離婚
定置網漁師の一人が10数年続いた結婚生活にピリオドを打つ、踏ん切りがついた様子です。
英名 Divorce、 ポルトガル名 Divórcio、 和名 離婚、ということになります。

胃が痛くなって、体重を減らし、この数カ月間辛い思いをした末での彼なりの結論ですので、それはそれで尊重したいと思います。しかし、結婚する前の二人、結婚式での二人、結婚後の二人、子供ができてからの二人をよく知っており、うまくやっているように見えていたので、甚だ残念です。これ以上、ことを悪化させないための「離婚」ということになりそうです。

彼らの「離婚」については、他人事ですのでとやかく言うつもりはありません。しかし、ここポルトガルは敬虔なクリスチャンの国ですから、離婚は少ないものと思っていましたが、実際はその逆で、周りの状況だけ見ていえば、その率は5割以上ではないか、とも思えるほどです。一方、お隣りスペインはというと、男についてはもっと「遊び人」のイメージがありますので、離婚率はもっと高いのではないかと考えがちですが、実際は厳粛なカトリックの教えにより、途中で何があろうとも離婚に至るケースは少ないようです。

ですから、今回の離婚話が持ち上がって彼が相談に訪れてきた時にも、周りからは「子供がいるんだから、離婚はするな」とか、「バカなことは考えるな、もっと話し合って、二人で他の解決方法を探せ」とかいう「反対意見」の声はなく、初っ端から「慰め」で始まります。「時間が解決するよ」とか、「大丈夫、子供もじきに慣れるよ」とかで、最後はお決まりの「それが、人生さ」です。離婚について、とても寛容です。

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上の写真のワイン、直接「離婚」とは関係ないのですが、"MOSCATEL"(モシュカテル)という種類のものです。"マスカット"(ブドウ)からできたワインです。モシュカテルはリスボンから南に約50kmほど下った"Setubal"というところのものが有名ですが、これはポートワインで有名なドーロ川(Douro)地区のものです。食前酒(Aperitivo)です。モンド・セレクションで2009年金賞となっています。

話を元に戻しますが、離婚することに決めた漁師は前述のとおり、この数カ月間とてもコンディションの悪い状態が続きました。時には仕事にも出て来れないほどヘベレケの日もありました。こっちとしては組織としての規律を保つために一言二言ブーたれてやりたいところでしたが、周囲の寛容さに引けを取るようなまねは得策ではないという判断からあえて黙認をしていましたところ、今日になって、彼が「ご迷惑、ご心配をおかけしました」と言って、このモシュカテルを持って来たのです。

長年の付き合いからこちらが彼のことを心得ているのと同じように、彼にこちらのことを見透かされていることは否めず、痛いところを突かれてしまって、一瞬、言葉を失ったのですが、彼の目には「元気だったころ」のような瞳が見えましたので、少し安心して、"É a vida" と言ってやりました。

しかし、このモシュカテル、「家から持って来た」と言っていましたから、まだ仲のよい時に二人で飲もうと買ったものではないか、と思われます。一応、「気持ち」ですので受け取りましたが、どうしたものか思案中です。
飲めば、基本的には「甘口」ですが、これに限ってその後進化して「ビター」だったり、とかちょっと「キモイ」ことを考えてしまいました。
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# by mobulamobular | 2010-03-18 08:25 | 漁師 | Comments(4)
ダイバーズ・ウォッチ
携帯電話普及以降、「腕時計」をしない人が増えた、と聞き及んでいますが、機能面の優位性から使い続けています。
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自身、4台目のマシーンです。購入年はうろ覚えですが、1988年。当然、今までの中では一番長く使っています。過去の3台はいろいろな事情で手元から離れて行きました。
昔は、中学生から腕時計をしたものです。中学入学祝いとかで腕時計を贈られた人も多いのではないかと思います。中学生になるということは、「大人の仲間入りをする」ということですので、だから、腕時計が必要なのです。そう解釈していました。初めての腕時計は親父のお古でした。スイス製の"J.W Benson"というとてもよい時計でしたが、当時の中学生向きではなかったので、すぐにもっと格好のよい、特に、したままでも水の中に入ることができる「防水」の時計が欲しくなり、中3の時に小遣いを貯め、初の「ダイバーズ・ウォッチ」を購入しました。これは大学の途中まで使いましたが、バッティング・センターに置き忘れ、万事休すでした。その後、2台目はエジプト・カイロの土産物屋で「偽の金環」と交換で奪われました。続く3台目はタイのバンコックでホテル火災に遭い、燃えてしまったか、はたまた奪われたか、その時のファイアーファイターに鎮火したホテルに戻ることは許されず、そのままおじゃんでした。

定置網をやるには、必ず潜水作業を伴います。しかし、「手っ取り早い」から潜るのではなく、「最後の手段」として水の中に入ります。できる限り船上からの作業で賄うのが基本です。なぜならば、潜水作業は常に「潜水する者」に危険が伴うからです。最近の潜水作業は「スクーバダイビング」で行われます。これは最新のハイテク作業です。正に人間の「常識破り」の行動となります。鰓(エラ)もないのに水中で呼吸をします。潜る深度にもよりますが、かなりの水圧を受けなければなりません。呼吸、水圧ともにひとつ間違いがあると、一瞬先は闇の世界となります。もちろん「潜水する者」は事前にそれなりの準備をしますし、知識も植え付けますので、危険を判断できます。しかし、船上で待つ「潜水しない者」はその限りにあらず、です。

定置網では、水中の網やロープの点検、網内の魚のチェック、海底に落下した物の回収、等々、いろいろな目的で潜る機会があります。20年ほどの潜水経験から、潜水のし易い・し難いは、船上にいる「潜水しない者」の資質で決まることを悟りました。もちろん潜水作業は「潜水する者の自己責任」です。しかし、チームプレーに徹するあまり、時に無理が出ます。「潜水しない者」は、あともうちょっと、もう1回潜ってもらえば仕事が終わる、などの理由から「潜水する者」に再潜水を嘆願します。しかし、この時の判断に潜水の知識がない場合は、危険が伴うのです。潜水経験があれば、すぐに分かるでしょうが、定置網における潜水作業は時に一般的な潜水のルールをかなり無視して行われます。出始めの頃、「ダイブ・コンピューター」というのを着けて潜ったことがあります。浮上する際のスピードが速すぎたりすると、水中でも聞こえるアラームが鳴り、注意を喚起する仕掛けになっているのですが、その日は潜水の始めから終りまで、アラームが鳴りっぱなしでした。今も、いろいろなところの定置網に多くのダイバーが当たり前のように潜っていると思いますが、くれぐれも無理はなさらぬ様にしてください。ダイビングの事故は悲惨です。

という訳で、数年前までで定置網の潜水仕事からは足を洗いました。幸い、20数年の間、多少危ない場面もありましたが、無事故でした。今は「若い者」が潜っており、船上での「良き潜水作業理解者」であるべく務めています。

上の写真の4台目のダイバーズ・ウォッチですが、数回、水深50m以上を経験しています。その中のひとつで日本の海での体験です。ちょっとした手違いで数百万円ほどする測定機器を海底に落してしまい、それを取りに潜りました。その日、海水の透明度はよかったのですが、水深50mとなると、日の光がうっすらとしか届かず、加えて海底の砂も「黒」ですし、若干の窒素酔いも手伝って、着底した際は、まるで宇宙のどこか別の星、「暗黒星雲」にでも着陸したような気分になりました。自身はもちろん宇宙飛行士です。で、おちゃらけはそこまでで、仕事です。一応、プロですので、さっさと落下した測定機器を探します。難なく発見。機器にロープを結わい付け、浮上開始。BCDなど使いませんので、あらかじめ落しておいたロープをつかみ、浮上します。この深度になると完全に沈降力が浮力より勝りますので、浮上も必死です。で、5~6mほど上がったところで、名残惜しく、海底を見ると。

度胸のある人たちへ
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# by mobulamobular | 2010-03-16 08:21 | 定置網 | Comments(3)
Ride On Time.
今はこんな気分です。
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Ride on time!
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Ride on time!!
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Ride on time!!!

