IVA
「イヴァ」と読みます。
学名 「税金」、 英名 VAT(Value Added Tax、付加価値税)、 ポルトガル名 IVA(Imposto de Valor Acrescentado、付加価値税)、和名は「消費税」です。
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写真の新聞記事は総選挙を1年後にひかえたポルトガルの首相(PM)、José Sócrates(ジョゼ・ソクラテス)が先日、本年7月1日よりIVAを1%引き下げると発表した時のものです。とは言え、ポルトガルのIVAはヨーロッパでもトップクラスの21%ですので、1%のみの引き下げでは国民の反応はいまひとつのようです。それでもソクラテス政権はお隣りスペイン(16%)に近づいたと、その成果を強調していますが、2005年にもともと19%だったものを21%にいきなり引き上げたのも同政権ですので、説得力にも欠けるようです。当然、あの高い漁師の燃料代にも21%のIVAは課税されていますが、日本の消費税のように全ての物品に一律同率課税ではありません。例えば、生鮮食料品は5%ですので、鮮魚も5%です。ビールは残念なことに21%ですが、ワインはアルコール度数が高いにもかかわらず12%です。これは相当国民に配慮した結果だと思われます。その他かなり細かく分類されていますが、自動車や電化製品、衣料品は基本的に21%です。

何れにせよ、国の財政にあまり余裕のないポルトガルにおいて、今回のIVA引き下げ決定に反対の意を示しているポルトガル銀行の総裁などは「これで今年のあらゆる分野での減税の余地はなくなった」とか言っていますので、この先どうなるのやらです。

つい最近知ったことですが、例のASAEは抜き打ち強制検査ですが、「有料サービス」だそうです。検査を受けた方にとっては、まさに「踏んだり蹴ったり」の内容のようです。











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# by mobulamobular | 2008-04-04 04:56 | ポルトガル経済 | Comments(0)
「偽」ササウシノシタ
日本にもたくさんいます。「ニセ×××」と呼ばれている魚の話です。
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学名 Microchirus azevia、 英名 Bastard sole、 ポルトガル名 Azevia、 和名はありません。
上記学名はFishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean(FNAM)の記述どおりですが、
FishBase等では"Microchirus theophila"となっています。どうしてこういうことになっているのかは分かりませんが、
両者は「同一種」です。
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これまでに登場したササウシノシタ科(Soleidae)とは比較的簡単に見分けることができます。
まず、側線が眼と鰓蓋間上部で鋭角に折れ、S字を描いています。他の種ではこの角度が鈍角です。
また、無眼側の背鰭、尻鰭、尾鰭に「青色と黄色」の配色が認められます。(注:鮮度落ちした個体では識別は
難しいと思われます。)
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他の種に比べ、尾鰭が大きく、背鰭・尻鰭とは完全に離れているのも特徴のひとつです。
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このように他種とはいろいろな点で異なり、明らかに"Microchirus azevia"なのですが、何故か英名では
「ニセササウシノシタ」と呼ばれています。"Bastard"とは「雑種」「偽物」などあまりよい意味では用いられず、
相手を罵倒する言葉としても使われています。インパクトとしては「ニセ」よりもずいぶんと強い印象を受けます。
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英国人の考えていることはよく分かりません。日本人にとっては「当たり前」のヒラメ(Paralichthys olivaceus)も
英国人にとっては「ニセ・ハリバット」(Bastard halibut)となります。彼らにとってはハリバット(オヒョウ)
(Hippoglossus hippoglossus)が「当たり前」で、ヒラメは「偽物」ということになります。しかもヒラメはヒラメ科
(Paralichthyidae)ですので左向きですが、オヒョウはカレイ科(Pleuronectidae)の魚ですので右向きです。
大きさもぜんぜん違います。なのに「われわれの方が本物」と言い張ります。
とか言っても、"メジナモドキ"というのがいました。これは当然日本人がつけた名前です。
やはり、どこでも「おらが村が一番」なのでしょうか。
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ところで、現地ではこの種に関して困った問題があります。上の写真の個体も"Microchirus azevia"です。
冒頭の写真のものと「色」以外は何も変わりませんが、これらがまとまって漁獲されるのです。
よく観察すると「同一種」であることが分かりますが、パッと見、異なります。ですから、市場では違う種として
扱われています。ポルトガル名は前者を"azevia"、後者を"malacueco"と呼んでいます。
この種に限らず、ポルトガル名には別名、俗名、地方名など数多く存在します。極端な例としては
20kmしか離れていない隣村ですら名前が異なる場合もあるほどですので、今回に関しては「アルガルベの
オリャオ」においての話と、限定します。
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"malacueco"(マラクェッコ)ですが、地元の人間にとっては「ニセササウシノシタ」以外に、祭りの屋台などで
よく売っている小麦粉と卵を練り混ぜて揚げた後に砂糖をたっぷりまぶした「ドーナッツ・モドキ」のことも
やはり「マラクェッコ」と呼んでいます。昔は街中で売り歩く人の姿もよく見かけたそうです。
「魚」が先か、「ドーナッツ」が先かはどちらでもよいのですが、甘いもの好きのポルトガル人にとっては
"malacueco"と名のついた「ニセササウシノシタ」の方が「美味しそう」に見えるらしく、常に高値です。
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# by mobulamobular | 2008-04-02 00:38 | | Comments(0)
コケビラメ
"Carta"(カルタ)という名で知られています。「いろはかるた」のそれです。
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学名 Citharus linguatula、 英名 Spotted flounder、 ポルトガル名 Carta de bico、 和名はありません。
コケビラメ科(Citharidae)で1属1種です。
上記ポルトガル名は"Carta"に"bico"(とんがり)という形容する言葉が付いていますが、これについては
あくまでもオフィシャル・ネームということで、漁師、お魚屋さんをはじめ、知っている人はごく僅かと思われます。
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"Carta"には手紙、免許書、カード、トランプ、地図などいろいろな意味がありますが、ようするに「ペラペラなもの」ということです。
アルガルベでは本種以外にもダルマカレイ科(Bothidae)のナガダルマガレイ属(Arnoglosus)の魚が同じく
"Carta"と呼ばれています。
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種によっては両者はとてもよく似ています。ナガダルマガレイも「カレイ」といいつつも「左向き」です。
個人的にはこの2種を識別する際、その両眼の位置を確認します。上眼が下眼より前に出ていればコケビラメ。
またその逆で、上眼が下眼より後ろにさがっていればナガダルマガレイ、といった感じです。
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英名では"Spotted flounder"となっていますが、肝心の「スポット」がよく分かりません。
これはこの種が漁獲される際に魚体を傷めてしまうためです。「スポット」は上の絵のように背鰭、尻鰭の基部に点在します。

