トンガリ・サルゴ
3度目の登場となりますが、今回の個体はやや大きめのものとなります。通常は30cm前後の個体が多いのですが、これはトレーいっぱいのサイズで、全長50cm、体重1.6kg、ありました。
このサイズくらいになると、横縞は薄くなってくるようです。
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学名 Diplodus puntazzo、 英名 Sharpsnout sea bream、 ポルトガル名 Sargo bicudo、 和名 ありません。
春にも姿を見ますが、これからが一番の漁期となります。群れで定置網に入って来ます。最終的にはどの魚も同様に箱網で漁獲されるのですが、箱網を徐々に揚げて魚捕り部に追い込んだ際、なぜかこの魚は丘側の角に集まる習性があるようです。普通に考えると、魚は何かあった場合沖の深い方向を目指して逃げようとするものですが、これは逆です。
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「トンガリ・サルゴ」と勝手に呼んでいますが、その云われとなる「尖がった口」です。
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しかし、この魚の本当の特徴はこの人間顔負けの立派は歯です。
実は「デッパ・サルゴ」でした。










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# by mobulamobular | 2009-09-28 01:04 | | Comments(0)
「第2のクジラ」
誕生間近、なのでしょうか。
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ポルトガルの新聞にも同様の内容の記事が出ていました。
日本政府は「クロマグロは数千万の単位で卵を産むのだから絶滅なんてありえない」と言っています。他方は「違反操業も含めクロマグロを獲り過ぎているので数が激減している。このままでは3~5年以内に絶滅する」と言っています。しかし、何れも事の真実は分かりません。
やはり、やり過ぎたのでしょう。目立ち過ぎたのです。「マグロ・ビジネス」とかの失敗です。派手にやり過ぎて環境保護団体の格好の餌食になったのではないかと思います。何ごとも控えめが肝要ですか。でも、ひとつのビジネスが終焉を迎えても彼らには「次」があります。なんかズルイです。
マスクの向こう側のキミ。君は職を失うのでしょうか。

もの申す
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# by mobulamobular | 2009-09-20 21:20 | マグロ | Comments(0)
新人
2名の新人が入社しました。毎年、何かと忙しくなるこの時期、必要であれば人の補充を行います。特に募集をかけている訳ではありませんが、たえずウェーティングリストには数名の名前が連なっているのが現状です。
しかし、若い人材については、漁師免許さえ持っていれば簡単なインタビューを行い、「見込みあり」と思われれば出来るだけチャンスを与えるようにしています。
しかし、今回の1名はちょっと変な奴でした。
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「いまどきの若い奴」でよく街でも見かけるパターンですが、「刺青」好きの兄ちゃんです。でも本人の名前は「フラビオ」ではありません。数年前からか、柔道や空手の影響で、ちょっとした「日本語ブーム」です。この現象はここだけではなく、世界中で「愛」とか「誠」とか、最近ではひらがなやカタカナの意味不明の文字がTシャツに印刷されているのをよく見ます。
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間違って日本語が理解されています。とは言っても、一昔前には日本でも訳の分からない英語の文句が書かれたシャツを着ているのを見かけたものです。それを見た外人もやはり同じように感じたのでしょう。"ジャスト・ファッション"とか言ってしまうのかもしれません。
上の写真ですが、ロシアの「露」は分かりますが、下の文字は「幽」の字の出来そこないでしょうか。何れにせよ、意味は分かりません。当然、本人にも分かりません。
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「ナンダ」とか書いてあります。オイオイ、そんなところにもか。
「将来を託す」のも勇気が要ります。
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# by mobulamobular | 2009-09-12 00:36 | 漁師 | Comments(0)
ビンナガマグロ
「ビンチョウ」とか「トンボ」とか呼ばれています。マグロ属の中では最も小型の種ですが、今回の個体はさらに小さいものです。
幼魚です。尾叉長が36cm、体重900gです。珍しくここの定置網に入って来ました。過去に多少大きなものが2~3度入ったように思いますが、はっきりとは記憶していません。
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学名 Thunnus alalunga、 英名 Albacore、 ポルトガル名 Atum voador、 和名 ビンナガ です。
しかし、冒頭で述べたように「ビンチョウ」とか「トンボ」と呼ばれるには、その胸鰭が他のマグロに比べ著しく長くなくてはいけませんが、上の写真ではさほど長くはありません。実はこの胸鰭は成長とともに長くなり、幼魚の時はこんなもんだそうです。ですから、しばしメバチ(Thunnus obesus)の幼魚との識別が難しくなります。
ポルトガル名はトビウオと同様です。「羽があって空飛ぶ(voador)マグロ(atum)」ということです。しかし、実際にはこちらはそんなに飛ばないと思います。
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胸鰭については長さのみならず形状にも若干の違いがあり、ビンナガのものはメバチやキハダ(Thunnus albacares)のものに比べ先端が尖っています。魚体側面には縦に斑紋がありますが、クロマグロ、メバチ、キハダにはある横縞は存在しません。
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体の割には眼が大きく、口も大きいです。クロマグロの場合ですと、体の先端はまず口から始まって次に目と続きますが、本種の場合は先端の口から口が終わらないうちにすぐに目となり、口と目が大きくオーバーラップしています。鰓杷数は「28」でした。下の写真はクロマグロの第1鰓で「36」です。ともに寄生虫がついていました。
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クロマグロとは異なりあまり海岸には寄らず、群れて沖を棲み家としているようです。今回はソウダガツオを仲間と間違え定置網まで来てしまったのかもしれません。貴重で、かつ興味深い訪問者でした。
ちなみに、缶詰の「シーチキン」はこの魚から始まりました。

