クロマグロ 2010
「正義か、悪か」の米国的二元論の結果なのでしょうか。
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「悪」と考えれば、なりふり構わず攻撃していくのは周知の事実です。
1尾15万ドル以上の高値でマグロが取引されたことが記述されていますが、そこにはどうしてそんなに高値になったのかの説明もありません。日本の食文化について、魚の質のこと、高品質な魚をつくり出す漁師の工夫や努力のこと、その工夫と努力は末端消費者に魚が届くまで続くこと、職人の技術や意地のこと、今回は少々「意地が過ぎた」こと等々。なんでとか、どうしてとかが全くないです。
彼にとっては、魚は「食べれるか、食べれないか」の分類しかないのでしょう。

それにしても、このクロマグロの写真には魚に対する敬意というか、尊敬の念というものが感じられず、好きにはなれません。魚のことを知らない奴の仕業であることがすぐに解ります。やっぱり魚は左を向いていなければなりません。写真を撮る時もそう、皿に盛る時もそうです。
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# by mobulamobular | 2010-02-16 06:20 | マグロ | Comments(0)
オーバーホール (3)
未だ日本からの荷物は届きませんが、「5個のピストン」の清掃作業が終わりましたので、再び船に戻り、新しいライナーシリンダーの取り付けを行い、その後ピストンを装着することにしました。
まず、ライナーシリンダーに新しいOリングをはめ込みます。白くなっているのはシリコンボンドです。
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シリンダー側にもシリコンボンドを塗っておきます。
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ライナーをはめ込みます。
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上に木材をあて、ハンマーで打ちこみます。
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こうして作業をしている間にも、もう1隻の本船(定置網船)は側掃除のため沖へ向かいます。
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5個のピストンの清掃作業です。ここでは灯油の入手は難しく、洗浄には軽油を使っています。ピストンリングは事前に新品を調達していますので交換です。ピストンリングの溝もきれいに掃除をします。
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ピストンの清掃作業が終わりました。
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新しいピストンリングを装着しました。まるで新品のようになりました。
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ピストンをライナー内(シリンダー)にはめ込みますが、その前に油を塗ります。
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「ピストンリング コンプレッサー」という工具を使って、ピストンリングが開くのを押さえながら、ピストンを挿入します。
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これは使い慣れていないと、ちょっと難しい作業です。
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さ~て、残りは1個です。
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ピストンはリスボン空港に到着します。通関に時間がかからないことを祈るばかりです。

この続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-15 04:06 | 定置網船 | Comments(2)
カーニバル 2010
今週はカーニバル休みです。

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春とはいえ、まだ天候は安定していません。一昨日は終日雨、昨日は快晴、今日は曇り空です。
上の新聞記事にもあるように、近所で毎年恒例の"ミニチュア・リオ・デ・ジャネイロ・パレード"の催しがありますが、まだちょっとお腹のあたりが寒そうです。でも「節分」のような行事であると考えれば理解できます。
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# by mobulamobular | 2010-02-14 20:31 | ポルトガル文化 | Comments(0)
オーバーホール (2)
このエンジン購入時にはK社の担当の方から「このエンジンはメインテナンスフリーですから」という説明を聞きました。この時の前後の会話についてはいっさい憶えていないのですが、「メインテナンスフリー」という言葉だけが心に残ってしまいました。つまり「メインテナンスフリー ~ 整備不必要 ~ 故障しないエンジン」というようにいつしか楽観的に思い込むようになっていたのです。故障についてメーカーさんに文句を言おうなどとは毛頭思ってもいませんし、事実、長期間にわたり「メインテナンスフリー」であった訳ですから、この点については心から感謝すべきことと思っていますが、ユーザーというものは、諸行無常であることを理解しながらも何でも自分の都合の良い方に考えてしまうものなのです。

さて。調子が悪くなったエンジンのトラブルシューティングの結果、もちろん過去の故障例も鑑みて、ピストンリングとライナーシリンダー間に何がしかの問題が生じたものと予想し、前もって新しい部品をそれぞれ日本から取り寄せておきました。下は新しいライナーシリンダーの写真です。
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ですが、作業場に移動して解体した各々の部品を確認した結果、なんと削れたライナーに収まっていたピストンがピストンリングの折損のみならず、ピストンそのものにも損傷がおよんでいて使いものにならないことが判明しました。
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これはマズイことになりました。この類の部品はポルトガルでは入手できません。KMSさんが失礼を重々承知の上で夜遅くの日本のK社の担当者T氏へ電話をかけ、何とか新しいピストンを超特急で送ってもらうことにしました。

しかし、ホッとしたのも束の間、部品を確認した時は煤だらけでよく見えなかったのですが、清掃作業を開始するとすぐにサクションバルブ(吸気弁)に異変があるのに気がつきました。
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電食かな?、とも思わせるような「虫食い状態」になっていました。それも12本ある吸気バルブのほとんどが同じような状態になっていました。しかし、排気(エキゾースト)側ではそのような症状は見られないことから、電食によるものとは考え難いと思われます。KMSさんも過去にこのような事例はないのではないか、と首を傾げていました。よってこれも交換部品として事前には調達していませんでした。(右の列がインテーク、左の列がエキゾーストです。)
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この第2の問題を確認した時には、悲しいかな、日本はすでに真夜中となっており、連絡するには数時間待つことになりました。

くよくよしていても仕様がありません。不足部品が早く届くことを祈って、他の作業に専念します。アフタークーラーの分解・清掃作業です。
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ターボチャージャーの分解・清掃作業です。
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シリンダーヘッドの分解・清掃作業です。
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インジェクション(燃料噴射)ノズルは近くの専門店に持ち込み、圧力調整をしてもらいました。
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作業はまだまだですが、続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-13 06:10 | 定置網船 | Comments(0)
オーバーホール
2000年に日本で建造、2001年にポルトガルで就航。「新造船」と思っていた定置網船もアッという間に10年近い船齢となり、昨年後半から徐々にですが調子が悪くなりました。

エンジン内部のピストンとシリンダー間の微妙な隙間に未燃焼ガスが残りますが、その量が増えたのです。そのまま放置しておくとエンジンそのものにもよくないですし、エンジンオイルにもよくありませんので、この定置網漁のオフシーズンを利用してエンジンのオーバーホール(分解・清掃・部品交換・再組み立て)を行うことにしました。

とはいっても、簡単な作業ではありませんので、日本からこの船の建造時に大変お世話になった技術者さん(KMSさん)に遠路遥々ポルトガルまで来ていただくことになりました。数年ぶりの定置網船との再会となりました。
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まずは「段取り」です。限られた時間内にいかに効率よく作業を進めるかは、この段取り次第です。現場をチェックします。
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早速解体です。KMSさんの指示を受けた漁師らが次々に部品を取り除きます。ちなみにこのエンジンは日本製K社の直列6気筒の700馬力です。
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ヘッドカバーを外し、シリンダーヘッドが露わになりました。
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続いて、シリンダーヘッドを取り外します。結構な力仕事です。
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ここで、あらかじめ用意をしておいた「櫓」を機関室内に組みます。乾燥重量で約2トンあるエンジンを吊り上げるためです。
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余裕をもってダブルで3トン吊りのチェーンブロック2個を使って、エンジンを60cmほど吊り上げます。
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吊り上がったところで、エンジン下部をチェックです。
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オイルパンを取り除きました。
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ピストンを抜き取った後、シリンダーブロックより今回のオーバーホールで交換を予定しているライナーシリンダーを自家製の特殊工具で抜きます。
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2枚の鉄板をボルト・ナットで締め込みます。するとライナーが徐々に上がってきます。
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これも結構な力仕事です。
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やっとこさ、6個のライナーすべてを抜き取ることができました。
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やっぱりでした。ひとつのライナー内部に削れたような跡がありました。こことピストンとの間にできた隙間が原因で多量の未燃焼ガスが発生したのだと、この時誰もが思ったのですが。
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すべてが思うようにいかないのが、世の習いです。