今日は久しぶりに朝からカラッと晴れました。やっと「アルガルベ初日」といった感じです。
天気図を見てみると、ようやくアソレス高気圧が勢力を復活させ北上してきた様子です。これによりイベリア半島に向かって進む低気圧の進入を妨げ、北へ追いやるような形になってきました。しかし、今回の雨の通り道はワイドで轍も深くなっています。いつまたこのラインが復活するか分かりませんので、まだしばらくは雨への注意は必要です。
もう春。次はすぐに夏となりますが、今年の冬は北大西洋振動(NAO:North Atlantic Oscillation)のインデックスがかなり「負」だったということです。稀にみる極端な現象の年でしたので、とても分かりやすかった、と思います。
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# by mobulamobular | 2010-03-13 08:04 | 気象 | Comments(0)
Telegraph.co.uk
ついでに載せておきます。
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たぶんこの人たちは別の団体に属していると思いますが、「マグロを救うために裸になってポーズをとるグレタさん、エミリアさん、テリーさん」です。

この記事、"意図"するところも少々分かりずらいのですが、一番に疑問に思うことは抱えている魚の種類です。たぶん、"フィッシュ・アンド・チップス"にでも使われる白身魚ではないかとも思うのですが、これは推測です。

これは"The Daily Telegraph"というイギリスの新聞のWEB版ですが、これでも一応"Broadsheet"(高級紙)で、発行部数はNo.1だそうです。

ちょっと"デリカシー"がないですね。
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# by mobulamobular | 2010-03-12 05:42 | マグロ | Comments(2)
timesofmalta.com
ひとつ、結論が出たようです。
下の記事は、日本でも古くから愛玩犬として人気の高い「マルチーズ」の故郷でもある、地中海の島国・マルタ共和国からのものです。
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「EUはマグロの国際取引禁止措置支持の最終的決断を下した。」といった内容です。マルタは最後まで孤軍奮闘した様子ですが、最後は寄り切られたみたいです。

マルタは近年、スペイン、イタリア、クロアチア、ギリシャ、チュニジアなどの国々と並んで地中海養殖マグロの一大基地です。ですから、かなり多くの漁師が養殖マグロ事業に携わっており、かなり多くの人々がマグロに関連した仕事をしているものと思われます。当然、経済的にも養殖マグロ事業からかなりの恩恵を受けているとも想像できます。そして、そのほとんどのマグロの出荷先が日本であったことも明らかです。しかし、上記の決定により、「すべてが終焉を迎える」危機に直面することになります。

上の記事に続き、このWEBではコメント欄があります。ちょっと興味があったので切り抜いてみました。
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どれも、おもしろい反応ですが、一番下のオレンジ色のラインを引いたコメントを見た時、随分昔に読んだイギリスの新聞記事を思い出しました。それは確かこんな感じだったと記憶しています。
インタビュー形式でした。
記者「マグロの漁獲が禁止されるかもしれませんが、どう思いますか?」
市民「いいんじゃないか。オレは"SASHIMI"なんか食わないし、第一、マグロの資源保護が大切だよ。」
記者「マグロを食べないんですか?"SUSHI"も嫌いですか?」
市民「嫌いだね。生魚なんて。」
記者「でも、マグロの漁獲が禁止されたら、ツナ缶も食べれなくなるかもしれないですよ。」
市民「本当か?それは、困る。問題だ。オレは毎朝ツナ缶を食べているんだ。サラダに入れたり…。」

ここには、その後もいろいろなコメントが寄せられている様子です。
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# by mobulamobular | 2010-03-11 07:09 | マグロ | Comments(0)
海難事故
今日は朝から晴れましたが、沖は波の高い状態続き、時化です。定置網船は沖仕事のため出港しましたが、途中で引き返しました。しかし、風がないため、このままの状態が続けば波は多少なりとも小さくなると予想されるので、午後に再トライです。明日からまた天気は下り坂の様子です。この午後が、いわば「時化の中休み」となりそうです。

しかし、荒れています。最近の海です。
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大西洋上で発生した低気圧が発達しながら次々にポルトガルに近づきながら北上しています。これによりマデイラ諸島では多大な被害が出ている訳ですが、この低気圧を正面から受けるポルトガルの西海岸にも大きな影響が出ています。
「海難事故」です。上の新聞記事は「ポルトガルでは、この3カ月間にすでに6件の海難事故が発生し、5人が死亡、10人が行方不明となっており、さらに昨日Caminha(北ポルトガル、スペインとの国境付近の町)沖でも、一見穏やかそうに見えた海で、不意の大波2発を喰らい、3名の漁師が乗った漁船が沈没した」といった内容のものです。
幸い、今のところ、アルガルベ(ポルトガル南岸)ではこのような悲劇は起きていません。

と思いきや、とんでもない所でも大波が押し寄せている様子です。
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フランス、マルセーユ沖でキプロス船籍で地中海クルージング中の豪華客船(全長207m)が、9mもの大波を受けてドイツ人とイタリア人の2名が死亡、14人が負傷するという事故が起きたそうです。地中海とはいえ、海は海です。時にこういった危険を伴うことは、ちょっと考えればわかることなのですが、事故が起きてしまっては後の祭りです。

