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サレマ
これもタイ科(Sparidae)に属し、ごく一般的にスーパーなどでも見かける魚ですが、「謎」も多い1種です。
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学名 Sarpa salpa、 英名 Salema、 ポルトガル名 Salema、 和名 サレマ です。
Ria Formosa内の刺し網でよく漁獲されています。定置網にはふだん多くは入りませんが、秋には大きな群れで来ることもあります。身は水っぽく、小骨も多いことから市場では人気種とは言えません。しかし、色合いがきれいなことと飼育が比較的容易なことから、活魚として水族館には人気があります。
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雑食性ですが、若い内はどちらかというと肉食性(甲殻類等)で、大人になると草食性と変化するようです。FNAMによりますと、夏にイワヅタ科(Caulerpaceae)の海藻を捕食している時期は若干「毒性」があると記述されています。イワヅタ科の海藻とはブドウの房のような葉をもった海藻のことで、珍しいものではなく、よく見られる海藻のひとつです。
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聞きなれない言葉ですが、サレマは「雄性先熟の雌雄両性」(Protandrous hermaphrodite)です。どういうことかというと、ほとんどの魚は「雌雄異体」ですが、サレマの場合は「雌雄同体」です。しかし、まず雄として成熟した後、雌に性転換するためこのように呼ばれています。逆は「雌性先熟」ですが、この場合は雌として成熟した後に雄になるパターンのことをいいます。性転換する魚では後者のパターンの方が多いそうですが、サレマは少数派です。ご存じ、日本の「クロダイ」、世界の「クマノミ」、我らが「ドラーダ」も「雄性先熟の雌雄両性」の仲間です。







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by mobulamobular | 2008-07-14 04:29 |
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