jpg

FishBase等ではSynapturichthys属の1種としており(学名 S. kleinii)、この場合は1属1種の分類となっています。
d0113817_6294589.jpg

これも珍しい魚の1種だと思います。
正式なポルトガル名は"Linguado(ササウシノシタ)turco(トルコ)"となっていますが、どこでたずねても通じません。
"Linguado zebra(シマウマ)"といった方が、名の通りがいいと思いますが、それでも普通の人は知りません。
大体、「シマウマ」にはまったく似ていませんし、「シマウマ」のことを知っているのか聞きたいくらいです。
ふと、思ったのですが、ひょっとしたらポルトガル人たちは魚体の有眼側ではなく、無眼側を表現している
のではないかと。無眼側の魚体の「白」と背鰭・尻鰭の「黒」のコントラストを言っているのかもしれません。
d0113817_641841.jpg

無眼側の先端の鼻孔は"Solea lascaris"ほどではないですが膨れ上がり、"cupola(丸屋根)-shaped"と表現されています。
d0113817_6512147.jpg

胸鰭の黒点は中央に円形で入っています。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-20 05:29 | | Comments(0)
地中海コショウダイ
まずは「コショウダイ」(学名 Plectorhinchus cinctus)からです。
日本でも漁獲量はあまり多くなくメジャーな魚ではないと思いますが、斜めのラインと黒い斑点が印象的な魚です。
しかし、残念ながら日本と同じ「コショウダイ」はポルトガル海域には生息していません。
「コショウダイ」の名前の由来は、現代では黒い斑点からイメージして塩・胡椒のコショウとも思われているようですが、
もともとは侍時代に殿様に仕えた小姓の装束がそれに似ているため名づけられたものと考えられているようです。

それでは「地中海コショウダイ」です。
d0113817_21122881.jpg

学名 Plectorhinchus mediterraneus、 英名 Rubber lip grunt、 ポルトガル名 Pargo mulato、 
和名はありません。
日本の「コショウダイ」同様、こちらも漁獲量は少なく市場ではまれに見る程度ですが、スーパーなどでは
どこからか送られてくるようで、時々目にします。ポルトガル名は"Pargo"となっていますが、
タイ科(Sparidae)の魚ではありません。イサキ科(Haemulidae)、コショウダイ属の1種です。
d0113817_2133714.jpg

この魚の特徴は何といっても、その「唇」です。
まずはポルトガル名ですが、"mulato"とはブラックとホワイトの混血の人のことで、ようするに「ちびくろサンボ」から
連想する「ぶ厚い唇」から名づけられています。余談ですが、「不死鳥・村田兆治」もポルトガル語では
「黒人と白人の混血の女の子」(=mulata)になってしまいます。
d0113817_2154950.jpg

次に英名ですが、"Rubber lip"とはまさにその「唇」のことです。
"grunt"とはブタなどがブーブー鳴くことや不平不満をもらすことをいいますが、なぜか「イサキ科の魚の総称」
としても使われています。しかし、この類の魚が「ブーブー鳴く」のかどうかは定かではありません。
再び余談ですが、スラングで"grunt"とは陸軍の「歩兵」を意味するようです。歩兵隊が行進する様は
まさに「ブーブー鳴いている」ように見えるのでしょうか。ここで想い出されるのがG.I.Joeです。
確か"Grunt"という奴もいたと思います。南北戦争の英雄、後の合衆国大統領の「グラント将軍」はどうでしょうか。
やはり「ぶつくさ文句ばかりいう人」だったのでしょうか。違います。「グラント将軍」は"Mr.Ulysses S. Grant"ですので、
"u"ではなく"a"でした。この場合はありがたい「奨学金」という意味になります。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-18 06:53 | | Comments(0)
多宝魚
ここで「ギョーザ」の話をするつもりは毛頭ありませんが、昨今、日本で騒がれている「食の安全」にも関連する一魚です。"ヒラメ"でも登場しました。タイトルは中国名です。
d0113817_23452873.jpg

学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado、 和名 イシビラメ。
漁獲量は多くはありません。しかし美味です。それゆえでしょうか、一時ポルトガルをはじめヨーロッパ各地で盛んに養殖が行われるようになりましたが、流行のピークは過ぎたようで、現在ではスーパーの魚売り場等では常時置いてはいるようですが、見た感じでは「人気商品」とはなっていない様子です。写真の個体はもちろん「天然物」です。地元漁師の刺し網にかかってきたものです。
d0113817_23571922.jpg