今の海は、遊びも命がけです。出港の際は覚悟してください。
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# by mobulamobular | 2010-03-05 05:15 | 気象 | Comments(0)
タコ
こちらは6割から7割だそうです。世界のタコの消費量で日本が占める割合です。
2007年暮れのクリスマスとタコ以来、タコの豊漁が続いています。特に2008年が爆発的に多く、2009年には一気に2008年の半分程に減ってしまったのですが、それでも以前に比べれば大漁での状態で今まで推移しています。今日もオリャオの市場には時化の合間を狙って獲ってきたタコが並んでいました。
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学名 Octopus vulgaris、 英名 Common octopus、 ポルトガル名 Polvo-vulgar、 和名 マダコ になります。
という訳で、オリャオの魚市場は近年「タコ市場」となっています。事実、タコの水揚量がイワシ、サバをも上回る勢いです。
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冒頭でも述べたように、日本は世界一のタコ消費国です。しかし、この大食漢の胃袋を満たすにはやはり「輸入」に頼るしかありません。その主な輸入元がポルトガルの対岸であるアフリカのモロッコやモーリタニアですが、1980年前後よりそこからの輸入が盛んにおこなわれるようになると、あっという間に、資源の枯渇を招くことになってしまいました。ことの真実は分かりません。しかし、世間ではそういう風に思われています。たぶん、急激な漁獲量の増加により、漁場が荒らされてしまったのではと思います。日本の「前科」です。もちろんタコを獲ったのは地元の漁師でしょうが、高い金を払って買い取ったのは日本人です。
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ポルトガル人も日本人に負けず劣らずタコをよく食べます。タコサラダや"Arroz de Polvo"(タコのリゾット)が代表的なタコを使ったポルトガル料理ですが、総人口は1千万人ほどですので、それだけでもポルトガルのタコの消費量は日本のそれに比べ10分の1程度ということになります。
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# by mobulamobular | 2010-03-03 06:45 | | Comments(6)
4つ目ガンギエイ
相変わらずの雨天、ドン天、風、時化模様の天候が続いていますが、今日は久々に本船2隻で沖仕事に出ることができました。これだから、天気は分かりません。過去15年、アルガルベでこんなに雨が降った(降っている)のは初めてのことだと思います。しかし、無事に今年の上架を終えた2隻の本船は沖での仕事を無難にこなし、帰港しましたのでまずは一安心です。

きな臭い話題が続きましたが、今日は他船も出漁し続々と水揚げをしていましたので、市場を覘いたところ、新種(このブログにとっての)を発見しましたので、それを掲載します。ガンギエイ科(Rajidae)の1種です。
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学名 Raja (Raja) miraletus、 英名 Brown ray、 ポルトガル名 Raia de quatro olhos、 和名 存じません。
ちなみに、メガネカスベ属(Raja)だそうです。これで、この属は今までに6種が登場したことになります。過去の5種は下記を参照ください。
Raja undulata
Raja clavata
Raja(Raja) asterias
Raja(Leucoraja) circularis
Raja(Leucoraja) naevus
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吻は尖がっています。ポルトガル名の"quatro olhos"とはタイトル通り「4つ目」という意味になります。実は「2つ目」(dois olhos)も存在します。上記の"Raja(Leucoraja) naevus"がそれです。
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しかし、これも「目」は2つしかありません。なのに何故「4つ目」なのかというと、ポルトガル人の考えはこのようになります。ようするに"2 + 2 = 4"ということです。この「目」は、内側の「青い目」と外側の「黄色い目」の2つが片方に存在する、としています。ですから「4つ目」になるのです。普段はモソっとしていますが、変なところで細かいこと言うな、といった感じですが、まぁ、これも一つの解釈です。そして、「本当の目」はこんな感じになります。
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君もいい顔してますね。











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# by mobulamobular | 2010-02-27 03:48 | サメ・エイ | Comments(0)
オーバーホール (8) 最終回
残業するのは本分ではありませんが、まぁ、ショウガナイ、です。
シリンダーヘッドの取り付けが終わり、次はその上、ロッカーアームの組立てです。ガスケットを置いて、ロッカーアームのハウジングを載せます。軽くペーパーをかけます。やりなれない残業に機関士の顔には早くも疲労の色が出ています。
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6個置いたら、ロッカーアームの部品を並べていきます。やりなれない残業に突入した機関士はこの時ちょっとすねていたのかもしれません。
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次々に部品を装着します。機関士は腰に手を当ててしまいました。
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続いてボルトを締めていきます。
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迅速、かつ慎重に、です。
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潤滑油を注入します。
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漏れがないかどうか、確認します。
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再び、隙間ゲージ(シックネスゲージ)を取り出して、今度はバルブクリアランスの調整です。
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これで、OK. 蓋(ヘッドカバー)をします。
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蓋のボルトを締めます。
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やりました。シリンダー関係終了です。ですが、もはや残業中です。喜びに浸る間もなく、矢継ぎ早に次の部品が入ります。エキゾースト・マニホールドを取り付けます。
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次は反対側です。エア・インテーク・マニホールドです。
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ターボチャージャーを取り付けます。
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重いインタークーラーを取り付けます。K社の場合、これは「アフター・クーラー」です。
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いやぁ~、ボルト、ナットの残り数が少なくなってきました。足りない、かも。
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途中省略して、最後に排気管の取り付けです。
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最後となって俄然元気が出てきたのか、機関士"自ら"排気管にサーモテープ(断熱材)を巻きつけます。この機関士さん、KMSさんと同い年です。
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終わりました。
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「遅くなったけど、何か食いに行きますか」。

翌日、船を海に戻して試運転でした。

バッチリ、でした。
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でも、やっぱり心残りは、今回どこにも行けなかったことです。
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# by mobulamobular | 2010-02-26 06:38 | 定置網船 | Comments(0)
オーバーホール (7)
今回のオーバーホールもいよいよ最終段階に入ってきました。シリンダーヘッドの取り付けです。
まずはガスケットです。シリコンボンドを塗ります。
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シリンダーブロック上に載せます。
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組み上がったシリンダーヘッドを置きます。
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3つ載りました。
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6つ載りました。
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さぁ、いよいよシリンダーヘッドボルトの締め付けです。ここでは難しい言葉ですが、「塑性域回転角度締め」を行います。まずはトルクレンチで締め付けます。
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KMSさんから指示された通り、シリンダーヘッドボルトを締め付けますが、KMSさんは何やら別のことをやっています。
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順番に、慎重に締め込みます。
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一通りを所定のトルクで締め付けた後、レンチを大型のボックスレンチに交換して、さらに締め込みます。
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この際、まず90度、さらに30度といった具合に順番に締め付けます。この締め付け角度が分かりやすいように、先ほどKMSさんはボルトの頭に印をつけていたのです。
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"大将"自らも力を込めます。
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明後日、KMSさんは日本への帰路につきます。予定変更はなしです。日本でも船やエンジンの調子がおかしくなった「お客さん」が首を長くしてKMSさんの帰りを待っています。ですから今日中にエンジンをおおよそ組立てなければなりません。そして明日には試運転です。近所の観光ぐらいしていただきたかったです。

続きは、次回、最終回です。
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# by mobulamobular | 2010-02-25 05:33 | 定置網船 | Comments(2)
速報 大西洋クロマグロ Heisei22222
これも翻訳が難しい文章です。EUのポータル・サイトである"Europa"の"Press Releases RAPID"からです。もちろん22言語で発行されています。
"ヨーロッパ委員会(EC)は、ヨーロッパ連合(EU)が大西洋マグロの国際取引禁止案を支持することを提案する"
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ここに来て、俄然、動きが見えてきました。というのも、今まで比較的冷静を装っていたお隣りスペインからいろいろな情報が流れ始めてきたからです。やはり先日のヨーロッパ議会(EP)のプレス・リリースが後押しをしているみたいです。スペインは大変です。かなり問題は複雑です。もはや国を2分する騒ぎになっています。スペインはポルトガル以上に古くから深くマグロ漁にかかわってきている「マグロ大国」です。釣り漁は全国各地で行われていますが、今では"Cataluña(カタルーニャ)地方の巻き網漁"、それに"Andalucía(アンダルシア)地方の定置網漁"が代表的なスペインのマグロ漁の2大勢力として君臨しています。それらが自治体政府も巻き込み、マグロの漁獲量や、どっちがより"artisanal fishing vessel"かとか、その存続問題をめぐり対立を深めている様子です。スペインでは自治体政府が政治的にも強固ですので、スペイン・メディアも「マグロ戦争」と銘打って、この件について右往左往する中央政府を揶揄するように騒ぎを煽っているようにも見えます。