食する場合は「干物」が最適です。カラッと、ビールで。
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# by mobulamobular | 2008-03-31 00:15 | | Comments(0)
寒のもどり
彼岸が過ぎて「寒のもどり」です。
等圧線が南北に伸び、寒気が南下してきています。風が冷たく、朝晩冷え込みます。一気に乾燥させます。
とはいえ、ここでは朝の気温が10℃以下になると個人的に勝手にそう思っているだけのことです。

海とは反対の北側にできた積乱雲(入道雲)です。
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その前には、天気は少し愚図ついて、虹も出てました。
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週末はまた少し雨模様の天気になるのかもしれません。
天候が落ち着くにはもうしばらくかかりそうです。
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水温が下がり、巻き網船はイワシに混じりカタクチイワシを獲っています。

こうしてボーッとしている時にうれしい知らせです。
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元国営市場よりプレートが贈呈されました。
これが少し説明するのが難しいのですが、直訳すれば「威信ある船主2007年」といったことになります。
ようするに「魚のクオリティー」が評価されたわけです。

さーて、今年もそろそろかな。
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# by mobulamobular | 2008-03-28 01:38 | 定置網 | Comments(0)
Mac
また、デカイ看板を立てたものです。
1991年。初めてポルトガルに来た時はまだ1店舗もありませんでした。
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しかし、間もなく最初の店がリスボン近郊にオープンする予定になっていると聞き、少々「遅すぎる」1号店について、
当時、誰かに尋ねた記憶があります。すると彼はこう答えました。
「ポルトガルでは流行らないね。ポルトガルにはうまいパンがある。ポルトガル人はあぁいうパンは嫌いだ。」と。
「なるほど。」と納得したものです。

あれから17年。今ではポルトガル全土で200店舗ちかくとなりました。
数年前にはOlhão(オリャオ)でもオープンしました。
「こんな田舎にまで、世界一元化の波」です。
正直言って、流行っています。あの人は行かないだろう、と思っていた人たちまで行っています。
でも、漁師はごく一部を除いて、行きません。「漁師」とはやはりそういった人種なのでしょうか。

昨今、一般的にこうした「世界中どこへ行っても同じ」というものが増えています。
アルガルベも例外ではなく急速にそうなりつつあるように思われます。
特にスーパーマーケットやショッピングセンターの類はどこもかしこも同じようなところばかりで、興味半減です。
知らないところで知らないものを見て、触れて、得られる刺激のようなものはトンと少なくなりました。

確かに便利です。
知らない土地で、特に一人の時など、体調が良ければ「冒険」も試みれますが、食事が億劫な時など、
時間に余裕がない時などなど、「知ってる」というだけで少し安心した気持ちで入ることができます。

しかし、どっしり大地に腰を下ろした看板を見ていると、早くもその地に根付こうとしている市場原理の物凄さに
圧倒されてしまう反面、その分あの「うまいパン」が売れていないのかなと、ふと、寂しい気持ちになります。

少し考えは飛躍しますが、海外で定置網をおこなうということも、「こういうことなのかも」と思ってしまいます。

日本での値段は知りませんが、そんなに高くはないのではと思います。
オリャオで、大きなハンバーガー+飲み物(大)+フライドポテト(大) を注文すると、700円ほどです。
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# by mobulamobular | 2008-03-26 02:46 | ポルトガル文化 | Comments(0)
イシナギ
スズキ目(Perciformes)で一見「ハタ」のような魚ですが、実は「イシナギ」という聞き慣れない科(Polyprionidae)の1種です。
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学名 Polyprion americanus、 英名 Wreckfish、 ポルトガル名 Cherne、 和名 アルゼンチンオオハタ。

学名および和名からもこの種がアメリカ大陸側に多く生息している(いた)ことが連想されますが、FishBaseなどによると、大西洋のみならず、インド洋にも太平洋でもその生息が確認されているようです。しかし、日本近海にはいないようです。アルガルベでの水揚量はずいぶんと減少しました。これは資源量の低下というよりは"ユメカサゴ"同様、漁船数の減少に起因するものだと思います。ここで水揚される魚類では一番の高値のつく魚で、当然人気もありますので、定置網の"コルビナ"もこの魚と一緒に市場に並んだ際は値を下げてしまいます。
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和名では「アルゼンチンオオハタ」となっていますが、前述のとおり、「ハタ」ではありませんし、アルゼンチン近海にのみ生息しているものでもありません。よくあることですが、この和名は誤解を生む類のものです。英名では"Wreck(=遭難)fish"と少々恐ろしい名前がついていますが、これはこの魚がたいへん好奇心旺盛で、時に漂流物(=wreckage)などについて泳ぐ習性の持ち主であることから名づけられたものと思います。定置網で漁獲されることはめったにありませんが、定置網の周りでは特にこの若魚(30~40cm)をよく目にします。浮子(アバ)やロープの下に隠れ潜んでいます。そこに石ころでも投げ込むと「何だ」とばかり出てきますが、そんな時、漁師のタモ網ですくわれてしまいます。こんなところは"Balistes capriscus"にも似ています。ポルトガル名"Cherne"(シェルネ)は有名な「ジャスト・ア・ネーム」です。
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# by mobulamobular | 2008-03-24 06:45 | | Comments(0)
「贋作」ガンギエイ
こっちが"「聖ペテロ」のガンギエイ"かと思ったくらいです。「コインがふたつ、はっきり落ちている」と思ったのですが、どうやらこれはコインではなさそうです。
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学名 Raja(Leucoraja) naevus、 英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos、 和名はありません。ポルトガル名は鰭の2点を「目」に見立てて「2ッ目ガンギエイ」といったごく普通の魚名になっていますが、問題は英名です。このエイのどこが鳥の「カッコー」に似ているのか皆目見当もつきません。
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「カッコー」はご承知のとおり、他の鳥の巣に托卵することで有名です。世間でこの行動は「無責任で、ちゃっかりもの」と理解されており、それ故かは知りませんが、英語で"Cuckoo"というとあまりよい意味では使われていないようです。日本語でも然り。「カッコー」を「閑古鳥」と表記しますが、これも「さびれた」といったような意味で、物寂しさが漂います。
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「カッコー」といえば、"One flew over the cuckoo's nest"を思い出します。ロバート・デ・ニーロのそれです。この場合も精神科の病院のことを蔑称で"the cuckoo's nest"と表しています。"Cuckoo clock"も日本語では「カッコー」のさびれたイメージが嫌われ、「鳩時計」とかになっています。
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それでは何故、英国人はこのガンギエイを"Cuckoo ray"と呼んだのでしょうか。しないと思いますが、このエイも「托卵」するのでしょうか。このエイを見ていると寂しくなるのでしょうか。このエイが何か悪いことでもしたというのでしょうか。何が「贋作」なのでしょうか。
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ここでは残念ながら結論には至りませんが、英国人が考えるとしたら、この鰭のマークが「カッコーの卵」に似ている、もしくは「托卵された他の鳥の巣の中の様子」に似ている、っていうあたりではないかと思っています。