もともとヨーロッパが原産のこの魚は前述のとおり養殖されてものが世界中をかけ巡りました。そしてそれらが爆発的人気を博したのが中国でした。その後、中国国内で「多宝魚」の養殖が盛んに行われるようになりましたが、今から数年前に養殖魚特有の「薬」の問題が表面化し、一時、全面的に販売が中止されたそうです。
d0113817_095488.jpg

養殖魚とはいえ、親魚は天然物です。しかし、交配をくり返し、世代が進むにつれ、ややこしいことになってきます。また、閉鎖的な環境で育つ養殖魚はもともと体が弱い(天然魚に比べ)ため、どうしても病気予防や生長促進のため「薬」に頼わざるを得ない状況になることがあります。そんな時、抗生物質や成長ホルモン剤を添加した餌を与えるのですが、これらは魚の体内に蓄積され、これ以上だと食べると人体にも影響が出るという「基準値」を超えることがあります。
d0113817_0293667.jpg

しかし、「天然物」とはいえ、生息海域の環境汚染が広がれば、養殖魚と同じように、もしくはそれ以上に深刻な事態になりかねません。特にこれら"Flat fish"の類は、常に海底にへばりついて生活していますので、「環境」から受ける影響は大きく、また早いと推測できます。
d0113817_0391474.jpg

いつまでも美味しい魚が食べれるように、努力が必要です。













______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-16 07:44 | | Comments(1)
観天望気
先週末、パーッと晴れました。一面の青空をふと見上げると、飛行機雲です。
d0113817_711989.jpg

こういうのを見ると、いつも「観天望気(かんてんぼうき)」です。結果、この飛行機雲はなかなか消えませんでした。このまま一気に夏かとも思いましたが、まだ早いようです。やはり、二日後には雲が広がり、ポツポツ雨もありました。
d0113817_7344228.jpg

少し見にくいですが、西に傾く太陽を中心にできた「丸い虹」です。「朝虹は雨、夕虹は晴れ」となります(でもこの場合は少しちがいますけど)。

ようするに、「あ~した、てんきにな~れ」の下駄のようなものですが、いろいろあって面白いです。なかには知っててとてもタメになるものもありますが、けっこういい加減なものも多いです。それでもしゃれっ気があってよいと思います。例えば「ネコが顔を洗うと雨が降る」とかは、ちょっと疑わしいです。逆に考えるとアルガルベのネコは夏の約半年間は顔を洗わないことになってしまいます。また、「東の雷は雨は降らない」というのもあります。これは一理あります。通常天気は西から東へと移動するからです。
d0113817_754205.jpg

しかし、その時の風向きによってはグングンこちらに攻めてくる東からの雷もありますので、注意が必要です。

飛行機雲については、水滴の塊ですので直ぐに消えない場合は「上空が湿っている」と判断します。よって、天気は下り坂、ということになります。
d0113817_737471.jpg

20th Century Fox の映画の始まりではありません。上空に残った飛行機の航跡です。











______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-14 08:01 | 気象 | Comments(1)
聖ペトロのガンギエイ
ガンギエイ・シリーズ第4弾です。
(既に登場した3種は"Raja undulata"、"Raja clavata"、"Raja asterias"です。)
d0113817_18433757.jpg

学名 Raja(Leucoraja) circularis、 英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro、 和名はありません。「聖ペテロ」(= São Pedro)に関係する魚は数多くいます。以前にも登場した"目玉シビレエイ"もその1種ですが、今回のものは、例の「聖ペトロが落としたコイン」が見当たらないようですが。
d0113817_1931666.jpg

ありました。クリーム色をした小さなコインで見落としがちですが、確かにあります。しかも"目玉シビレエイ"よりも多い6個です。このコイン数には個体差があるようですが、通常4~6個だそうです。
d0113817_2241679.jpg

そもそも魚名と宗教を関連つけるのは感心しかねますが、日本にも"ネンブツダイ"というのがいますので、これも文化のひとつなのでしょう。










______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-12 05:38 | サメ・エイ | Comments(0)
牛タン
まさに「ウシノシタ」です。
しかも、これが何と「ポルトガルのウシノシタ」って言うんですから、愉快です。
d0113817_9172372.jpg

d0113817_9174990.jpg

学名 Synaptura lusitanica、 英名 Portuguese sole、 ポルトガル名 Lingua de vaca、 和名 ありません。
今回は命名はしません。あえてこのままでよいと思います。
ササウシノシタ科(Soleidae)のミナミシマウシノシタ属の1種です。
ポルトガル名の"Lingua"は「舌」のことで、"vaca"は「牛」のことです。英名は「学名通り」(lusitanica=ポルトガルの)です。
d0113817_9461042.jpg