そのスペインの首都マドリードでは、時を同じくして、最近はその威厳もすでに地に落ちた感のあるICCAT(International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas)の会議も開かれているそうです。会議は26日(金)まで続くそうなので、まだメディアにもこの件はあまり取り上げられていませんが、初日の情報として、「喧嘩両成敗」かどうかは知りませんが、「巻き網漁の定置網漁もダメ。唯一小型船による釣り漁だけが認められるようになり、そのマグロはEU域内では販売できる」、という方針が打ち出されたという「噂」が流れています。
ですから、スペインでは「火に油をそそぐ」ような状態になっています。

一方、ポルトガルは静かです。いつもEUと同じ考えです。しかし、"artisanal fishing vessel"がどんな船を指しているのかは分かりません。

2月22日はウチの漁労長の35回目の誕生日でした。ですから2022年2月22日には47歳となる訳ですが、その時のポルトガル、定置網、マグロ漁はどうなっているのでしょうか。
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# by mobulamobular | 2010-02-24 07:20 | マグロ | Comments(0)
オーバーホール (6)
ピストン到着から遅れること2日、ようやく吸気弁が届きました。今回も危うく税関のオフィスを閉められるところでしたが、なんとか入り込んで無事通関です。しかし、ハプニングです。
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箱がボロボロです。人間同様、カーゴも日本からポルトガルに来る場合は直行便がありませんので、ヨーロッパのどこかの空港でトランジットをしなければなりません。今回この荷はAFでCDG空港経由で来たのですが、その時のパリの天候は雨、続いてリスボンも雨。本来、こういった荷物は輸送側が責任を持って、雨ぐらいの天候には左右されず、無事最終目的地まで届けられてしかるべきですが、どうもこのロジスティクス業界、まだまだ発展途上の段階と思われます。
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そして、ロストです。合計24本のバルブが箱や袋に2本1セット(合計12箱袋)で入っていたのですが、届いた時には11箱袋しかありません。途中で雨にぬれて壊れた箱から欠落したのです。
今回、問題となったバルブは吸気弁12本です。排気弁12本は特段問題はなかったのですが、どうせ吸気弁12本を送ってもらって新品と交換するのであれば、ついでに排気弁も新品にしてしまおう、という発想から注文をした訳です。その結果、神はまだユーラシア大陸果ての定置網漁師を見捨ててはいませんでした。ロストした1箱袋は排気弁の1セットだったのです。

新品のバルブ君たちです。これで作業が前に進みます。
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早速、バルブの「磨り合わせ」作業です。まずは専用のコンパウンドを塗ります。
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バルブを差し込みます。
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滑りをよくするためオイルをたらします。
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電動ドリルを使い、磨り合わせをします。
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各シリンダーヘッドに4本のバルブ(吸気2本、排気2本)です。
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磨り合わせが終わったら、スプリングを装着します。これがちょっとコツの要る作業です。
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スプリングを下へ押しつけるのに相当の力が要りますが、特殊工具を自前でこしらえて、二人がかりでイッセイーノ、セッって感じで行います。そしてもう一人が、コッタを差し込みます。
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で、出来上がりです。
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さぁ、船に移動です。

続きは、次回にしますが、このページを終わる前にロストした排気バルブ2本のその後についてちょっと言及します。
ロジスティクス業界で日本最大手の輸送のエキスパートN社にして然り、です。今回、あのような形で荷物が届いた訳ですから、当然、クレームをつけました。しかし、その対応は荷1kgあたり20ユーロの損害賠償のみとのことです。ロストはバルブ2本ですから、1kg未満です。しかし、バルブ2本の実際の購入金額はその損害賠償額の5倍ほどします。そして、こちらはその分の輸送費、通関費用も払っています。引き続き、ロストしたバルブを探すように催促はしていますが、なしのつぶて、です。
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# by mobulamobular | 2010-02-24 06:10 | 定置網船 | Comments(0)
アンカー
クリスティアーノ・ロナウドの生まれ故郷であるマデイラ諸島では、大雨によりかなりの被害が出ているようですが、アルガルベでも再び悪天候が続いています。
そんな中、しびれを切らした地元巻き網船1隻が出漁しました。
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そして、持ち帰ってきたものはというと、海底に沈んでいたアンカーです。しかし、これは「いかり」ですが、「錨」ではなく、「碇」です。大昔から1970年代始めまで続きそして滅亡した"ARMAÇÃO DE ATUM"(マグロ定置網)の残骸です。きっと回収されずにそのまま海の底で眠っていたものと思われます。昔の定置網については"海の文化"などを参照ください。

同業者としておもわず「お帰り」と声をかけたくなる情景ですが、昔のARMAÇÃO DE ATUMでは、このようなアンカーを200個以上1つの定置網で使用していましたので、このように回収しそこなったアンカーはまだまだたくさん残っているかもしれません。

実は、コレ、巻き網船から譲ってもらいました。そのうち、博物館でも造りますか。
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# by mobulamobular | 2010-02-23 05:03 | 定置網 | Comments(0)
"欧州議会、クロマグロとホッキョクグマの取引禁止を支持"
ヨーロッパ議会(EP: the European Parliament)の2月10日付、プレス・リリースです。
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なんとなく方向性が見えてきたように思います。

しかし...
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# by mobulamobular | 2010-02-20 07:09 | マグロ | Comments(0)
オーバーホール (5)
ここでは。最後はやります。でも、やるまでに、時に到底信じられないくらいの時間がかかります。ですから、早くものごとを進めたい時には、相手から目をそらしてはいけません。これが遠距離の場合は、小刻みに連絡を取り、ことの進捗状況を尋ねます。「まだですか~」、「できましたか~」、「どうしましたか~」といった具合です。「失礼」にはなりません。こうすることによって、依頼したものごとが相手にこちらがマジに急いでいるんだ、ということが伝わります。

