日曜日
英名 Sunday、 ポルトガルでは Domingo (ドミンゴ)です。

市場は休み、他の漁師もほとんどが天候に関係なく「日曜日」は休みですが、定置は行きます。
「日本式」ですから。
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「日本式」が受け入れられるまでにはかなりの時間を要しました。無理やり連れて行って、イヤイヤ仕事されても
今度は注意散漫による事故や怪我が心配されますので、漁師たちが主体的に「仕事」を理解して
沖に出てくれることが肝要です。
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何れにせよ、「日曜日」は皆にとって大切な週の1日ですので、この日に沖に行って漁がなかったりすると
少々凹みますが、幸いこの日はこの時期としては好漁でした。
横縞模様の魚は出っ歯が自慢の「トンガリ・サルゴ」です。詳細については"Diplodus4兄弟"を参照ください。
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こんなのも「日曜出勤」してました。
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学名 Morus bassanus、 英名 Northern Gannet、 ポルトガル名 Ganso-patola、和名 シロカツオドリ。
親子ではないと思いますが、手前は未成熟な個体です。ポルトガル名は"Alcatraz"(アルカトルシュ)の方が
通りがよいかもしれません。

さて、「日曜日」となると、たとえ仕事でもなんとなく気持ちがウキウキします。
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どこにでもいると思います。ちゃめっ気たっぷりの奴。
こいつは鳥と遊ぶのが大好きです。
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鳥をおどかして何が楽しいのか分かりませんが、「日曜日」ですのでご勘弁ください。
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# by mobulamobular | 2008-10-14 00:16 | 定置網 | Comments(0)
タイワンイトマキエイ
「予告」といったところでしょうか。
その内ちゃんと記載できればと思っています。
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学名 Mobula tarapacana、 英名 Chilean devil ray、 ポルトガル名 Jamanta, 和名 タイワンイトマキエイ。

他のMobulaに比べ「緑っぽい」と聞いていましたが、本当に鮮やかなグリーンでした。
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# by mobulamobular | 2008-10-10 16:51 | | Comments(0)
Motorista
ない時はまったくないのですが、続くときは続くものです。

英名 Engineer、 ポルトガル名 Motorista、 和名 機関士 です。
船の話です。ですから、これは「船の機関士」ということになります。
冒頭で述べたのは、船のトラブルの話です。これを解決するのが「機関士の仕事」です。

4隻の定置網船を所有しています。すべて日本で建造した船です。大型船の上にちょこっと載ってやって来ました。
日本式の定置網をやっていますので、やはりどうしても日本の船がよい、ということになります。
何れにせよ、こういった船を建造させたら、日本の造船所がベストなのではないでしょうか。そう思います。

しかし、それらを維持管理するのは日本になど行ったこともない2名のポルトガル人機関士です。
船にはエンジンをはじめ、数多くの機材機器が載っかります。それらには数々の能書きが付いています。
極力、英文のものをと、あれば取り寄せるようにして、またはお願いして作成していただいて、必要な時にと
保管はしてありますが、「やはり日本人」ですね。GAIJINは皆、「英語ができる」と勘違いしています。
ポルトガル語のものは皆無といってもよい状況ですので、英文であれば若干日本語のものより翻訳する時に
やりやすいかとは思います。
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「船の機関士」はこの国では「法律」です。
漁船のみならず、9m以上であれば全船に必ず機関士が乗船していなくてはなりません。
ですから「船の機関士」は国家資格でライセンス制です。(これは漁師も同様です。
船の安全航行に携わる仕事ですので「当然と言えば当然」とも思いますが、最近では、この良かれと思って
履行されている法律の「弊害」の方が目立って来ました。
まず第一に、なり手がいないという問題があります。楽な仕事ではありませんので、若者からは当然の如く
敬遠されています。よって「船の機関士」は年輩者ばかりです。すでに絶対数が不足傾向にありますので、
機関士がいなくて沖に行けない漁船も存在します。こうなると機関士の争奪戦です。
次に、この「売り手市場」に目をつけた悪徳機関士が存在するということです。船主は是非とも自分の船に
来てもらいたくて他船よりも高額の報酬を提示します。これを一旦は受けた悪徳機関士は2~3ヶ月は働きますが、
その後、すぐまた他船に移っていくのです。これはもちろん少数の人間の話で、定置網の機関士を含めたの大多数の
機関士たちはまじめにコツコツ仕事をしています。
しかし、今後が非常に憂慮される問題です。
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今はまだ元気で働いているんですがね。
人は皆、年をとりますからね。
世代交代がうまくできればよいのですが。

そんなに力入れて、舌を噛まないようにしてください。
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# by mobulamobular | 2008-10-05 01:28 | 漁師 | Comments(0)
悲劇
先週のことです。
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リスボンにほど近いSesimbra(セジンブラ)の港での出来事です。
ある巻き網船がいつも通り漁をしていた時、700尾(約14トン)ものコルビナを漁獲してしまいました。
これはまさしく「事故」のようなもので、通常この手の巻き網船では年間数尾のコルビナしか漁獲がありません。
日本ならば、「大漁旗」ものですが、もともとポルトガルにはそういった習慣はありませんので、普通に、
とは言っても多少興奮気味に帰港してきたものと思われますが、待っていたのは「悲劇」でした。

この巻き網船は「イワシ漁」の免許を持って漁に出ています。法律では「イワシ漁」の免許は他の魚種の漁獲は
全体の漁獲量の20%しか認められていません。しかし、この日、この船は「コルビナ100%」でした。
よって、帰港すると同時に、噂を聞きつけた海警察(Polícia Marítima)が80%のコルビナを押収してしまいました。

