謹賀新年
あけましておめでとうございます。

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定置網の向こう側に日本より9時間遅れの初日の出です。
Boas Entradas 2008.
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# by mobulamobular | 2008-01-01 18:44 | ポルトガル文化 | Comments(1)
船頭と或る日の漁(小説風)
船頭は若干32歳の青年である。
しかし、既に5年間その職をなんとか“こなして”きている。20歳で定置網の船に乗り始め、2~3年でその頭角を現した。明るさ、タフさ、器用さ、勘のよさ、熱意、速さ、用心深さは天性のものである。“しごかれた”が持ち前の明るさとタフさで堪えた。覚えた。何もないところで異文化の外人に言われるままに習った。器用さ、勘のよさ、熱意が彼の武器だった。
「こいつなら船頭ができる」と思わせたのは、速さと用心深さを持ち合わせていたからである。「臆病」ということでは決してなく、性格はむしろその逆。だからなおさら、慎重さが必要であった。
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「今日できることは、今日中にやる」という異人の作業方針が、彼には一番印象深かったものらしい。
漁師は、自然の中で生きている。自然とうまく付き合っていくには、まず、自然には逆らわないことである。しかし、昨今。海の不変性に比べ、丘の多様性が多くの若者の気を惹きつける。月曜日から始まる一週間は金曜日で終わり、その夜から楽しい週末が始まる。もちろん、週末は仕事は休みである。キリスト教国では何千年も前から続く生活習慣である上、現政府もそれを応援し奨励しているのである。何の疑いを持つ理由もなく、ましてやそれを変えていくことなど考える間などある筈がない。
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しかし、そんなキリスト教の都合でも、自然は取り合ってくれない。実際、彼も今まで多くの「自然の気まぐれ」を眼にしてきた。月曜日から始まった時化が金曜日まで続く。不思議と週末は風もおさまり、よい天気となる。しかし、翌週、また、月曜日から時化が始まる。こうなると船は10日以上も漁に出ないことになる。これを「仕方ない」と片付けるか、「何とかしなくては」と対策を練るかで違いが出る。

時化が数日続いていた。予報では日曜日には一旦風は弱まりそうである。出港のチャンスだと直ぐ分かる。しかし、続く月曜日も同様に比較的穏やかな天気となりそうである。火曜日には前線が近づき、再び時化となると考えた方がよさそうであった。彼は日曜日は出港せず、「通常どおり」月曜日の出港を船方に指示した。
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そして月曜日の朝。まだ暗いうちに起きた彼は唖然とする。風である。吹き始めで勢いがある。天気図には載らない小さな低気圧が沖に発生したのである。他船は既に出漁を断念している。港に人の気配はない。カフェは早朝にもかかわらず漁師で一杯である。まさにミックスド・フィーリングである。「安全第一、危険回避」が大鉄則である。その点から言えば、今日の出港は見合わせるのが妥当である。しかし、連日の時化で市場は飢えている。市場は彼の魚を待っていたのである。もちろん会社に対する漁の責任者としての立場もあるが、今回は市場からの期待に応える義務感が上回っていた。

まだ薄暗い中、1隻の船が港を出て行った。
無理だ、無謀だと思われても、この時彼には自ら時化を「体感」するしか残された解決策はなかった。「行けるかどうかは、行ってみれば分かる」。 数分後、その答えは早々に出た。出港した船からの連絡。
「波は高いが、それ以上に風が強く、船が走れない」

沖に出れない日は丘での作業を行う。網の修繕、ロープの準備等々。しかし、船方の顔に憂いはない。むしろ難を逃れた安堵感が広がっている。沖を羨ましく見つめる彼の姿もそこにあった。何がいけなかったのか、どこで間違えてしまったのかを考えているようにも見えた...。
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午後、彼が走ってやってきた。
「風が止まった。もう一回行ってくる。」
再出港。しかし、またも彼の船1隻のみの出港である。他船の漁師は「今日は時化」と決め込み、朝からの酒ですでに出来上がっていた。

沖に出た。波はまだ大きい。しかし、風はない。これなら行ける。

数時間後、魚を満載した彼の船が港に戻ってきた時は、すでに日はどっぷり暮れていた。

彼の予想どおり、火曜日からは今年一番の大時化が始まった。

THE END.











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# by mobulamobular | 2007-12-24 21:14 | 定置網 | Comments(1)
☆なしホシザメ
2008年11月9日にこの記事の内容は訂正いたしました。
詳細は訂正記事で確認ください。

「ホシザメ(属)の中のホシザメ」が☆なしというのも、なんか変な話です。
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学名 Mustelus mustelus、 英名 Smoothhound、 ポルトガル名 Cação liso、和名は知りません。
この個体も定置網休漁中のため、地元底刺し網船が獲ったものをちょっと拝借しました。もっとも、定置にはなかなか入りませんが。
地元ではポピュラーな魚で、特にスープの具材として有名です。"Sopa de Cação"といいます。
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"liso=smooth"ですが、"Cação"は「犬」ではなく、「全裸婦」のことを示します。しかし、今では"Cação=サメの名前"が
人々の間に浸透し、「元の意味」は忘れ去られようとしているみたいです。