このガンギエイはシリーズ第5弾です。今までに登場した仲間は下記のとおり。

Raja undulata
Raja clavata
Raja(Raja) asterias
Raja(Leucoraja) circularis










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# by mobulamobular | 2008-03-22 04:39 | サメ・エイ | Comments(0)
クラインさんのササウシノシタ
たぶん、大昔の生物学者の人物名だと思います。
その方にちなんで命名されたのが、このササウシノシタ科(Soleidae)の1種です。
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学名 Solea kleinii、 英名 Klein's sole、 ポルトガル名 Linguado turco、 和名はありません。
学名についてはその分類の違いによって諸説あるようですが、ここでは"Fishes of the North-Eastern Atlantic
and the Mediterranean"に記載されているとおり、"Solea vulgarisやSolea senegalensis"と同様に
Solea属の1種としました。
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FishBase等ではSynapturichthys属の1種としており(学名 S. kleinii)、この場合は1属1種の分類となっています。
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これも珍しい魚の1種だと思います。
正式なポルトガル名は"Linguado(ササウシノシタ)turco(トルコ)"となっていますが、どこでたずねても通じません。
"Linguado zebra(シマウマ)"といった方が、名の通りがいいと思いますが、それでも普通の人は知りません。
大体、「シマウマ」にはまったく似ていませんし、「シマウマ」のことを知っているのか聞きたいくらいです。
ふと、思ったのですが、ひょっとしたらポルトガル人たちは魚体の有眼側ではなく、無眼側を表現している
のではないかと。無眼側の魚体の「白」と背鰭・尻鰭の「黒」のコントラストを言っているのかもしれません。
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無眼側の先端の鼻孔は"Solea lascaris"ほどではないですが膨れ上がり、"cupola(丸屋根)-shaped"と表現されています。
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胸鰭の黒点は中央に円形で入っています。
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# by mobulamobular | 2008-03-20 05:29 | | Comments(0)
地中海コショウダイ
まずは「コショウダイ」(学名 Plectorhinchus cinctus)からです。
日本でも漁獲量はあまり多くなくメジャーな魚ではないと思いますが、斜めのラインと黒い斑点が印象的な魚です。
しかし、残念ながら日本と同じ「コショウダイ」はポルトガル海域には生息していません。
「コショウダイ」の名前の由来は、現代では黒い斑点からイメージして塩・胡椒のコショウとも思われているようですが、
もともとは侍時代に殿様に仕えた小姓の装束がそれに似ているため名づけられたものと考えられているようです。

それでは「地中海コショウダイ」です。
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学名 Plectorhinchus mediterraneus、 英名 Rubber lip grunt、 ポルトガル名 Pargo mulato、 
和名はありません。
日本の「コショウダイ」同様、こちらも漁獲量は少なく市場ではまれに見る程度ですが、スーパーなどでは
どこからか送られてくるようで、時々目にします。ポルトガル名は"Pargo"となっていますが、
タイ科(Sparidae)の魚ではありません。イサキ科(Haemulidae)、コショウダイ属の1種です。
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この魚の特徴は何といっても、その「唇」です。
まずはポルトガル名ですが、"mulato"とはブラックとホワイトの混血の人のことで、ようするに「ちびくろサンボ」から
連想する「ぶ厚い唇」から名づけられています。余談ですが、「不死鳥・村田兆治」もポルトガル語では
「黒人と白人の混血の女の子」(=mulata)になってしまいます。
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次に英名ですが、"Rubber lip"とはまさにその「唇」のことです。
"grunt"とはブタなどがブーブー鳴くことや不平不満をもらすことをいいますが、なぜか「イサキ科の魚の総称」
としても使われています。しかし、この類の魚が「ブーブー鳴く」のかどうかは定かではありません。
再び余談ですが、スラングで"grunt"とは陸軍の「歩兵」を意味するようです。歩兵隊が行進する様は
まさに「ブーブー鳴いている」ように見えるのでしょうか。ここで想い出されるのがG.I.Joeです。
確か"Grunt"という奴もいたと思います。南北戦争の英雄、後の合衆国大統領の「グラント将軍」はどうでしょうか。
やはり「ぶつくさ文句ばかりいう人」だったのでしょうか。違います。「グラント将軍」は"Mr.Ulysses S. Grant"ですので、
"u"ではなく"a"でした。この場合はありがたい「奨学金」という意味になります。
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# by mobulamobular | 2008-03-18 06:53 | | Comments(0)
多宝魚
ここで「ギョーザ」の話をするつもりは毛頭ありませんが、昨今、日本で騒がれている「食の安全」にも関連する一魚です。"ヒラメ"でも登場しました。タイトルは中国名です。
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学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado、 和名 イシビラメ。
漁獲量は多くはありません。しかし美味です。それゆえでしょうか、一時ポルトガルをはじめヨーロッパ各地で盛んに養殖が行われるようになりましたが、流行のピークは過ぎたようで、現在ではスーパーの魚売り場等では常時置いてはいるようですが、見た感じでは「人気商品」とはなっていない様子です。写真の個体はもちろん「天然物」です。地元漁師の刺し網にかかってきたものです。
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もともとヨーロッパが原産のこの魚は前述のとおり養殖されてものが世界中をかけ巡りました。そしてそれらが爆発的人気を博したのが中国でした。その後、中国国内で「多宝魚」の養殖が盛んに行われるようになりましたが、今から数年前に養殖魚特有の「薬」の問題が表面化し、一時、全面的に販売が中止されたそうです。
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養殖魚とはいえ、親魚は天然物です。しかし、交配をくり返し、世代が進むにつれ、ややこしいことになってきます。また、閉鎖的な環境で育つ養殖魚はもともと体が弱い(天然魚に比べ)ため、どうしても病気予防や生長促進のため「薬」に頼わざるを得ない状況になることがあります。そんな時、抗生物質や成長ホルモン剤を添加した餌を与えるのですが、これらは魚の体内に蓄積され、これ以上だと食べると人体にも影響が出るという「基準値」を超えることがあります。
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しかし、「天然物」とはいえ、生息海域の環境汚染が広がれば、養殖魚と同じように、もしくはそれ以上に深刻な事態になりかねません。特にこれら"Flat fish"の類は、常に海底にへばりついて生活していますので、「環境」から受ける影響は大きく、また早いと推測できます。
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いつまでも美味しい魚が食べれるように、努力が必要です。













