北大西洋振動
太陽も、地球も、空も、みんなひとつだ、ということだと思います。

「エルニーニョ」、「ラニーニャ」に代表される気象現象は、2つ以上の離れた地域の大気圧がシーソー(seesaw:反転作用)のように変化する「テレコネクション」(teleconnection)というメカニズムがもとで起こる現象です。

つまり、「テレコネクション」とは、「風が吹けば桶屋が儲かる」のように一見なんの関係もなさそうな2つの事柄が「遠隔結合」している、ということです。「観天望気」も時にその「遠く隔たりのある2つ以上の事柄の相関関係」を推理して行います。

地球上にはたくさんのテレコネクションのパターンが存在することが知られています。上記のエルニーニョ、ラニーニャに関係するテレコネクションは「南方振動」と呼ばれているものです。ここにポルトガル唯一の定置網にとって、とても関心深いテレコネクションがあります。
英名 North Atlantic Oscillation (NAO)、 ポルトガル名 Atlântico Norte Oscilação、 和名 北大西洋振動。

これは主に冬の時期、アイスランド低気圧(Icelandic Low)とアソレス高気圧(Subtropical or Azores High)が、ともに強くなったり弱くなったりするシーソー現象です。これによりヨーロッパの冬の天候が決定され、世界の他の地域の天候にも多大な影響を及ぼすようです。NAOの指標(インデックス)は海面気圧偏差の時系列で表されていますが、最近は「負」(マイナス)の値が多くなってきているとのことです。
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「NAOのインデックスが負の時」はどんなかと言うと、まず北極海の気圧が高くなります。すると中緯度の気圧は低くなります。よってグリーンランドあたりの冬は温暖湿潤、北ヨーロッパやアメリカ東岸では寒冷乾燥、地中海海域は温暖湿潤となります。また、北極を超えた反対側ではオホーツク海高気圧が弱まり、日本の夏は猛暑となる、といった具合です。これは「偏西風も弱まる」ということですので、ここから先は台風関連の話などで盛り上がると思いますが、ようするに「みんな、つながっている」ということです。

変なものを大気中に放つと、アッという間に世界中に広がります。遠く離れていようとも、変なことをすると予想もしていなかったところでとんでもないその影響が現れます。
「テレ・コネクション」です。








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# by mobulamobular | 2008-07-18 00:00 | 気象 | Comments(0)
サレマ
これもタイ科(Sparidae)に属し、ごく一般的にスーパーなどでも見かける魚ですが、「謎」も多い1種です。
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学名 Sarpa salpa、 英名 Salema、 ポルトガル名 Salema、 和名 サレマ です。
Ria Formosa内の刺し網でよく漁獲されています。定置網にはふだん多くは入りませんが、秋には大きな群れで来ることもあります。身は水っぽく、小骨も多いことから市場では人気種とは言えません。しかし、色合いがきれいなことと飼育が比較的容易なことから、活魚として水族館には人気があります。
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雑食性ですが、若い内はどちらかというと肉食性(甲殻類等)で、大人になると草食性と変化するようです。FNAMによりますと、夏にイワヅタ科(Caulerpaceae)の海藻を捕食している時期は若干「毒性」があると記述されています。イワヅタ科の海藻とはブドウの房のような葉をもった海藻のことで、珍しいものではなく、よく見られる海藻のひとつです。
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聞きなれない言葉ですが、サレマは「雄性先熟の雌雄両性」(Protandrous hermaphrodite)です。どういうことかというと、ほとんどの魚は「雌雄異体」ですが、サレマの場合は「雌雄同体」です。しかし、まず雄として成熟した後、雌に性転換するためこのように呼ばれています。逆は「雌性先熟」ですが、この場合は雌として成熟した後に雄になるパターンのことをいいます。性転換する魚では後者のパターンの方が多いそうですが、サレマは少数派です。ご存じ、日本の「クロダイ」、世界の「クマノミ」、我らが「ドラーダ」も「雄性先熟の雌雄両性」の仲間です。







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# by mobulamobular | 2008-07-14 04:29 | | Comments(3)
Futebol
英名 Association Football (あるいは Soccer)、 ポルトガル名 Futebol、 和名 サッカー。
漁師の会話で尽きることがない話題がこれです。放っておいたら朝から晩までずーっと話をしています。
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「荒野に立つ5人の雄姿」ならぬ歴代および現役のポルトガルサッカー界のスターたちを使ったスーパーマッケットの広告です。
左から、Fernando Chalana(80年代前半のポルトガル代表選手)、Rui Costa(今年で引退。セリエAで大活躍)、
Cristiano Ronaldo(今まさに盛りの選手。背番号も17から7に変更、名前もCristianoが省かれ、"Ronaldo"だけに
なったのはよいが、この先ブラジルのRonaldoのようにはなってはもらいたくありません)、
Eusebio(66年イングランドワールドカップの得点王。「モザンビークの黒豹」、ポルトガルは3位という最高の成績を
おさめました。)、Paulo Futre(80年代後半のポルトガル代表選手、現役最後のプレーは横浜フリューゲルスでした。)

Figo(フィゴ)という超有名なスーパースターもポルトガルにはいます。今はイタリアのインテル・ミラノで
現役最後のプレーに励んでいますが、彼の場合はバー、レストラン、ホテルなどの事業家としても目立っています。
以上のように数多くの有名なサッカープレーヤーがポルトガルにはいるのですが、漁師の会話に耳を欹ててみると
あまりプレーヤーの話はしていません。皆、やや興奮して話をしていますので、ネイティブのポルトガル語は
聞きとりにくいのですが、圧倒的に多く出てくる単語は「ベンフィカ」、「ポルト」、「スポルディング」です。
ようするに自分のひいきチームの自慢話の繰り返しです。まったくもって「子供顔負け」のはしゃぎようです。