続きは、次回にします。
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# by mobulamobular | 2010-02-11 07:11 | 定置網船 | Comments(2)
お昼ご飯
日本がまだ寒いのは知っていますが、こちらは一足先に春の訪れを迎えています。

いつも通り、町はずれのレストランに昼食を摂りに出かけます。
英名 lunch、 ポルトガル名 almoço(アルモッソ)、 和名 お昼ご飯 です。

日替わりランチメニューの中から、これだと思った一品を選びます。この日は豆と豚肉の煮込み料理、feijoada(フェジョアーダ)でした。
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これにデザートとカフェが付きます。食事が終わるとさっさと外へ出ます。

そして、しばし「春」を観賞します。
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またこの季節が来た、ということです。
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# by mobulamobular | 2010-02-08 06:37 | ポルトガル文化 | Comments(2)
フィッシュ・アンド・チップス
ポルトガルのことではないのですが、あらためて「異文化」を感じさせられました。
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彼らが「フィッシュ・アンド・チップス好き」であることは以前からよく知っていました。幾度となく"本場"のフィッシュ・アンド・チップスを食べたこともあります。例えば、ポルトガルから日本に行く時、あるいは日本からポルトガルに戻ってくる時など、飛行機の都合で乗り継ぎが間に合わなくなり航空会社のアコモデーションでの夕飯となった時、街まで出る元気はなく、どうしようかなと下のバーまで降りてオーダーするフィッシュ・アンド・チップスです。「疲れ」のせいで今までそれを味わって食べたことはないのですが、職業柄、味よりもその白身魚の種類(とか学名)がどちらかというと気になるので、これも幾度となくウェーターさんに尋ねたのですが、いつも疑問を解明するまでには至りません。たぶん英名でしょうが、なんか聞いたことのない魚名なのです。

上の新聞記事、イギリスのフィッシュ・アンド・チップスについてのものです。なんかイギリスNo.1のフィッシュ・アンド・チップス店を選ぶイベントがあるそうです。当然魚名についての記述があるものと思い目を留めたのですが、「150年変わらぬロンドンのクラシックお持ち帰りご飯…」、「2009年の調査では国民の51%がフィッシュ・アンド・チップスには塩とビネガーが合うと答えた…、トマトケチャップは15%…」、「フィッシュ・アンド・チップスの人気は1927年にピークを迎え、イギリス国内に35,000もの店があったが、現在は11,500店…」、「今日では、接客や衛生状態も判定されるが、一番大切なのはフィッシュ・アンド・チップスのクオリティ…」、一向に魚の名前が出てこないと思っていたら、出ました。 "…shops are giving customers the opportunity to try different kinds of fish, such as pollack and coley, as a way of addressing sustainability." という訳で、"pollack"とか"coley"という魚だそうです。

早速、Fishbaseで検索してみると、それらは双方ともタラ科(Gadidae)の魚で、"Pollack"は、学名 Pollachius pollachius、ポルトガル名 Juliana、そして"Coley"の方は、学名 Pollachius virens、ポルトガル名 Escamudo でした。少し、すっきりしました。やはり、フィッシュ・アンド・チップスのフィッシュはタラ科の魚がメインのようです。ちなみにポルトガルで有名な"Bacalhau"の学名は Gadus morhua です。タラは種類が多くてすべての名前を憶えるのは難しいですが、食用として利用されているのは10数種類だけだそうです。

最後に、次のような記述もありました。 "buyers’ top tips to encourage responsible seafish sourcing. For example, the fish supplier needs to know the management stock from which the fish has been caught and use traceability systems (流通履歴確認システム) to assure the origin of the product. " これからもっと魚名も分かりやすくなるかもしれません。
それから、今度はいつになるか分かりませんが、次回フィッシュ・アンド・チップスを口にする時は、もっと味わって食べたいと思います。
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# by mobulamobular | 2010-01-30 17:55 | ポルトガル文化 | Comments(4)
ムール貝
定置網の漁師たちはおおよそ1か月の休みを終え、作業を再開しています。
ここでは漁期終了後、網は抜きますがフレーム(側張り)は海に残します。ですから、休み中も最低でも週一の割合で沖の状況をチェックしに出かけます。問題がなければ、やはり一安心です。
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そんな時に持って帰ってきた、定置網の浮子の下にいた付着生物です。
学名 Mytilus galloprovincialis、 英名 Mediterranean Mussel、 ポルトガル名 Mexilhão、 和名 ムラサキイガイ、またはムール貝です。
それを開いて中を見てみました。すると、ありました。もうかなりの量の卵です。写真の上部になります。
私見ですが、ここのムラサキイガイは成長が早いです。日本の2倍ほどのスピードで大きくなるのではないかと考えています。これからの春先に産卵し受精します。卵は浮遊卵で、潮に流され漂います。孵化した後はトロコフォア幼生、べりジャー幼生と変態します。この間は繊毛を使って水中を遊泳します。その後、殻長が0.25mmほどになった時、ペディベリジャー幼生(付着期幼生)に変態し、網やロープに付着します。それが4~5月ごろと思われます。この時、まだ付着したムール貝は小さすぎて目で確認することはできませんが、これが6月末~7月始めころ米粒大にまで成長すると、目で見ることができるようになります。ここからが早いです。放っておくと見る見るうちに成長し、10月~11月には殻長は4~5cmに達し、年明けには7~8cmの大きさにまでなってしまいます。

もう1種いると思われます。学名 Mytilus edulis、 英名 Common Mussel、 ポルトガル名  Mexilhão、 和名 ヨーロッパイガイ。
この種は基本的にはもっと北方に生息しているとなっていますが、昨今のグローバル時代にはどこに生息していてもおかしくありません。文献によるとヨーロッパイガイの産卵期は、ムラサキイガイが春先であるのに対し、夏から秋にかけてとなっています。現に定置網を見てみますと、今の時期にも探すと1~2cmの個体を見つけることができます。これが春先に産卵したムラサキイガイの子孫であるとすればずいぶんと成長が遅いことになりますので、別種であると考えています。しかし、いろいろな文献に目をとおしてみると、双方のイガイとも「多くの個体で年間を通じ産卵可能のコンディションであることが分かっているが、…」という条件が付いています。要するに、ムラサキイガイであれ、ヨーロッパイガイであれ、年中産卵する可能性があるということです。
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何れにせよ、これが7月に大量に網に付着していることが確認されたら、さっさと網の交換作業を行うのがベターです。無理をするとあっという間に網をもってかれます(ムール貝の重さで網が沈んでしまう、ということです)。そうすると漁ができなくなります。また、ムール貝がベッタリ付着した網を引き揚げる作業は、ヘタをすると2次災害の可能性が出てきます。
ムール貝はグルメの間では人気の食材ですので、いろいろなところで養殖も行われています。ここアルガルベでもムール貝の養殖プロジェクトの話が進んでいます。どんな事業も同様ですが、実際やるとなるとそれなりの困難が伴います。前述のとおり、ここのムール貝は成長が早いのですが、養殖となると放ったらかしにはできず、世話が必要です。要はそれができるかどうかです。
ムール貝は定置網のみならず、真珠やカキ養殖にも時に多大な被害を与えます。また、海水を利用している発電所、海に設置してある各種観測機器や船の航海に必要な標識灯などにも被害が及びます。
ヨーロッパ発、世界最強の汚損生物の1種です。









