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最近の魚市場
相変わらず、タコの好漁が続いている様子です。やはり、最近の水温にも大いに関係していそうです。

ヨーロッパコウイカも、そこそこ揚がっていましたが、他にめぼしい魚の水揚げはなく、全般的に海のコンディションが今ひとつではないかという印象です。

そんな中、リングアードが、数種類揚がっていましたので、おさらいです。
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これが、"Solea senegalensis" です。


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そして、こっちが、"Solea lascaris" です。


残念ながら、この日は、"Solea vulgaris" の姿はありませんでした。
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by mobulamobular | 2013-03-29 04:45 | | Comments(3)
養殖リングアード
活魚施設も定置網が休み中は魚もなく、機材のメインテナンスや清掃作業をするのにはよいのですが、なにせ経費がかさむものですから、なにかないかといろいろ触手を伸ばしてみると、合致するものがありました。
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スペイン・ガリシア地方の養殖屋さんがリングアードの養殖を始めたいため、その親魚を探していました。対して、地元オリャオの刺し網漁師が自分たちの獲るリングアードに付加価値をつけることができないかと模索していました。そして、仲を取り持つことになったのです。
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学名 Solea senegalensis、 英名 Senegal sole、 ポルトガル名 Linguado branco、 和名 なしです。

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このリングアードは外海・内海(Ria Formosa)の両方で獲ることができます。しかし、概して外海の方が魚体が大きく、味もよいとのこと。しかし、けっこうな数のリングアードを持って帰って来たのでちょっと驚いていると、地元漁師曰く、秘密の"ポイント"があるとのことでした。

で、探してみたのですが、見事にすべて"Solea senegalensis"でした。"Solea vulgaris"はいませんでした。いったいどこへ行ってしまったのでしょうか。

とにかく、こういった形でも「仕事」が増えていったらよいな、と思っています。



















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by mobulamobular | 2011-03-01 07:31 | 活魚 | Comments(2)
"senegalensis"
西アフリカの一国、「セネガルの」という意味です。かつての「パリ・ダカ」でも有名な国です。1960年にフランスから独立しています。

どういう時に使われるかというと、生き物の二名法による学名で、「属名」に続く、「種小名」としてよく使われています。ですから「ラテン語」です。

「よく」というより、やたら使われています。ちょと"senegalensis"で検索してみますと、例えば、"Trichechus senegalensis"というのは「アフリカマナティ」、"Ephippiorhynchus senegalensis"とは「クラハシコウ」(コウノトリの1種)、"Galago senegalensis"は小型の霊長類である「ショウガラゴ」、他にもクワガタ、トンボなどの昆虫にも、また爬虫類のカメレオン、植物、海の貝類、等々。そして、魚の学名にも"senegalensis"と付くものが多く存在します。なんでやたら"senegalensis"が多用されているのでしょうか。あの辺りで、新種の生き物が見つかると「フランス領西アフリカ」の中心であった「セネガルの」ということになったのでしょうか。しかし、"senegalensis"とあっても「セネガル固有の」という意味ではないようです。どちらかというと「たまたま」といった感じの方が強いと思われます。