さて。来ました。役所が閉まる夕方ギリギリで通関が切れました。日本から送ってもらった新品の「6個目のピストン」です。
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取り付けます。
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これで、エンジン下はOKです。オイルパンを取り付けられます。エンジンを下せます。
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オイルパンのパッキンを新品に交換します。
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オイルパンを取り付けます。今回は「四本の矢」となっています。
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主機関前駆動装置用のVベルトも交換し、さらに予備のVベルトもあらかじめ仕込んでおきます。Vベルトにもいろいろな種類があります。長さや幅の違いのにならず、形状や材質の違うものが存在します。メーカー指定(推薦)のものは、ここでは入手が困難で、代わりにこんなのを使用しました。また、JIS規定とは異なる表記方法が用いられている場合もあり、ユーザーにとっての障壁となっています。
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エンジンを下げます。
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エンジンを軽く固定します。
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そのころ、船の外では適当に磨き上げたプロペラが届きましたので、取り付け作業を行います。
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ここでは作業中、良い悪いは別としていつも笑顔が絶えません。
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続いて舵もつけてしまいます。
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KMSさんは今までに数回ポルトガルに来ていますが、ポルトガル語は喋りません。一方、定置網の漁師の大半も日本語どころか、英語も喋らず、ポルトガル語オンリーです。しかし、作業が進んでこのころになると、何か互いにコミュニケーションをとっているところを目撃します。
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な・に・ご ですか?
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エンジンとプロペラシャフトを接続します。
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「芯出し」作業です。エンジンとプロペラシャフトのラインを整えます。「隙間ゲージ」を使用して、左右、前後のバランスをとります。
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エンジンもちゃんと座ったところで、他の部品を順次取り付けていきます。
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と、このころになると、外したボルト・ナットの数が合わなくなってきたりします。どこか間違えて別の場所にとりつけてしまったり、失くしたり、とかです。
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いろいろありますが、今日の作業はここまで。続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-19 01:48 | 定置網船 | Comments(0)
金、返せ!!
言わんこっちゃない。
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先日のカーニバル 2010の続編です。実はこの"ミニチュア・リオ・デ・ジャネイロ・パレード"を見物するのは有料です。それについては賛否両論あるでしょうが、祝日でもないくせに皆んなを休ませてしまい、そのことについて何の疑いも持たせないほどのパワーのあるカーニバルですから、何でもアリ、なのかもしれません。
しかし、それも自然の前には無力でした。生憎の「寒の戻り」となり、おまけに「雨」です。そんな時にパレードなど見に行かなきゃいいのにと思うでしょうが、見に行った人たちは「金、返せ!!」とブーたれていた、というニュースでした。
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# by mobulamobular | 2010-02-18 05:06 | ポルトガル文化 | Comments(2)
オーバーホール (4)
ピストン、およびバルブの到着を待つ間、他の作業を進めます。天候にも恵まれ、仕事は捗ります。
ターボチャージャーもきれいになりました。
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サーモスタットも新品に交換しました。
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ホースも新品です。
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一方、定置網船を上架している造船所です。
この定置網船は他船に比べて機関室内は広いスペースをとっていると思いますが、それでも時には窮屈な作業を強いられます。プロペラシャフトを抜くためにカップリング(推進軸軸継手)を外しているところです。
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これは結構きつい作業です。最終的にはバーナーで焼いて鉄を膨張させて抜きます。
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シャフトの後側の支面材に接していた箇所です。若干の傷がすじ状についています。このプロペラシャフト(推進軸)は高強度高耐食ステンレス鋼(析出硬化型マルテンサイト系)のTX208という材質のもので、「常識を超えたステンレス鋼」とメーカーさん(TW)は銘打っています。
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プロペラを外しました。幸い、目立った傷はありませんでしたので、作業場に持って行ってきれいに磨きあげます。
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シャフトを抜き取ります。全長約2m、123kgあります。
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前側の支面材に接した箇所です。やはり若干の虫食いのような傷があります。
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続いて、船尾管(スタンチューブ)です。この定置網船では軸封装置(シールスタン)を使っています。内部のダイヤフラム、シールリング、パッキン類を一式新品に交換します。
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シールスタンを外して、内側にある前側の支面材を削ぎ取ります。
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後側の支面材も削ぎ取ります。
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スタンチューブ内のゴミなどを取り除いた後に、新しい支面材を装着します。打ち込みます。
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さて、再びシールスタンの部品交換です。新しいダイヤフラムが見えます。
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蓋をします。
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清掃を終えたプロペラシャフトを挿入し、シールリングを取り付け、再びカップリングを取り付けます。
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ちょっと、ひと段落。フーッといった感じです。

続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-17 00:47 | 定置網船 | Comments(0)
クロマグロ 2010
「正義か、悪か」の米国的二元論の結果なのでしょうか。
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「悪」と考えれば、なりふり構わず攻撃していくのは周知の事実です。
1尾15万ドル以上の高値でマグロが取引されたことが記述されていますが、そこにはどうしてそんなに高値になったのかの説明もありません。日本の食文化について、魚の質のこと、高品質な魚をつくり出す漁師の工夫や努力のこと、その工夫と努力は末端消費者に魚が届くまで続くこと、職人の技術や意地のこと、今回は少々「意地が過ぎた」こと等々。なんでとか、どうしてとかが全くないです。
彼にとっては、魚は「食べれるか、食べれないか」の分類しかないのでしょう。

それにしても、このクロマグロの写真には魚に対する敬意というか、尊敬の念というものが感じられず、好きにはなれません。魚のことを知らない奴の仕業であることがすぐに解ります。やっぱり魚は左を向いていなければなりません。写真を撮る時もそう、皿に盛る時もそうです。
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# by mobulamobular | 2010-02-16 06:20 | マグロ | Comments(0)
オーバーホール (3)
未だ日本からの荷物は届きませんが、「5個のピストン」の清掃作業が終わりましたので、再び船に戻り、新しいライナーシリンダーの取り付けを行い、その後ピストンを装着することにしました。
まず、ライナーシリンダーに新しいOリングをはめ込みます。白くなっているのはシリコンボンドです。
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シリンダー側にもシリコンボンドを塗っておきます。
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ライナーをはめ込みます。
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上に木材をあて、ハンマーで打ちこみます。
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こうして作業をしている間にも、もう1隻の本船(定置網船)は側掃除のため沖へ向かいます。
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5個のピストンの清掃作業です。ここでは灯油の入手は難しく、洗浄には軽油を使っています。ピストンリングは事前に新品を調達していますので交換です。ピストンリングの溝もきれいに掃除をします。
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ピストンの清掃作業が終わりました。
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新しいピストンリングを装着しました。まるで新品のようになりました。
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ピストンをライナー内(シリンダー)にはめ込みますが、その前に油を塗ります。
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「ピストンリング コンプレッサー」という工具を使って、ピストンリングが開くのを押さえながら、ピストンを挿入します。
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これは使い慣れていないと、ちょっと難しい作業です。
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さ~て、残りは1個です。
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ピストンはリスボン空港に到着します。通関に時間がかからないことを祈るばかりです。

この続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-15 04:06 | 定置網船 | Comments(2)
カーニバル 2010
今週はカーニバル休みです。

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春とはいえ、まだ天候は安定していません。一昨日は終日雨、昨日は快晴、今日は曇り空です。
上の新聞記事にもあるように、近所で毎年恒例の"ミニチュア・リオ・デ・ジャネイロ・パレード"の催しがありますが、まだちょっとお腹のあたりが寒そうです。でも「節分」のような行事であると考えれば理解できます。
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# by mobulamobular | 2010-02-14 20:31 | ポルトガル文化 | Comments(0)
オーバーホール (2)
このエンジン購入時にはK社の担当の方から「このエンジンはメインテナンスフリーですから」という説明を聞きました。この時の前後の会話についてはいっさい憶えていないのですが、「メインテナンスフリー」という言葉だけが心に残ってしまいました。つまり「メインテナンスフリー ~ 整備不必要 ~ 故障しないエンジン」というようにいつしか楽観的に思い込むようになっていたのです。故障についてメーカーさんに文句を言おうなどとは毛頭思ってもいませんし、事実、長期間にわたり「メインテナンスフリー」であった訳ですから、この点については心から感謝すべきことと思っていますが、ユーザーというものは、諸行無常であることを理解しながらも何でも自分の都合の良い方に考えてしまうものなのです。