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# by mobulamobular | 2010-01-26 00:55 | 定置網 | Comments(2)
IPCC
ちょっと、出鱈目だったということらしいです。 
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新聞記事の内容は、[IPCC (Intergovernmental Panel on Climate Change = 気候変動に関する政府間パネル) が2007年の「第4次評価報告書」の中で、「気候変動によってヒマラヤの氷河が2035年までにほとんど溶けてしまう」と警告したことを撤回するであろう]、といった感じです。
IPCCとは「人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことを目的として、1988 年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)により設立された組織である」そうです。IPCCの肩を持つ訳ではありませんが、ミスはほんの小さなことです。ちょっと「地球温暖化」に懐疑的なグループらのあげあしとりのような気もします。が、この「アカデミック集団」は昨年暮れのCOP15(第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議)での会議の紛糾具合からも分かるように世界各国のこれからの未来にとても強い影響力を与える立場にあるのですから、このコントラバーシャルな問題に対し、このような安易な方法でレポートを作成すること自体に問題がありそうです。
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インド人科学者との電話によるショートインタビューを"New Scientist"という科学雑誌が記事としたことが発端となり、これをWWF(世界自然保護基金-World Wide Fund for Nature)も自らの報告書に引用したことから、いたずらにに信憑性を増し、IPCCも使ってしまったそうです。IPCCの報告書作成には世界中の優秀な科学者1000人が携わっており、そのほとんどの人たちが真剣に地球の未来のことを考え日夜調査に明け暮れているのでしょうが、こういったごく一部であろういい加減な輩のためその信頼性はことごとく揺らぎつつあります。なんとも嘆かわしい限りです。エリートであるならば、エリートとしての自覚をしっかりと持たなければダメだと思います。
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ワシントンでは「2000年から2009年までが今までで一番気温の高い10年間であった」とのレポートがありました。確かに「地球温暖化」は進んでいる様子です。原因はというと、それはなかなか知るのは難しいのではないでしょうか。世界の中心は「太陽」です。太陽は地球に熱(エネルギー)を与えてくれます。このエネルギーによって地球上の大気は循環し、水が循環します。地球上のすべての生物はこの恩恵にあずかっています。この太陽の活動、および地球との関係には「地球は1年で太陽の周りを1周する」といったような「周期」が数多く存在していることが知られています。中には何十億年周期のものや、例えば「氷河期」は10万年周期、太陽黒点数が11年周期で増減を繰り返している、などがあります。「気候変動」というものは、こういったいろいろな周期のとても複雑な絡み合いによっても惹き起こされているとも考えられています。スーパーコンピューターの世界です。
しかし、これはNASAなどが発表した見解ですが、こうなると「地球温暖化」は「人為起源」とは言えず、よってIPCCの出る幕ではない、と人々に思わせるためのものではないかと「地球温暖化懐疑論者」のことを懐疑的に見てしまいます。
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話を元に戻しますが、IPCCの問題は上記のレポートによって、アメリカ元副大統領アル・ゴアとともに「ノーベル平和賞」を受賞したところにもあります。

なんだかいろいろなことが見え隠れしています。なんだかへんというか、メチャクチャというか。でもこれもまた、このままウダウダ行くのでしょう。

お詫びと訂正(by IPCC)
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# by mobulamobular | 2010-01-22 06:39 | 気象 | Comments(0)
ポルトガルの経済発展の妨げ
世界経済のエントロピーが増大する中ですが、一応経済先進国と言われている国から来た人たちには、ポルトガルが恰も無秩序的社会であり、あるいは組織であるが如く思われるかもしれませんが、それは致し方ないことです。
しかし、一方、ポルトガルである程度の期間生活をし、人との付き合いを進めていくと、懐かしい何か、遠い昔の何か、忘れ去られようとしている何かを感じ始め、この点については大いに好意を持つことになります。ですから、誰も長期低迷をしているポルトガル経済に対し、批判一辺倒の姿勢を貫くことができないでいるのではないでしょうか。
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ドン臭いイメージは否めません。しかし、この国に少しでも好意をもつと、そのドン臭いイメージさえもプラス要素として作用します。ここの人たちは「楽が一番」と考えます。面倒くさいこと、ましてや「苦」や「忍」や「耐」が伴うものは極力嫌います。そのためにはお互い許し合うことが大切です。相手にも自分にも決してプレッシャーをかけない、ちょっとした誤りは水に流す、責任はとらないとらせない、生物のシステムがそうであるように社会のヒエラルキーには文句は言わず従順でいる、個人の利益が最優先、等々、皆で「楽」をするにはそれなりのコンセンサスが存在します。競争を嫌い、チームプレーに徹するといった意識も薄いです。これでよくサッカーが強いと思われるかもしれませんが、これが今一歩のところで大舞台で勝てない理由と考えます。しかし、皆んな自国のサッカーには満足しています。
以上のような実情からここの人たちが経済の重要性は理解しつつも、できることなら世界経済とは不即不離の関係でいたいと考えているのではと思っています。

「じゃ、ポルトガル人は怠け者」、とちょっと飛躍して思われるかもしれませんが、それはそう思う人の凝り固まった価値観のせい、あるいは歴史観に誤りがあるからです。怠けてはいません。皆、ここでの生活には一所懸命です。
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「こんなポルトガルでも自分はやっていけると思う人、手を挙げて~」と聞かれたら何人が手を挙げることができるでしょうか。たぶん、ごく少数の人に限られるのではないかと思います。
では、「こんなポルトガルに住んでみたい人、手を挙げて」ならば、たくさんの人が手を挙げるのではないでしょうか。

前述のコンセンサスが作り出す社会には経済以外にもいろいろな問題をはらんでいるのも事実ですが、最終的には優しくて温かい人も育んでいます。これらの人々のコミュニティーでは訳の分からない殺人や自殺、学校でのいじめ、暴力などといった深刻な社会問題は圧倒的に少なく、だから生活が「楽」なのです。これを「平和」(ポルトガル名、PAZ)と置き換えることができるのではないでしょうか。