ここの漁師も一般のポルトガル人同様、サッカーは観戦するのみならず、プレーするのも大好きです。
もう昔の話ですが、定置網チームとして地元のサッカーリーグに参加したことがありました。
しかし、大会期間が2カ月ほどと長く、週2回ほどのペースで試合をこなしていかなくてはならない上、
試合開始時間が早くても夜の10時過ぎで、帰宅は午前様。早朝から働いている漁師には少々きつい日程で、
成績は散々。しかし、何よりもこれでは体がもたないということで、翌年からは出場を断念したことがありました。
今は楽しかった思い出となっていますが、机上の「昔のイレブン」の写真を見つつ、今でもリーグ戦へのリベンジを
誓っているとか、いないとか。
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# by mobulamobular | 2008-07-11 05:57 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アマシイラ
世界中の温帯海域に生息しているようですが、通常は深海にいて何かの拍子に浅いところに出て来た時、「運悪く」人目に触れることがあるようです。
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学名 Luvarus imperialis、 英名 Luvar、 ポルトガル名 分かりません、 和名 アマシイラ です。
この個体は全長61cm、体重3.7kgほどのものですが、"FNAM"には188cmほどまでに成長すると記載されており、また、オーストラリアでは全長2m、150kgのものが捕獲された記録があることから、まだまだ若い個体であると思われます。頭部の形状がシイラに似ているため、このような和名がついていると思われますが、シイラとは全く別の種です。同じスズキ目(Perciformes)ですが、シイラがシイラ科(Coryphaenidae)であるのに対し、こちらはアマシイラ科(Luvaridae)で1科1属1種の魚です。
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モサっとしていそうですが、ひょっとしたらけっこう泳ぐのも速いのかもしれません。尾柄にはマグロ・カツオのようなスタビライザー(水平キール)がついています。しかし、腹鰭は退化してしまっているようにちょこっと小さなものがついています。
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もちろん、定置網には初めて入りました。漁師も口を揃えて「初めて見た」と言っています。入る筈のないものが入る、獲れそうにないものが獲れるのが定置網。それがおもしろいのが海です。
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しかし。アカマンボウ、リュウグウノツカイ、サケガシラ等、この体の色彩には何か意味があるのでしょうか。この特徴的は赤色の使い方には、何か「深海の法則」めいたものでもあるのでしょうか。


本種最新記事は、コチラ
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# by mobulamobular | 2008-07-08 01:02 | | Comments(0)
デコッパチ
思春期壮年期を経て、3度目の登場です。
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学名 Dentex gibbosus、英名 Pink Dentex、 ポルトガル名 Pargo Capatão de Bandeira、 和名 「ハタタテ・デンテックス」 です。
数もそれほど多くはなく、いつもいるわけではありませんが、この時期になると必ず定置網に入ってきます。この個体は全長85cm、体重11.5kg、「百戦錬磨」のデコッパチでした。
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鋭い歯でバクバクッとサバなどを捕食しているのでしょう。この魚は、定置網に入り網が絞られ泳ぐスペースが少なくなると、ジャンプをして逃げようとします。スーッと一度下に潜った後、水面めがけて一気に駆け上がり、海から飛び出してきます。実際、自ら船の中に飛び込んで来たこともありました。誰かが"パルゴ(Pargo)、パルゴ~"と叫ぶと、網を引き揚げる手にも一層力が入ります。










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# by mobulamobular | 2008-07-06 00:31 | | Comments(0)
実習生
やることはやるのですが、時にそれに思いっきり時間をかけてしまうのがポルトガルの流儀です。
だから結果、「やらない」ことになります。体力的に堪えきれなくなるのでしょう。
「時間」に対する概念はここでも仕事上大きな問題です。
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英名 Trainee、 ポルトガル名 Estagiário(ェシュタジアリオ) 。  漁師養成学校から来た「実習生」達です。
ポルトガルでは現在、中学、高校、大学、各専門学校からの「実習生シーズン」を迎えています。
漁業のみならず、いろいろな職場でその初々しい姿を見ることができますが、ちょっと頼りない、じれったい存在でもあります。
ここでは当初の予定よりも1名増えて、今月から新たに4名の実習生を受け入れています。何れも15~18歳の若者です。

初日初っ端の出来事。
朝9時集合のところ、1名が9時15分に登場。早々、キャプテンから一喝を喰らいましたが、傍から見ていると
なんでそんなに怒られているのか分からないか、軽いジョークとでもとらえている様子。
しかし、いつまでも変わらぬキャプテンの形相に、最終的には「これはマジだ」と気づいたみたいでしたが。
一仕事終えて、昼食のため一旦解散。14時再集合し、出港、午後の網持ち。
しかし、彼が自転車で番屋に到着したのが14時02分。しかし、その時無情にも番屋のカギはすでに閉められ、
港を出る本船の快音が轟いていました。
「漁師が14時と言ったら、トモ切り(出港)が14時なんだ」ということ学びました。

大丈夫でしょうか。この先やっていけるのか、真ん中の君(15歳)。
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# by mobulamobular | 2008-07-04 00:11 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アサヒダイ
3度目の登場ですが、今回のものは以前のものとは少し違って見えます。タイ4姉妹"buço" = 「女性の口ひげ」で登場しています。
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学名 Pagellus bellottii bellottii、  英名 Red Pandora、 ポルトガル名 Bica-buço、和名 アサヒダイ です。
ここのPescador(ペシュカドール=漁師)は"Mariana"と呼んでおり、こちらの方が通りがよいようです。定置網によく入る魚ではありません。"FNAM"では通常120mの深さあたりに生息していると記載されています。また、日本近海には生息していないにもかかわらず、「アサヒダイ」という立派な名前がついていることから、過去には(現在も?)大量に日本に輸入されていた時期があったことが容易に想像されます。ある記述によると、この時期の大量漁獲により資源の減少が余儀なくされたとありました。