言い訳
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# by mobulamobular | 2009-09-05 00:28 | | Comments(0)
エビスシイラ
世界中の暖かい海にいるようです。シイラ科(Coryphaenidae)には本種とシイラ(Coryphaena hippurus)のみの1属2種が分類されています。
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学名 Coryphaena equiselis、 英名 Pompano dolphin-fish、 ポルトガル名 Doirado Pampo、 和名 エビスシイラ です。
本種をはじめ、最近は前回の「ビンナガ」、前々回の「カツオ」など沖合の魚の入網が相次いでいますが、これは沖からの水がポルトガル南岸に差し込んできているためと思われます。
「定置網」は読んで字の如く、動きません。海岸から4kmほどのところで一般的には「沖の魚」と考えられている種を見ることができるのですから、これは面白いです。
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シイラ同様、エビスシイラも黄色、緑、青ととてもカラフルで綺麗な魚です。しかし残念ながら、これもシイラと同様に港についた時には表皮が剥がれ、全体的に白っぽくなってしまいます。
水族館からのオーダーがありますので、何とか今年もその要望に応えていきたいと思います。
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これも今では漁師の間では人気種です。漁が少ないので、ポルトガルの市場で見ることはないと思いますが、もし見かけたらこの魚も傷みが比較的早いのでやはり鮮度には注意です。
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# by mobulamobular | 2009-09-01 01:05 | | Comments(1)
ソウダガツオの来襲
今年は昨年からの記録的な低水温の後、一気に気温・水温ともに上昇、「暑い夏」となりました。そのせいか、今年はちょっと早めのお出ましです。
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今回で6度目の登場となりますが、あらためまして。 学名 Auxis rochei、 英名 Bullet tuna、 ポルトガル名 Judeu、 和名 マルソウダ です。
ここの定置網の稼ぎ頭です。昨年は低水温により少ない漁獲となったため、チャンピオンの座をサバに明け渡してしまいましたが、今年は王座奪回を期待しています。
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気になる水温はここのところ22℃前後(表層)で推移しています。南からの風が吹けば入りますし、北よりの風に変われば沖へと離れてしまいます。
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以前にも述べたように、ほぼ全量がスペインに行きます。市場にはスペイン人も買い付けに来ています。スペインで漁獲が少なければ高値ですし、多ければセリ値は半減します。
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ソウダガツオに混じってカツオ(Katsuwonus pelamis)も入っています。食べましたけど、美味しかったです。
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# by mobulamobular | 2009-08-28 01:16 | | Comments(5)
フランス・アジ
暑くなりました。熱帯夜です。でも一年で一番暑くならなくてはいけない時なので、暑くなって安心、といったところです。でないと、後の海況や漁に悪い影響が出てきます。
これも数年ぶりに入って来ました。
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学名 Caranx rhonchus 、 英名 False scad、 ポルトガル名 Charro amarelo、 和名はありません。
ポルトガルでは"Charro-francês"と言った方が通りがよいかもしれません。ですから、「フランス・アジ」となります。ちなみに"Charro"はポルトガル語で「アジ」のことで、"amarelo"は「黄色い」という形容詞ですので、くっつけると「黄アジ」となります。魚体中央の黄色いラインがその名の由来と思われますが、もともとアジ類のポルトガル名には「白」や「黒」など種によって色分けする傾向がありますので、これもそのひとつと考えられます。
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これもやはり脂瞼が発達しています。全長38cm、体重420g、背鰭条数はVIII+I+29、尻鰭条数はII+I+26、鰓杷数は16+39 でした。ギンガメアジ属の1種ですが、体型は丸みをおびた(体高のある)ものとは異なります。
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小離鰭(しょうりき)もあります。尾鰭下葉先端がカンパチのように白くなっています。体型が細身であること、魚体中央に黄色いラインがあることなども考え合わせると、「ぜいご」がなければカンパチやブリに間違えそうです。
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英名では"False scad"となっていますが、ギンガメアジ類は多くが"~trevally"とか"~jack"と呼ばれています。"~scad"はマルアジとかメアジとかムロアジとかに付く英名です。ですから、「ニセモノ=False」扱いされています。
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# by mobulamobular | 2009-08-17 04:23 | | Comments(0)
Boops boops
ここの定置網付近で一番多く生息していると思われる魚と言えば、この種です。しかし、商業的価値はほとんどなく、地元小型巻き網でもイワシ、サバ等と混獲され市場に出ることもありますが、値がつく保証はありません。
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学名 Boops boops、 英名 Bogue、 ポルトガル名 Boga、 和名 ありません。
しかし、それでもタイ科(Sparidae)の魚です。定置網では前述のとおり、その内と外で水面下に時にあふれかえるほどの数を見ることができますが、漁獲はありません。性格が素早しっこいので、箱網に入ってもすべて網の目から外に出て行ってしまいます。
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見た目にもこれといった特徴もなく、水族館方面から声がかかることもありません。何でも食べる(omnivorous)本種は、よく潮の早い時などは定置網の"潮下"側で流されてくるものを盛んに捕食していることがありますが、ひょっとしたらこのせいで、ここの定置網にはムラサキイガイなどの付着生物が少ないのかもしれません。
目立ちはしませんが、必ずきっと何かの役に立っているのだと思います。
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# by mobulamobular | 2009-08-14 01:33 | | Comments(0)
"<クロマグロ>国際取引の禁止を ワシントン条約提案へ"という報道について