さて。調子が悪くなったエンジンのトラブルシューティングの結果、もちろん過去の故障例も鑑みて、ピストンリングとライナーシリンダー間に何がしかの問題が生じたものと予想し、前もって新しい部品をそれぞれ日本から取り寄せておきました。下は新しいライナーシリンダーの写真です。
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ですが、作業場に移動して解体した各々の部品を確認した結果、なんと削れたライナーに収まっていたピストンがピストンリングの折損のみならず、ピストンそのものにも損傷がおよんでいて使いものにならないことが判明しました。
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これはマズイことになりました。この類の部品はポルトガルでは入手できません。KMSさんが失礼を重々承知の上で夜遅くの日本のK社の担当者T氏へ電話をかけ、何とか新しいピストンを超特急で送ってもらうことにしました。

しかし、ホッとしたのも束の間、部品を確認した時は煤だらけでよく見えなかったのですが、清掃作業を開始するとすぐにサクションバルブ(吸気弁)に異変があるのに気がつきました。
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電食かな?、とも思わせるような「虫食い状態」になっていました。それも12本ある吸気バルブのほとんどが同じような状態になっていました。しかし、排気(エキゾースト)側ではそのような症状は見られないことから、電食によるものとは考え難いと思われます。KMSさんも過去にこのような事例はないのではないか、と首を傾げていました。よってこれも交換部品として事前には調達していませんでした。(右の列がインテーク、左の列がエキゾーストです。)
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この第2の問題を確認した時には、悲しいかな、日本はすでに真夜中となっており、連絡するには数時間待つことになりました。

くよくよしていても仕様がありません。不足部品が早く届くことを祈って、他の作業に専念します。アフタークーラーの分解・清掃作業です。
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ターボチャージャーの分解・清掃作業です。
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シリンダーヘッドの分解・清掃作業です。
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インジェクション(燃料噴射)ノズルは近くの専門店に持ち込み、圧力調整をしてもらいました。
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作業はまだまだですが、続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-13 06:10 | 定置網船 | Comments(0)
オーバーホール
2000年に日本で建造、2001年にポルトガルで就航。「新造船」と思っていた定置網船もアッという間に10年近い船齢となり、昨年後半から徐々にですが調子が悪くなりました。

エンジン内部のピストンとシリンダー間の微妙な隙間に未燃焼ガスが残りますが、その量が増えたのです。そのまま放置しておくとエンジンそのものにもよくないですし、エンジンオイルにもよくありませんので、この定置網漁のオフシーズンを利用してエンジンのオーバーホール(分解・清掃・部品交換・再組み立て)を行うことにしました。

とはいっても、簡単な作業ではありませんので、日本からこの船の建造時に大変お世話になった技術者さん(KMSさん)に遠路遥々ポルトガルまで来ていただくことになりました。数年ぶりの定置網船との再会となりました。
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まずは「段取り」です。限られた時間内にいかに効率よく作業を進めるかは、この段取り次第です。現場をチェックします。
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早速解体です。KMSさんの指示を受けた漁師らが次々に部品を取り除きます。ちなみにこのエンジンは日本製K社の直列6気筒の700馬力です。
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ヘッドカバーを外し、シリンダーヘッドが露わになりました。
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続いて、シリンダーヘッドを取り外します。結構な力仕事です。
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ここで、あらかじめ用意をしておいた「櫓」を機関室内に組みます。乾燥重量で約2トンあるエンジンを吊り上げるためです。
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余裕をもってダブルで3トン吊りのチェーンブロック2個を使って、エンジンを60cmほど吊り上げます。
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吊り上がったところで、エンジン下部をチェックです。
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オイルパンを取り除きました。
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ピストンを抜き取った後、シリンダーブロックより今回のオーバーホールで交換を予定しているライナーシリンダーを自家製の特殊工具で抜きます。
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2枚の鉄板をボルト・ナットで締め込みます。するとライナーが徐々に上がってきます。
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これも結構な力仕事です。
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やっとこさ、6個のライナーすべてを抜き取ることができました。
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やっぱりでした。ひとつのライナー内部に削れたような跡がありました。こことピストンとの間にできた隙間が原因で多量の未燃焼ガスが発生したのだと、この時誰もが思ったのですが。
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すべてが思うようにいかないのが、世の習いです。

続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-11 07:11 | 定置網船 | Comments(2)
お昼ご飯
日本がまだ寒いのは知っていますが、こちらは一足先に春の訪れを迎えています。

いつも通り、町はずれのレストランに昼食を摂りに出かけます。
英名 lunch、 ポルトガル名 almoço(アルモッソ)、 和名 お昼ご飯 です。

日替わりランチメニューの中から、これだと思った一品を選びます。この日は豆と豚肉の煮込み料理、feijoada(フェジョアーダ)でした。
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これにデザートとカフェが付きます。食事が終わるとさっさと外へ出ます。

そして、しばし「春」を観賞します。
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またこの季節が来た、ということです。
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# by mobulamobular | 2010-02-08 06:37 | ポルトガル文化 | Comments(2)
フィッシュ・アンド・チップス
ポルトガルのことではないのですが、あらためて「異文化」を感じさせられました。
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彼らが「フィッシュ・アンド・チップス好き」であることは以前からよく知っていました。幾度となく"本場"のフィッシュ・アンド・チップスを食べたこともあります。例えば、ポルトガルから日本に行く時、あるいは日本からポルトガルに戻ってくる時など、飛行機の都合で乗り継ぎが間に合わなくなり航空会社のアコモデーションでの夕飯となった時、街まで出る元気はなく、どうしようかなと下のバーまで降りてオーダーするフィッシュ・アンド・チップスです。「疲れ」のせいで今までそれを味わって食べたことはないのですが、職業柄、味よりもその白身魚の種類(とか学名)がどちらかというと気になるので、これも幾度となくウェーターさんに尋ねたのですが、いつも疑問を解明するまでには至りません。たぶん英名でしょうが、なんか聞いたことのない魚名なのです。

上の新聞記事、イギリスのフィッシュ・アンド・チップスについてのものです。なんかイギリスNo.1のフィッシュ・アンド・チップス店を選ぶイベントがあるそうです。当然魚名についての記述があるものと思い目を留めたのですが、「150年変わらぬロンドンのクラシックお持ち帰りご飯…」、「2009年の調査では国民の51%がフィッシュ・アンド・チップスには塩とビネガーが合うと答えた…、トマトケチャップは15%…」、「フィッシュ・アンド・チップスの人気は1927年にピークを迎え、イギリス国内に35,000もの店があったが、現在は11,500店…」、「今日では、接客や衛生状態も判定されるが、一番大切なのはフィッシュ・アンド・チップスのクオリティ…」、一向に魚の名前が出てこないと思っていたら、出ました。 "…shops are giving customers the opportunity to try different kinds of fish, such as pollack and coley, as a way of addressing sustainability." という訳で、"pollack"とか"coley"という魚だそうです。