図らずも経済先進国の間では「苦労はいつか報われる」といった格言も地に堕ちた感がある中、これって、「国の発展の妨げ」なのかを考えています。
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# by mobulamobular | 2010-01-19 02:20 | ポルトガル経済 | Comments(4)
12月の雨
もともと12月の降水量がアルガルベでは1年で一番多いのですが、昨年12月は全国的に記録的な大雨となったようです。
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過去30年間(1971-2000)の平均の2倍ほど降ったそうです。ある新聞記事の見出しは「今世紀最大降雨量」とありましたが、まだ10年目ですし、ちょっと大袈裟な感じです。上の記事では「雨・風が国を吹っ飛ばす」となっていますが、これもちょっと的得た表現とは言い難いようです。しかし、「乾いた大地」にはこれほど衝撃的な雨の量だったのしょう。それはよく理解できます。
では、実際どの程度の雨が降ったかというと、「東京の梅雨時」ほどです。この降雨量が「アルガルベの一番雨が降る月の平均の2倍」ということになります。ちなみに東京で一番降雨量が多い月は6月(梅雨時)ではなく、9月だそうです。
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# by mobulamobular | 2010-01-15 02:28 | 気象 | Comments(0)
5€のチケット
昨年暮れに20歳そこそこの若い漁師からキャプテン(漁労長)のところに急の電話があったそうです。
「ロンドンに行くのだが、問題はないか」といったような内容だったそうです。今は皆が休暇中でプライベートな時間に何をしようがこちらの関知するところではないのですが、とりあえずの連絡と断りを入れたかったのだと思います。聞いたキャプテンも通常の漁師の行動様式とは異なる内容に、一応「おぅ」と返答はしたのですが、ずいぶんと羽振りのよい話だな、と思ったようです。なぞ解きはこんなところにありました。
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今話題のライアン・エアです。アイルランドの格安航空会社です。なんとファロ-ロンドンが片道たった5ユーロ(約650円)だそうです。この航空会社は破格の安チケットの他にいろいろなユニークな企画が話題となっています。どこかの倒れかけてる航空会社とは大違いに元気です。中には客室乗務員による水着でのチャリティー・カレンダーなどがありますが、ウチの若い漁師はまさかそれを見て実際のキャビンアテンダントが水着姿で仕事をしていると勘違いしたのではないか、とか一瞬脳裏にうかびました。
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何れにせよ、見聞を広めることはよいことです。若い子たちにはなおさらです。












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# by mobulamobular | 2010-01-10 20:45 | 定置網 | Comments(4)
刺し網漁
定置網再開はまだまだです。
2010年になっても昨年末からの時化続きだったのですが、ようやく漁ができた様子です。地元の刺し網漁です。とは言え、冬場の海は水温も下がり、魚も散ってしまいますので、比較的水温の安定したRia Formosa内での漁です。しかしその割には"mais ou menos(まぁまぁ)"だったみたいです。
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ちょっと覗いてみたところ、けっこうな種類の魚がいました。
ヨーロッパスズキユーラシア大陸スズキFERREIRAメジナモドキアフリカチヌヨーロッパヘダイサルモネッテトンガリ・サルゴコルビナ等々、食べてみたい魚ばかりでした。
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2009年は彼らにとってあまりよい年ではなかったようですので、今年は何とか巻き返しを図ってもらいたいものです。
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刺し網漁の魚を見ている時、巻き網船も帰ってきました。イワシとサバでほぼ満船です。「値が安い」ことも問題ですが、まずは量をとることが大切です。

今年も海が何を与えてくれるのか、早くも楽しみです。
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# by mobulamobular | 2010-01-08 01:25 | | Comments(2)
最低賃金法
ポルトガル名 salário mínimo nacional 。国で定められた労働者の最低賃金法です。毎年暮れになると政府から来年度の金額が発表になります。2010年は昨年より25ユーロ上がって月額475ユーロになるそうです。しかし、この世界的不況下で会社の経営者サイドからはかなりの反対意見があった様子ですが、ここの政府はいつでも労働者の味方です。逆に、この法律が1974年に制定されてから毎年この額は上がってきましたが、インフレなどの影響で実質の価値は下がっていると、この増額にも満足していない意見も多い様子です。
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ポルトガルは基本的に年間11か月労働で、サラリーは14カ月分支払われます。ようするに誰でもみんな毎年1カ月の有給休暇を取得する権利が保障されています。その間のサラリーも当然支給されますし、プラス「休暇手当」、「クリスマス手当」として各1カ月分支給される訳です。しかし、これは「一般的な労働者」に対してであって、漁師はこれに含まれません。何故だかは分かりませんが、別の法律が用意されています。このような労働基準・規則は当局の人間にさえ何が何だか分からなくなるくらい、かなり細分化されており、運用する側にとっては疑問点、矛盾点が多いのも事実です。
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漁師のサラリーは一般的に基本給と歩合金(奨励金)とで成り立っています。これは日本においても同様だと思いますが、その比率については様々です。ここでは大方、漁法によってそのシステムと金額に違いがあります。例えば、イワシなどの巻き網船では上記の最低賃金を基本給とし、それに漁による歩合金を上乗せしています。ですから漁のない時少ない時などは、ちょっと不安な金額になってしまいます。一方、定置網では前述のように漁師の賃金体制が一般のものとは異なる中、できるだけ「丘寄り」のサラリーシステム路線をとっています。当然歩合金は存在しますが、それをあえて「生産割増金」と位置付け率は低く抑えています。その分、基本給を高く設定し、漁のあるなしにあまり左右されることなく安定的なサラリーを受給できるようにしています。
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さて、日本では各都道府県ごとに最低賃金が定めれれていますが、時間給となっていますので、月給ベースで考えた場合、あまりピンときません。その点、こちらのものは月給額そのものですから、それ自体に強いインパクトがあります。しかし、数字がはっきりし過ぎていて逃げ場がないというか、本来、その国の経済発展を目的とする法律でありながら、雇い主サイドに「この金額さえ払っていればいいや」的な安易な事業ポリシーを持たせている節があります。いっそのことない方が、より健全なサラリーシステムになるのではないかと思ってしまいます。
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# by mobulamobular | 2010-01-06 01:45 | ポルトガル経済 | Comments(0)
SUPER BOM ANO PARA VÓS E NÓS
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# by mobulamobular | 2010-01-02 22:20 | 定置網 | Comments(2)
記憶に留めること
暮れのアルガルベは雨、風続きの悪天候で沖は大時化だよ。
だから、船は港に大集合だ。
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船だけじゃないよ。カモメも丘で待機しているよ。
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そんなだから、今日の市場は"伽藍堂"だよ。
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でも、いい魚がいたよ。Ferreiraだよ。君はこの魚が好きだったんじゃないか。でも、定置じゃあまり獲れなかったね。
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また、雨が強く降ってきたよ。運転していると前が見えないくらいだ。君のカブリオレだったら、走れないかもね。だって、幌が穴だらけだったから。
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この雨はまた「異常気象」に認定されたよ。憶えているかい、ちょうど君の病気が明らかになったころ、今年の1~2月も雨天続きだったよね。
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そう言えば、出来栄えの良い船のナショナルフラッグを見つけたよ。これだったら、風でボロボロになる心配はないよ。でも結局、君は作らず仕舞いだったね。
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君が使っていた工具の前にいるよ。大丈夫、まだ、当分は使えそうだよ。
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今日、君の大切な奥さんと息子を見かけたよ。二人とも元気そうだったよ。
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# by mobulamobular | 2009-12-31 01:29 | 定置網 | Comments(0)
2009年12月2Q日 曇り/雨
昨夕、Capitania(ポルトガルの海上保安庁のようなところ。但し、海軍に属する)から、「定置網の巨大なブイがVRSAに漂着している」との連絡を受けました。VRSAとは"ヴィラ・リアル・デ・サォン・アントニオ"というアルガルベ地方の最東端の町の名前です。グアディアーナ河(Rio Guadiana)を境にスペインと国境を接しています。