ここに来る前、"<クロマグロ>国際取引の禁止を ワシントン条約提案へ"というexciteニュースを見ました。"大西洋(地中海を含む)クロマグロを、絶滅の恐れがある野生生物を保護するワシントン条約の対象に加え、国際取引を全面的に禁止する動きが浮上している。"そうです。この提案は"2010年3月13~25日にカタールの首都ドーハで開かれる同条約締約国会議に向けモナコが提案し、英仏独、オランダなど欧州諸国が賛意を示している。"そうです。
一方、米国は"太平洋の個体群も含めたクロマグロすべての国際取引を禁止する"提案を同上会議に出すことを検討しているそうです。
ワシントン条約(CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)ですので、クロマグロ漁が禁止になるのではありません。例えば、「日本にはクロマグロは輸入されなくなる」という話です。日本に来る海外からのクロマグロが途絶えれば、これは「日本ではもうクロマグロは食べられない」に等しい状況になると思われます。ですからこれは大変な問題です。しかし、もっと大変なことになると思われるのが、地中海海域でクロマグロの仕事に携わっている人たちです。彼らにとってクロマグロを日本に売れなくなることは、クロマグロを缶詰屋さんにしか売れなくなることに等しい状況となるからです。
いつだったか「クロマグロの漁獲割当量違反トップ国はイタリア、スペイン、フランス、日本」という記事を見た憶えがあります。ことの真実は知りませんが、こういうことを書きたてられること自体に日本は自嘲しなければなりません。だからこそ、ICCATの会議では率先して「漁獲量50%削減」を打ち出したのですが、押しの弱さで、世界には受け入れてもらえませんでした。もしワシントン条約でクロマグロの国際取引全面禁止が可決されれば、「時すでに遅し」となり、ついに「第2のクジラ」の誕生です。
上記違反国で個人的に一番気になるのがフランスです。この10年ほど地中海で養殖マグロ事業が盛んに行なわれるようになる中、フランスは自国でのマグロ養殖を許可しませんでした。しかし、沖でのマグロ漁はどんどんやらせ、それらを近隣諸国のマグロ養殖場に売り渡しました。これらはすべて「沖」での話です。フランスの港に帰港するマグロ船にマグロの姿はなく、それを見たその筋の人たちには「フランス船は問題なし」と思えたことでしょうが、実は違反国トップスリーに入っていたのです。それが今度はクロマグロの国際取引全面禁止の提案に早々に賛意を示しています。大国の考え方というか、これは経済ニュースではなく、まさに「びっくり」ニュースです。
EU内での取り引きは「国際取引ではない」とか言うのかもしれません。EUに入りたくても未だ入れないで、かつ、クロマグロ養殖事業を盛んに行なっているクロアチアとかトルコとかも大変です。EU諸国に囲まれているにもかかわらず、EUには属していないスイスはいわゆる「海なし国」ですから、これからは「永世中立国」に加え「永久にマグロが食べれない国」と呼ばれるようになるかもしれません。
経済不況の中、なんかいろいろな人間やグループの思惑が見え隠れしています。「世知辛い世の中」です。
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ポルトガルはEUの一員です。
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# by mobulamobular | 2009-08-12 00:28 | マグロ | Comments(6)
山火事
アルガルベでは6月の中旬に少々のお湿りがあった以降、連日の晴天でそこらじゅうがカラカラの状態になっています。
こうなってくると思いだされるのが何年か前にあった大規模な山火事です。今回も「またか」と思いました。
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ポルトガル語では"Incêndio"と言います。夏の午後特有の強い南西風にあおられ、さらに勢いを増すかに見えた先日の山火事は、幸いにも前回の教訓が見事に生かされ、大規模であったにもかかわらず、初期の迅速な消火活動が功を奏し、一昼夜のうちに見事に消し止められました。
「やればできるじゃん。」といったところです。
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# by mobulamobular | 2009-08-10 00:59 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ムロアジ
記録破りの低水温からようやく例年並みとなり、海もやっと「夏っぽく」なった中での1尾です。記憶が正しければ、定置網への入網はもちろん初めて、市場でも今まで見たことがなかったと思います。群れで生息しているものと思いますが、漁獲はこの1尾のみでした。
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学名 Decapterus tabl、 英名 Roughear scad、 ポルトガル名 Carapau cauda、 和名 オアカムロ、 です。
ムロアジ属の1種です。ムロアジと聞くと干物の「クサヤ」をすぐ思い出しますが、この種は刺身でも美味しいそうです。いつも魚種の同定で利用している"FNEAM"ではムロアジ属はD.macarellus(クサヤモロ)とD.punctatus(クロホシムロアジ)の2種のみが記載されており、本種は載っていません。ではこの海域には生息していないのかというと、そうではなく、世界中の海はつながっていますので、今回のようにたまに珍しい魚が入ることがあるのが定置網で、それが定置網の面白いところであり、驚きでもあります。
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脂瞼が発達しています。ふだんは比較的深い海を泳いでいるようですが、何を間違えたのでしょうか。全長34cm、体重400g。背鰭は9本の棘条と32本の軟条、尻鰭は3本の棘条と24本の軟条でそれぞれ成り立っていました。
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和名通り、尾鰭はうっすら赤く色づいており、小離鰭(しょうりき)があります。どう見てもオアカムロだと思いますが、たぶん実際にこの魚を見なければ「アルガルベにはオアカムロは生息しない」ということになっていると思います。
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ちょっと鰓も調べてみました。鰓杷は40でした。
それにしても、昨年投稿した「アマシイラ」しかり、これらの銀と赤の配色の魚にはますます謎めいたものを感じさせられます。上記ポルトガル名ですが、Fishbaseに記載されているアフリカ・モザンビークでの呼び名です。ポルトガルではもし呼び名があるとすれば"Charro-?"となると思いますが、不明です。
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# by mobulamobular | 2009-08-03 02:32 | | Comments(0)
クロマグロ 2009
おおよそ1年前になりますが、クロマグロの記事を投稿しました。あれから今日まで地中海を中心とするクロマグロ事情はがらりと変わったように思われます。理由はふたつ。昨今の「経済危機」とICCATによる「漁獲割当量(Quota)の削減」です。
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まずは前者ですが、経済危機により今まで見えにくかったいろいろな問題が露呈してきたと思います。これもちょうど昨年の今頃、「将来、品薄でマグロが食べれなくなるのではないか」という新聞テレビ等の報道をよく目にした記憶がありますが、一年後の現在の個人的な見解としては、需要の減少により必然的にマグロは余っている状況だと思います。前述のとおり()、蓄養マグロではそれでも後がつかえているので無理して出荷しようとして質を落としている結果となっているように見えます。次に後者ですが新たな漁獲については割当量の削減により、漁を見合わせたり、すでにイケス内にいるものを逃がしたりするところもあるようです。しかし、これについても今の経済状況が大いに影響していると思います。