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# by mobulamobular | 2007-12-22 01:44 | サメ・エイ | Comments(0)
燃料代
ご多分にもれず、ポルトガルでもガソリン代高騰、船の燃料代はうなぎ上りです。
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これは街のガソリンスタンドでのものですので、船のものとは異なります。単位はユーロ(1ユーロ=162円くらい)です。
日本はガソリンが140~150円くらい、軽油は120~130円くらいだと思いますが、ヨーロッパは全般的にさらにもっと
上を行っています。日本にこの値段を持って行ったら、即、衆議院解散となるのではないでしょうか。
こちらはディーゼル車流行ですので、注目は一番下の軽油代ですが、それでも円に換算すると200円に迫ります。
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船の燃料は税の優遇制度が適応され、別物です。それでも目下105円くらいで軽油を入れています。
昔、知り合いが「漁師は世界中どこでも貧しい暮らしをしている」と言っていましたが、ここも多分そんな感じだと思います。
大きな船で組織立ってやっているところは、前述の税の優遇制度等があり、まだマシですが、ここの漁師の多くは
いわゆる「小釣り漁師」で悠々自適の様にも見えますが、実は重い規制の下、細々とやっています。
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漁師に関係する「規制」はいろいろありますが、特に問題となるのは船に関するものです。
当然金銭面の問題もありますが、ここでは船内機(船の中にエンジンが設置されている)の船の許可がなかなか下りません。
よって皆、船外機の使用となります。そして、この船外機のほとんどがガソリン使用で、ガソリンには軽油のような
税の優遇制度が受けれないのです。ですからトップの写真にある価格で彼らは毎日自分の船に燃料を補給しています。

正直、「よくやっているな」と思います。
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# by mobulamobular | 2007-12-20 05:53 | 定置網 | Comments(0)
キアンコウ
こういう魚はやはり、一度は水の中で見てみたいものですが、この海域では100m以深に生息しているため、
普通の人にはちょっと肉眼で見ることはできないと思います。
定置網には今までに1度の入網記録がありますが、この個体は地元漁師の底延縄にかかったものです。
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学名 Lophius budegassa、 英名 Black bellied angler、 ポルトガル名 Tamboril preto、 和名は不明です。
和名については英名を直訳して「クロハラアンコウ」とか「ハラグロアンコウ」とかの記述は目にしましたが、
何れもはっきりしないので、ここでは「不明」とします。「キアンコウ属」の1種です。
日本のキアンコウ(学名 Lophius litulon)は、「ホンアンコウ」とも呼ばれています。
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"Anglerfish"の名前はこの背鰭棘が変形したものに由来します。太公望は「二本差し」で魚を誘い、ガブッと捕獲します。
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この「口ひげ」のようなものは水中ではヒラヒラと海草のように揺らめきます。参考までにFishBaseにリンクします。
大きな個体ですと1mほどになります。市場では腹面を上にして「肝」を見せて、セリにかけられます。
日本では「あんこう鍋」がおいしい季節を迎えていますが、こちらでは"Arroz de Tamboril"(アンコウ・オジヤ)という
お気に入りのポルトガル料理があります。もちろん、肝入りです。
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# by mobulamobular | 2007-12-17 18:24 | | Comments(0)
イボガンギエイ
ポルトガルでよく漁獲されるガンギエイの2種目です。
定置網にも幾度か入ったことはありますが、この個体は地元漁師が底刺し網で獲ったものです。
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学名 Raja(Raja) clavata、 英名 Thornback ray、 ポルトガル名 Raia lenga、 和名 イボガンギエイ です。
その名の通り、背面のみならず時には腹面にも鉤状の突起物があります。しかし、この突起物は個体によって
その数、大きさ、場所は様々で、ないものもいます。本個体では背面右側に小さな突起物ひとつを確認できましたが
それ以外はありませんでした。
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この突起物のことを英名では"buckler thorn"といいますが、"buckler"とは「ノンアルコールビール」のことではなく、
大昔、ギリシャ人やらローマ人が戦う時、左手に持った丸型の楯のことで、上の図から突起物の先の曲がった部分が
楯の取っ手となることが容易に想像され、まさしくピッタリの名前だと思いました。
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ポルトガル名"Raia"はガンギエイの総称ですが、"lenga"が意味不明です。
辞書にも出ていません。誰も知りません。インターネット検索では「出所不明」となっていました。
「ジャスト・ネーム」ということで理解することにしましたが、"lenga"が二つつながって"lengalenga"となると、
「とりとめのない長話」といった感じの意味になります。こっちの人は話し好きで、仕事そっちのけでベラベラ馬鹿っ話
(特にフットボール)に没頭する時がありますが、そんな時に「lengalengaはやめろ!!」といった風に使います。
和やかに会話を中止させることができます。
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# by mobulamobular | 2007-12-15 00:15 | サメ・エイ | Comments(0)
漁期終了
今年もいろいろありましたが、めでたく漁期終了です。網抜きです。
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心配されていたムラサキイガイの大量付着もなく、なんとか一年を乗り切りました。ここでは日本の定置網で当たり前になっている「防藻剤」は使いません。4月に入れた網が今までもつのですから、基本的に網はあまり汚れません。
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それでも気になる付着物はあります。フジツボ(Balanus spp.)です。
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日本の定置網を知っている人には、通常、フジツボは表層近くに多く付着するものという概念がありますが、ここでは主に底層付近に多く付着します。側面には少なく、敷にはベッタリといった感じです。
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ここは地中海性気候。大地は乾いています。雨は多くなく、高い山もなく、大きな河も近辺にはありません。テラロッサの土壌はあまり肥沃ではなく、人口も少ないことから生活排水や養分の海への流れ出しも少ないと思われます。
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ですから、表層には付着生物たちにとっての餌のなるプランクトン類が少なく、ここの海の栄養は沿岸湧昇によって深海からもたらされるものなので、底層に付着生物の活路がある、と勝手に考えています。

何れにせよ、一日も早く、魚網会社さんには付着生物のつかない、汚れない網を開発していただきたいものです。







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# by mobulamobular | 2007-12-13 00:23 | 定置網 | Comments(0)
サメ
矢野和成博士がこの本の著者です。