そんな中、今日はリングアードで登場した"Solea senegalensis" (英名 Senegal sole、 ポルトガル名 Linguado branco、 和名 ありません。)についてです。
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「昨日、ヒラメ食った」とか「最近、カレイ食ってないな」とかはもちろんアリです。「今日はシタビラメでも食うか」という会話は成立します。でも、「一昨日、"牛の舌"、焼いて食った」とか、ましてや「魚屋で変なもの勧められたよ。"ささ~っ、牛の舌"って」とかになると、何の事だか分からなくなります。「ウシノシタ」も「ササウシノシタ」も魚の名前です。しかし、「舌平目のムニエル」でお馴染みの「シタビラメ」という魚は存在しません。シタビラメは「ウシノシタ科」および「ササウシノシタ科」に属する魚の総称ということになります。そしてこれら2科の間には「左ヒラメに、右カレイ」同様に、「ウシノシタ科は左側眼」、「ササウシノシタ科は右側眼」という違いがあります。ですから、この"Solea senegalensis"はササウシノシタ科の魚ということになります。
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今回のものは「活魚」です。ポルトガルの養殖業者さんからの注文です。ですが、定置網は未だですので、地元の漁師に協力してもらって集めた個体です。種類に間違いがあっては困りますので、一応、各魚をチェックします。
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「胸鰭の黒色部」を見ます。「黒色部は鰭全体に広がり、しかし鰭条(きじょう)にはなく、どちらかというと、鰭条と鰭条の間の膜が黒くなっている」かどうかを調べます。上からだと少々分りづらいのですが、ちょっと魚にプレッシャーをかけると、胸鰭の「裏側」でしっかり確認できます。
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"Solea senegalensis"のポルトガル名は上記のとおり、誰にも通じませんが、"Linguado branco" です。ちなみに、スペイン名は、"Lenguado senegalés"、フランス名は"Sole du Sénégal"、イタリア名は分かりません。たぶん、この種は主に大西洋岸に生息し、地中海の中までは行かないようです。
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by mobulamobular | 2010-04-09 04:38 | 活魚 | Comments(0)
リングアード
はじめに。
"ササウシノシタ"において、種の異なった写真を掲載していましたので、差し換えを行いました。そして、あらためてここに2種のササウシノシタ科(Soleidae)の魚について述べます。アルガルベ(ポルトガル南部)ではともに"Linguado"(リングアード)の名称でとてもポピュラーな魚なのですが、2種はとても似ていて、その種の同定の難しさから、今では両者の形勢が逆転して市場に定着してしまっているかのようです(と思っています)。
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学名 Solea vulgaris、 英名 Common Sole、 ポルトガル名 Linguado legitimo、 和名 ヨーロッパソール
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学名 Solea senegalensis、 英名 Senegal sole、 ポルトガル名 Linguado branco、 和名 ありません。

見た目の色や若干の模様については個体差の範疇です。検索ポイントは側線の走り方、眼の位置・大きさや口、鼻の形状や大きさです。明らかな違いは見当たりません。いろいろな角度から両者を観察したいと思います。まずは、ひっくり返します。いずれも同じ個体です。
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似ています。背鰭、臀鰭の棘条数にも大きな違いはありません。続いて、無眼側の頭部、尾鰭部のアップです。
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いわゆる「下唇」の厚みに違いがあるように思われるのと、尾鰭の先端がS.vulgarisの方が黒っぽいように思われます。続いて、顔面アップです。
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どうでしょうか。何か違いはあるでしょうか。一見何も違いはないように思われますが。しかし、こうなるとまったく「神の悪戯」としか思えない、重要な検索部位が隠されていました。
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キーワードは「胸鰭の黒色部」です。確認のためにS.senegalensisの別の個体のものも見てみます。
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やはり、違います。S.vulgarisのものは胸鰭上部後縁にブロッチ(blotch)状になっているのに対し、S.senegalensisのものは黒色部は鰭全体に広がっていますが、鰭条(きじょう)にはなく、どちらかというと、鰭条と鰭条の間の膜が黒くなっていることが分かります。ちなみに、"ササウシノシタ"で出てきた"Solea lascaris"のものは、胸鰭中央に「一筋の黒いライン」状になっており、S.senegalensisと比べると、下の写真のようになります。
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冒頭で述べたようにこれらの魚種名に混乱がおきています。正確な漁獲量については把握していませんがオリャオの市場で見る限り、S.senegalensis(Linguado branco)の方がS.vulgaris(Linguado legitimo)のそれより多いように思います。そのためか、本来の"common=legitimo"が入れ替わっているのではないかと想像しています。市場で"Linguado branco"といっても誰も確かな反応を示しません。それどころか"こっちがlegitimoだ"といいます。また、S.vulgarisには"Linguado ferrugento=錆びついたササウシノシタ"という、どちらかというと「ネガティブ」な名前を付けて呼んでいます。"vulgaris"、"common"、"legitimo"、"ヨーロッパ"と、まさにこの海域でのピュアなササウシノシタとして君臨してきた姿はもうここにはありません。そもそもなんでこのような状況になってしまったのかはわかりません。そのうち、「謎」が解けたらいいなと思っています。
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フ~ッ。









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by mobulamobular | 2008-03-05 07:21 | | Comments(0)