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# by mobulamobular | 2008-03-16 07:44 | | Comments(1)
観天望気
先週末、パーッと晴れました。一面の青空をふと見上げると、飛行機雲です。
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こういうのを見ると、いつも「観天望気(かんてんぼうき)」です。結果、この飛行機雲はなかなか消えませんでした。このまま一気に夏かとも思いましたが、まだ早いようです。やはり、二日後には雲が広がり、ポツポツ雨もありました。
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少し見にくいですが、西に傾く太陽を中心にできた「丸い虹」です。「朝虹は雨、夕虹は晴れ」となります(でもこの場合は少しちがいますけど)。

ようするに、「あ~した、てんきにな~れ」の下駄のようなものですが、いろいろあって面白いです。なかには知っててとてもタメになるものもありますが、けっこういい加減なものも多いです。それでもしゃれっ気があってよいと思います。例えば「ネコが顔を洗うと雨が降る」とかは、ちょっと疑わしいです。逆に考えるとアルガルベのネコは夏の約半年間は顔を洗わないことになってしまいます。また、「東の雷は雨は降らない」というのもあります。これは一理あります。通常天気は西から東へと移動するからです。
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しかし、その時の風向きによってはグングンこちらに攻めてくる東からの雷もありますので、注意が必要です。

飛行機雲については、水滴の塊ですので直ぐに消えない場合は「上空が湿っている」と判断します。よって、天気は下り坂、ということになります。
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20th Century Fox の映画の始まりではありません。上空に残った飛行機の航跡です。











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# by mobulamobular | 2008-03-14 08:01 | 気象 | Comments(1)
聖ペトロのガンギエイ
ガンギエイ・シリーズ第4弾です。
(既に登場した3種は"Raja undulata"、"Raja clavata"、"Raja asterias"です。)
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学名 Raja(Leucoraja) circularis、 英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro、 和名はありません。「聖ペテロ」(= São Pedro)に関係する魚は数多くいます。以前にも登場した"目玉シビレエイ"もその1種ですが、今回のものは、例の「聖ペトロが落としたコイン」が見当たらないようですが。
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ありました。クリーム色をした小さなコインで見落としがちですが、確かにあります。しかも"目玉シビレエイ"よりも多い6個です。このコイン数には個体差があるようですが、通常4~6個だそうです。
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そもそも魚名と宗教を関連つけるのは感心しかねますが、日本にも"ネンブツダイ"というのがいますので、これも文化のひとつなのでしょう。










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# by mobulamobular | 2008-03-12 05:38 | サメ・エイ | Comments(0)
牛タン
まさに「ウシノシタ」です。
しかも、これが何と「ポルトガルのウシノシタ」って言うんですから、愉快です。
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学名 Synaptura lusitanica、 英名 Portuguese sole、 ポルトガル名 Lingua de vaca、 和名 ありません。
今回は命名はしません。あえてこのままでよいと思います。
ササウシノシタ科(Soleidae)のミナミシマウシノシタ属の1種です。
ポルトガル名の"Lingua"は「舌」のことで、"vaca"は「牛」のことです。英名は「学名通り」(lusitanica=ポルトガルの)です。
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「ポルトガルのウシノシタ」とはいえ、水揚量はごく限られたものだと思います。ようするに珍しい魚の部類です。
市場でお目にかかることはまずないのでは、と思います。
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鰭が独特で、とても美しい形状の持ち主でした。
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# by mobulamobular | 2008-03-10 07:09 | | Comments(0)
ユメカサゴ
『カサゴ』というと浅場で岩陰に隠れ、じっとしているようなイメージがありますが、この個体は水深200m以上の海底から
地元漁師が仕掛けた延縄により釣り上げられたものです。
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学名 Helicolenus dactylopterus dactylopterus、 英名 Rockfish、 ポルトガル名 Cantarilho、 和名 ありません。
Fishbase等では英名は"Blackbelly rosefish"となっています。この種の和名はないようです。属名はユメカサゴ属です。
日本では釣り人の間で広く「ノドクロ」と呼ばれています。ようするに口内が黒いのですが、この「黒」がお腹の中まで
続いているので"Blackbelly"(腹黒)となっているようです。
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一昔前までは多く水揚げされていた魚ですが、対岸のモロッコとの漁業協定により、地元では減船を余儀なくされ、
最近ではまれにしか市場で見ることがなくなりました。アルガルベ地方のSotavento(Faroより東側)では岩場が少なく、
もともとこの類の魚は少ないのですが、人気のある魚だだけに少々さびしい感じがします。
「昔」、ポピュラーな魚だったことは、たくさんの俗名が存在することからも察することができます。
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正式なポルトガル名(Cantarilho=カンタリーリョ)の由来は定かではありませんが、いくつかの語源が想像されます。
この魚は釣り上げられた時など"コルビナ"のようにグーグーと鳴くことがあります。
これを「歌っている」(cantar)と思い名づけられたとも考えられますが、俗名で"Rouca"(しわがれ声)と
呼ばれていることからも、「鳴く」といっても小鳥のように美しい声で鳴くわけではないので、「歌っている」と
思われる可能性は低いのでないかと考えます。
"Galinha do mar"(海の鶏)という俗名もありますが、これは背鰭が鶏のトサカに似ていることからついた名前だと
思います。
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"Cantarilho"自体は造語です。どの言葉から派生したものか考えた際、"cantaro"(水差し)という単語を見つけました。
一見、魚の名前とは何の関係もないように思われますが、これがあの「グーグー鳴く」と結びつきました。
この「水差し」はテーブルの上に置かれるような小さなものではなく、どちらかといえば、土間の片隅にひっそりと
たたずんでいるような比較的大きなものです。そこから水を移す際、「水差し」を傾けます。すると「どくんっ、どくんっ」と
音を立て、水は流れ出します。これが「魚がグーグー鳴く声」とされたのではないか、という意見が出ましたので、
思わず賛同してしまいました。
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ちょっと無理のある仮説のような気もしますが、「ユメ」があっていいと思います。
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# by mobulamobular | 2008-03-07 01:14 | | Comments(0)
リングアード
はじめに。
"ササウシノシタ"において、種の異なった写真を掲載していましたので、差し換えを行いました。そして、あらためてここに2種のササウシノシタ科(Soleidae)の魚について述べます。アルガルベ(ポルトガル南部)ではともに"Linguado"(リングアード)の名称でとてもポピュラーな魚なのですが、2種はとても似ていて、その種の同定の難しさから、今では両者の形勢が逆転して市場に定着してしまっているかのようです(と思っています)。
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学名 Solea vulgaris、 英名 Common Sole、 ポルトガル名 Linguado legitimo、 和名 ヨーロッパソール
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学名 Solea senegalensis、 英名 Senegal sole、 ポルトガル名 Linguado branco、 和名 ありません。