こう景気が悪い方に向いていると、本来の目的である「マグロ類の資源を最大の持続的漁獲を可能にする水準に維持するための漁獲量削減」などという大義名分はどこかへ行ってしまい、理由はとてもシンプルに「売れないから」もしくは「ペイしないので」漁獲量を減らす方向に自ずと動いている様子です。

やはり、獲る側、売る側のみならず、もう少し「買う側」あるいは「地中海マグロを輸入する側」の規制を強化すれば、今のような現場での混乱は避けられるのではないかと思います。
この点、日本人の責任は重大です。
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# by mobulamobular | 2009-07-25 12:51 | マグロ | Comments(0)
Hmmm...
やっぱり、といった感じでしょうか。あの"ASAE"に裁判所から「違憲」との判決が言いわたされました。
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運よく、前回利用した新聞の切り抜きの写真と同じものが、再び別の新聞に使われていました。やはり、「市民とASAEとショットガン」の構図は誰の目にも異様に見えたことなのでしょう。
適正な食品衛生状態、ルールに基づいた経済活動を検査するのは大いにけっこうなことなのですが、そのために武装することがどうしても理解できませんでした。裁判所も同様に、検査そのものは認めていますが、それに伴う「警察活動」が憲法違反であるとのことでした。ようするに逮捕や罰金を課したり、市民に銃口を向けたりすることはできないということです。
今後、さらなる裁判所の判断に注目です。
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# by mobulamobular | 2009-07-21 00:21 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ポルトガル語では"Nevoeiro"と言います。
年に数回程度ですが、ここでも濃い霧が発生し船の航行の妨げになることがあります。
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特にここでは外海に出るまで"RIA FORMOSA"内を走らなければなりませんので、船長は神経をとがらせます。定置網船にはGPSプロッターやレーダーが備え付けてありますので、霧だろうが暗闇だろうがどんどん走っていけますが、他船には気をつけなければなりません。
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一方、ここのところずうっと霧がかかった状態で先行きが読みきれないのが世界経済です。遅ればせながらアルガルベでも景気の悪い噂話を聞くようになりました。とは言え、市場での魚の値段が極端に下がったとかいうことはありませんので、定置にまでは悪影響は達していません。しかし、ここのところ漁獲量の締め付けがより厳しくなった地中海マグロ業界では加えて不景気の逆風が吹き荒れたことから、今までは湯水のごとく投資を繰り返し拡張路線一本だったのが、経費削減の必要性に迫られています。傍目では「質」を落としているように思われ、よい傾向とは言えません。
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先日、"NOAA"などからエルニーニョ現象がおおよそ6年ぶりに発生したという発表がありました。今後来年の冬まで持続する可能性があるとか、これも先が見えません。エルニーニョおよびラニーニャ現象は通常太平洋での出来事として扱われますが、実は大西洋にも同じように「大西洋エルニーニョ」および「大西洋ラニーニャ」が存在すると言われています。双方とも地域の気候に大きな影響を及ぼすことは分かっていますが、両者のエルニーニョ現象の関係については未だはっきりしたことは分かっていないようです。
今月の水温は最低記録を更新中です。過去13年間の7月の平均水温(19.55℃)と比べると3℃ほど低くなっています。これ以上この状態が続けば、また「異常気象」と表現しなくてはならなくなります。
何れにせよ、先の見えないことばかりですが、先が見えないからこそ面白みが増すこともありますので、日々の仕事に精進するのみです。
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# by mobulamobular | 2009-07-18 00:32 | 気象 | Comments(0)
Sunday Fishermen
これは世の常です。
定置網の仕事に携わっている人であれば、この問題の奥深さはご理解いただけると思います。
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これから夏本番ともなれば日曜日に限った話ではなくなりますが、今の時期は特に日曜日にどっと数が増えます。
ここにも規則(法律)みたいなものはありますが、ほとんど効力をなしてはいません。かと言って、法は破るためにあるもの的無秩序集団がごった返しているわけでもありません。
海とポルトガルは切っても切り離せないほど密接な関係であることは大航海時代以降変わりはありませんが、意外とポルトガルでは一般の人が自由に海に出れるようになってからはまだ日が浅いのです。よって、海のことはよく知られていないというのが実情です。
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定置を始めた1995年にはこんなにサンデーフィッシャーマンは存在しませんでした。沖だけではなく、丘っぱりの釣り人の姿もまれにしかお目にかかれませんでしたが、今では日本の釣り具メーカーのタックルをそこら中で見ることができます。
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知らないことが災いして沖での釣りも褒められたものではありません。でも好きだからやめられません。潮の流れが早かろうが遅かろうが、彼らは釣りをするために船を停めたがります。そのため処かまわずアンカーを打ちたがります。ここではスパンカーやシーアンカーの類を使用する者は皆無です。エイっと投げ入れられたアンカーが後に定置の土俵や碇綱に引っ掛かり回収不可能となります。そのままあきらめてくれればよいのですが、不得要領の太公望が無理をする場合があります。
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「危ないですからやめてください。」「もうちょっと向こうの方で釣りしてください。」ってやってます。
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# by mobulamobular | 2009-07-15 00:23 | 定置網 | Comments(0)
肥満
英名 Obesity、 ポルトガル名 Obesidade、 和名 肥満 です。
最近、「健康」に関する話題は猛威をふるう新型インフルエンザに乗っ取られ、「肥満」に対する関心は少々薄らいでいるようにも思われますが、成人病の元凶であるため引き続き何人とも注意が必要です。
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上の新聞コピーの内容はポルトガルにおける「肥満」についてです。「2004年から今までおおよそ9000人が肥満が原因で亡くなった」といったところでしょうか。「年間1500人以上が亡くなっている」勘定です。人口1千万人足らずのポルトガルにおいて、この数字が他国に比べ多いのかどうかは分かりませんが、「外国人」の目から見たポルトガル人は太った人が多いようにも思えます。その証拠がけっこう身近にありました。
週末にイヤな知らせがありました。62歳になる定置網の漁師が倒れて救急車で病院に担ぎ込まれた、というのです。原因は「高血圧」でした。幸い、大事には至らず、病院で診察を受け薬を処方してもらい、今日にはちょこっと事務所にも顔を出すほどに回復しました。この漁師もご多分にもれず、コテコテした食べ物が大好きで、おまけに孫娘と一緒にアイスクリームやケーキの類をバクバク食べていると以前からの評判でした。プックリ太っているわけではありませんが、ポッテリ腹が出ています。ちょっと「ポッテリ」が過ぎるので、最近の会話でも「そろそろ気をつけろよ」なんていうのもあった矢先でした。
そこで漁師全員の肥満度チェック(BMI)を実行しました。結果は、(実はやる前から分かっていたことですが、) 全体の約6割強が「肥満」および「肥満予備軍」でした。個々のプライベートに関する事柄ですが、ここは「内々で公」にすることで、全員に注意を促すことにしました。
せっかくですので、チャンピオンの腹を少し観察です。
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彼は1995年の定置網創業以来のメンバーの一人で、この間の苦楽をともにしてきた仲間です。皆からはCavaco(カヴァコ)と呼ばれています。当時のポルトガルの首相がカヴァコ・シルバ(現ポルトガル大統領)だったため、それにあやかり、通常はファーストネームで呼ぶところをあえて彼の名字で呼ぶようになりました。今では副船長として後進の指導も彼の大事な役割なのですが、「自分でやる」ことが少なくなってきたためか、ここ数年でこの有様です。貫禄あり過ぎです。
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# by mobulamobular | 2009-07-08 06:38 | 漁師 | Comments(0)
アカエイ
訳ありで、2度目の登場です。過去の記事(スティングレイ)を参照ください。
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学名 Dasyatis pastinaca、 英名 Common stingray、 ポルトガル名 Uge、 和名 未だないと思います。
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アカエイというと「人なつっこいエイ」というイメージがあると同時に、「よっぽどドジをしない限り大丈夫だけど、間違って刺されたらけっこう痛そうな尾っぽにある棘の持ち主」、といった印象を持っています。
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では、なぜ「訳あり」かというと。先日、定置網のアンゴラ出身の黒人漁師が、船上に水揚げされてまだピシャピシャしているアカエイの棘を足に刺してしまいました。刺さった瞬間に激痛が走ったようで、「ウァオー」と奇声をあげ、片足でデッキ上を飛び跳ね、あっち行ったりこっち行ったり。それを別の船から見ていたミゲルが思わず、「マイケル・ジャクソンだ!!」と叫んだのです。