早速、Fishbaseで検索してみると、それらは双方ともタラ科(Gadidae)の魚で、"Pollack"は、学名 Pollachius pollachius、ポルトガル名 Juliana、そして"Coley"の方は、学名 Pollachius virens、ポルトガル名 Escamudo でした。少し、すっきりしました。やはり、フィッシュ・アンド・チップスのフィッシュはタラ科の魚がメインのようです。ちなみにポルトガルで有名な"Bacalhau"の学名は Gadus morhua です。タラは種類が多くてすべての名前を憶えるのは難しいですが、食用として利用されているのは10数種類だけだそうです。

最後に、次のような記述もありました。 "buyers’ top tips to encourage responsible seafish sourcing. For example, the fish supplier needs to know the management stock from which the fish has been caught and use traceability systems (流通履歴確認システム) to assure the origin of the product. " これからもっと魚名も分かりやすくなるかもしれません。
それから、今度はいつになるか分かりませんが、次回フィッシュ・アンド・チップスを口にする時は、もっと味わって食べたいと思います。
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# by mobulamobular | 2010-01-30 17:55 | ポルトガル文化 | Comments(4)
ムール貝
定置網の漁師たちはおおよそ1か月の休みを終え、作業を再開しています。
ここでは漁期終了後、網は抜きますがフレーム(側張り)は海に残します。ですから、休み中も最低でも週一の割合で沖の状況をチェックしに出かけます。問題がなければ、やはり一安心です。
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そんな時に持って帰ってきた、定置網の浮子の下にいた付着生物です。
学名 Mytilus galloprovincialis、 英名 Mediterranean Mussel、 ポルトガル名 Mexilhão、 和名 ムラサキイガイ、またはムール貝です。
それを開いて中を見てみました。すると、ありました。もうかなりの量の卵です。写真の上部になります。
私見ですが、ここのムラサキイガイは成長が早いです。日本の2倍ほどのスピードで大きくなるのではないかと考えています。これからの春先に産卵し受精します。卵は浮遊卵で、潮に流され漂います。孵化した後はトロコフォア幼生、べりジャー幼生と変態します。この間は繊毛を使って水中を遊泳します。その後、殻長が0.25mmほどになった時、ペディベリジャー幼生(付着期幼生)に変態し、網やロープに付着します。それが4~5月ごろと思われます。この時、まだ付着したムール貝は小さすぎて目で確認することはできませんが、これが6月末~7月始めころ米粒大にまで成長すると、目で見ることができるようになります。ここからが早いです。放っておくと見る見るうちに成長し、10月~11月には殻長は4~5cmに達し、年明けには7~8cmの大きさにまでなってしまいます。

もう1種いると思われます。学名 Mytilus edulis、 英名 Common Mussel、 ポルトガル名  Mexilhão、 和名 ヨーロッパイガイ。
この種は基本的にはもっと北方に生息しているとなっていますが、昨今のグローバル時代にはどこに生息していてもおかしくありません。文献によるとヨーロッパイガイの産卵期は、ムラサキイガイが春先であるのに対し、夏から秋にかけてとなっています。現に定置網を見てみますと、今の時期にも探すと1~2cmの個体を見つけることができます。これが春先に産卵したムラサキイガイの子孫であるとすればずいぶんと成長が遅いことになりますので、別種であると考えています。しかし、いろいろな文献に目をとおしてみると、双方のイガイとも「多くの個体で年間を通じ産卵可能のコンディションであることが分かっているが、…」という条件が付いています。要するに、ムラサキイガイであれ、ヨーロッパイガイであれ、年中産卵する可能性があるということです。
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何れにせよ、これが7月に大量に網に付着していることが確認されたら、さっさと網の交換作業を行うのがベターです。無理をするとあっという間に網をもってかれます(ムール貝の重さで網が沈んでしまう、ということです)。そうすると漁ができなくなります。また、ムール貝がベッタリ付着した網を引き揚げる作業は、ヘタをすると2次災害の可能性が出てきます。
ムール貝はグルメの間では人気の食材ですので、いろいろなところで養殖も行われています。ここアルガルベでもムール貝の養殖プロジェクトの話が進んでいます。どんな事業も同様ですが、実際やるとなるとそれなりの困難が伴います。前述のとおり、ここのムール貝は成長が早いのですが、養殖となると放ったらかしにはできず、世話が必要です。要はそれができるかどうかです。
ムール貝は定置網のみならず、真珠やカキ養殖にも時に多大な被害を与えます。また、海水を利用している発電所、海に設置してある各種観測機器や船の航海に必要な標識灯などにも被害が及びます。
ヨーロッパ発、世界最強の汚損生物の1種です。









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# by mobulamobular | 2010-01-26 00:55 | 定置網 | Comments(2)
IPCC
ちょっと、出鱈目だったということらしいです。 
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新聞記事の内容は、[IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change = 気候変動に関する政府間パネル) が2007年の「第4次評価報告書」の中で、「気候変動によってヒマラヤの氷河が2035年までにほとんど溶けてしまう」と警告したことを撤回するであろう]、といった感じです。
IPCCとは「人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織である」そうです。IPCCの肩を持つ訳ではありませんが、ミスはほんの小さなことです。ちょっと「地球温暖化」に懐疑的なグループらのあげあしとりのような気もします。が、この「アカデミック集団」は昨年暮れのCOP15(第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議)での会議の紛糾具合からも分かるように世界各国のこれからの未来にとても強い影響力を与える立場にあるのですから、このコントラバーシャルな問題に対し、このような安易な方法でレポートを作成すること自体に問題がありそうです。
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インド人科学者との電話によるショートインタビューを"New Scientist"という科学雑誌が記事としたことが発端となり、これをWWF(世界自然保護基金-World Wide Fund for Nature)も自らの報告書に引用したことから、いたずらにに信憑性を増し、IPCCも使ってしまったそうです。IPCCの報告書作成には世界中の優秀な科学者1000人が携わっており、そのほとんどの人たちが真剣に地球の未来のことを考え日夜調査に明け暮れているのでしょうが、こういったごく一部であろういい加減な輩のためその信頼性はことごとく揺らぎつつあります。なんとも嘆かわしい限りです。エリートであるならば、エリートとしての自覚をしっかりと持たなければダメだと思います。
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ワシントンでは「2000年から2009年までが今までで一番気温の高い10年間であった」とのレポートがありました。確かに「地球温暖化」は進んでいる様子です。原因はというと、それはなかなか知るのは難しいのではないでしょうか。世界の中心は「太陽」です。太陽は地球に熱(エネルギー)を与えてくれます。このエネルギーによって地球上の大気は循環し、水が循環します。地球上のすべての生物はこの恩恵にあずかっています。この太陽の活動、および地球との関係には「地球は1年で太陽の周りを1周する」といったような「周期」が数多く存在していることが知られています。中には何十億年周期のものや、例えば「氷河期」は10万年周期、太陽黒点数が11年周期で増減を繰り返している、などがあります。「気候変動」というものは、こういったいろいろな周期のとても複雑な絡み合いによっても惹き起こされているとも考えられています。スーパーコンピューターの世界です。
しかし、これはNASAなどが発表した見解ですが、こうなると「地球温暖化」は「人為起源」とは言えず、よってIPCCの出る幕ではない、と人々に思わせるためのものではないかと「地球温暖化懐疑論者」のことを懐疑的に見てしまいます。
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話を元に戻しますが、IPCCの問題は上記のレポートによって、アメリカ元副大統領アル・ゴアとともに「ノーベル平和賞」を受賞したところにもあります。