見た目の色や若干の模様については個体差の範疇です。検索ポイントは側線の走り方、眼の位置・大きさや口、鼻の形状や大きさです。明らかな違いは見当たりません。いろいろな角度から両者を観察したいと思います。まずは、ひっくり返します。いずれも同じ個体です。
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似ています。背鰭、臀鰭の棘条数にも大きな違いはありません。続いて、無眼側の頭部、尾鰭部のアップです。
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いわゆる「下唇」の厚みに違いがあるように思われるのと、尾鰭の先端がS.vulgarisの方が黒っぽいように思われます。続いて、顔面アップです。
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どうでしょうか。何か違いはあるでしょうか。一見何も違いはないように思われますが。しかし、こうなるとまったく「神の悪戯」としか思えない、重要な検索部位が隠されていました。
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キーワードは「胸鰭の黒色部」です。確認のためにS.senegalensisの別の個体のものも見てみます。
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やはり、違います。S.vulgarisのものは胸鰭上部後縁にブロッチ(blotch)状になっているのに対し、S.senegalensisのものは黒色部は鰭全体に広がっていますが、鰭条(きじょう)にはなく、どちらかというと、鰭条と鰭条の間の膜が黒くなっていることが分かります。ちなみに、"ササウシノシタ"で出てきた"Solea lascaris"のものは、胸鰭中央に「一筋の黒いライン」状になっており、S.senegalensisと比べると、下の写真のようになります。
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冒頭で述べたようにこれらの魚種名に混乱がおきています。正確な漁獲量については把握していませんがオリャオの市場で見る限り、S.senegalensis(Linguado branco)の方がS.vulgaris(Linguado legitimo)のそれより多いように思います。そのためか、本来の"common=legitimo"が入れ替わっているのではないかと想像しています。市場で"Linguado branco"といっても誰も確かな反応を示しません。それどころか"こっちがlegitimoだ"といいます。また、S.vulgarisには"Linguado ferrugento=錆びついたササウシノシタ"という、どちらかというと「ネガティブ」な名前を付けて呼んでいます。"vulgaris"、"common"、"legitimo"、"ヨーロッパ"と、まさにこの海域でのピュアなササウシノシタとして君臨してきた姿はもうここにはありません。そもそもなんでこのような状況になってしまったのかはわかりません。そのうち、「謎」が解けたらいいなと思っています。
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フ~ッ。









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# by mobulamobular | 2008-03-05 07:21 | | Comments(0)
"てんてん"ガンギエイ
"ガンギエイ"のRaja undulata、"イボガンギエイ"の Raja clavata に続くポルトガル南部で漁獲されるガンギエイ属第3種目です。和名がないのでいつも通り、命名しました。
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学名 Raja(Raja) asterias、 英名 Starry ray、 ポルトガル名 Raia pintada、 和名はありません。
英名、フランス名、スペイン名ともに「星エイ」ということになっていますが、ポルトガル名は違います。"pintada"とは、「そばかす」のようにプチプチが点在している様子を表しています。"oviparous"(卵生)です。卵は"H"型の面白い形をしています。
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この類の種の同定は、似たような模様も多く、また、個体差も加わってなかなかはっきりしません。種類も多く、Raja属は世界におおよそ130種がいて、近隣海域でも30種近くがいるそうです。しかし、港では決して珍しい魚ではなく、こんな時、海と丘の距離を感じます。
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ポルトガルの市場でも種まで分けてはいません。総称ですべて"Raia"で販売されています。味に違いがないのかは不明です。
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# by mobulamobular | 2008-03-03 07:15 | サメ・エイ | Comments(0)
"おとな"のカンパチ
"小カンパチ"、"若カンパチ"に続く「ヒレナガカンパチ」第三弾です。ようやく"おとな"になりました。
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あらためまして。
学名 Seriola rivoliana、 英名 Almaco jack、 ポルトガル名 Charuteiro (Peixe-azeite / Lírio) です。
しかし、この個体はアルガルベのものではありません。大西洋上に浮かぶアソレス諸島から昨晩空輸されたものです。
こうして間近に成魚のヒレナガカンパチを観察してみると、夏場に時々定置網に入る大型のカンパチは、どうやら「カンパチ」
(学名 Seriola dumerili)のような気がしてきました。日本ではヒレナガカンパチの方がカンパチよりも南方系で
島周りに多い種となっていますが、こちらでも似たような生息分布をしているのかもしれません。
また、北東大西洋および地中海海域に生息する多くの魚同様、産卵期になると産卵場所として地中海、あるいは
カディス湾を利用しているのかもしれません。
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カンパチもポピュラーな魚でありながら、その生態についてはあまりよく分かっていないようです。
学者さんたちにはもう少し頑張ってもらいましょう。
さて、卵は"Pelagic eggs"(浮遊卵)です。波に漂い、どこかで孵化します。小カンパチがよく流木や流れ藻の下に
着いていることは知られていますが、「彼ら」はそのままアソレス諸島まで行ったのでしょうか。
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# by mobulamobular | 2008-02-29 00:46 | | Comments(0)
食べものだけじゃない
"木材"、"ASAE" に続く、ASAE(アザイ)シリーズ、第3弾です。
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ある事例があります。2004年のことですが、あるイギリス人グループが観光でアルガルベを訪れました。
一般的にアルガルベでの宿泊はホテルのみならず、大人数の場合はこのイギリス人グループのようにプール付きの家を
一軒借り上げて過ごすのがとてもポピュラーです。しかし、宿泊始めてから数日後、グループの一人がプールサイドで
タイルに足を滑らせ転倒し、頭を強打、一命はとり止めたものの後遺症の残る結果となってしまいました。
その後、このイギリス人は事故の原因は「滑りやすいタイル」にあったとこの家のオーナーを相手に訴訟を起こしました。

これは知り合いの不動産屋さんから聞いた話ですが、この事件の前後あたりから観光客用の家(Accommodation)への
規則が非常に厳しくなってきたそうです。この検査を行っているのも"ASAE"です。