数日後、その「M・ジャクソン」が亡くなってしまうとは、その時誰もが想像しなかったことです。

同世代ということもあって、M・ジャクソンの歌はよく聞きました。勝手ながら、「お世話になった」とも思っています。それはというと、昔、初めてアフリカに行った時、右も左も分からない中、すべてが想像を絶する雰囲気に少々ハイな気分で、異文化と自分との接点を追い求め、さまよい歩き、行き着いたレストランで聞いたM・ジャクソンの歌に、とてつもない安堵感をおぼえた記憶があるからです。
何もかもが異なる世界で、それが唯一の「共通点」でした。

pelo "Wacko Jacko".


追記 - アカエイの棘を足に刺した黒人漁師は仲間から愛称で「グレーリャ(Grelha)」と呼ばれています。"Grelha"とは「魚などを焼く網」のことです。いつもながらこちらの人間のユーモアに富んだあだ名付けのセンスには感心します。ようするに色が黒いことから「焦げた」イメージでそう名付けられたのですが、親しみを込めて皆から呼ばれることで、本人もこのあだ名に満足している様子です。
足の方は大事には至らず、翌日からまた元気に沖に出ています。
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# by mobulamobular | 2009-07-03 20:21 | サメ・エイ | Comments(1)
ヨーロッパマダイ
今まで何度も登場していますが、一度単独で載せておこうと思ってました。
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学名 Pagrus pagrus、 英名 Common Seabream、 ポルトガル名 Pargo legitimo、和名 ヨーロッパマダイ です。
日本の「マダイ」は学名"Pagrus major"で異なります。「メジャーリーグ(大リーグ)」の様に、"major"とはラテン語で「大きい」という意味ですから、日本のマダイはで時に1m以上に成長する、文字通りの「大型魚」です。一方、ヨーロッパマダイは大きくても70~80cm止まりで、30~35cmの個体を一番多く見ることができます。英名、ポルトガル名からも分かるように、西洋から見ればヨーロッパマダイが「普通のタイ」ということになります。
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マダイと言えば「赤い魚」の代表格ですが、このヨーロッパマダイは「赤」というよりは「ピンク色」が基調です。沖での獲れたて時には「赤いな」と感じる場合もありますが、そんな個体でも時期にピンク色へと色が抜けていきます。一方、日本のマダイは英名でも"Red seabream"と言うだけあって、「赤」がとても鮮やかです。見ているだけでとても「おめでたい」雰囲気になります。やはり優勝力士には日本のマダイが一番お似合いです。
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日本のマダイは尾鰭の後縁が黒いですが、ヨーロッパマダイのそれは白いです。
話は変わりますが、日本ではマダイの養殖が盛んに行われていますが、ここではヨーロッパマダイの養殖は技術的に難しい点があるのかは知りませんが行われていません。かといって「人気種」ではないのかと言うとそんなことはなく、美味で人気があります。市場でも高値で取引されています。一般的なスーパー等では漁獲量が少ないこともあってあまりお目にかかることはありません。でもなぜか養殖はしません。日本ではもう何十年も前からもう一歩踏み込んで「栽培漁業」と銘打って養殖魚の稚魚を海に放流し、その資源量および漁獲量の飛躍的な伸びを実現させています。このことによって日本では漁業者のみならず、遊魚を楽しむ人たちもおおいに恩恵を受けています。「やればいいのに」と無責任に思うのですが、日本の場合はマダイ養殖や放流事業による「自然界のマダイ」に対する弊害も耳にしますので、ここは何もせずで、いつまでも「普通のマダイ」を楽しむのがよいのかもしれません。
まったく、この国らしい時の流れを感じます。