定置網によく入る、いわゆる「赤いタイ」は"Pagrus pagrus"です(下の写真)。
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似ていますが、異なる種です。

さて、今回の「アサヒダイ」のどこが以前のものと異なるかというと、その鰭が「キビレ」と呼びたくなるほど黄色いことです。
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個体差の範疇なのでしょうか、それとも婚姻色とかでしょうか。何れにせよ、これほど黄色いものは初めて目にしました。しかし、FNAMにもFishbaseにも鰭がこんなに黄色くなるといった記述はありません。ひょっとしたら違う種なのかもしれませんが、消去法でこれ以外には見当たりませんでした。
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Fishbaseにはすごい写真が掲載されています。合成写真なのでしょうか。一昔前の「シーラカンス並」の写真です。












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# by mobulamobular | 2008-07-02 01:04 | | Comments(0)
蝶番鯛
これでも水揚げされた直後に撮影したのですが、駄目です。完全に色艶が失われています。
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学名 Oblada melanura、 英名 Saddled beam、 ポルトガル名 Dobradiça、 和名はありません。
ポルトガル名の"Dobradiça"とは「蝶番」(ちょうつがい)のことです。だからと言ってこの魚が中央で折れ曲がるわけではありません。この魚の一番の特徴は尾鰭基部の黒いスポットです。ですからこの黒点が軸になっているが如く魚が左右へ動く様から連想して「蝶番」となったのではと勝手に想像しています。英名ではこれを馬の「鞍」に見たてて"Saddled beam"と呼んでいます。
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タイ科(Sparidae)の1属1種です。北東大西洋、地中海および北アフリカ沿岸に広く生息しているようですが、定置網にはめったに入らない珍しい1種です。群れで泳ぎ、水中では冒頭でも述べたようにもっと光り輝いて見えます。特に黒点はそのコントラストが際立ち、浮き上がっているようにさえ見え、とてもきれいです。
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同じくタイ科のディプロダス属(Diplodus)とは異なりますので、見間違えないように。









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# by mobulamobular | 2008-06-28 16:17 | | Comments(0)
クロマグロ
本日をもって、今年のEUの巻き網船によるクロマグロ漁はすべて終了したものと思われます。
このクロマグロはほぼ全量が地中海内のイケスに移され、給餌が行われ丸々と太った後、ほぼ全量が日本に向けて出荷されるものと思われます。

学名 Thunnus thynnus、 英名 Bluefin tuna、 ポルトガル名 Atum rabilho、 和名 クロマグロ。
総量13,000トンほど。200kgのクロマグロが65,000尾ほどイケスの中にいる勘定になります。しかし、これでも日本人全体の胃袋を満たすことはできないようです。

全世界で年間に漁獲されるクロマグロの総量は40,000トンほどだそうです。

日本で消費されるクロマグロも含めた「全マグロ」の量は年間550,000トンほどだそうです。
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# by mobulamobular | 2008-06-24 00:39 | マグロ | Comments(0)
水温
昨年(2007年)6月15日に書いたレポートがあります。今年は5月に今まで13年間で最も低い表層平均水温(15.33℃)を記録し、その後6月に入っても低水温の傾向は続き、6月15日現在の表層平均水温は16.20℃、昨年の16.29℃をも下回る超低温となっています。
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6月10日気象庁、地球環境・海洋部の発表によると、「昨年より続いていたラニーニャ現象は春に終息したとみられる」、とのことです。「大陸の西岸」気候は似たような自然条件になっている、と昨年のレポートでも記しましたが、今後、ここでも水温が上昇し、例年並みとなることが望まれます。

問題は大西洋上に次から次へとできる低気圧です。これらは発達しながらイギリスの上を通過します。今年はまるで「道」が出来てしまったかのように、これらが途切れることがないほど続いています。ようするに「パターン化」してしまっていると考えられます。こうなるとポルトガルでは連日この低気圧からの北よりの風を受けることになります。この北よりの風は大西洋を北から南へ流れる「カナリア海流」に力を与え、それによりここでは「湧昇流」(Upwelling)の影響を受け、水温が低下します。この現象についてはNASAの"Ocean Motion"というサイトに詳しい説明があります。夏に向かって気温はあがりますので、表層の海水温は上昇しますが、潜ってみると水深15mあたりからブルブルッと水温が下がるのを感じ、透明度も極端に悪化します。この密度の異なった2層の水(Pycnocline)はなかなか混じり合いません。これらをミックスさせるためにはそれ相当の力が必要ですが、手っとり早いのは「時化」ということになります。しかし6月ともなると「時化」も期待できません。「成るようにしかならない」ということで、回復には時間がかかります。

「湿舌」(しつぜつ)という気象現象がありますが、この「湧昇流」はまるで海洋版の湿舌のようです。海のワンポイントで仕事をしていると冷たい水が深海から出たり入ったりしている様子がよく分かります。