しかし、定置網ではそんな巨大なブイは使用していません。俗に言う「尺二玉」という直径36cmの黄色い浮子を数十個数珠つなぎにしたものは使用していますが、それにしたって「巨大」とは違います。だいたい、もしそんなものが定置網からVRSAまで流れ着いたのなら、これはまったくもって一大事です。
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フゼタから見た沖です。定置網がうっすらと見えています。沖合4kmほど離れたところに位置していますが、海岸線は地元民の「別荘地」となっており、その内側がラグーン(Ria Formosa)で、それからが本当の陸地ですので、定置網はずいぶんと遠くになります。双眼鏡で確認した結果、何も問題はなさそうです。

「ガセネタ」でした。年の瀬も迫る中みんな休んでいるところにちょっと迷惑な話ですが、これも海で仕事をする者たちにとっての宿命です。こういったことは毎年のようにあります。というか、何か大きな物体が海に流れていると、その発進源を定置網にする傾向が見られます。スケール感の問題ですが、15年間、定置網を傍から見ていた人たちにとっては、そう思い込むようになっても無理はないのかもしれません。

発進させたことは一度もありません。しかし、とんでもないもの、今までに見たことのないようなものの漂着地となったことは幾度となくあります。このインパクトが地元民には強すぎて、いつしか「海~大きいもの~定置網」とすぐに連想させるようになってしまったようです。
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2002年夏、ある新聞記事。「日曜日の明け方、体長14m、体重おおよそ10トンものクジラの死体が定置網に漂着した。」 げぇ~っ。
そんなものがこの世に存在することなど夢にも思わず、ましてやそんな大それたものがオラが海に流れているなどとは、ほとんど想像を絶することであり信じられないことなので、驚いても無理はないんです。
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# by mobulamobular | 2009-12-29 19:29 | 定置網 | Comments(0)
ポルトガルの経済
「雨がない、ない」と言っていたら、これまでの不足分を一気に補うが如く、連日の雨天となっています。おまけに風。海は大時化の状態がかれこれ1週間ほど続いています。定置網の漁期はすでに終わっていますので、これについてヤキモキする必要はないのですが、それでもゴーゴー波の音を聞いていると何となく落ち着きません。「因果」ですか。

さて。世相を反映して、ここでカテゴリを増やして「ポルトガルの経済」について述べたいと思います。しかし、そんな詳しいことまでは分かりませんので、主には定置網や漁業関連、アルガルベ地方についてのそれなど、身近なものです。
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ポルトガルの経済は小国がゆえにあまりメディアに取り上げられることもなく、またEUとなってからはその影に隠れる形でなおさら見えにくい状態になっているように思われます。そんな中、今年初めに続いて再び米国の格付け会社からポルトガルの信用格付けが「安定的」から「ネガティブ」に引き下げられたという報道がありました。で、その理由は「2011年までに債務の国内総生産(GDP)比は90%を超えると予想される」からだそうですが、どこかの国ではこの数字が200~250%だったように記憶していますので、問題は問題ですが、大問題ではないように思います。

「EU内最貧国」のレッテルを貼られ久しいポルトガルですが、最近再び失業率が上がっているようにも感じます。しかし、それでもお隣りスペインの20%近い数字に比べればその半分程度でおさまっています。ポルトガルの金融機関はサブプライムローン問題などにもあまり関与していないと聞いていますし、また、これからなのかもしれませんが、「住宅バブルがはじけた」、などという問題も表面化してはいないようですので、ご多分に漏れず深刻な景気後退期ではありますが、これは世界的な金融危機による外需の落ち込みが原因となっているものですので、「最貧国」の問題とは別ものという気がします。

誰もが異口同音にポルトガルの経済にはもっと根本的な問題が存在することを指摘しています。それが「国際競争力の弱さ」ということになるのですが、これには国の長期的な戦略をもとに国民の意識改革をはじめ、教育レベルの向上、規制緩和および撤廃によるより開かれた市場の構築、それらによる生産性のアップなどの課題を順次クリアしていかなければなりません。

「この国の人間は、やらせてみればよいのに、やらせたがらない」という国レベルでの見解を聞いたことがあります。しかし、「一度やらせたら、後にはもう戻れない」という怖さがそこには在るように思います。ポルトガル人はいつもそれを気にしているように個人的には思います。あまりにも性急なものごとの変革はすべてをメチャクチャにしてしまうのではないかと考えています。これはスピード感の問題です。このポルトガル人の持つスピード感と今の国際的な経済の流れとが不幸にしてミスマッチなのでしょう。
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# by mobulamobular | 2009-12-26 01:05 | ポルトガル経済 | Comments(0)
FELIZ NATAL
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カトリックの人たちに囲まれて生活していると、今ではこのイベントがとても大切なものになっています。
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# by mobulamobular | 2009-12-23 07:32 | ポルトガル文化 | Comments(4)
螺旋階段
英名 spiral staircase、ポルトガル名 escada em caracol 。 
"escada"は「階段」、"caracol"は「らせん状の」といった意味。ちなみにポルトガルのCaféやBarで見る看板や張り紙に書いてある"Há caracóis"とは「でんでん虫、あります」ということ。もちろん、ビールやワインのつまみとして食べるためのものです。"caracóis"は"caracol"の複数形です。"おもしろいblog"がありましたので、参考にして見てください。

さて。このオフを利用して手狭になってきた魚の処理場を広い所に移動する作業を進めています。あらたに1階と2階のアクセスを設けることになり、いろいろ考えられる手段の中から「螺旋階段」を選択することになりました。螺旋階段というと金属製や木製を想像したのですが、業者さんの提案はコンクリ製でした。
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きれいなスパイラルを描いていますが、この設置がなかなか難しかったです。業者さんもこのコンクリ製螺旋階段はおおよそ20年ほど前に設置して以来2度目のトライだったそうで、ひとつひとつのステップの幅、高さ、そして角度を計算して、一周すると360°ですから、どの角度から登り始めるとどの角度で2階にたどり着くかを見極めなければなりません。ステップは重いですし、セメントで固定していきますのでやり直しは利きません。おもしろい経験でしたが、ちょっと細めのコンクリ製の柱にどんどん積み上げられていく螺旋階段を見ていて思ったことは、「地震がないからこういうのも在りなんだろうな」、でした。