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# by mobulamobular | 2009-06-30 01:08 | | Comments(0)
Lagocephalus lagocephalus lagocephalus
2度目の登場です。前回はおおよそ2年前(フグ)でした。
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学名 Lagocephalus lagocephalus lagocephalus、 英名 Oceanic puffer、 ポルトガル名 Peixe balão oceânico、 和名 ありません。
フグ科(Tetraodontidae)のサバフグ属の1種です。種名の後に再び"lagocephalus"と記載されているのは、この種に亜種が存在するためです。
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しかし、どことなく2年前の個体とは異なります。まず、2年前の個体は体の側面に斑点模様はありませんでしたが、今回のものにはあります。ましてや眼と胸鰭の間にきれいに三角形の斑点があります。それに色も違いますし、顎下の腹部の膨らみ具合もちょっと異なります。
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胸鰭の下部が白い、尾鰭は上より下の方が長い、背面に小棘はなく腹面にある、等メインな検索部位はそれに該当します。
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亜種ですが、日本近海にいる"Lagocephalus lagocephalus oceanicus" (和名:クマサカフグ)です。こちらの方をネット検索してみますと、今回の個体にそっくりです。違いは遺伝子レベルなのでしょうか、とにかく双方を比較する情報不足で、「大西洋にいたからL.l.lagocephalus」、もしくは「"Lagocephalus lagocephalus spp."と表記するのが無難」というのが今回の結論です。
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# by mobulamobular | 2009-06-21 16:02 | | Comments(0)
曇天、凪
今年も"Corpo de Deus"はお休みでした。そして、今年は6月10日の"Feriado National"(ポルトガルの日)との連休でした。週の半ばに2連休ですので、この週は全国的に"ゴールデンウィーク"気分となってしまいました。
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今まで低めだった気温もこの週からグッと上昇し一気に真夏日となったため、皆の気分は一層高まりました。その反動での「曇天、凪」です。
アフリカから熱い湿った空気が入って来て気温を上げますが、まだ上空には冷たい空気が残っており、ここらで双方がせめぎ合いを繰り広げ、雲を残して、時にはポツっと雨を落として一旦休戦になります。今の時期はこんな感じの天気が何度となく繰り返されます。ですから、気温は「真夏日」となっても実際の「真夏」はまだちょっと先になります。
さて、水温も今年初めて表層で20℃を記録しましたので皆の気持ちが"PRAIA"に向きます。ここの人たちは老若男女を問わず皆一様に海岸が大好きです。「泳ぎに行く」というのとは少し違います。ビーチでゴロっとなって親しい仲間と食っちゃべって過ごします。そして日焼けをします。この日焼けこそが「休暇を過ごした」という証なのです。だから「日焼けはカッコイイ」のです。
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漁師も例外ではありません。「おまえら一年中海に行って日焼けしているんだから今さら海水浴など必要ないだろ」と思いますが、PRAIAでの日焼けは別物のようです。漁師はいつも沖に出る際楽しそうな人びとで沸きかえる、また時にはトップレスのおねえさんが寝そべっている浜の横を通って行きます。ですから、この「夏の誘惑」から漁師を「守る」のにはしばしば骨の折れる時があります。根っからの「優しい性格」からか「誘惑」にはめっぽう弱い彼らにはデジタル化が進む現代では、時にルーズな印象を受けることがありますが、決してそんなんではなく、ただ単に「天然もの」の気まぐれさがそうさせているんだと思っています。「養殖もの」にはなかなか理解に苦しみます。
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日焼けと言えば、後のスキンケアが気になるところですが、「肌」に関する感覚も異なります。「キリスト教では悪魔の化身とされるドラゴンのイレズミを入れ威厳を示すことによって逆に仲間から好かれようとする、ちょっと粋なアイディアだな」と思いきや、ただ単に「カッコイイから」だそうです。「養殖もの」は考え過ぎる傾向があります。
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# by mobulamobular | 2009-06-18 00:57 | 定置網 | Comments(0)
サスペンダー
「アカタチ」とか「アカタチウオ」とかいうと思います。しかし、"タチウオ(タチウオ科)"とは異なり、れっきとしたアカタチ科(Cepolidae)の魚です。
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学名 Cepola rubescens、 英名 Red bandfish、 ポルトガル名 Suspensório、 和名 ありません。
「赤帯」という英名同様、ポルトガル人もこれを「ズボンのサスペンダーみたいな魚」と考えたようです。しかし、漁師には見慣れた魚ですが、市場ではあまり見ることはないと思います。前述のとおり、この魚は「アカタチ」もしくは「アカタチウオ」ですが、厳密にいえば日本のもの(Acanthocepola krusensternii )とは異なりますので、この種の和名はありません。たぶん「ヨーロッパ~」とか「ニシ~」とかになるのかもしれません。学名ですがFishbase等では上記のものは"Cepola macrophthalma"のシノニムになっていますが、ここでは"FNEAM"の記述に従います。
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このアップから深海魚のようなイカツイ顔をしているのが分かりますが、臆病な性分でいつも海底に穴を掘っては、そこに隠れて暮らしているようです。全長70cmほどになるそうですが、この個体は30cmの小さなものでした。








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# by mobulamobular | 2009-06-14 05:55 | | Comments(0)
カンパチ(Seriola dumerili)
定置網に入った個体です。今回は「ふつうのカンパチ」です。"Seriola rivoliana"を参照ください。
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学名 Seriola dumerili、 英名 Greater amberjack、 ポルトガル名 Charuteiro (Peixe-azeite / Lírio)、 和名 カンパチ です。
全長 106cm、 体重 13.2kg でした。 ポルトガル本土ではめったに市場に水揚げされることはないので、ポルトガル名もヒレナガカンパチ(Seriola rivoliana)と区別されることはないようです。強いて言えば、"Charuteiro-catarino"となりますが、はたして幾人がそれと認識できるかは甚だ疑問です。
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世界中の暖かい海で泳いでいます。「カンパチ」と言えば顔が特徴的ですが、日本近海のものと比べてどうでしょうか。若干ノンビリした感じが出ているでしょうか。
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よくカンパチの「尾鰭の下葉先端は白い」という記述を目にしますが、これは白くありません。しかし、このサイズにまでなれば間違いなくカンパチだと思います。ちなみにこの個体の鰓杷数は「12」でした。
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# by mobulamobular | 2009-06-11 16:33 | | Comments(0)
卵嚢
写真は定置の箱網に産み付けられたヨーロッパヤリイカの卵嚢です。
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漁師にとってはある種の戦いの場である定置網も、普段はこういう場所であるとも言えます。
安全だから、外敵から身を守りやすいから、孵化した子らへの食べ物がたくさんあるから、そう考えて親はそこに産卵したものと思われます。
定置網はこのように魚には魚礁として認知されています。ですから、イカのみならずたくさんの稚魚も見ることができます。たくさんの小魚がいるからそれらに興味をもって大きな魚も集まって来ます。簡単に言うと、これが定置網の漁のシステムです。
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# by mobulamobular | 2009-06-09 15:49 | 定置網 | Comments(0)
空飛ぶガンギエイ
これもドイツに行く予定です。
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普段はあまり定置網には入らないのですが、今年はどういう訳かたくさん入っています。
学名 Raja(Raja) undulata、 英名 Undulate ray、 ポルトガル名 Raia curva、 和名 "波"ガンギエイ  でした。
この種の過去の記事を参照してください。[12]










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# by mobulamobular | 2009-06-07 05:35 | 活魚 | Comments(0)
最近の魚から
ちょうど2枚入りましたので写真を撮りました。「ブツブツ」がある奴と、ない奴です。
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左が「ヒラメ」で登場した 学名 Scophthalmus rhombus、 英名 Brill、 ポルトガル名 Rodovalho です。「ブツブツ」がありません。
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そして、右が「多宝魚」で登場した 学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado、 和名 イシビラメ です。体表に「ブツブツ」があります。
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双方とも眼には「瞬膜」らしきものが"ぶら下がって"いるようですが、この手の海底にベッタリへばりついて棲んでいる魚たちはガンギエイ類[1234]も同様に、まき上がった砂や異物から眼を保護するためにこんな風になっているのでしょうか。