まるで「生き物」のようです。









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# by mobulamobular | 2008-06-20 00:41 | 気象 | Comments(0)
アメフラシ
"Sea Slug" 第2弾です。
一般的に、英名 Sea hare、 ポルトガル名 Lebre do mar、 和名 アメフラシです。英名、ポルトガル名共に「海のウサギ」という意味になります。
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学名 Aplysia fasciata 。 北東大西洋、地中海、西アフリカ沿岸に生息しており、日本近海にはいませんので、和名はありません。命名するとなると今までの習いから「ニシアメフラシ」とか「地中海アメフラシ」とかになります。
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写真の個体はオリャオのラグーン(Ria Formosa)内で捕獲したものです。年中いるわけではありませんが、ビーチでもよく見かける、ごく普通のありふれた海洋生物です。そんなところから、ここではより「親しみを込めた」名前で呼ばれています。しかし、すこしポルトガル語を知っている観光客はもとより、リスボンや北方から来たポルトガル人ですら、はじめてこの名前を聞いた時はちょっと驚くのではないでしょうか。"Xoxas de velha"、 ズバリ、下ネタです。ですから辞書には載っていません。しかし、オリャオでは老若男女を問わず、一人としてためらわず、こう呼んでいます。

ちなみに正式なポルトガル名(種名)は"Vinagreira negra"とか"Lebre do mar negra"とかになるようですが、"Olhanense"(オリャオ人)は誰一人として認めないと思います。"Vinagreira"は「お酢」の"Vinagre"から来ています。今はあまり見かけなくなったようですが、一昔前までは"Vinagre tinto"(赤い酢)がbranco(白)よりもポピュラーだったようで、アメフラシが吐き出す紫色の液体がその"Vinagre tinto"に似ていることから、そう呼ばれるようになったようです。

そんな「オリャオ」ですが、今年で市政200周年だそうです。おめでとうございます。
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# by mobulamobular | 2008-06-18 00:53 | | Comments(0)
ウミウシ
正直、こんなにいるとは思いませんでした。
形のおもしろさ、色彩の艶やかさにも驚かされました。最近はダイバーやアクアリストにも大人気で、
「ウミウシガイドブック」の類が続々と出版されているそうです。
そんなこともまったく知りませんでした。
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学名 Tethys fimbria です。英名、和名は分かりませんし、日本近海には生息しません。
「ウミウシ」のことを英語では"Nudibranch"(裸鰓目のため)、あるいは"Sea Slug"(海のナメクジ)といいます。
また、ポルトガル語では"Lesma do mar"、英語同様、「海のナメクジ」です。
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上の2枚の写真を見て、何か言っていることと様子が違うように思われるでしょうが、これには少し「訳」があるようです。
この個体は定置網に入ったのですが、はじめはこれが「何者か」、まったく分かりませんでした。
どうやって箱網まで入ってきたのか。泳いできたのか、それとも這ってきたのか。
しかし、信じられないものまで入ってくるのが、定置網です。
"The Sea Slug Forum"でご確認ください。同一種とは思えないでしょうが。

「自切」(じせつ、"autotomy")という動物の行動があります。「トカゲのシッポ切り」のそれです。
なんとウミウシにも「自切」を行うものがおり、まさに本種も何らかの理由で定置網に迷い込み、身の危険を感じ、
背中にある白黒の派手なヒラヒラを自分で切り落としてしまった、と想像されます。

残念でした。The Sea Slug Forumにあるような姿を見てみたかったです。
この個体は撮影後海に戻されましたが、「再生機能付き」だったのでしょうか。
そうだとよいと思いました。
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# by mobulamobular | 2008-06-16 02:21 | | Comments(0)
赤潮
英名 Red tide、 ポルトガル名 Maré vermelha 。
赤潮が発生しました。
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「これだから」といった決まった理由はないようです。発生の原因の一つとして考えられているのが、
丘から流れ出す生活排水などによる海域の富栄養化です。ようするに「環境問題」として捉えられています。
また、それに「地球温暖化」の問題もリンクしているようです。
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赤潮とは植物プランクトンが大量発生して海が「赤く」なる自然現象のことですが、この「色」は発生するプランクトンの
種類によって異なります。今回のものはまさに「赤く」、少しすくって見ました。そして顕微鏡で覗いてみると。
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学名 Noctiluca scintillans、 和名 ヤコウチュウ です。 
渦鞭毛藻類の単細胞生物です。
「夜光虫」はその名のとおり夜に光を放ちます。海岸の波打ち際や石などを投げ込んだ時にできる波紋のまわり、
船の追い波の波頭などで青白い美しい光を見ることができます。

問題はどこからこの単細胞軍団がやって来るかですが、こんな時、海が本来持つ「活力」のようなものが少し
欠けているように思います。何層もの水が存在し、かつ自己主張が強くて互いに打ち溶けあえずにいます。
混ざり合うことによって元来の浄化作用が機能するのですが、自然は沈黙を維持しているようです。
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# by mobulamobular | 2008-06-14 00:15 | 気象 | Comments(0)
漁師養成学校
船主組合によるストが終わったかと思ったら、今度はトラックの運転手らによる、やはり「燃料費高騰」に抗議するストが始まってしまいました。これにより物流の遅れが必至となり、少なからず国民の生活に影響が出てきそうな雰囲気です。

さて、ポルトガルも「ご多分にもれず」漁師の後継者不足が日に日にその深刻さを増しています。問題はいろいろあると思いますが、社会の傾向として成り手が少なくなっており、この度、オリャオの港に隣接する国立漁師養成学校(FORPESCAS)も閉鎖されることになりました。

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ポルトガルでは漁師は「免許制」となっていますので、この学校はただ単に漁業について学ぶだけではなく、若者が漁師として働きたい場合、この学校にある一定期間通うことが義務付けられています。そして、実習を経て晴れて卒業となった暁に「漁師免許」(CÉDULA MARÍTIMA)を手にすることができるのです。

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定置網では現在1名、来月からは合計4名のこの学校からの最後の実習生を受け入れます。皆まだピカピカの将来が楽しみな10代の若者たちです。

FORPESCASは解体後、別の組織に吸収されるそうで、漁師の「免許制」に変化はないようです。では、今後どうやってオリャオの若者たちは漁師の資格を得たらよいかというと、300km近く離れた首都リスボンまで通うことになりそうだ、とのことです。