「ポルトガルのウシノシタ」とはいえ、水揚量はごく限られたものだと思います。ようするに珍しい魚の部類です。
市場でお目にかかることはまずないのでは、と思います。
d0113817_1012854.jpg

鰭が独特で、とても美しい形状の持ち主でした。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-10 07:09 | | Comments(0)
ユメカサゴ
『カサゴ』というと浅場で岩陰に隠れ、じっとしているようなイメージがありますが、この個体は水深200m以上の海底から
地元漁師が仕掛けた延縄により釣り上げられたものです。
d0113817_234696.jpg

学名 Helicolenus dactylopterus dactylopterus、 英名 Rockfish、 ポルトガル名 Cantarilho、 和名 ありません。
Fishbase等では英名は"Blackbelly rosefish"となっています。この種の和名はないようです。属名はユメカサゴ属です。
日本では釣り人の間で広く「ノドクロ」と呼ばれています。ようするに口内が黒いのですが、この「黒」がお腹の中まで
続いているので"Blackbelly"(腹黒)となっているようです。
d0113817_23225166.jpg

一昔前までは多く水揚げされていた魚ですが、対岸のモロッコとの漁業協定により、地元では減船を余儀なくされ、
最近ではまれにしか市場で見ることがなくなりました。アルガルベ地方のSotavento(Faroより東側)では岩場が少なく、
もともとこの類の魚は少ないのですが、人気のある魚だだけに少々さびしい感じがします。
「昔」、ポピュラーな魚だったことは、たくさんの俗名が存在することからも察することができます。
d0113817_23471757.jpg

正式なポルトガル名(Cantarilho=カンタリーリョ)の由来は定かではありませんが、いくつかの語源が想像されます。
この魚は釣り上げられた時など"コルビナ"のようにグーグーと鳴くことがあります。
これを「歌っている」(cantar)と思い名づけられたとも考えられますが、俗名で"Rouca"(しわがれ声)と
呼ばれていることからも、「鳴く」といっても小鳥のように美しい声で鳴くわけではないので、「歌っている」と
思われる可能性は低いのでないかと考えます。
"Galinha do mar"(海の鶏)という俗名もありますが、これは背鰭が鶏のトサカに似ていることからついた名前だと
思います。
d0113817_12324.jpg

"Cantarilho"自体は造語です。どの言葉から派生したものか考えた際、"cantaro"(水差し)という単語を見つけました。
一見、魚の名前とは何の関係もないように思われますが、これがあの「グーグー鳴く」と結びつきました。
この「水差し」はテーブルの上に置かれるような小さなものではなく、どちらかといえば、土間の片隅にひっそりと
たたずんでいるような比較的大きなものです。そこから水を移す際、「水差し」を傾けます。すると「どくんっ、どくんっ」と
音を立て、水は流れ出します。これが「魚がグーグー鳴く声」とされたのではないか、という意見が出ましたので、
思わず賛同してしまいました。
d0113817_7414413.jpg

ちょっと無理のある仮説のような気もしますが、「ユメ」があっていいと思います。
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-07 01:14 | | Comments(0)
リングアード
はじめに。
"ササウシノシタ"において、種の異なった写真を掲載していましたので、差し換えを行いました。そして、あらためてここに2種のササウシノシタ科(Soleidae)の魚について述べます。アルガルベ(ポルトガル南部)ではともに"Linguado"(リングアード)の名称でとてもポピュラーな魚なのですが、2種はとても似ていて、その種の同定の難しさから、今では両者の形勢が逆転して市場に定着してしまっているかのようです(と思っています)。
d0113817_19414322.jpg

学名 Solea vulgaris、 英名 Common Sole、 ポルトガル名 Linguado legitimo、 和名 ヨーロッパソール
d0113817_1944236.jpg

学名 Solea senegalensis、 英名 Senegal sole、 ポルトガル名 Linguado branco、 和名 ありません。

見た目の色や若干の模様については個体差の範疇です。検索ポイントは側線の走り方、眼の位置・大きさや口、鼻の形状や大きさです。明らかな違いは見当たりません。いろいろな角度から両者を観察したいと思います。まずは、ひっくり返します。いずれも同じ個体です。
d0113817_2023882.jpg

d0113817_2031257.jpg

似ています。背鰭、臀鰭の棘条数にも大きな違いはありません。続いて、無眼側の頭部、尾鰭部のアップです。
d0113817_23173446.jpg

d0113817_23181212.jpg

d0113817_23184413.jpg

d0113817_23191455.jpg

いわゆる「下唇」の厚みに違いがあるように思われるのと、尾鰭の先端がS.vulgarisの方が黒っぽいように思われます。続いて、顔面アップです。
d0113817_23472033.jpg