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矢野氏はマルバラユメザメの標準和名の命名者です。マルバラユメザメの英名は"Portuguese dogfish"と言います。また、イチハラビロードザメ(学名 Scymnodon ichiharai)やオロシザメ(学名 Oxynotus japonicus)の標準和名も命名しています。ようするに「サメキチガイ」です。サメのこととなると世界中いたるところに出現していました。今時めずらしい4人のお子さんのパパです。そんなサメ好きを移そうとしたのか、すでに伝染したのか知りませんが、本書表紙のサメの絵はそのお子さんらが描いたものです。

博士がサメ以外にもうふたつ熱中してやっていたことがありましたが、そのひとつはここでは割愛させていただきます。残るひとつはサーフィンです。子供のころに始めたサーフィンはプロになるまで熱中していました。トーナメントプロを引退後も、研究室と海とを行ったり来たりしていました。

よく遊んでもらいました。

そんな博士も2006年4月、大好きな海を一望できるところに旅立っていってしまいました。

享年49歳。
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# by mobulamobular | 2007-12-10 05:17 | 書籍 | Comments(1)
タコとクリスマス
タコの輸入大国・日本にとっては耳よりのお話です。長いことここに居ますが、今年ほどタコの水揚げの多い年はありません。海向うのモロッコでの漁業規制の成果(?)でしょうか、「タコ豊年」です。
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学名 Octopus vulgaris、 英名 Common octopus、 ポルトガル名 Polvo-vulgar、 和名 マダコ です。

日本におけるタコの消費量のうち、実に7割ほどが西アフリカ諸国をはじめとする海外からの輸入に頼っていると聞き及んでいます。ここのタコも「系統」からいえばアフリカのそれと同じと思われますが、タコは何を食べているかで味が随分と変わってくるらしく、ポルトガルのタコの市場での評価のほどは分かりませんが、個人的にはうまいと思っています。

連日、誰が買って誰に売って、またその次に誰が買うかは知りませんが、午後遅くまでセリが続いています。主にタコツボやカゴ網によって漁獲していますが、地元漁師にとってはこの時期うれしい誤算というか、予想外の「クリスマス・プレゼント」になっており、いつもの年では水温の低下に伴い漁が減り、下向き加減の漁師が多い時期ですが、今年はいつもと違っているのは誰の眼にも明らかです。

さて、クリスマスと言えばLITÃO(リタォゥン)の季節です。
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干してます。あっちこっちで最後の追い込みです。地元オリャオ(のみ)での代表的なクリスマス料理の食材です。小型のサメです。煮込み料理となります。この風景は地元ではこの時期当たり前のものですが、今年は一風変わったものもありました。
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リタォゥンと一緒にタコを干しているところがあります。ひょっとしたら、そのうち干しタコが地元のクリスマスの名物料理とかになるかもしれません。















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# by mobulamobular | 2007-12-06 21:38 | | Comments(2)
マンボウ
唯一、と言っていいと思います。定置網に大量に入って売れない魚です。
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学名 Mola mola、 英名 Sunfish、 ポルトガル名 Peixe lua (Rolin)、 和名 マンボウ です。
英名は「太陽魚」ですが、ポルトガルでは「月魚」です。
水族館では人気者のマンボウも、定置網漁師にとっては時に「厄介者」となります。
何故だか定かではありませんが、ポルトガルのDOCAPESCA(国営市場)では販売が禁止されています。
幾度となくその理由を尋ねてみましたが何れも要領を得ず、つまりは寄生虫等の問題もあるのでしょうが、
ようするに問題は誰もが思うそのかわいらしい容姿にあるようです。結局は「可哀そうだ」ということですね。
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水中で泳ぐその姿はたしかに愛らしく、キョロキョロ動く眼とプカプカ浮かぶ様子を見てしまうと、皆、何もできなくなってしまう。
活魚としては時に水族館に送ったりしますが、餌付けも比較的容易で、給餌サインとしてターゲットを決めてあげると、
口をパクパク開けて近寄って来ます。そんな時はまったくの「ペット感覚」になってしまうのも事実です。

そんなマンボウですが、アカデミカルな面ではまだまだ謎の多い動物です。
どこで産卵を行い、何を食べているのか、ライフサイクルはどのようになっているのか、等々。
今年は2回ほどポルトの大学の研究チームがイギリスのTHE MARINE BIOLOGICAL ASSOCIATION OF THE UNITED KINGDOM
の協力を得て、マンボウのポップアップタグによる追跡調査を行いました。これは東大西洋では初の試みです。
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定置網に入ったマンボウを生け捕りにします。
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素手は禁物です。薄手の手袋を使用します。
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ポップアップタグを装着します。
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その後、海へ戻しました。
この「ポップアップタグ」というのは事前に設定した期間が過ぎると自動的に本体が動物から切り離され、水面に浮上し、
人工衛星(GPS)を経由してデータが送られてくる、という優れものです。
数ヵ月後、大学からデータが受信されたという連絡がありました。現在、データ解析中とのことでしたが、
なんと、あのマンボウはアルガルベで放流された後、北上し、イギリス近くまで行ってしまったようです。
こうしてまたひとつ動物の生態が少しずつ明らかになっていくのでしょう。
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# by mobulamobular | 2007-12-03 06:08 | マンボウ | Comments(0)
天気予報
自然相手の定置網。毎日気になるのが明日からの天気です。
テレビ・ラジオ・無線(ポルトガルの海上保安庁)でも天気の情報収集することはできますが、今ではもっぱらインターネットを利用しています。
こちらの天気予報は比較的よく当たります。しかし、一つの情報だけに頼ると時より「危険」なことになるので、
複数のサイトを見比べ、最後は自分の判断となります。でも、目視観察も大切です。今の天気はまさにここにあるのですから。
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上はCNNです。天気図に前線を表示しており、雨の降り方、風向きなどを知るのに参考にしています。
下はイギリスの"The European Centre for Medium-Range Weather Forecasts"というサイトです。
このような予想気圧配置図が10日先まで表示され、今後の天候の傾向を知る上でたいへん参考になります。
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スペインの"Instituto Nacional de Meteorologia"のサイトです。下の図は風向きとその強さを示したものですが、
他にも同ページで、気圧配置、降雨状況などがこの先48時間後まで6時間毎の予報が表示され、とても便利です。
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定置網にとって必要な海況情報には、気温、天気の他にも風向き・強さ、波の大きさ・その方向、水温、透明度などが含まれます。
続いてポルトガルの"Instituto de Meteorologia"です。全国図上に主要地の天気・気温・風向きおよび強さが、
また、海には波の高さおよび方向、水温がそれぞれ表示されます。
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画面を変えると、向こう4日間の天気予報を読むことができます。
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それぞれの予報には「予報官」の名前も記載されています。
ここで、ポルトガルの天気予報なので、あえて「難点」を言わせてもらえば、時々、上記2画面に著しい違いがある時が
あります。また、週末の予報が極々適当で、1日2~3行で4日間同じ天気、などと言う場合もあります。
長年ここにいますので、文化・習慣の違いは心得ているつもりですが、もうちょっと頑張ってもらいたいものです。