ちょっとそのストーリーには無理があるのでは、と思います。
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# by mobulamobular | 2008-06-12 00:54 | ポルトガル文化 | Comments(0)
カマス
「カマス」と聞くと、尾頭付きの背開きの干物が美味しかったことを思い出します。しかし、残念なことにここではそういうものにはお目にかかれません。
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学名 Sphyraena sphyraena、 英名 Barracuda、 ポルトガル名 Bicuda、 和名 「地中海カマス」としておきます。
定置網にはめったに入りませんし、市場でもあまり見ることはないと思います。全長80cm近い大型の個体ですが、FNAMによりますとこれの倍の160cmにもなるものもいるようです。
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"Barracuda"(バラクーダ)というと、「人をも襲う恐ろしい魚」というイメージがありますが、 それは「オニカマス」という本種よりももっと大きくなる"Great Barracuda"(学名 Sphyraena barracuda)のことで、ポルトガル近海には生息していません。
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が、こいつもケッコウ鋭い歯の持ち主でした。
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# by mobulamobular | 2008-06-10 06:46 | | Comments(0)
スト中止
政府の提案を船主組合が受け入れ、ストは中止となりました。
しかし。
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せっかく盛り上がったところに突然の「スト中止」の知らせが来たため、オリャオでは一部の漁師が、
妥結案に反対し引き続きストを強行しようとしたため、朝には港でちょっとしたイザコザがありました。

一方、昨日より次のような話題が出てきています。
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ポルトガル南部・アルガルベ地方は16の市に分かれており、それぞれに市役所(Câmara)が存在していますが、
燃料代高騰の影響で市役所の公用車でさえ、国境を越え、お隣のスペインまで燃料補給をしに行っているとのことです。
ちなみにスペインのガソリン価格は日本のそれと同じか少々高い程度だと聞いています。

「頑張れば、何でもできる。」などと言うと、もう笑われてしまいそうです。
ということで、ストで暇になった氷屋さんはこんなことして遊んでいました。
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# by mobulamobular | 2008-06-06 00:29 | ポルトガル文化 | Comments(0)
激昂
とかく「漁師」が何ごとにおいても前面に出がちですが、今回のストライキの主謀者は「船主組合」なのです。
ポルトガルの全国紙"Correio da Manhã"からのカッティングです。
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まさに「激昂する漁師たち」です。
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政府との交渉は難航中です。
担当大臣は「漁師」との話し合いを避け、裏山にて「猟師」の残したゴミ拾いをしていた、という陳腐な新聞記事です。

オリャオでは何者かに操られた漁師が仲買人といざこざを起こし、数名のケガ人が出ています。

たった今入ったニュースによりますと、本日の政府との交渉は決裂し、あす再度話し合いをすることになったそうです。
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# by mobulamobular | 2008-06-04 01:21 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ストライキ
フランス、イタリア、スペインなどで続く、船の燃料代高騰に対する漁師らの抗議デモが、ついにポルトガルにもやって来ました。
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国営市場(Docapesca)が閉鎖され、これにより魚が水揚げできなくなっています。
また、場外で売られているスペイン等から来た魚も投げ捨てられています。
ストは無期限で予定されており、今後の政府の対応が注目されるところです。

船の燃料代は今年も上がり続けています。
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再び、少しユーロ高が進んでいますので(1ユーロ=約164円)、ズバリ、円に換算すると、ガソリン代が1リットル=246円、
軽油代=232円です。「どうだ、これでもか。」っといった感じの値段になっています。

ストや魚の投げ捨てには感心しませんが、燃料代高騰についてはやはり閉口します。
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# by mobulamobular | 2008-06-01 02:07 | ポルトガル文化 | Comments(1)
祝日
英名 Feast (Holy day)、 ポルトガル名 Feriado です。

ポルトガル・アルガルベ地方のオリャオでは、6月16日の「オリャオの日」を含めて、年間14日の祝日があります。内おおよそ半分がクリスマスやイースターなどのキリスト教の祝日です。当然の如く、これらの祝日はキリスト教徒にとってはそれなりに大切な日なわけですから、仕事どころではありません。
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(写真は"ファティマ"です。)
しかし、市場原理主義の教育の成果でしょうか、シーズン中の定置網の漁師たちは祝日といえども、沖へ向かいます。

「いいとこ取りのキリスト教徒」というわけではありませんが、祝日は祝日。休みたいものです。しかし、仕事だから仕事に行くわけですが、どうしても祖先から受け継いだ血が仕事を受け付けない日があるようです。今年は最も早い時期にやってきた「復活祭」(英名 Easter 、 ポルトガル名 Páscoa)、それに「クリスマス」(英名 Christmas、 ポルトガル名 Natal)はどうしても仕事ができません。あと1日、なんとなく仕事のできない日があります。それが先日の「聖体拝受の日」(英名Corpus Christi = Body of Christ、ポルトガル名 Corpo de Deus)です。この日は毎年「復活祭」から60日後にやってきます。

一般的に聖体拝受(拝領)とはキリスト教においてミサの際、聖体(キリストの肉であるパンと血であるワイン)を口にすることにより、「神と信徒の交わり」を行なうというサクラメントのひとつですが、 祝日の"Corpo de Deus"の場合はポルトガル国内においては人や地域によって何をやるかは様々のようです。
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では、何故漁師はこの日に仕事をするのを嫌うかを、ちょっと意地悪く突き詰めて尋ねてみると、ようするに「神と交わる」という点において、「殺生」を嫌っている、ということが分かります。「因果な商売」と言ってしまえばそれまでですが、それだけこの日が彼らにとって「神聖な日」ということなのでしょう。











