2018年 04月 05日 ( 1 )
もういちど
未だ暗い河岸の片隅で、船から魚を降ろし、車の荷台に積み込んでいる数名のカッパ姿の漁師がいました。厳密にはこの国ではこのような市場以外での水揚げ行為は違法であり、警察にでも見つかれば魚は没収され、悪質な場合は逮捕されるような大ごとにもなる場合があります。しかし、特段驚くようなことではありません。

その時です。背後からとても懐かしい声がかかったと同時に、"誰"だかが直ぐに分かりました。よく見ると、"奴"は未だ日本製のカッパを使っていました。



d0113817_03583789.jpg


元気そうでした。一時はイヤなうわさ話も耳に入りましたが、"これなら"大丈夫だろうと思いました。定置網では、今まで、今いる漁師の倍以上の数の漁師が、いろいろな理由で去って行きましたが、奴もそのひとりでした。将来が期待されていただけに、ちょっと残念でしたが、見切りをつけました。途中でダメになる若い奴らのほとんどが同様の問題をかかえる傾向があります。それは、"夜の誘い"を断りきれない点です。若いので気持ちは分からないでもないですが、漁業のような朝早い商売には百害あって一利なしとなります。最悪、とても危険な道に入り込んでしまう可能性もありますので、こちらとしても、"朝寝坊"は要注意となります。逆に言えば、朝さえちゃんと来ていれば、仕事が多少鈍臭くても大目に見ることが出来るのです。

二言三言言葉を交わした後、奴は足早に船に乗り込み、再び闇の中を海に向かって走って行きました。何となくホッとしたのですが、こちらとしては口から出かかった言葉は呑み込むしかありませんでした。




















m.

[PR]
by mobulamobular | 2018-04-05 04:46 | 漁師 | Comments(0)