これら以外にも日本に「世界の気圧配置」という優秀なサイトがあり利用しています。ここでは今日明日のヨーロッパの
気圧配置図を見ることができ、画面の端っこですが沖の小さな低気圧の発生にも敏感に反応しているようで、
他の天気予報が「全滅」状態でも、「一人勝ち」といった時も今までに幾度もあります。

今の風向きを知るには"Weather Undergroud"の日本語版や、"Yahoo"を見ています。

ここは丘と海の間にRia Formosaを挟んでいますので、丘からはなかなか海の状況を知ることは難しく、
何がしかの情報に頼ることになります。そんな時、他の漁師からの情報も力強い味方となります。
しかし、船での航海、海での仕事は一歩間違えるとたいへん危険なことになります。
冒頭にも述べたように、天候の判断は、「最後は自己責任」、ということになります。
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# by mobulamobular | 2007-11-29 17:59 | 気象 | Comments(0)
ヤリイカ
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"Live fast and die young" これは「イカの一生」を表した言葉です。


毎年この時期になると、ヤリイカは産卵のために接岸し、定置網やそのロープに房状の卵を産みつけますが、今年はどうやら少なめです。


学名 Loligo vulgaris、 英名 European squid、 ポルトガル名 Lula-vulgar、 和名 ヨーロッパヤリイカ


大きなものでは外套長が40cmオーバーになるものもいますが、この海域にはさらにもっと大きくなるヤリイカがいます。


(学名 Loligo forbesi、 英名 Veined squid、ポルトガル名 Lula-riscada、 和名 ヨーロッパオオヤリイカ)


地元の市場では全て"Lula"の呼称で扱われており、ヨーロッパオオヤリイカがどの程度混在しているのかは定かではありませんが、今後調べてみようと思っています。発見した際には、写真をあらためて掲載します。


上記2種の違いとして、まず、触腕の吸盤の形状が挙げられます。
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ヨーロッパヤリイカは中央2列の吸盤が他のものに比べて数段大きいのに対し、ヨーロッパオオヤリイカのそれはほぼ均等の大きさになっています。
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また、外套膜の腹面にある「ミミズの這った」ような斑紋にも違いがあり、下の写真はヨーロッパヤリイカのものですが、ヨーロッパオオヤリイカの場合は、もっと鮮明で数も多くなるということです。
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しかし、地元ではヤリイカの外套膜内に米やゆで卵やソーセージ、イカの頭や脚を細かく切ったものを詰め込んで、トマト煮にした"Lula Recheada"という人気料理用に小さめのヤリイカの方が高値で取引されています。
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# by mobulamobular | 2007-11-26 01:31 | | Comments(0)
ソーダガツオの缶詰
出来上がりました。
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ソーダガツオ(Auxis rochei)の缶詰です。
スペイン・アンダルシア地方の名産です。スペインではソーダガツオのことを"Melva"と呼びます。
「ミソ」は缶箱左下に明記してある"de ALMADRABA"です。
"ALMADRABA"とはスペインで「定置網」のことです。よって、この缶詰は「定置網で獲れたソーダガツオの缶詰」ということになります。
スペインにはジブラルタル海峡手前(大西洋側)に古くから定置網の「名門4漁場」がありますが、
どれもクロマグロ・オンリーといっていいほど、他魚種の漁獲は少量です。
そんな中、ソーダガツオを漁獲している最寄りの定置網といえば、ポルトガル・アルガルベの定置網になります。
味は何度も繰り返しますが、最高です。
でも残念なことにポルトガルではほとんど売っていません。


ここまでの過程は下の記事を参照ください。
ソーダガツオ
JUDEU
JUDEUの出荷
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# by mobulamobular | 2007-11-23 22:59 | ポルトガル文化 | Comments(4)
バリケン
魚でもなく、定置網についてでもないのですが。
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学名 Cairina moschata、 英名 Muscovy Duck、 ポルトガル名 Pato mudo、 和名 バリケン です。
正確には、南米原産のカモ科の鳥である「ノバリケン」の家禽化されたもの、だそうです。