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# by mobulamobular | 2008-05-30 06:13 | ポルトガル文化 | Comments(0)
満月
月や太陽は世界中どこで見ても同じ。そんなところからかなんとなく安堵感を抱かせてくれる存在です。
英名 Full moon、 ポルトガル名 Lua cheia です。
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地球から約38万kmの彼方、直径約3,500kmの巨大衛星。こんなものが何故そこにいるのか不思議でなりません。自転を繰り返しているにもかかわらず地球にはある一面しか見せず、反対側を見せることは永久にありません。太陽とぐるになり、毎日少しずつ姿を変え(角度を変え)、地球上に「海面潮汐」という非常にやっかいな自然現象をもたらします。また、この潮汐は上下変動のみならず、水平方向にも力を与え「潮流」をも創りだします。きっと今もどこかで地球に脅威を与え続けているに違いありません。

「バイオタイド理論」とかいう仮説があるそうです。ようするに地球上の生物が何がしかの影響を月から受けているのではないか、という考えです。例えば、満月になるとカニが大挙して海に向かい放卵を行なうとか、自動車事故が多い、凶悪犯罪が増えるとか、人の出産にも関係がありそうだといったものです。しかし、現段階では前述のとおり「仮説」です。今後の研究の発展を待ちたいものです。

ここの定置網の漁師にも明らかに月の影響を受けていると思われる奴がいます。
満月になると、やたらと元気になります。ふだんは素直で物静かないい奴なのですが、何故か大潮まわりになると変貌します。

しらじらと明ける空の西側に満月が残ったある日、魚獲りについた作業船の前を突然大きな魚が横切った時、やはり奴は吠えました。














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# by mobulamobular | 2008-05-27 00:27 | 定置網 | Comments(1)
心温まる一尾
この時期、夜になると何かの都合で深海の暗闇からモソッと浅場に出てくるようです。
そして、定置網に入ってしまう。
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学名 Phycis phycis、 英名 Forkbeard、 ポルトガル名 Abrotea da costa、 和名はありません。
タラ目(Gadiformes)の1種で、最近の分類ではピュキス科(Phycidae)という聞き慣れない科に属します。
カタカナ表記からも想像できるように、本種はもとより同属種のもの(他に2種)も日本の周辺には生息しません。
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一般にいう「タラ」の特徴である「背鰭が3基」とも異なり、全体の形状はチゴダラ(ドンコ)に酷似しています。
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英名の"beard"とは「あごひげ」のことを意味します。確かにこの種には顎にひげがあります。
しかし、この場合の"Forkbeard"(フォークのようなあごひげ)とは、「顎のひげ」のことではなく、
先が二又に分かれた長い腹鰭のことを指していると思われます。
ちなみにこの種の腹鰭は、尻鰭前方の肛門近くにまで達しますが、近種の"P.blennoides"のそれは
肛門を跳び越え尻鰭まで達し、英名は"Greater forkbeard"となっています。
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歯は食虫植物の捕虫器のようで、歯というよりは「棘」の集まりのようです。
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思わず「鍋」にしたくなるような、とってもハートフル(和製英語)な一尾でした。
(写真は上顎「奥歯」です。)
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# by mobulamobular | 2008-05-24 01:11 | | Comments(0)
イサキ
これがこちらの「イサキ」です。
日本では定置網で漁獲される代表的な魚種ですが、ここでは年に数度入網するのみです。
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学名 Parapristipoma octolineatum、 英名 African striped grunt、 ポルトガル名 Roncador-riscado、 
和名はありません。

魚がシャキッとしてよいのですが、(真水)が効きすぎて、目が白っぽくなっています。これはよくありません。
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英名の"grunt"と聞いて想い出すのが、「地中海コショウダイ」です。
同じくイサキ科(Haemulidae)の1種でした。やはり和名がなく、勝手に名付けたことも想い出しましたので、
このイサキも勝手に「アフリカイサキ」と命名しておきます。
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今となっては、誰が最初で、どこがスタート地点だったのかはたぶんもう分からなくなっているのだと思います。
ポルトガル名の"Roncador"とは「いびきをかく」ということです。英名の"grunt"と同様の形容詞になります。
ようするにこの魚が「グーグー鳴く」というわけですが、この個体はすでにシャキッとしてしまっているため
確認のしようがありません。しかし、日本のイサキを例にとっても、この行動にはすこぶる疑問を抱きます。
鳴かない、と思います。似たような種で鳴くものがいて、そこから始まり、鳴く鳴かないに関係なく、
形が似ているというだけでこの名が付けられたのではないかと推測しています。
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# by mobulamobular | 2008-05-21 14:51 | | Comments(0)
ミゲル
あれから1年、20歳になりハンチング帽が似合うようになった彼は、その後もセッセと毎日海況測定を行っています。
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「まだまだ積極性に欠ける」といった厳しい評価もあるようですが、今はまだノビノビといろいろな経験を積むことが肝要かと思います。
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調子に乗ってブンブンと作業船を操っている様子ですが、まだまだ波の高い日などは怖いらしく、先輩漁師に同乗を懇願しています。こういった点、こちらの人間は素直と言うか、ツッパルことがありません。