マダイも入っています。
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マグロの「随伴魚」として大いに注目されるトビウオもたくさんいました。
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# by mobulamobular | 2009-06-05 01:22 | | Comments(1)
ドラッグ
活魚の分野においては依然として大物の動きはありませんが、小物たちはそこそこ動いています。(前回の活魚についての記事参照)
そんな中、近々ドイツの水族館にいろいろな魚を送ることになりましたので、只今そのための準備中です。
まずは、サバです。活サバは今までもリスボンやスペイン・バレンシアの水族館などに何度となく送っていますので、勝手の知れた種なのですが、今回は空輸となり予想輸送時間がトータルで18時間と今までにない長旅になりそうなので、多少工夫を凝らす必要があります。そこでファロ大学と相談をし、模擬輸送(Mock transport)を行うことになりました。
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上の写真、左端にいるのが今回のテストに協力してくれたファロ大学学生の"マリア"です。男勝りで活発な女子大生です。
そして今回のテーマですが、「タンクを2つ用意し、同じ条件で同数のサバを入れ、一つには『薬品』を入れ、もうひつは『薬品なし』で、18時間の模擬輸送中の水質の変化と魚の動向を調べ本番への参考とする」といった感じです。
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英名 Drug、 ポルトガル名 Droga、 和名 薬品、薬物 です。 商品名は"AmQuel"です。アンモニア除去剤です。
魚は体内のアンモニアを人間のように尿素にして排出するのではなく、そのまま水中に出してしまいます。広い海ではそれでも問題はないのですが、閉鎖的環境(例えば、輸送用タンク内)では毒性の強いアンモニアの濃度が上昇し、水質を悪化させ、それによって魚の長時間の生存が難しくなってしまいます。このため、アンモニアを除去しなければなりません。
活魚水槽内のアンモニアを除去するには特殊なフィルターを使ってろ過する方法などいろいろありますが、欧米ではこの"AmQuel"が広く使われており、「信奉者」が多いのも事実です。薬品を水に溶かすだけで簡単に使うことができます。要は薬品量と水量とバイオマス(魚)と時間との関係を正確に把握することです。
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こういったデータをもとに彼女はレポートを作成し大学に提出します。また、そのレポートは実際の現場では即時に役立ちます。こういった関係や機会を今後も多く持つことが大切です。

そして18時間の模擬輸送は無事終了しました。結果は双方とも死んだサバはいませんでした。薬品を投与しなかった方のタンクでは最終的にアンモニア(NH3)が3.15mg/Lまで上昇しましたが、サバは耐えました。この後、データをよく分析し、来るべき実際の輸送時にどのくらいの"AmQuel"を使えばよいか検討していきます。
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この子も同様の方法で行きます。
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# by mobulamobular | 2009-06-03 00:18 | 活魚 | Comments(0)
Synonym
"Synonym"とは「別名」とか「同義語」といったような意味ですが、ここでは「魚の学名のシノニム」についてです。
魚の分類において、1種に対し、時に複数の学名がある場合があります。過去にいろいろな学者が同種にもかかわらずいろいろな学名をつけてしまった結果です。それにはいろいろな理由があるようですが、何年にもわたってたくさんの人がかかわってしまうと、もう何が何だか分からなくなってしまっているケースも少なくないようです。特にマイナーな種については一向に研究は進んでいない様子です。

ここに1種います。20cmほどの小さな魚です。定置網には入りません。入っているのかもしれませんが、ここの定置網の魚獲りの目合は3寸ですので、すべて抜けてしまいます。ですので、これは地元の小型巻き網船が漁獲したものです。時にまとまって市場に出ています。
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学名 Spicara flexuosa、 英名 Picarel、 ポルトガル名 Trombeiro、 和名 分かりません。
"Centracanthidae"という科に属しますが、これもなんだか分かりません。やはり"Sparidae"(タイ科)に近いのでしょうか。分かっているのはスズキ目(Perciformes)の魚だということぐらいです。Fishbaseにはこの学名はありません。"Spicara maena"のシノニムになっています。しかし、愛用の"Fishes of the North-Eastern Atlantic and the Mediterranean"では、本種と"S.maena"は「別種」となっており、それぞれの記載されている特徴をよく検討した結果、ここでも「別種」の意見に賛同します。
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また、英名についてFishbaseでは"Picarel"は"S.smaris"の英名となっており、"S.maena"の英名はBlotched picarel です。
一方、ポルトガル海洋研究所(IPIMAR)の資料をもとにポルトガル名で追っかけてみると、"S.flexuosa"が Trombeiro、"S.maena"は Trombeiro-choupa、"S.smaris"はTrombeiro-boga となっています。ようするにポルトガルではSpicara属の魚では"S.flexuosa"がその代表格的存在という考えです。

まぁ、分からないことだらけで、いろんな「シノニム」がありますが、ここでは上記の学名、英名、ポルトガル名ということにしておきます。












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# by mobulamobular | 2009-05-31 19:51 | | Comments(0)
The Sun
「紳士の国」イギリスでもっとも発行部数の多い新聞が、"The Sun"です。イギリスのある側面を垣間見るような内容で、おもしろい新聞です。"The Sun"についてイギリス人に聞いてみると、老若男女を問わず、誰もが下品だ低俗だと言いつつも実は皆がこっそり見ている新聞だそうです。いろいろなすっぱ抜き記事を載せることでも有名です。

さて。最近なのですが、当ブログへのアクセス数が異常に多くなっているのに気がつきました。機械の故障か、はたまた何ぞやと思い、「検索ワードランキング」を調べてみると『サレマ』がだんとつトップになっています。またどこかの学生さんか研究者が「サレマについて調べている」のかなとも思ったのですが、ちょっとすごい勢いの数なので、「ちまたで事件か」と思い、独自に「サレマ 魚」でサーチしてみますと、なるほど、その原因が解明されました。
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学名 Sarpa salpa、 英名 Salema、 ポルトガル名 Salema、 和名 サレマ です。
何でこの魚なのか。理由は"The Sun"の記事にありました。概要は「サレマは毒のある魚で、"LSD"のような幻覚をひき起こす。そんな魚がイギリス南西部のCornwallの沖で見つかった。このサレマを獲った38歳の漁師は初めて見る魚にビックリ・・・普通は南アや地中海にいる魚が・・・これも地球温暖化の影響か・・・サレマは地中海ではとてもポピュラーな料理・・・でも2006年にはフランスで2名の男性がサレマを食べた後、病院行き・・・でも学者さんは、『これらはとてもまれなケース』…」となっています。ここまでで「アクセス数増加の謎」を解明できるとしたら、ちょっと危ないかもしれません。