先日、"Ria Formosa"沿いで作業をしていた漁師が1羽の「得体の知れない」鳥を発見。
近づいてみると歩いてヒョコヒョコ遠ざかっては行くが、一向に飛ぼうとはしないので、彼は「きっと、怪我をしているにちがいない」
と思い、その鳥を保護しました。
嘴から眼にかけて同色になっていること、また、水掻きがあることから、彼はそれを「カツオドリの幼鳥」と思い、
国立公園の管理事務所にその鳥を届けました。
その後、インターネットで"Birds in Europe"なる類のHPでこの鳥の名前を検索しましたが、全くヒットせず、
検索範囲を「日本」にまで拡大したところ、和歌山県立自然博物館のホームページにこの写真の鳥によく似た鳥が
記載されているのを発見しました。早速、この博物館に問い合わせをしたところ、「バリケンに間違いない」との
ご返答を担当の方からいただきました。

別の漁師がこの鳥を見た時すぐにこれは"Pato mudo"だと言っていたのですが、それが「何物」かはわかりませんでした。
"Pato"はカモ・アヒルのことですが、"mudo"とは「口のきけない・無言の」といったような意味なのです。
このバリケンを保護した漁師にこのことを問うと、「たしかに捕まえた時には鳴かなかった」そうです。
カモやアヒルはガーガーゲーゲー鳴くのが常だと思っていましたが、家禽化されたそれは「言葉を失って」しまったのでしょうか。

前述のとおり、原産は南米ですが、食用として全世界に広まったようです。ヨーロッパも例外ではなく、別名「フランスガモ」とも
呼ばれているようです。また、英名では「モスクワのカモ」となっており、原産地からずいぶんと離れてしまっています。
ロシアの首都モスクワ=MOSCOWですが、その「モスクワの」となった時、なんで"MUSCOVY"と"O"が"U"になってしまうのでしょう。
余談すぎました。

もし、この鳥が口を利くことができたら、まず最初に「自分は誰?、ここはどこ?」と問うのではないでしょうか。
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# by mobulamobular | 2007-11-21 00:02 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ヒラメ
「左ヒラメの右カレイ」の原則から言って、これは「ヒラメ」です。ですから、「○○○カレイ」ではなく、「×××ヒラメ」という和名がついてもよいと思いますが、残念ながら今はないようです。
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学名 Scophthalmus rhombus、 英名 Brill、 ポルトガル名 Rodovalho です。
周辺海域には数種類の「ヒラメ」が生息しますが、定置網でも他の漁法でもあまり多くの漁獲はありません。この"Rodovalho"によく似た種に「イシビラメ」(和名)というのがいます。外見上はそっくりのようですが、有眼側を手で触れてみると、体表がデコボコしてしています。骨質の突起物が体表に点在しているためです。
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学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado です。

どちらも肉厚、美味、高級魚です。"Pregado"はヨーロッパでは養殖も行われています。「イシビラメ」という和名があることから日本にも入っているのでしょう。ポルトガルでもリスボン周辺で養殖が行われている様子ですが、お店等ではあまり見かけないので、流通量はそんなに多くないのではと推測します。
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# by mobulamobular | 2007-11-17 18:36 | | Comments(0)
金環鯛(ドラーダ)
王者の風格というか、りりしい姿が印象的な魚です。なおかつ美味となれば、人気を博すこと間違いなしです。
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学名 Sparus aurata、 英名 Gilthead sea bream、 ポルトガル名 Dourada、 和名 ヨーロッパヘダイ です。
(タイトルの「金環鯛」は勝手に命名したものです。ちなみに英名もそんな感じになっています。)ヨーロッパでドラーダはヨーロッパスズキ(Dicentrarchus labrax)とともに代表的な養殖魚としても知られています。食欲旺盛で成長が早いこの魚はポルトガルはもとより、一時はヨーロッパのいたるところで盛んに養殖が行われました。しかし、近年その場所は人件費の安いギリシャやトルコなどに移り、また、もとからの過剰供給で西ヨーロッパの養殖場は急速に衰退してしまいました。オリャオ近辺にもノルウェー資本の大きな養殖場がありますが、今では一昔前の活気はありません。
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しかし、天然物の人気は衰えることなく、養殖物と比較されることからかえって値段(浜値)は上がったようにも思われ、両者の間には3~4倍の値段の差がつくこともあります。
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眉間に金色のスジがあるのが特徴です。天然物は各鰭がピンと伸び、鱗に当たった光りの反射も直線的で、全体的に綺麗です。他のタイ類が春から夏にかけてが旬であるのに対し、ドラーダは秋から冬にかけてが旬となります。定置網は通常この時期、休漁期となるため、年間を通じドラーダが大量にはまとまって入ることはありませんが、時に50cmオーバーの大型の個体を見ることができます。