例えば。
フランス人に家を貸す場合は、その家はフランスの法律に適合したものになっていなくてはならない。
ドイツ人の場合は、ドイツの。オランダ人の場合は、オランダの、っといった具合だそうです。
その「認定」を受けるには各国から検査官を招くなり、マニュアルを入手して自分で行うことになります。
上記3カ国の場合などはまだ規則が「似ている」ので1国のものを満たせば、他国にも応用できるのですが、
イギリスの場合はずいぶんと異なった条件や状況が要求されるらしく、大いに手間となるそうです。

例えば。
プールサイドには「滑り止めタイル」(こんなものはポルトガルでは今まで見たこともきいたこともありません)が使用されているか。
風呂用湯沸かし器の温度がある一定温度より上昇しないようになっているか、また、その温度計は設置されているか
(彼曰く、「ポルトガルでは湯の温度が熱い時は水をいっしょに出すのが常識だ」。どこでもそうだと思いますが。)。
階段の角度、垣根の高さ、冷房機器・暖房機器の状態、消火器等火災への対策、等々。数え始めたらキリがないのですが、
すべて、家を貸す相手国の規則に適合していなければならないそうです。
なぜならば、それが「ヨーロッパだから」といったところでしょうか。

ASAEは例によって検査を強行します。家主の事情などおかまいなしです。
アルガルベは「観光以外に産業はない」と言っていいほど、観光業に依存した地方です。漁師(漁業)でさえその恩恵を
多く受けており、「観光業者のピンチ」は他人事とは思えないのが現状です。
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# by mobulamobular | 2008-02-27 00:58 | ポルトガル文化 | Comments(0)
"ハタタテホウボウ"
和名がないので、また、命名してしまいます。この手の魚の名前は、今までの習いからどんな和名が適当かおおよそ判断がつきます。参考となるのは"タイ五女"です。
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ホウボウ科(Triglidae)の魚です。学名は文献によって異なりますが、"Fishes of the North-eastern Atlantic and Mediterranean" のものを前に、( )内にはそれ以外のものを記載します。
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学名 Aspitrigla obscura (Chelidonichthys obscurus)、 英名 Longfin gurnard、 ポルトガル名 Ruivo、和名は分かりませんので、タイトル通り"ハタタテホウボウ"とします。
ポルトガル名ですが、"Ruivo"とはホウボウ科の魚の総称として最近は使われているようです。いわゆる「小魚」で、水揚量も少なく、判別も難しく、値段にも差がないことから、市場では皆一緒にして販売されています。しかし、味には差はあります。 例えば"ホウボウ"などは日本でも高級魚です。
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正式には "Cabra de bandeira"といいますが、この名前を知っているのは学者さんくらいだと思います。ちなみにCabra=雌ヤギ(チーズはCabraが一番です)、bandeira=旗、のことです。街では"Ruivo"の代わりに"Cabra"と表記されていることもありますが、この時点ではホウボウ科の魚であることは分かりますが、種までは分かりません。
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# by mobulamobular | 2008-02-25 00:19 | | Comments(0)
サルモネッテ
二度目の登場です。"焼き魚のチャンピオン"です。
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学名 Mullus surmuletus、 英名 Striped red mullet、 ポルトガル名 Salmonete、 和名 ヒメジの一種 です。
日本にはいろいろな種類のヒメジがいるようですが、一般的には黄色いヒゲを持ったUpeneus bensai (あるいはU.japonicus) です。小型のものが多く水揚量も少ないため、産地で消費されることがほとんどなのでしょうか、食べたという記憶はありません。そんなヒメジがこんなに美味しい魚と知ったのはポルトガルに来てからです。
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土地柄ですが、ここらでは銀行マンや車の営業マン以外にめったにネクタイ姿の人を見かけることはありませんが、そんな人たちがランチにこのサルモネッテを食べている姿はなかなかカッコいいものがあります。また、リスボンをはじめ、国内からもたくさんのポルトガル人が観光あるいは仕事でアルガルベを訪れて来ますが、そんな人たちと一緒に食事をする時のお勧めの一魚です。鮮度落ちが早いようですので、やはり水揚げ地で食べるのがベストです。
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# by mobulamobular | 2008-02-23 00:46 | | Comments(0)
Monte São Miguel
英名 "マウント・セント・マイケル" です。
南ポルトガル・アルガルベ地方では"Monchique"という山が一番高く、最高地点は"Foia"で標高902mです。
São Miguel(標高415m)は、アルガルベではたぶん2~3番目に高い「山」だと思います。
"ファロ"を境に西側を"Barlavento"、東側を"Sotavento"と呼びますが、"Monchique"は"Barlavento"側に位置しますので、
São Miguelは"Sotavento"側では最高峰となります。
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今ではGPSのプロッター画面から自船の正確な位置が分かり、迷うことなく漁場にたどり着くことができますが、
今でも多くの地元漁船では「山タテ」が、船の位置と目的地の方向およびおおよその距離を知る手段です。
山タテには丘に指標物が必要なのですが、アルガルベの海岸線は起伏が少なく、その上目立った建築物も少ないため、
このSão Miguelはとてもよい指標となって、地元漁師の役に立っています。

約半世紀前の"Armação de Atum"(マグロ定置網)の写真を見たことがありますが、同じようにMt. São Miguelが写っていました。
ふもとの「白い部分」が多くなったとはいえ、その容姿は昔も今も変わらぬやさしい情景です。

「山」について
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# by mobulamobular | 2008-02-21 00:19 | 定置網 | Comments(0)
LEITÃO(レイタゥン)
ズバリ、「子豚」という意味です。ポルトガルでは、"Leitão"と聞けば「子豚」の丸焼き料理を思い出すのが普通です。
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学名 Galeus melastomus、 英名 Blackmouth catshark、 ポルトガル名 Leitão、 和名 ヤモリザメの仲間 です。
日本では近種のヤモリザメ(G.eastmani)やニホンヤモリザメ(G.nipponensis)が見られるようですが、この種はいません。メジロザメ目、トラザメ科、ヤモリザメ属のサメです。口腔内が黒いので「ブラックマウス」とも呼ばれています。oviparous(卵生)です。地中海内で年間を通じて産卵活動は行われているようですが、ピークは春から夏にかけてです。小型のサメですが、成体ではメスの方が大きくなり90cmほどです。オスは60cmほどにしかなりません。
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なんだかたくさんの「動物の名前」が出てきました。ブタ・ネコ・ヤモリ・トラ・・・。サメなのに"dogfish"というのもいます(例:"マルバラユメザメ")。こんがらがりますね。実際に多くの文献で"catshark"を"dogfish"と間違えて記載をしているもの、またその逆もよく目にします。
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注) 以前に"LITÃO(リタォゥン)"というのが出てきましたが、「別物」です。