"The Sun"は英語ですので、英語の分かる人が通常アクセスします。一方、当ブログは日本語ですので基本的には日本語の分かる人がアクセスしてきます。しかし、学名や英名、ポルトガル名から検索し、それ以外の人たちもアクセスしてきています。なんとも微妙なつながりと思いますが、あらためて今のITの広がりを痛感させられます。
話を元に戻しますが、ではなぜアクセス数が急激に増えたのでしょうか。キーワードはひとつだと考えます。その「キーワード」に過敏に反応した人たちが、まさに「サレマについて調べている」、と勝手に想像してしまいました。では、「何のために」。この件についてこれ以上の言及は好ましいジョークにはなりませんので、やめておきます。これを機にサレマの値段が急激に上がる、なんてことはないと思いますが、人気が出ることはよいことかもしれません。

"The Sun"はほんとにたくさんのいろいろな人に読まれているようです。
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# by mobulamobular | 2009-05-28 00:59 | | Comments(0)
タチウオ
日本ではお馴染みですが、ここでは少数派の太刀魚類のタチウオです。ポルトガルではこの手の魚を"Peixe espada"(日本と同様に「太刀魚」という意味です。)と呼びますが、その数が圧倒的に多いのは「オビレダチ」です。これをあえて"Peixe espada branco"(白い太刀魚)と分ける場合がありますが、なぜならば"Peixe espada preto"(黒い太刀魚 : Aphanopus carbo=クロタチモドキ)が存在するためです。
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学名 Trichiurus lepturus、 英名 Large-eyed hairtail、 ポルトガル名 Peixe espada lírio、 和名 タチウオ だと思います。
まず、英名ですが、Fishbaseなど多くのところでは"Largehead hairtail"となっていますが、ここでは"Fishes of the North-Eastern Atlantic and the Mediterranean"の英名を採用しました。次に、ポルトガル名ですが、この名前を使っても一般的には通じません。そんな場合は"Peixe espada sem rabo"(尻尾のない太刀魚)とか、"Peixe espada de Angola"(アンゴラの太刀魚)と呼ぶと理解されるかもしれません。
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そして学名と和名についてですが、明らかに「タチウオ」なのですが、日本のものとはどことなく異なる気がします。以前は日本のものは"Trichiurus japonicus"とされていたようですが、今では"T.lepturus"に統一されつつあるそうですが、日本で見るタチウオとはちょっと違います。例えば、定置網で漁獲されたタチウオは魚層の中に他の魚とともに水氷漬けになって港まで来ますが、水揚げされる時はそれまで魚層内で「もまれた」影響で魚体表面の銀が剥がれ落ち、ところどころ白くなっているのが常ですが、今日の個体については同様にして港まで運ばれて来たにもかかわらず、銀色が美しく残っており、日本のものに比べ魚体に「強さ」があるように思われました。また、魚体が太い(体高がある)こと、それに背鰭が「太くて厚い」ことが印象的でした。
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太刀魚は別名「立魚」と呼ばれるように、海の中では「立って」泳いでいます。東海大学海洋科学博物館のホームページにその写真がありますが、その際、まず立ってきらびやかに泳ぐ姿に感動すると同時に、背鰭が波を打つようにヒラヒラと動く様子に眼を惹かれます。このように日本のタチウオの背鰭は薄い膜のようにもっと繊細なもののように思われます。
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タチウオには尾鰭がありませんが、腹鰭もありませんし、その痕跡も残っていません。
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本来、深いところの魚です。冷たい水と一緒に定置網まで辿りついてしまったのでしょう。それとも、どこかよい産卵場所でも探していたのでしょうか。
全長 102cm、 体重 1.26kg の貴重な個体でした。
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でも、アンゴラではたくさん獲れるそうですよ。
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# by mobulamobular | 2009-05-26 00:23 | | Comments(0)
ICCAT
東大西洋および地中海では本格的なクロマグロ漁のシーズンを迎えています。漁獲量削減が必要とされる中、今年はますます周りの騒ぎが大きくなっています。

"ICCAT"とは大西洋マグロ類保存国際委員会(International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas )のことです。ようするにここらのマグロ漁を監視する国際機関です。いろいろな規則を作っては出し、また改正しては出しています。これらは直接的に法的拘束力はありませんが、各国メンバーは採決された規則を自国に持ち帰り必要ならば法律化しているようです。委員会には40数カ国が加盟しており、日本もメンバーの一員ですし、ポルトガルは"EU"の1カ国として属しています。

とは言え、ここは「小国ポルトガル」。定置網をはじめ、いろいろなところでクロマグロ漁は行われていますが、漁獲量は他国のものとは比べものにならないくらい少量ですので、ICCATが何やら難しいこと議決したとしても特段問題にはなりませんが、昨日、水産庁の命を受けた電気屋さんが何やら怪しげな「箱」を定置網船に付けに来ました。電気屋さんはそれを"CAIXA AZUL"(=ブルーボックス)と呼んでいましたが、見ればなるほど「青い箱」です。
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ようするに"GPS"です。衛星を使って船の位置を知るアレです。
で、キャビンの上にはアンテナを立てました。が、通常のよく見る"GPS"の丸い小さなアンテナの他に"コーン状"の別のアンテナもあります。
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ICCATで決めた約束事がEUに行き、そこで「規則」となりました。「マグロ漁を行う船は、各国所轄の中央省庁がライブでその船の位置が確認できるようにGPSシステムを搭載しなければならない」ということで、もう一つの"コーン状アンテナ"はブルーボックスがGPSの情報(船の位置)を約300km離れた首都リスボンまで「飛ばす」ためのものだったのです。スゴイ、です。それに、タダ、です。定置網船は通常、港と数キロ離れた漁場との間を行き来をするのみですので、「こんなもん、いらないだろ」という意見もありますが、「規則」は「規則」です。機械が作動しようがしまいが、情報が飛ぼうが飛ぶまいが、必要・不必要は問わず、「設置の規則」は守らねばなりません。

先日、EU委員会でICCATに関する案件が議論されました。最も重要なのは2009年4月6日に出たばかりの新しいクロマグロ漁の規則についてでした。各国、各関係省庁や大学や企業や漁師らのこれからの利害に絡む重要な内容です。ポルトガルからもその筋の人たちがベルギー・ブリュッセルまで出向いて行きました。ひょっとしたら一波乱あるかもしれないと思っていたところに入ってきた一報です。
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「テロ」ではなかったようです。CNNニュースはこちら
どうやら建物内のレストランかカフェからのちょっとした出火だったようで、それでも一時は中にいた2000人以上の人たちが外に避難する騒ぎでしたが、「死傷者なし」でよかったです。
という訳で、未だ本題の結論については何も聞こえてきません。次は何をするんでしょうか。












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# by mobulamobular | 2009-05-23 00:05 | マグロ | Comments(0)