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# by mobulamobular | 2007-11-12 01:50 | | Comments(0)
黒ニシマアジ
マアジで記載できなかった「黒ニシマアジ」です。
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学名 Trachurus picturatus、 英名 Blue jack mackerel、 ポルトガル名 Carapau negrão です。
「黒ニシマアジ」の後頭部背鰭沿いの側線は、第二背鰭第5~10軟条下で終わっています。
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体側の「ゼンゴ」(稜鱗=りょうりん)という棘状の鱗の違いは下図のようになっています。
「黒ニシマアジ」は3種の中では数が一番多く、細かくなっているのが特徴です。
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ポルトガル近海では一番多い種ですので、魚価的には一番安くなってしまいますが、アルガルベ名物Carapau limado(アジの酢漬け)では
抜群の威力を発揮します。しかし、上記「ゼンゴ」の数は身の小骨数と比例していますので、少々「骨っぽく」なりますので、ご注意を。
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# by mobulamobular | 2007-11-10 01:48 | | Comments(0)
ドラムフィッシュ
コルビナと同じニベ科(Sciaenidae)の1種ですが、あんなには大きくなりません。周辺海域に生息していますが、漁獲されることはめったになく、珍しい魚の部類に入ると思います。
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学名 Umbrina canariensis、 英名 Canary drum、 ポルトガル名 Calafate das canarias、 和名はなく「カナリードラム」と呼ばれているようです。
Umbrina属には世界中で約10種いるとされていますが、北東大西洋および地中海海域には、このカナリードラムとU.cirrosa、U.ronchusの3種がいることになっています。になみに日本近海には生息していません。Umbrina属の特徴としては、下顎に「ヒゲ」のような突起物があることです。これはヒラヒラしたものではなく、硬いものです。
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また、今回の種の同定の決め手となったのが尾鰭の形状で、縁が"S字"になっているのが他の2種とは異なります。
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ニベ科の魚と言うとすぐにイシモチ(石持ち)を思い出しますが、このカナリードラムの頭の中にも大きな「耳石」が入っているはずです。日本ではこの類の魚にまつわる四方山話が多く存在します。例えば、素気ない態度を「ニベもない」といいますが、これもこの魚の「ニベ」のことです。ニベの鰾(うきぶくろ)を使って接着剤(膠)を作ることから、「ニベもない」~「接着していない」~「愛想ない、素気ない」となります。また、ニベ科の魚で「グチ」と呼ばれるものがいますが、これはこの魚が釣り上げられた際、よく鰾を振動させグーグーと鳴くことから「愚痴」をこぼしているようなので「グチ」となったようです。この「グーグー、ガーガー鳴く」習性は英名にも現れています。「ドラムフィッシュ」のドラム(Drum)はズバリ「太鼓」のことです。また、近種に"Croaker"と呼ばれる魚がいますが、"croak"は蛙やカラスがガーガー鳴く様を表しています。






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# by mobulamobular | 2007-11-08 01:02 | | Comments(0)
ブルーフィッシュ
海でのルアーやフライフィッシング愛好家の方々にはおなじみの1種かもしれません。日本にはいません。アメリカものがよく知られているようです。「ブルーフィッシュ」と言ってもイワシやサバの「青魚」の総称ではありません。
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学名 Pomatomus saltator (あるいは P.saltatrix)、 英名 Bluefish、 ポルトガル名 Anchova、 和名 アミキリ。
アミキリ科(Pomatomidae)で1属1種です。全く違うのですが、「ブリ」のいないポルトガルではこのアミキリが「ブリ」に似ているような印象を受けています。色・形もありますが、網内での遊泳行動が「ブリ」に似ており、網と網の隙間を見つけると果敢に突っ込んで行き、逃げようとします。定置網には多くの漁獲はありませんが、美味しい魚として地元では評判です。
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「Anchovaがアンチョビー?」の話
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# by mobulamobular | 2007-11-04 04:48 | | Comments(0)
マアジ
「アジ(鯵)の旨い鮨屋は上手い」と勝手に思っていますが、そのアジを代表するのが「マアジ」です。
アジ科(Carangidae)にはマアジの他、シマアジやブリ・カンパチが属しており、日本の食文化においてはとても大切なFamily(科)であると思います。
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ポルトガルにおいても「マアジ」は人気種で、食べ方としては焼き魚、フライ、酢漬け等様々です。
北東大西洋および地中海海域では4種類の「マアジ」が生息していることになっていますが、ポルトガルでは内3種がよく水揚げされています。
(写真上) 学名 Trachurus trachurus、 英名 Atlantic horse-mackerel、 ポルトガル名 Carapau、 和名 ニシマアジ。
(写真下) 学名 Trachurus mediterraneus、 英名 Mediterranean horse-mackerel、 ポルトガル名 Carapau do Mediterrâneo、和名はありませんので、今ここで命名します。「地中海マアジ」。
もう1種は 学名 Trachurus picturatus、 英名 Blue jack mackerel、 ポルトガル名 Carapau negrão、これも和名がありませんので、命名します。「黒ニシマアジ」です。しかし、この写真はまだ用意できていないので、追っかけ記載したいと思います。
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さて、「ニシマアジ」と「地中海マアジ」の識別ですが、これがケッコウ難しく、よく見ないと分かりません。
この種の特徴として、体側に「ゼンゴ」(稜鱗=りょうりん)という棘状の鱗がありますが、まずこれが微妙に異なります。
(写真上) ニシマアジの体側前方の稜鱗(幅が広く、数が少ない)
(写真下) 地中海アジの体側前方の稜鱗(幅が狭く、数が多い)
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また、後頭部背鰭沿いの側線の長さが異なります。これは北東大西洋および地中海海域の4種類のマアジ全てにおいて異なっており、最も有効な同定部位だと思います。
(写真上) ニシマアジの後頭部背鰭沿いの側線は、ほぼ第二背鰭の終わりまで続いている。
(写真下) 地中海マアジの後頭部背鰭沿いの側線は、第一背鰭第8棘条下、あるいは第二背鰭第3軟条下までで終わっている。