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# by mobulamobular | 2008-02-18 03:48 | サメ・エイ | Comments(0)
no comment
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# by mobulamobular | 2008-02-13 21:31 | マンボウ | Comments(0)
ウロコアイザメ
前回の"ovoviviparous"で種の同定が間違っていました。
仕切りなおしです。
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学名 Centrophorus granulosus、 英名 Gulper shark、 ポルトガル名 Barroso、 和名 ウロコアイザメ です。
同じくovoviviparous(卵胎生)です。
ポルトガル名は「粘土質の」といった意味ですが、これが色からきたものか、肉質等からきたものかは定かではありません。
しかし、この種からは大量の肝油が採取できるため、そこから名付けられたのかもしれません。
サメの肝油はスクアレンのもととなるものですが、世界中で需要が多く、そのため今では資源維持が危惧されています。
市場に水揚げされる時は既に肝臓は除去されています。
比較的小型のサメで、最大で1.5mほどです。やはり深海ザメで、近隣海域では通常350mから500mの水深に生息しています。
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鰾(うきぶくろ)を持たず、大きな肝臓を利用して浮力調節をするのがサメ類の特徴ですが、アイザメ類等では「第三の眼」(松果体窓)を
持つことで光の少ない深海に適応しています。松果体(しょうかたい)は頭部背面の皮膚が局所的に色素を失い、
半透明化した部分で、光りを感じる細胞を持っています。
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話題は変わりますが、"Barroso"(バローゾ)と言って思い出すのは、やはり、ポルトガル人の欧州委員会委員長である
"José Manuel Durão Barroso" だと思います。
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# by mobulamobular | 2008-02-12 06:24 | サメ・エイ | Comments(0)
ovoviviparous
「卵胎生」のことです。
これは魚の生殖様式のひとつで、サメ・エイ類、メバルやカサゴ、またはシーラカンス、馴染み深いところではグッピーなども卵胎生です。具体的には卵が母親の体内で孵化し、胎児は黄卵物質のみから栄養を摂取し成長していくものとされています。
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[後記]下記の記述に誤りがありましたので、訂正いたします。
学名 Centrophorus granulosus、 英名 Gulper shark、 ポルトガル名 Barroso、和名 ウロコアイザメ、 です。
学名 Squalus blainvillei、 英名 Longnose spurdog、 ポルトガル名 Galhudo、 和名 ヒレタカツノザメ。
ポルトガル名はちょっと発音しにくいのですが「ガリュード」といい、背びれにある棘が大きく特徴的であるため、このサメの場合、「大きな角」といった感じの意味になります。通常、水深400m以上に生息する深海ザメで「卵胎生」です。
これはオリャオの市場に水揚げされたものを写真に撮りました。
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学名 Deania calceus、英名 Birdbeak dogfish、 ポルトガル名 Sapata、 和名 ヘラツノザメ。
吻がとても特徴的であるため、何れの名前も前方に出っ張った吻を表すものとなっています。ポルトガル名は"Sapato"となると一般的な「靴」のことになるのですが、"Sapata"と女性形になると、特に幅がだだっ広い「靴」のことを意味するそうですが、ちなみに鉄道のレールの下の枕木も"Sapata"といい、何かもののベースになるものを言うケースが多いようです。同様に深海ザメで「卵胎生」です。これもオリャオのものです。

話をもとに戻しますが、サメ類の生殖様式は卵生(oviparous)と胎生(viviparous)に大別されます。そして胎生種の中で主に外卵黄嚢依存型のものを卵胎生(ovoviviparous)としているようです。しかし、矢野博士(サメ)によると、最近の研究では、サメ類の多くが特異的な生殖様式をもつことが判明してきたため、卵胎生の区分が曖昧になってきたそうで、博士の考えでは、サメは「卵生」と「胎生」の二分にするのがもっとも適切な方法、だそうです。

何れにせよ、サメは生殖様式のみならず生態、姿かたち、生息域、行動等、どれをとっても実に不思議な動物です。
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# by mobulamobular | 2008-02-12 00:02 | サメ・エイ | Comments(0)
メルルーサ
日本でもお馴染みの白身魚です。同属異種が世界中の海に生息しますが、北東大西洋および地中海海域には2種が生息しています。
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学名 Merluccius merluccius、 英名 (European) Hake、 ポルトガル名 Pescada branca、 和名 メルルーサ。
もう一種は写真はありませんが、学名 Merluccius senegalensis、 英名 Black hake、 ポルトガル名 Pescada negra、 和名 メルルーサ、 です。
この属の魚の和名はすべて「メルルーサ」で統一されているようです。ポルトガルでは総称で"Pescada"(ペシュカーダ)と呼ばれていますが、上記の通り、"branca"(白)と"negra"(黒)とに色分けされています。鮮魚の段階で両者はすでに見分けが難しいので、そんな時は鰓杷数を数えます。「鰓杷」とはエラの内側にある棘のことです。鰓蓋を開けると見ることができます。鰓杷数に個体差はありますが、12本以内であればP.branca、12本以上あればP.negraというのが一応の目安です。
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地元では刺し網船が漁獲し、水揚げをしています。深海魚のイメージが強いようですが、夜には浅瀬へと移動し、数は多くありませんが、時々定置網にも入ります。冷凍魚の流通量が多く安価なイメージもありますが、鮮魚の値段はけっして安くはありません。市場では腹の割かれたメルルーサが並びます。そして、卵は別売りされるのが普通です。大きな魚体のものは、それはまさに「たらこ」の様です。ここでもポピュラーな魚で、皆んなに好んで食されています。
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けっこう鋭い歯の持ち主です。












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# by mobulamobular | 2008-02-02 02:33 | | Comments(0)
ASAE
"アザイ"と発音します。前回の「木材」の続編です。
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"ASAE"とは「食品衛生および経済活動」を取り締まるポルトガルのれっきとした政府機関です。しかし、その取締りが進むにつれ厳しさが増し、最近ではまるで「悪行を重ねる武装軍団」ごときの報道がされるようになっています。

上の写真は、ついこの間アルガルベ地方の一地域で行われた伝統ある「ソーセージ祭り」にASAEが乱入し、祭りをメチャクチャにしたという新聞記事のコピーです。報道によりますと、この祭りでソーセージの直売を行う際、ソーセージを扱う人間が「手袋および白い上着と帽子着用」の義務を怠ったことが、主な取締りの理由だったそうです。衛生上の観点からEUのルールをアップホールドさせようとするASAE側の主張も理解できないことはないですが、これにより祭りの主催者側からは猛反発を招いています。アルガルベ地方の主な産業は観光業です。祭りはポルトガル人のみならず、ヨーロッパ各地からのたくさんの観光客を呼び、これが地域経済と密接に結びついているという現実があります。しかし、このような「武装軍団」の突然の来訪は伝統的な祭りをダメにするばかりでなく、アルガルベ地方を訪れる観光客へも悪影響をおよぼしかねないという懸念があります。