とか、のん気にしていたら。ありました。地震です。1968年以来最大の規模だったそうで、マグニチュードは6。ポルトガル全土、スペイン、モロッコでも感じられたそうです。
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夜中の1時半、もちろん寝ていましたが、地震があった時は夢見心地で布団の中で「あ~ポルトガルでもこんなのあるんだ~」。次の日、そんなことはすっかり忘れていたのですが、昼に誰かが昨晩の地震の話題を出してきた時、初めてあれが現実だったことを思い出し、そのまま処理場に直行、螺旋階段の無事を確認しに行きました。
震度は「2」ぐらいだったのかもしれませんが、それでも地震を経験したことのない連中には十分だったようでした。上の図ですが、ポルトガルの気象庁から拝借したものです。一番大きな赤丸が今回の震源地です。他の赤丸、白丸は11月20日から12月20日の1カ月間にあった地震の震源地です。白丸は「弱」、赤丸は比較的「強」といったところです。こうしてみると、体には感じなくとも、けっこう多くの地震があることが分かります。こうなってみて思い出すのがポルトガルでも大昔には「リスボン地震」という大地震があったという事実です。震源地も今回のものとほぼ同じようなところだったそうです。歴史はいつかは繰り返すのでしょうか。
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# by mobulamobular | 2009-12-21 07:17 | ポルトガル文化 | Comments(4)
Ice on road
先日、朝に車のイグニッションキーをオンにすると、メーターパネルに"Ice on road"という表示が出てきました。
冷え込みました。雨もなく、寒気団南下によるからっ風。雲は吹っ飛び、放射冷却です。過去の日記を見返してみると、昨年はこのような「アルガルベではあまりないけど年に2~3回は必ずやってくるゾクッとする冷え込み」は11月下旬に来ていました。ですから、今年は半月ほど得をしたのかもしれません。
仕事でスペインのバルセロナ近くに電話をかけたのですが、受話器の向こうからは「なんてったって凄いんダ。風に波で海は大時化ダ。雨?!。雪だよ~。後ろの山は真っ白ダ。まぁ~こんなことあんま無いんだけどね~。」。電話を切って、「勝った」と思いました。
寒いけど、我々は丘にいます。しばらく海に行く必要はありません。海を嫌うことは毛頭ありませんが、それだけでも顔がほくそ笑んでいます。明日から1カ月のお休みです。
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# by mobulamobular | 2009-12-18 07:36 | 定置網 | Comments(2)
海の文化について
このブログは最初の説明で『ちょっとした海の文化交流』と銘打っています。
犬や猫、または魚にも文化があるものと仮定して、「人類の文化」とは学問とか知恵や技術の「アカデミックな文化」、音楽や美術をはじめとする芸術や芸能に関する「アートの文化」など多種多様なジャンルに分かれますが、一言でいえば「生活の文化」ということに集約されると思います。この前提のもとポルトガルの海に関係する文化についてがこのブログのテーマとなっていますが、メインとしてはもう少し絞り込んで「アルガルベ地方の定置網を中心とした文化」ということになります。

「文化」とは「思い、考え、行動するパターン」のことだと考えています。「生活の文化」とは人々が日常の生活をより快適にしたいという気持ちが創造の基となります。ようするに人間の半ば本能的な考え方で成り立ち、人々の願望そのものが含まれているということです。「生活の文化」には衣食住をはじめ、人々の生活をとり巻くほとんどすべてのものが含まれ、今も次々と新たな文化要素が生まれ、生まれつつあります。ですから世の中は「生活の文化」であふれ返っています。しかし、理想はさておき、残念なことにすべての「生活の文化」が人々の日常の生活をより快適にしているかというと、中にはそうとも言えないものがあるのも事実だと思います。さらに言えば、日常の生活をより不快にしている「生活の文化」が存在していましたし、今も存在し続けている場合もあるということです。これら不快な文化の代表的なものが例えば政治であったり、宗教であったり、または教育の場合でもあった(ある)ことは周知の事実だと思います。

ですから、「文化」には「よい文化」と「よくない文化」があり、「よい文化」であればそれは継続されるべきものであって、「よくない文化」は消えて無くならなければなりません。このことは、価値観の相違により、思い、考えることは同じでも行動が異なったり、また同じように行動したとしてもその意味や目的がまったく異なったりすることがたびたびありますので、一概に「よい」、「よくない」は決められませんが、国や地域によりその場に適した「よい文化」は必ず存在するはずです。

ちょっと昔ですと、異なった考えや価値観に対して、ものごとを統一しようとする勢力が猛威をふるい、ごく少数の意見に無理やり多くの人々を導こうとする傾向がありましたが、現在では文化の多様性が徐々にですが広く認められるようになり、異文化においても互いが互いを認め合う考え方が世界に広まりつつあります。

とは言え、実際に異文化に相対する時、自分とは違った価値観、それに伴う言動を理解するのは時として容易なことではありません。思考回路の根本的ベースが異なりますから、のっけから話についていけない場面もあり、いちいちまともに相手をしていたら、それこそこちらの神経回路がショートしてしまいます。しかし、それでも相手を認めなければ前には進めませんので、こんな時は相手を理解するというよりは、それはそれ、これはこれとしてまずは受け止めることが肝要と思われます。

その後、こちらの「文化」も相手に見せることが大切です。例えば「日本の文化」というとお茶とか折り紙とか、また着物とかを想像しますが、現場ではそういうことではなく「自分自身を見せる」ということです。前述の通り、「文化」とは「人々の生活をとり巻くほとんどすべてのもの」ですので、何十年か生きた後の自分自身にはそれなりの「日本人の文化」が染みついているもので、そういったごく当たり前の自然で素朴な日本の「生活の文化」を相手に見せることから、本当の文化交流が始まるものと思っています。
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前置きがすごく長くなりましたが、「よい文化」であっても「よくない文化」に流され、または「よい文化」がたまたま「別の急進的な文化」においてきぼりにされて消えていく運命となってしまったようなケースも多いのではないかと思います。ポルトガルのマグロ定置網がおおよそ35年前に消えてしまったのも、当然自然環境の変化などもあったでしょうが、他の新しい文化との折り合いが悪くなった結果ではないかと今は考えるようになりました。

400年以上続いたアルガルベのマグロ定置網が「よくない文化」であったとはたぶん誰ひとり考えていないと思います。ですから突如その歴史に幕を下ろしてしまったのにはそれなりの理由があってしかるべきと考えるところですが、明快な答えは見つからないままです。しかし、民主化による近代化の流れの中で、「よい文化」も民衆の「生活の文化」との間に微妙なズレが生じ、いつしかもとには戻りたくても戻れなくなってしまったのではないかと思っています。

最近になってポルトガル人実業家の中から新たに定置網をやりたいと言う声が出始めていますが、未だ実現するには至っていません。必要であれば協力できる点では協力したいと考えていますが、端から見ているとプロジェクトをさらに前進させることはそんなに容易なことではなさそうです。もちろん今の経済状況ですから財政面での困難は否めませんが、本当の困難は別にあるように思えます。

新たな定置網の再開を目指す人たちにとっては、「昔やっていたことを再び行うだけの話」と考えている面もあるようですが、一度途絶えたかつての文化のリズムを総合的に取り戻し、今の「生活の文化」の流れに融合させるには「時間の隔たり」という大きな問題をクリアしなければならないのかもしれません。