ちなみに、アルガルベの定置網漁師もアジだけは日本語の「アジ」で覚えており、網内にアジがいる時は、「あじ・アジ・鯵~!!」っという叫び声が、耳に心地よく、船上に響きます。
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# by mobulamobular | 2007-10-27 05:35 | | Comments(0)
バターフィッシュ
バターフィッシュ(Butterfish)と呼ばれている魚は世界中にたくさんいるようですが、正式英名が単独で "Butterfish" となっているものはいないようです。必ず"〇×△ butterfish"のように形容詞がついているか、あるいはそれは「地方名」のようです。マナガツオ科(Stromateidae)の1種です。日本近海には生息しないStromateus属の魚です。
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学名 Stromateus fiatola、 英名 Butterfish、 ポルトガル名 Pampo、 和名はありません。
上記英名は「単独」で"Butterfish"となっていますが、これは"Fishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean" (UNESCO)の記述通りです。しかし、"Fishbase"では"Blue butterfish"という英名になっています。
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この属にはこれ以外にS.brasiliens(ゴマシズ)とS.stellatus(ホシゴマシズ)の2種が存在しますが、前者は南西大西洋のブラジル近海、後者は南東太平洋のチリ・ペルー近海にそれぞれ生息しており、ポルトガル近海ではこの"Pampo"のみが生息しています。
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まるで「落書き」のような綺麗な模様ですが、どこが"Blue butterfish"なのでしょうか? イギリス近辺で見られるものは「青い」のかもしれませんが、この辺では"Yellow"「黄色」です。
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# by mobulamobular | 2007-10-25 04:40 | | Comments(0)
メジナモドキ
日本人にはメジナ擬(モドキ)かもしれませんが、ここでは逆に本家の「メジナ=Girella punctata」がいませんので、この和名もぱっとしません。
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学名 Spondyliosoma cantharus、 英名 Black sea bream、 ポルトガル名 Choupa、 和名 メジナモドキ(?)
英名の"Black sea bream"ですが、直訳して「黒鯛」となりますが、日本のクロダイ(Acanthopagrus schlegelii schlegelii)の英名はFISHBASEなどでは"Black porgy"となっており、区別されます。
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定置網にはドサッとまとまって入ることはありませんが、周年漁獲される魚です。それだけメジャーな魚ではありますが、ポルトガル名"Choupa"の名前の由来は分かりません。少なくとも周辺の漁師や住民に尋ねたところ、皆目見当がつかない、との答え。手持ちの辞書では"Choupa"は「槍の穂先、両刃の斧、たがね、のみ」などとなっていますが、魚名との関係はありません。もっとも市販されている葡日辞書のほとんどが、ブラジル・ポルトガル語を基本としたものばかりで、しばしばポルトガルのポルトガル語とは異なりますので、ポルトガル人が辞書にある"Choupa"を知らなくとも不思議はありません。









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# by mobulamobular | 2007-10-23 04:58 | | Comments(0)
"鯛鹿"
「馬+鹿」ならぬ「鯛」と「鹿」でこの魚になります。
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学名 Diplodus cervinus cervinus、 英名 Zebra sea bream、 ポルトガル名 Sargo veado、 正式な和名は分かりません。
アルガルベ近海でよく獲れるDiplodus属の魚はDiplodus4兄弟に出てきた4種にこの1種を加えた5種類です。これらの種はポルトガル名では頭にすべて"Sargo"と付きます。
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今回のものは、はっきりした横縞模様が入っていることから、英名の"Zebra sea bream"=「縞馬鯛」はよく理解できるのですが、ポルトガル名の"Sargo veado"が何故"veado"=「鹿」なのかがよく分かりません。ポルトガルで野生の鹿を見たことは未だありませんが、まさか「縞模様」ということはないと思います。誰がいつ決めたのかは分かりませんが、まったく意味不明な名前を付けてくれたものです。

ちなみに、同じポルトガル語を話すブラジルでは"veado"は「鹿」ではなくなりますので、ご注意を。当サイトの品位を汚す恐れがありますので、詳細については割愛しますが、漢字で表すとこうなります(!?)。
「鯛釜」。
なんだか美味しそうな名前になってしまいました。







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# by mobulamobular | 2007-10-21 01:43 | | Comments(0)
ガンギエイ
ポルトガルには"Raia Alhada"(ガンギエイのニンニク煮込み)という料理があります。美味この上なく、この魚がこんなに上等なものとは知りませんでした。
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学名 Raja undulata、 英名 Undulate ray、 ポルトガル名 Raia curva、 和名 ガンギエイの一種 です。
ポルトガル名"Raia"はガンギエイ、"curva"は「カーブ」のことで、たぶん魚体の幾何学模様を表現しているものと思います。
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この吻部のあたりのゼラチン質の箇所が特に美味しいです。
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北東大西洋および地中海海域にはガンギエイ属(Raja)の多くの種が生息しています。
その中でもポルトガルで多く水揚されるものは下記のとおり。
Raja (Rostroraja) alba      (英名 White skate、 ポルトガル名 Raia tairoga)
Raja (Rostroraja) brachyura (英名 Blonde ray、 ポルトガル名 Raia pontuada)
Raja (Rostroraja) montagui (英名 Spotted ray、 ポルトガル名 Raia manchada
Raja (Raja) clavata         (英名 Thornback ray、 ポルトガル名 Raia lenga)
Raja (Raja) miraletus (英名 Brown ray、 ポルトガル名 Raia de quatro olhos)
Raja (Leucoraja) naevus (英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos)
Raja (Raja) microocellata (英名 Small-eyed ray、 ポルトガル名 Raia zimbreira)
Raja (Leucoraja) circularis (英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro)
などがいます。
和名については"Raja (Raja) clavata"が「イボガンギエイ」と呼ばれているようですが、他のものについては「無い」と思います。
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これは今日、定置網に入ったものですが、今後上に列記したガンギエイが入り次第、随時アップロードしていきたいと思います。
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# by mobulamobular | 2007-10-19 05:26 | サメ・エイ | Comments(0)
FÁTIMA(ファティマ)
ファティマはポルトガルの首都リスボンから北へ百数十キロほど行ったところにある小さな町の名前です。
そこに1917年5月13日、聖母マリア(英名 Virgin Mary、 ポルトガル名 Virgem Maria)が天から現れ、3つのメッセージ(預言)を
残していった、という事件がありました。
詳細についてはここでは割愛しますが、メッセージの内容は「戦争回避」のためのものと信じられ、平和を願うポルトガル人の中には
いまもなお熱烈な「ファティマ信者」が多く存在します。