この活動には多くの不満が寄せられています。趣旨には賛同できますが、問題はそのやり方にあることは明らかだ、というのが大勢の意見です。都会の法律をこんな田舎に持ってきても合わない、ということだと思います。また、大国の都合で物事を仕切られては小国は堪ったものではない、ということだとも思います。

しかし、小国が"EU"に加盟するということはこういうことなのかな、というのが率直な感想です。













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# by mobulamobular | 2008-01-31 01:27 | ポルトガル文化 | Comments(1)
木材
ヨーロッパ大連合は今や27カ国に拡大し、域内の経済を飛躍的に成長させています。
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一方、27カ国の異なった文化や慣習をひとつにまとめようとする試みは困難な状況が続いています。よいのか悪いのか、市場原理主義とはならない原因がここにあります。経済活動における基本的なルールや線引きは27の加盟国の総意となります。ですから、27の異なった意見をひとつにまとめる作業を行うわけですが、これが大変です。全て「政治」のお話ですので、皆の欲求を満たしたものは肥大化し、時には複雑怪奇な格好で世に登場します。

上の写真は、ポルトガルにおける食品衛生法についての新聞の記事です。レストランでのシチューなどをかき混ぜる「木」のスプーンが禁止されました。代わりにプラスチック製やシリコン製を使うようにとのお達しです。まな板も包丁の柄も同様です。厨房からは一切木製のものは排除されました。
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ここから発展して、漁業にもその影響が出ています。魚を運ぶ木箱や木のパレット、トラックの荷台、漁師のナイフや氷用スコップの柄等、軒並み使用禁止です。そしてついには、木造船禁止です。上の写真の木造巻き網船は近隣の市役所が新しい郷土博物館建設のため買い上げていきました。

全て一気にというのはあまりにも無理がありますので、交換は今後徐々にということになると思いますが、既にEUの皆が満足する法律は施行されていますので、厳密には見つかれば罰金が科せられます。ポルトガルのような小国には脅威とも思われるEUの法律ですが、今日もどこかで抜き打ち検査が行われ、たくさんの民が泣いていることと思われます。この検査は大変組織だったもので一切妥協はなく、完全武装で行われます。たくさんのヘルメットに防弾チョッキにブーツ姿の警官を従え、検査官は木箱に入った魚を挟んで魚屋のオヤジさんに相対します。警官のライフルの銃口はそのオヤジさんに向けられます。ウソのような本当の話です。その場に居合わせた人間はその行動が制限されます。当然、写真撮影は許されず、携帯電話の通話についても警官の注意を受けます。しかし、このあまりにも強行な検査のあり方に疑問を抱く人も多く、実際に裁判沙汰になっているケースもあるようです。

今、皆が注目している「検査品目」がワインです。中には何十年も精魂込めて育ててきた「木樽」の中の熟成ワイン。これらは今後いったいどうなってしまうのでしょう。
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# by mobulamobular | 2008-01-28 08:09 | ポルトガル文化 | Comments(3)
すっかり春めいた陽気となっています。
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ギンヤンマ(学名 Anax parthenope、 英名 Lesser Emperor 、ポルトガル名 Anax Imperador Menor)
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Amendoeira(アーモンドの木)も早くも八分咲きです。
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今のところ、春の訪れは例年に比べ若干早いといった印象です。
この時期の天候も後に海のコンディションや魚の回遊に大きな影響を与える場合がありますので、観察は欠かせません。

毎年のことながら、暖かくなるにつれて今シーズンの漁への期待と不安が広がります。
漁師は今、体力を蓄え、網入れの準備に明け暮れています。

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# by mobulamobular | 2008-01-24 20:46 | 定置網 | Comments(2)
ヨーロッパコウイカ
ここにはマイカ(スルメイカ)がいないので、時々これで「イカの塩辛」を作ります。ヤリイカには、いわゆる「ミソ」が少なく、塩辛作りには向いていません。
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学名 Sepia officinalis、 英名 Common Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco-vulgar、 和名 ヨーロッパコウイカ です。日本にも多く入っているようで、「モンゴウイカ」とも呼ばれています。ここでは外套長が50cm以上に達するものもあり、体重は7kgにもなります。大きくなればなるほど外套背面の「虎斑紋」が鮮明になります。
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値段は大きなものは安く、小さいものほど高値で取引されているようです。大きいものは肉厚で食べ応えがあります。ここにはサイコロ状に切ったものをトマトシチュー風に煮込んだ"Caldeirada de Choco"という代表的な料理があります。小さいものは何といっても"Choqinhos com tinta"という料理にします。"Choquinho"とはChocoの小さなものを指し、親しみをこめた呼び名です。オリーブオイルとニンニクで、そのままイカ墨ごと(com tinta)サーッと炒めたものです。
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ポルトガル近海では他に下記の2種のコウイカが生息しているとされています。

学名 Sepia elegans、 英名 Elegant Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco-elegante、 和名 ヨーロッパヒメコウイカ
学名 Sepia orbigniana、 英名 Pink Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco de cauda、 和名 オルビニコウイカ

一般的にヨーロッパヒメコウイカは成体で10cmほど、オルビニコウイカは12cmほどと言われていますので、サイズ的に大きく異なりす。また、触腕の吸盤の配列や甲(貝殻)の形状にも違いがあります。
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下はS.officinalisの触腕の吸盤の配列です。中央1列が他に比べ大きくなっています。
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一方、S. elegansのものでは中央に他とは異なり極端に大きな3つの吸盤がある、となっています。
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S.orbignianaのものはS.elegansのものとよく似ているようですが、甲(貝殻)の棘が著しく尖っていることから後者と容易に識別できるとされています。ここで水揚されるほとんどのChoco(「ショコ」と発音)はS.officinalisなのですが、マーケットで"Choqinhos com tinta"用のChocoを購入してみると、下の写真のような具合になりました。
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明らかに違う種が混じっていると思われ、早速料理。その後、甲(貝殻)を取り出して比較してみると。Aは棘があり、他の形状からもS.officinalisのものと思われます。BはAとは明らかに異なり、棘もありません。
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Bが棘がないため、これをS.elegans(ヨーロッパヒメコウイカ)のものとしたいところですが、個体が小さいことから(外套長約3cm)触腕の吸盤の配列等、他の特徴についての確認ができないため、今回は「不明」としておきます。










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# by mobulamobular | 2008-01-20 07:56 | | Comments(0)