d0113817_2347578.jpg

どうでしょうか。何か違いはあるでしょうか。一見何も違いはないように思われますが。しかし、こうなるとまったく「神の悪戯」としか思えない、重要な検索部位が隠されていました。
d0113817_095971.jpg

d0113817_0103212.jpg

キーワードは「胸鰭の黒色部」です。確認のためにS.senegalensisの別の個体のものも見てみます。
d0113817_0155316.jpg

やはり、違います。S.vulgarisのものは胸鰭上部後縁にブロッチ(blotch)状になっているのに対し、S.senegalensisのものは黒色部は鰭全体に広がっていますが、鰭条(きじょう)にはなく、どちらかというと、鰭条と鰭条の間の膜が黒くなっていることが分かります。ちなみに、"ササウシノシタ"で出てきた"Solea lascaris"のものは、胸鰭中央に「一筋の黒いライン」状になっており、S.senegalensisと比べると、下の写真のようになります。
d0113817_0471629.jpg

冒頭で述べたようにこれらの魚種名に混乱がおきています。正確な漁獲量については把握していませんがオリャオの市場で見る限り、S.senegalensis(Linguado branco)の方がS.vulgaris(Linguado legitimo)のそれより多いように思います。そのためか、本来の"common=legitimo"が入れ替わっているのではないかと想像しています。市場で"Linguado branco"といっても誰も確かな反応を示しません。それどころか"こっちがlegitimoだ"といいます。また、S.vulgarisには"Linguado ferrugento=錆びついたササウシノシタ"という、どちらかというと「ネガティブ」な名前を付けて呼んでいます。"vulgaris"、"common"、"legitimo"、"ヨーロッパ"と、まさにこの海域でのピュアなササウシノシタとして君臨してきた姿はもうここにはありません。そもそもなんでこのような状況になってしまったのかはわかりません。そのうち、「謎」が解けたらいいなと思っています。
d0113817_1332187.jpg


フ~ッ。









______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-05 07:21 | | Comments(0)
"てんてん"ガンギエイ
"ガンギエイ"のRaja undulata、"イボガンギエイ"の Raja clavata に続くポルトガル南部で漁獲されるガンギエイ属第3種目です。和名がないのでいつも通り、命名しました。
d0113817_2352964.jpg

学名 Raja(Raja) asterias、 英名 Starry ray、 ポルトガル名 Raia pintada、 和名はありません。
英名、フランス名、スペイン名ともに「星エイ」ということになっていますが、ポルトガル名は違います。"pintada"とは、「そばかす」のようにプチプチが点在している様子を表しています。"oviparous"(卵生)です。卵は"H"型の面白い形をしています。
d0113817_051040.jpg

この類の種の同定は、似たような模様も多く、また、個体差も加わってなかなかはっきりしません。種類も多く、Raja属は世界におおよそ130種がいて、近隣海域でも30種近くがいるそうです。しかし、港では決して珍しい魚ではなく、こんな時、海と丘の距離を感じます。
d0113817_163976.jpg

ポルトガルの市場でも種まで分けてはいません。総称ですべて"Raia"で販売されています。味に違いがないのかは不明です。
d0113817_1134394.jpg











______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-03-03 07:15 | サメ・エイ | Comments(0)
"おとな"のカンパチ
"小カンパチ"、"若カンパチ"に続く「ヒレナガカンパチ」第三弾です。ようやく"おとな"になりました。
d0113817_20335863.jpg

あらためまして。
学名 Seriola rivoliana、 英名 Almaco jack、 ポルトガル名 Charuteiro (Peixe-azeite / Lírio) です。
しかし、この個体はアルガルベのものではありません。大西洋上に浮かぶアソレス諸島から昨晩空輸されたものです。
こうして間近に成魚のヒレナガカンパチを観察してみると、夏場に時々定置網に入る大型のカンパチは、どうやら「カンパチ」
(学名 Seriola dumerili)のような気がしてきました。日本ではヒレナガカンパチの方がカンパチよりも南方系で
島周りに多い種となっていますが、こちらでも似たような生息分布をしているのかもしれません。
また、北東大西洋および地中海海域に生息する多くの魚同様、産卵期になると産卵場所として地中海、あるいは
カディス湾を利用しているのかもしれません。
d0113817_21284315.jpg