そう考えると、やはり、なぜ止めてしまったのかが悔やまれるところですが、時代の悪戯だったとしかいいようがありません。
今はそんな風に思っていますが、まだまだ真相の究明は続きます。
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# by mobulamobular | 2009-12-05 11:00 | ポルトガル文化 | Comments(0)
セニョール・ゼカ
今年の活魚出荷もこれが最後となります。最終目的地は"コペンニャーガ"(デンマークの首都コペンハーゲンをポルトガル語で言うとこうなります。)です。
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いつものようにトラックをを手配し、円形水槽を積み込みます。まずはリスボン空港まで陸路ですので水槽の蓋の上にはフィルターや循環ポンプ用のバッテリーが置かれていますが、飛行機に載せ換え後はそれらは全て外され水槽は密閉されます。
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ミゲルがビニール袋に入れたハガツオを持ってタンクからトラックへと走ります。
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アカエイも出発です。おっかない尾っぽの棘がピンと立っています。
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そんな若輩者らの傍で一人の紳士がせっせと出荷されていく魚の尾数をカウントしています。この人が"セニョール・ゼカ"です。若輩者らのよき協力者です。信じられないくらい元気なのですが、もうすぐ81歳になります。ですからオリャオの港を中心としたこの地域の生き字引的存在です。最近、港内で大掛かりな清掃作業が行われたのですが、誰も前回の清掃作業の記憶がありません。それをセニョール・ゼカに尋ねると、「そうだなぁ~、前回は25年くらい前だったかな。」、てな感じです。この日現場にいたほとんどの若輩者らが生まれる前の出来事、もしくは赤ん坊時代のことでした。
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1991年、この地を定置網プロジェクトの視察で初めて訪れた時、彼はもうここでこうしていたように記憶しています。昔は、IPIMAR(ポルトガル海洋研究所)の職員でした。定年退職後も施設の管理などを任され、今では仕事の合間に息抜きで彼のもとを訪れる人も少なくありません。そんな時はワインとショリッソ(ソーセージ)とチーズをこよなく愛します。しかし、人柄なのでしょう。皆さん、セニョール・ゼカの顔を見るとなんとなくホッとするようです。
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# by mobulamobular | 2009-11-29 03:14 | 活魚 | Comments(2)
我武者羅
15年目のシーズンが終わろうとしています。
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この時に過去をどのような言葉で表現したらよいかを考えたのですが、「我武者羅だった」が適当のようです。
異なった文化の中、言葉も生活習慣も違う仲間らと一緒に一つの目標に向かって突き進んできた月日は、それなりに楽しくもあり、刺激的でもありました。
互いに影響を受け影響を与え、ただでさえ毎日のように魚と戯れていることで半魚人化した脳ミソで考える世界観は凡人の域にあらず、しばしば旧友を困惑させ実世界の叱責を受ける事態に陥ってしまいました。
外人から家族や友人とはまったく異なった意見を聞かされ、時にはそれを厳守し実行しなければならない立場の儚かさ。一方、右側通行を危険を顧みず逆走する愚かさ。
すべてが我武者羅に行なわれてきました。「異文化の融合」とは人と人との交りあいです。決してモノのみではありません。身をもって実感した我武者羅な15年でした。
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# by mobulamobular | 2009-11-14 01:57 | 定置網 | Comments(6)
サグレス
ちょっと用事があってサグレスまで行ってきました。定置網の母港であるオリャオからは、西へおおよそ100kmの距離です。今ではほとんどが高速道路ですので1時間ほどで到着です。
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ユーラシア大陸最南西端となるCabo de São Vicente(サン・ビンセント岬)とそこの灯台です。昔はこの灯台の敷地内に入れたのですが、今回は閉っていました。三方が海というロケーションですので、いつもは大概風がビュービュー吹いているのですが、この日は比較的穏やか天候でした。さて、"Sagres"というといろいろなことが思い浮かびますが、ポルトガルで生活しているとまずは「ビール」ということになるのではないでしょうか。
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ビールにはSagres他、数種類のポルトガル製ビールがありますが、これが一番のお気に入りです。
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こんな感じで、いろんなところを走っています。次に思い出すのは、やはりサッカーです。ポルトガルのプロサッカー1部リーグの呼称が"Liga Sagres"(サグレス・リーグ)とかになっています。
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しかし、やはりここはポルトガル大航海時代の拠点で、昔の勇者が見た光景をそっくりそのまま見ることができ、体感できる、正に武者震いしそうな地の果てなのです。こんな断崖絶壁のところから、よく日本まで行こうなどという気持ちになったものだと、あらためて感心させられます。昔のポルトガル人はよっぽど凄かったのでしょう。しかし、今も昔もサグレスは"end of road"ですから、ここから先へ進むには海に出るしかなく、血気盛んな探検家たちは迷うことなく大海原へ旅立って行ったのかもしれません。
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最後にもうひとつ。サグレスにとても縁深い人物がいました。大昔のポルトガルの王子様である「エンリケ王子」です。彼は航海術の基礎を築き、国の発展に大いに貢献した今も昔も変わらぬポルトガルのスーパーヒーローです。ですから「航海王子」と呼ばれています。これのポルトガル名が"Infante de Sagres"となり、今回利用した前述のアルガルベの高速道路(A22号線)も"Via Infante de Sagres"(航海王子通り)と呼ばれています。
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# by mobulamobular | 2009-11-09 00:19 | ポルトガル文化 | Comments(2)
ハガツオ
面が似ていることから「キツネガツオ」と呼ばれることも多いです。今まで幾度となく脇役での登場はありました。
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学名 Sarda sarda、 英名 Atlantic bonito、 ポルトガル名 Sarrajão、 和名 タイセイヨウハガツオ。
鋭い歯が特徴的なので、こう呼ばれています(魚顔参照)。こちらでは広く「ボニート」の愛称で呼ばれていますが、市場等では「鋸」を連想させる"Sarrajão(サラジョン)"、もしくはSerrajão(セラジョン)という魚名になっています。この2つの魚名については発音が微妙で「言う人」、「聞く人」によって異なるのが現状です。
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ハガツオは通常春先に2~3kgの個体が比較的多く入る魚ですが、今回は珍しく秋に、しかも小型(1kgほど)のものが、少々まとまって入りました。
他のカツオ類と並べて見るとこんな感じになります。
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中央がハガツオですが、上がソウダガツオ(Auxis rochei)で下の2尾がスマ(Euthynnus alletteratus)です。
魚体が小さくなると、そろそろ今シーズンも終わり近しかな、と思うようになります。
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# by mobulamobular | 2009-11-06 02:59 | | Comments(0)
魴鮄
ひとめ見た感じでは「赤いホウボウ」なのですが、英名ではそれは「ふつうのホウボウ」(Chelidonichthys spinosus)のことになってしまいます。この英名が"Red gurnard"なのですが、東大西洋には別の"Red gurnard"が存在します。その学名はAspitrigla cuculus です。ようするに「赤い」という非常に安易な形容詞のため、あちらこちらで"Red gurnard"という英名の争奪戦が繰り広げられています。これでは困りますので、最近では日本近海のChelidonichthys spinosusの英名は"Spiny red gurnard"、東大西洋のAspitrigla cuculusの英名は"East Atlantic red gurnard"として区別されているようです。
ちなみに日本のホウボウには"Blufin searobin"というとてもきれいな英名もあります。
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学名 Trigloporus lastoviza、 英名 Streaked gurnard、 ポルトガル名 Cabra riscada、 和名 ありません。
上記のようにこの種は「赤いホウボウ」ではありません。代わりについた名が「ストリーキング=streaking」でおなじみの英単語でした。しかし、意味はまったく異なり「ぎざぎざラインのある」、とかいうことになります。ポルトガル名も英名と一致した見解の様ですが、一般的にはこれも"Ruivo"の1種とされています。
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たしかにこんな感じで見ていると模様はカサゴのような雰囲気です。
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ホウボウの類の種は、胸鰭の下の3軟条が遊離して、ゲジゲジの足のような動きをします。
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その「ゲジゲジの足」の上部が、特徴的な大きな胸鰭です。特に内側(あるいは上部)は種により、色、模様は異なりますが、何れにせよ誘発的な鰭です。
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最後に、大きな頭は硬い骨板に覆われていますが、この種にはこれまたホウボウの特徴的な尖った吻がありません。このためか、他のホウボウ類とはちょっと違った分類がされているようです。
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# by mobulamobular | 2009-10-26 05:37 | | Comments(0)
第1子誕生
ポルトガル人の赤ん坊はかわいいです。この子の父親にとってこの子は初めての子供で「長男」です。この父親は定置網の漁師ですが、船にはほとんど乗りません。配達係りで、いつもあっちこっち行っています。大型の免許も持っているのでクレーン車の担当でもあります。仕事はよくやります。でも、190cm以上のデカイ体に似合わず、お人よしです。ヒゲのないポパイのブルートみたいな奴と想像してください。先月この子が生まれた時には病院から泣きながら第1子誕生の報告をしてきました。
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そんなやさしい男ですが、実は数年前に一度「オヤジ」になったことがあるのです。その時は「長女」でした。しかし生まれて間もなく奥さん(籍は入っておらず)が娘をつれて家を出て行ってしまったのです。潜伏先をやっとのおもいで見つけ出し、話し合いの末出た結論が、他に男ができたので別れる、でした。乳飲み子ですので、とりあえず親権は母親サイドにあり、週1回は娘に会わせるという条件で示談成立となりました。それでもこのやさしい男にとっては月数百ユーロを育児代として母親に支払うことはやぶさかではありませんでした。「父親としての責任感」が男にそうさせたのです。しかし、数ヵ月後、男を含めた数人でカフェで談笑中、このやさしい男が突然泣き出したのです。理由を誰となく尋ねると、男は「最近娘に会わせてもらえない」と嗚咽まじりに訴えました。男は再度母親のもとを訪ね、約束を守るよう要求したところ、驚くべき答えが返って来ました。「あんたはこの子の父親じゃない」。 
一度、母親が娘を連れて定置網の事務所に育児代を取りに来たことがあります。その後やさしい男はその場に居合わせた連中みんなに「オレに似てただろ」とか「鼻のところなんかオレのお袋にそっくりだ」とか訳の分からないことを言っていたのです。しかし、大変なことになりました。「じゃ~なにか。おまえは父親でもないくせに育児代を支払っているのか?」。その後は弁護士に相談~裁判所~また弁護士、を繰り返し1年以上の歳月が過ぎました。さらなる悲劇は母親の「オマエはオヤジじゃない」発言後、すったもんだしていた1年以上もの間も、「父親でないことを証明できない」ため育児代を支払い続けなければならなかったことです。母親はDNA鑑定を拒否しました。やっぱり、母親はやさしい男に娘をとられることを危惧してその男は父親じゃないとかウソをついているのでは、とみんな半信半疑となりましたが、数ヵ月後やっとDNA鑑定が行われ99%の確率で「父親は別人」であることが判明しました。
一言でいえば「ヤバイ女に捕まった」ですけど、このミステリー小説顔負けの出来事はある意味定置網で働く若い漁師にはよい教訓になった気もします。