そんな中、定置網漁師の最年長者が奥さんとファティマを訪れ、聖母マリアを連れてきてくれました。
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ついにオリャオにも聖母マリアが出現しました。
そして、「ユーラシア大陸果ての定置網」に関する重大なメッセージが託されました。
しかし、それは公表できません。
なぜならばそれは「メッセージ」ではなく、「秘密」だったからです。

和名 ファティマのメッセージ(預言)、 英名 The three "secrets" of Fatima、 ポルトガル名 "Segredo" de Fátima
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# by mobulamobular | 2007-10-17 05:38 | ポルトガル文化 | Comments(0)
秋カツオ
秋カツオの到来です。
日本ではこの時期南下してくるカツオを「戻りカツオ」と呼び、脂ののった美味しいものが食べれます。
ポルトガルでもカツオは春には大西洋を北上し、秋には南下してくるものと考えられますが、途中、彼らが地中海をどのように
利用しているのかは大変興味深い点ですが、不明です。
カツオは本来沖の魚で定置網にはなかなか入りませんが、この時期、南よりの風がカツオを岸近くまでつれて来てくれます。
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夏の初カツオの時に比べ、魚体は太って丸くなっています。
学名 Katsuwonus pelamis、 英名 Skipjack、 ポルトガル名 Bonito gaiado、 和名 カツオ。
日本を代表する魚ですし、食べても美味しい魚ですので、これからどんどん入って来てくれることを望みます。
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# by mobulamobular | 2007-10-15 05:42 | | Comments(0)
水族館会議
先日、オーストリアのザルツブルグで、ヨーロッパ(EU)の水族館会議が開かれました。
ヨーロッパは今水族館ブームで、特にトルコを含む東欧諸国での新水族館建設計画が目白押しです。
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イギリス、フランス、ドイツ、ノルウェー、ポーランド、ギリシャ、スペイン、ポルトガル等の若い水族館スタッフらの活動実績が
報告され、活発な意見交換が行われました。
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来年は北京でオリンピック、上海で「国際水族館会議」です。
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# by mobulamobular | 2007-10-14 01:21 | 活魚 | Comments(0)
PILOTFISH
この魚は1属1種で世界中どこでも同じ。それだけでも「珍しい種類」といえるのではないでしょうか。
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学名 Naucrates ductor、 英名 Pilotfish、 ポルトガル名 Peixe piloto、 和名 ブリモドキ です。
サメやエイなどの大型魚の随伴魚として有名ですが、それが魚を先導しているように見えるので"Pilotfish=Peixe piloto"という名で呼ばれています。前述の通り、アジでもイワシでも日本近海のものと大西洋のものでは種が異なりますが、何故かこれは同じです。大型魚にくっついて世界中を旅しているのでしょうか。しかし、大型魚でもそう簡単にマゼラン海峡を通過できるとは思えません。パナマ運河を利用しているのでしょうか。そうすると単独行動か。ひょっとして、南回りか。
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よく見ると脂瞼が発達しています。
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チビのくせに尾柄はおおきなスタビライザー付きです。泳ぐのは得意そうです。チャームポイントは尾鰭の白い先端です。











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# by mobulamobular | 2007-10-12 00:30 | | Comments(0)
PERIGO(危険!!)
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「桟橋は危険な状態ですので、立ち入りは規制されています…」
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定置網に限らず養殖場など、ある一定海域を占有している場所では、しばしば起きる事故です。
写真は定置網の道網の上にヨットが乗り上げ、立ち往生しているところです。
大きなキールが網とロープの間に挟まり、自力での脱出は不可能な状態です。
事故は双方にとってとても危険な状態になります。
ポルトガルの定置網はアルガルベの一ヶ統のみですので、地元の人たちは別としても、たまに定置網付近を航行する船には
周知が行き届いておらず、今まで毎年数件の事故が発生していました。
夜間標識灯は完備されていますが、その数を増やしたり、大きなものを使用するなど、いろいろ対策を講じてきましたが、
事故は一向に減りませんでした。そこで、今年は定置網についてのチラシを作成し、周辺のマリーナやフィッシングクラブに配布したところ、
なんと、今までのところ「事故件数ゼロ」となっています。

定置網の漁師も「夜勤」がなくなり喜んでいます。

あえて一言
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# by mobulamobular | 2007-10-10 06:32 | 定置網 | Comments(0)
シビレエイ その2
秋になると定置網に入る魚種が増えてくるはずなのですが、今年はどうも少し遅れている様子です。
そんな中、1種。寄生虫付きです。
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学名 Torpedo torpedo、 英名 Common torpedo、 ポルトガル名 Tremelga de olhos、 和名は分かりません。
以前の「シビレエイ」(学名 Torpedo marmorata、 英名 Mabled electric ray、 ポルトガル名 Tremelga marmoreada)と
この種とあともう1種の合計3種が、この海域に生息するシビレエイ類ですが、英名が示すとおり、今回のものが一番よく見る種です。
ポルトガル名は"Tremelga=しびれるもの、震えるもの"、"olhos=目玉" で、「目玉シビレエイ」といった感じです。
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日本では「サン・ピエトロ」とか「聖ペテロ」とか言われますが、ポルトガルでは"São Pedro"(サン・ペドロ)と言います。
このサン・ペドロと魚にまつわる神話にマトウダイ(Zeus faber)に関するものがありますが、このシビレエイも「サン・ペドロの魚」
として信じられています。
その神話とは一般に知られているものとはちょっと違って、サン・ペドロが落としたコインが魚にくっ付いたといったもので、
マトウダイの場合は1個だけですが、このシビレエイは5個の「コイン」が落とされており、よりご利益がある、ということです。
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# by mobulamobular | 2007-10-08 04:35 | サメ・エイ | Comments(0)