安全航行・安全作業のためにはこの「怖い」という気持ちが大切だと思います。
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# by mobulamobular | 2008-05-19 00:18 | 定置網 | Comments(0)
ブラックフィッシュ
ここではめったに見ることのない「謎の1種」です。
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学名 Centrolophus niger、 英名 Blackfish、 ポルトガル名 Liro-preto、 和名はないと思います。
イボダイ科(Centrophidae)の1属1種のようです。世界中かなりの広範囲に分布していて、北米や南アではこれを"Black ruff(襞襟)"と呼び、オーストラリアやニュージーランドでは"Rudderfish"と呼んでいるようですが、果たしてこれらが同一種であるかは疑問が残ります。
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FNAM等ではこの種は全長1.5mに達するとなっていますので、この35cmほどの個体は未だ若魚だと思われます。また、大きな個体が前述のとおりいろいろなところで見られるのに対し、若魚は東大西洋と地中海西側のみで発見が報告されていると記載されています。
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イボダイ科の1種ですので、「日本の焼き魚のチャンピオン」(個人的には)イボダイ(Psenopsis anomala)の仲間です。関東ではこれを圧倒的に「エボダイ」と呼びます。「イボダイ」の名前の由来は諸説あるようですが、何れにせよ「イボダイ」というとなんとなく骨がのどに刺さるような感じがして好きな響きではありません。この「エボダイ」は日本・中国近海にのみ生息していて、大西洋にはいません。ですから外人はこれを"Japanese butterfish"とか"Melon seed(メロンの種)"とか"Pacific rudderfish"とか勝手にいろいろな名前で呼んでいるようです。









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# by mobulamobular | 2008-05-16 15:41 | | Comments(0)
Paciência
まれに、泣くほど悔しいおもいをすることがあります。
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そんな時の"Paciência"です。「パッシエンシア」と発音します。「我慢・辛抱・忍耐」といったところでしょうか。特に大したことでなくとも、よく使う「決まり文句」です。例えば、欲しいものがあってスーパーマーケットに買い物に行くが、すでに売り切れていた時とかも「パッシエンシア」です。ここの定置網漁師は若い人間が多く、それゆえ彼らの感情の起伏は激しいです。うれしい時などはよいのですが、落ち込む時はかなり底まで行ってしまいます。普段、素直な分、信じていた人間などに裏切られた時などは最悪です。
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特にそれが「お上」の場合は、夢も希望もこの国の未来も失ったかのようになってしまいます。

落ち込んでいる奴らを見かけたら、"Paciência !!"といって慰めてあげましょう。
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# by mobulamobular | 2008-05-14 15:18 | ポルトガル文化 | Comments(0)
コバンアジ
コバンザメというのがいましたが、今回のは「コバンアジ」です。
キラキラと輝く容姿からこの名がついたと思われますが、群れで泳ぐ様はやはり美しいです。
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学名 Trachinotus ovatus、 英名 Derbio、 ポルトガル名 Sereia、 和名 コバンアジの仲間 です。
英名では"Pompano"とも呼ばれているようです。ポルトガル名ですが、上記以外にいろいろな呼び名があります。
というか、正式名である"Sereia"(人魚)と言っても誰もわからないのが実情かと思います。
地元では皆好き好きに"Palometa"(ブラジルでの呼び名?)とか"Pombeta"とか呼んでいますが、
国営市場は"Palmeta"と呼んでいるため、量は少ないですが流通される場合はこの名で行っていると思います。
しかし、ポルトガル国立海洋研究所(IPIMAR)発行の書物では"Palmeta"は別の魚(Orcynopsis unicolor)
になってしまいますので、あしからず。
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このコバンアジにはひとつ注意点があります。
ないものもいますが、通常、魚の鰭には硬い棘があります。魚をつかむ際、この棘に刺さらないように
頭のほうから撫でるようにつかむと鰭が倒れ、棘に刺さることなく魚をつかめます。
このコバンアジも第1背鰭は短いですが6本の硬い棘で形成されており、これらも例によって後方に倒れます。
しかし、この魚の特殊なのは第1背鰭の直前の薄皮の下に、前方に向かってもう1本の鋭い棘が隠れている点です。
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何かの拍子に薄皮が破れたり、ギュッと力をいれて握ってしまうとこの棘が露出し、手に刺さります。
しかもこの鋭い棘は固定式で、後方には倒れません。頭のほうから撫でるとブスッといきますので、ご注意を。
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# by mobulamobular | 2008-05-12 00:18 | | Comments(1)
灯台 - Farol do Cabo de Santa Maria
英名 Lighthouse、 ポルトガル名 Farol です。
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お間違えなく。手前は最近できたレーダー付き「火の見櫓」です。建造の主旨は明らかではありませんが、「ひどく景観を損ねる」と早くも不評をかっています。
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あらためまして、こっちが"Farol do Cabo de Santa Maria"です。1851年にオリャオ~ファロの沖側、ラグーン(Ria Formosa)を挟んだクラトラ島(Ilha da Culatra)の西側突端に建設されて以来150年以上にわたり、船の安全航行を見守り続けています。もちろん最初は小さなものでしたが、徐々に高さを増し、灯質を変え、現在のものは1997年に完成しました。海図などで英語標記の場合は、"Fl (4) W 17s 50m 25M" となります。
これはこの灯台が「17秒間に4回白色の閃光を放つもので、高さ(海抜)50m、光達距離25海里」であることを示しています。ちなみにポルトガル語標記ですと、"Rl (4) Br 17s 50m 25M" となります。
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この灯台についてもっと詳しいことを知りたい場合は下記のサイトをご参照ください。
ポルトガル海軍(Marinha)
MARINAS.com








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# by mobulamobular | 2008-05-10 02:16 | ポルトガル文化 | Comments(0)
É a vida
「エ・ア・ヴィーダ」と発音します。
英名 That's life、 和名 それが人生。
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時化、不漁。
なぜ、なのでしょうか。