今回の本当の長男(まだ証明はされていませんが)は無事に母子ともに健康な状態で生まれてきましたが、このやさしい男にとっては「難産」だったのです。だから喜びもひとしおだったのでしょう。

前回は出産祝いをわたしたかどうかもう忘れましたが、今回はちゃんとわたしました。
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# by mobulamobular | 2009-10-17 21:24 | 漁師 | Comments(0)
ドリーム・ワン
最初は「棺桶」のような木箱を使っていました。
それがカートンとなり、そのうちに今の発泡スチロールの箱に取って代わりました。マグロを出荷する際に使用する箱の話です。名付けて「ドリーム・ワン号」です。
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その木箱時代のちょっと変な思い出です。
マグロを日本に送るため、いつものようにファロの空港まで行った時、カーゴの搬入口に同じような木箱が二つ並んでいました。てっきり「マグロの木箱」だと思ったのですが、ここからマグロを空輸しているのはウチだけのはずなので、そばにいたエージェントの人間に「どこのマグロ?」と聞いてみました。するとその人間が言った答えが、「これは仏さん」だったのです。
たしか夏の暑い日でした。こっちは早く計量を終え、マグロを冷蔵庫にぶち込みたい一心で、急げ急げで作業を行っていたのですが、あっちの木箱の正体を知った瞬間、腰が引けたのです。当然、彼ら(または彼女ら)も冷蔵庫行きだと思い、順番待ちのシチュエーションであると考えたからです。でも、マグロは先客を押しのけ真っ先に計量を行い冷蔵庫内に収められました。彼ら(彼女ら)は隅に追いやられたのです。たしかに当時は一尾(一箱)百数十万円とか、またはそれ以上したかもしれませんが、それでも仏さんの上をいくんだと理解するにはちょっと時間を要しました。
南ポルトガル(アルガルベ地方)はイギリスやドイツやオランダなどの北国の人たちにとっては格好のリゾート地であり、特にリタイア組にとっては好条件の地であることから終の棲家とする人が多いのです。でも最後は自国に戻るようで、そんな時にカーゴを利用していたのです。

あれから数年、「夢よとどけ」、と今日も箱は飛びます。
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# by mobulamobular | 2009-10-13 02:00 | ポルトガル文化 | Comments(0)
三本の矢
自らも年をとる訳です。新造船だと思っていた定置網船も早9年目のシーズンとなり、そろそろいろいろやらなきゃいけない時期に差しかかってきたようです。
主機(エンジン)はK社の700馬力です。「メインテナンス・フリー」というだけあって、ここまでほとんど問題なくやってきましたが、稼働時間も9000hrs.近くになるとそれなりの状態になってきています。
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今年はこの船の機関士を4月に亡くすという出来事があり、とても悲しい年となりました。彼はとても優秀な機関士だったので、彼だからこそ目の届くところが多くあったんだと思います。ですから、その後のこの船のメインテナンスは、正直、大きな心配となりました。でもそんな不安を吹き飛ばすように「三本の矢」が、何かあった時は協力して、全力でトラブルの解決に当たっています。

でも、来年はオーバーホールした方がよさそうです。。「三人寄れば文殊の知恵」とか言ったら怒るかな。
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# by mobulamobular | 2009-10-09 05:36 | 定置網船 | Comments(2)