なんだかいろいろなことが見え隠れしています。なんだかへんというか、メチャクチャというか。でもこれもまた、このままウダウダ行くのでしょう。

お詫びと訂正(by IPCC)
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# by mobulamobular | 2010-01-22 06:39 | 気象 | Comments(0)
ポルトガルの経済発展の妨げ
世界経済のエントロピーが増大する中ですが、一応経済先進国と言われている国から来た人たちには、ポルトガルが恰も無秩序的社会であり、あるいは組織であるが如く思われるかもしれませんが、それは致し方ないことです。
しかし、一方、ポルトガルである程度の期間生活をし、人との付き合いを進めていくと、懐かしい何か、遠い昔の何か、忘れ去られようとしている何かを感じ始め、この点については大いに好意を持つことになります。ですから、誰も長期低迷をしているポルトガル経済に対し、批判一辺倒の姿勢を貫くことができないでいるのではないでしょうか。
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ドン臭いイメージは否めません。しかし、この国に少しでも好意をもつと、そのドン臭いイメージさえもプラス要素として作用します。ここの人たちは「楽が一番」と考えます。面倒くさいこと、ましてや「苦」や「忍」や「耐」が伴うものは極力嫌います。そのためにはお互い許し合うことが大切です。相手にも自分にも決してプレッシャーをかけない、ちょっとした誤りは水に流す、責任はとらないとらせない、生物のシステムがそうであるように社会のヒエラルキーには文句は言わず従順でいる、個人の利益が最優先、等々、皆で「楽」をするにはそれなりのコンセンサスが存在します。競争を嫌い、チームプレーに徹するといった意識も薄いです。これでよくサッカーが強いと思われるかもしれませんが、これが今一歩のところで大舞台で勝てない理由と考えます。しかし、皆んな自国のサッカーには満足しています。
以上のような実情からここの人たちが経済の重要性は理解しつつも、できることなら世界経済とは不即不離の関係でいたいと考えているのではと思っています。

「じゃ、ポルトガル人は怠け者」、とちょっと飛躍して思われるかもしれませんが、それはそう思う人の凝り固まった価値観のせい、あるいは歴史観に誤りがあるからです。怠けてはいません。皆、ここでの生活には一所懸命です。
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「こんなポルトガルでも自分はやっていけると思う人、手を挙げて~」と聞かれたら何人が手を挙げることができるでしょうか。たぶん、ごく少数の人に限られるのではないかと思います。
では、「こんなポルトガルに住んでみたい人、手を挙げて」ならば、たくさんの人が手を挙げるのではないでしょうか。

前述のコンセンサスが作り出す社会には経済以外にもいろいろな問題をはらんでいるのも事実ですが、最終的には優しくて温かい人も育んでいます。これらの人々のコミュニティーでは訳の分からない殺人や自殺、学校でのいじめ、暴力などといった深刻な社会問題は圧倒的に少なく、だから生活が「楽」なのです。これを「平和」(ポルトガル名、PAZ)と置き換えることができるのではないでしょうか。

図らずも経済先進国の間では「苦労はいつか報われる」といった格言も地に堕ちた感がある中、これって、「国の発展の妨げ」なのかを考えています。
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# by mobulamobular | 2010-01-19 02:20 | ポルトガル経済 | Comments(4)
12月の雨
もともと12月の降水量がアルガルベでは1年で一番多いのですが、昨年12月は全国的に記録的な大雨となったようです。
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過去30年間(1971-2000)の平均の2倍ほど降ったそうです。ある新聞記事の見出しは「今世紀最大降雨量」とありましたが、まだ10年目ですし、ちょっと大袈裟な感じです。上の記事では「雨・風が国を吹っ飛ばす」となっていますが、これもちょっと的得た表現とは言い難いようです。しかし、「乾いた大地」にはこれほど衝撃的な雨の量だったのしょう。それはよく理解できます。
では、実際どの程度の雨が降ったかというと、「東京の梅雨時」ほどです。この降雨量が「アルガルベの一番雨が降る月の平均の2倍」ということになります。ちなみに東京で一番降雨量が多い月は6月(梅雨時)ではなく、9月だそうです。
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# by mobulamobular | 2010-01-15 02:28 | 気象 | Comments(0)
5€のチケット
昨年暮れに20歳そこそこの若い漁師からキャプテン(漁労長)のところに急の電話があったそうです。
「ロンドンに行くのだが、問題はないか」といったような内容だったそうです。今は皆が休暇中でプライベートな時間に何をしようがこちらの関知するところではないのですが、とりあえずの連絡と断りを入れたかったのだと思います。聞いたキャプテンも通常の漁師の行動様式とは異なる内容に、一応「おぅ」と返答はしたのですが、ずいぶんと羽振りのよい話だな、と思ったようです。なぞ解きはこんなところにありました。
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今話題のライアン・エアです。アイルランドの格安航空会社です。なんとファロ-ロンドンが片道たった5ユーロ(約650円)だそうです。この航空会社は破格の安チケットの他にいろいろなユニークな企画が話題となっています。どこかの倒れかけてる航空会社とは大違いに元気です。中には客室乗務員による水着でのチャリティー・カレンダーなどがありますが、ウチの若い漁師はまさかそれを見て実際のキャビンアテンダントが水着姿で仕事をしていると勘違いしたのではないか、とか一瞬脳裏にうかびました。
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何れにせよ、見聞を広めることはよいことです。若い子たちにはなおさらです。












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# by mobulamobular | 2010-01-10 20:45 | 定置網 | Comments(4)
刺し網漁
定置網再開はまだまだです。
2010年になっても昨年末からの時化続きだったのですが、ようやく漁ができた様子です。地元の刺し網漁です。とは言え、冬場の海は水温も下がり、魚も散ってしまいますので、比較的水温の安定したRia Formosa内での漁です。しかしその割には"mais ou menos(まぁまぁ)"だったみたいです。
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ちょっと覗いてみたところ、けっこうな種類の魚がいました。
ヨーロッパスズキユーラシア大陸スズキFERREIRAメジナモドキアフリカチヌヨーロッパヘダイサルモネッテトンガリ・サルゴコルビナ等々、食べてみたい魚ばかりでした。
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2009年は彼らにとってあまりよい年ではなかったようですので、今年は何とか巻き返しを図ってもらいたいものです。
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刺し網漁の魚を見ている時、巻き網船も帰ってきました。イワシとサバでほぼ満船です。「値が安い」ことも問題ですが、まずは量をとることが大切です。

今年も海が何を与えてくれるのか、早くも楽しみです。
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# by mobulamobular | 2010-01-08 01:25 | | Comments(2)