カンパチもポピュラーな魚でありながら、その生態についてはあまりよく分かっていないようです。
学者さんたちにはもう少し頑張ってもらいましょう。
さて、卵は"Pelagic eggs"(浮遊卵)です。波に漂い、どこかで孵化します。小カンパチがよく流木や流れ藻の下に
着いていることは知られていますが、「彼ら」はそのままアソレス諸島まで行ったのでしょうか。
d0113817_21551898.jpg

[PR]
# by mobulamobular | 2008-02-29 00:46 | | Comments(0)
食べものだけじゃない
"木材"、"ASAE" に続く、ASAE(アザイ)シリーズ、第3弾です。
d0113817_23235763.jpg

ある事例があります。2004年のことですが、あるイギリス人グループが観光でアルガルベを訪れました。
一般的にアルガルベでの宿泊はホテルのみならず、大人数の場合はこのイギリス人グループのようにプール付きの家を
一軒借り上げて過ごすのがとてもポピュラーです。しかし、宿泊始めてから数日後、グループの一人がプールサイドで
タイルに足を滑らせ転倒し、頭を強打、一命はとり止めたものの後遺症の残る結果となってしまいました。
その後、このイギリス人は事故の原因は「滑りやすいタイル」にあったとこの家のオーナーを相手に訴訟を起こしました。

これは知り合いの不動産屋さんから聞いた話ですが、この事件の前後あたりから観光客用の家(Accommodation)への
規則が非常に厳しくなってきたそうです。この検査を行っているのも"ASAE"です。

例えば。
フランス人に家を貸す場合は、その家はフランスの法律に適合したものになっていなくてはならない。
ドイツ人の場合は、ドイツの。オランダ人の場合は、オランダの、っといった具合だそうです。
その「認定」を受けるには各国から検査官を招くなり、マニュアルを入手して自分で行うことになります。
上記3カ国の場合などはまだ規則が「似ている」ので1国のものを満たせば、他国にも応用できるのですが、
イギリスの場合はずいぶんと異なった条件や状況が要求されるらしく、大いに手間となるそうです。

例えば。
プールサイドには「滑り止めタイル」(こんなものはポルトガルでは今まで見たこともきいたこともありません)が使用されているか。
風呂用湯沸かし器の温度がある一定温度より上昇しないようになっているか、また、その温度計は設置されているか
(彼曰く、「ポルトガルでは湯の温度が熱い時は水をいっしょに出すのが常識だ」。どこでもそうだと思いますが。)。
階段の角度、垣根の高さ、冷房機器・暖房機器の状態、消火器等火災への対策、等々。数え始めたらキリがないのですが、
すべて、家を貸す相手国の規則に適合していなければならないそうです。
なぜならば、それが「ヨーロッパだから」といったところでしょうか。

ASAEは例によって検査を強行します。家主の事情などおかまいなしです。
アルガルベは「観光以外に産業はない」と言っていいほど、観光業に依存した地方です。漁師(漁業)でさえその恩恵を
多く受けており、「観光業者のピンチ」は他人事とは思えないのが現状です。
d0113817_19591238.jpg

[PR]
# by mobulamobular | 2008-02-27 00:58 | ポルトガル文化 | Comments(0)
"ハタタテホウボウ"
和名がないので、また、命名してしまいます。この手の魚の名前は、今までの習いからどんな和名が適当かおおよそ判断がつきます。参考となるのは"タイ五女"です。
d0113817_19144636.jpg

ホウボウ科(Triglidae)の魚です。学名は文献によって異なりますが、"Fishes of the North-eastern Atlantic and Mediterranean" のものを前に、( )内にはそれ以外のものを記載します。
d0113817_19151166.jpg

学名 Aspitrigla obscura (Chelidonichthys obscurus)、 英名 Longfin gurnard、 ポルトガル名 Ruivo、和名は分かりませんので、タイトル通り"ハタタテホウボウ"とします。
ポルトガル名ですが、"Ruivo"とはホウボウ科の魚の総称として最近は使われているようです。いわゆる「小魚」で、水揚量も少なく、判別も難しく、値段にも差がないことから、市場では皆一緒にして販売されています。しかし、味には差はあります。 例えば"ホウボウ"などは日本でも高級魚です。
d0113817_19473659.jpg

正式には "Cabra de bandeira"といいますが、この名前を知っているのは学者さんくらいだと思います。ちなみにCabra=雌ヤギ(チーズはCabraが一番です)、bandeira=旗、のことです。街では"Ruivo"の代わりに"Cabra"と表記されていることもありますが、この時点ではホウボウ科の魚であることは分かりますが、種までは分かりません。
d0113817_2072992.jpg











______________________________________________________________
[PR]
# by mobulamobular | 2008-02-25 00:19 | | Comments(0)