そんなにシビアな話ではありませんが、不思議でならない話です。「雨女雨男」、「遠足の日には必ずお腹が痛くなる」、といった類の話です。どこの定置網も同様でしょうが、ここでもやはり時々「お客さん」を連れて沖に行きます。でもそんな時に限って、海が波立ったり、漁が少なかったりします。その度合いの傾向を見ますと、こちらが「このお客さんにはどうしても、いい漁を見せたい」という気持ちが強ければつよいほど海が時化たり、漁が少なかったりします。また、その逆にお客さんによっては口には出さねど「どうしても大漁の瞬間に居合わせ、日本に帰ってから皆んなに自慢したい」、「漁師から『また来てください』と言ってもらいたい」といった気持ちが強ければつよいほどダメな時が多いのです。
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今シーズンも早速ありました。
連日、好漁が続いていたのですが、お客さんが行った日に限り極端に不漁でした。おまけに、この時期としてはめずらしく海が波立ちました。まるで、海が「見慣れない侵入者を拒むように」。

決して信心深いことはありませんが、「縁起」は気にするのが漁師です。ほとんどの訪問者がそのことに気がついていますので、是が非でも良い漁を望んでしまいます。すると、その「気」が、まるで、逆効果のように結果に出てしまうのは何故でしょう。

訪問者を迎える側には何もできないのが実情です。毎日同じことをやるだけです。しかし、こういう現象がたびたび起きてしまうと、海神様の存在を本当に信じたくなってしまいます。

当事者だった方々へ。
大変な目に遭いましたが、単なる巡り合わせですので、どうか気にすることなく、またいらして下さい。

ポルトガル人がこんな時いつも口にする言葉が、"É a vida" です。
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# by mobulamobular | 2008-05-07 06:35 | ポルトガル文化 | Comments(0)
クスクス魚
タイ(Pargo)の1種です。

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学名 Pagrus auriga、 英名 Red-banded sea bream、 ポルトガル名 Pargo sêmola、 和名 ありません。
この種の生息数を知る可能性は皆無ですが、アルガルベで水揚げされる量は少ないです。定置網にも年に数尾入るぐらいでしょうか。ですから、この魚についても詳細はよくわかっていません。たびたびのように、この魚名がなぜ"Pargo sêmola"となっているのかは地元漁師にはわかりませんでした。彼らはたまの漁獲の際は、この魚を"Pargo listado"(縞タイ)とか呼んでいるようです。では、ズバリいってみたいと思います。

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"sêmola"とは北アフリカでは伝統的な料理「クスクス」の原料となり、またヨーロッパではこれまた言わずもがな、「パスタ」の原料となる硬質小麦のあら挽き状のもののことです。(多少、「しったか」入っています。) ようするに、この魚の歯が粗大な小麦粉に似ていることから、このように命名されたものと推測します。活魚部スタッフの中からこの意見がでた時、「なるほど」と思いました。

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背鰭棘条が第1、第2は小さく、第3、4、5と長くなっているのが特徴です。(残念ながら第3棘は折れてしまっています。)

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それでは、またいつの日か、に。
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# by mobulamobular | 2008-05-04 04:22 | | Comments(0)
アロサ アロサ
ニシン科(Clupeidae)の1種です。
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学名 Alosa alosa、 英名 Allis shad、 ポルトガル名 Savel、 和名 アロサ アロサ です。
この"Alosa属"は「ニシンダマシ属」とも呼ばれているようです。ようするに「ニシンに似ているがニシンじゃない魚」
ということでしょうか。
定置網には何年かに1度まとまって入るといった感じの種でしたが、近年は姿が見えないな、と思っていたら、
今日、1尾だけ入りました。全長44cmです。
FNAMでは、北東大西洋および地中海海域では本種"Alosa alosa"の他、ニシンダマシ属では"A.caspia"、
"A.fallax"、"A.pontica"が生息しているとなっています。その中でも本種は最大の種で、鰓杷数も
最も多くなっています(この個体は鰓杷数102でした)。
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という具合に種の同定はできたのですが、生態についてはまったく知らなかったのでちょっと調べてみました。
まず、この種は春に産卵のため河を遡上するということです。河を登って産卵をすると聞くとサケのことを
思い浮かべますが、産卵後死んでしまうサケとは異なり、アロサ属は再び海に戻るそうです。
そこで、"The New York Times"で1989年の面白い記事を見つけました。
記事のタイトルは"Poor Man's Salmon' Arrives in April"というもので、そのまま訳して「貧乏人のサケは4月に来る」となります。
この魚は英名=American shadとよばれるもので、学名はニシンダマシ属の"A.sapidissima"ですので、「サケ」ではありません。
4月中旬になるとアメリカ北東海岸の河に姿を現しているようです。
では何故これが「貧乏人のサケ」なのかというと。
[記事抜粋] In this country, one has to journey to Maine to fish for sea-run Atlantic salmon,
and most of the angling for them on this continent is in Canada's Atlantic provinces.
In Canadian waters controlled by outfitters or private clubs, a day of Salmon fishing
can cost from about $200 to more than $500.
Equipment for shad fishing need be nothing more than a spinning rod and reel
and a few dozen shad darts, although a pair of hip boots or waders is often helpful.
と記述されていますが、ごくごく簡単に訳しますと、「アトランティック・サーモンの釣りの場合は遊魚料を200ドルから
500ドル以上も払わなければならねーけど、アメリカン・シャッドの場合はスピニング・ロッドさえありゃいいのさ。」
てな感じになります。ようするに余計な出費がかからない、「タダ」で釣りが楽しめることから「貧乏人のサケ」
と呼ばれているようです。

アルガルベ地方にはあまり大きな河はありませんが、しいて言えば、スペインとの国境にグアディアナ河
(Rio Guadiana)というのがあります。しかし、この河にアロサアロサが遡上し、産卵をしているかは
今のところ定かではありません。
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# by mobulamobular | 2008-05-01 00:54 | | Comments(0)