悲惨な出来事はさらに続きます。
この巻き網船は罰金の支払いを命じられました。その後、没収された80%のコルビナが市場に流れ出し、
浜値0.18ユーロで取引されました。通常、コルビナの浜値は10ユーロ以上ですので、60分の1ほどの値です。
巻き網船に販売を認められた20%のコルビナも、よって同様の値となってしまいました。
つまり、「燃料代」も出ないほどの安値となってしまったのです。

悔しい出来事はまだありました。
知り合いの仲買人の話では、これらのコルビナは翌日、早々にオリャオにもやって来て猛威を振るったそうです。
「マーケットでは0.16ユーロで仕入れたコルビナを6ユーロで売っていた。」そうです。
「誰が儲けているんだ。」とその仲買人はボヤいていましたが、本当にボヤきたいのは巻き網船の漁師たちでしょう。

「ツイていなかった。」で済ませますか。
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# by mobulamobular | 2008-10-03 00:41 | | Comments(1)
Silly Season
暇なわけではありません。
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むしろ、その逆です。

黙々とやるだけです。
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夏のしっぺ返しです。
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この時期が一番大切なんです。
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# by mobulamobular | 2008-09-30 00:44 | 定置網 | Comments(0)
マンボウ空輸
まずはトラックに載って、出発しました。
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途中停車し、水質等のチェックです。
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リスボンに着きました。
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ここからは飛行機です。
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飛行機に対しマンボウは何ら悪さをすることはありませんが、飛行機にとって「海水」は大敵です。
いろいろなことが制限される中、なんとか機内に潜りこむことができました。
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ブリュッセルで飛行機を乗り換え、翌朝、中近東某国に向けて再出発。予定時間を若干オーバーはしましたが、
合計38時間の長旅を無事終えることができました。
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# by mobulamobular | 2008-09-12 20:13 | 活魚 | Comments(0)
ターゲットにキッス
前回の子らの続きです。
当然のことながら、生き物ですので食べなければ死んでしまいます。水族館側からの依頼もあって、
通常、餌付けされた後に出発します。
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個体差や体調の差は当然ありますが、マンボウは比較的餌付けに関しては容易な種です。
捕獲当日であっても接餌するものもいます。
ここでは棒の先に黄色やオレンヂ色の中通しの浮子を付け「ターゲット」とし、反対側の穴に餌をつけて与えます。
慣れてくるとターゲットを水中に入れただけで、マンボウがスッ飛んでやって来るようになります。
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とにかく体力をつけて長旅に挑みます。そして、無事目的地に到着した暁には、再びターゲットめがけて
突進していくことでしょう。
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# by mobulamobular | 2008-09-07 00:33 | マンボウ | Comments(1)
出発間近
さて、わたしは誰?でしょう。
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ご存知、マンボウです。
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せまいけど、水槽の中でスイスイ泳いでいます。
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遊んでます。また、行動追跡調査ですか。捕まりゃ、しませんぜ。
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アッ、ヤバイ!! 壁だ。
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フッ~。危なかった~。調子にのるのは禁物だな。
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大丈夫かね。

もうじき、中近東の某国、某水族館に向け、出発予定です。
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# by mobulamobular | 2008-09-03 16:18 | マンボウ | Comments(0)
スティングレイ
スティングレイ(Stingray)と聞いてアメ車の名前を思い出すのは、ちと年をとったということでしょうか。
もともとはアカエイ科(Dasyatidae)のエイの英名です。名前のとおり、尾に鋭い棘を持っています。
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学名 Dasyatis violacea、 英名 Violet stingray、 ポルトガル名 Uge violeta、 和名 カラスエイ です。
世界中の熱帯~温帯海域に生息していまが、他のアカエイ科の仲間が比較的浅瀬の砂や泥の底にベッタリ(Benthic)と
生活しているのとは異なり、この種は外洋性で遊泳して(Pelagic)生活しているそうです。
Fishbaseなどでは英名は"Pelagic stingray"となっています。
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もう一つの特徴は、他のエイ類は腹側が白っぽく(時にまだら模様)なっているのに対し、カラスエイは上の写真のように
背側も同様の色彩となっています。
"ovoviviparous"です。この個体は体盤長60cm、6.3kgでした。この時期、しばしば定置網に入ってきます。

もう1尾、アカエイです。
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学名 Dasyatis pastinaca、 英名 Common stingray、 ポルトガル名 Uge、 和名 分かりません。
"Common"となっていますが、この種の方がここの定置網では珍しくなっています。
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# by mobulamobular | 2008-08-31 01:23 | サメ・エイ | Comments(0)
うらはら
8月のにぎやかさとは裏腹に海は静まりかえっています。"よくあること"ですが、今年は「今までになく」涼しい(過ごしやすい)8月となっており、水温も8月としては「過去に記憶がない」ほどの超低温となっています。Praia(ビーチ)は海水浴客でごった返していますが、誰も海に入っていないというのが実情です。こういった「異常気象」はとたんに定置網の漁にも影響を与えます。
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例年ですとめったに入ることのないXaputa(シャプータ)です。今年は他の漁師から分けてもらう必要もなく、逆に、みんなに分けるほどです。冷水が運んでくれたちょっとしたプレゼントです。
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下がニシマアジです。低水温域にいたことを物語るように、肉厚で脂ののった、丸々とした絶品です。一方、上は黒ニシマアジです。これはやはり酢漬けにでもなるのでしょう。何れにせよ、いつもの8月にはあまり見ることのない魚たちです。

加えて、Biquerão(ビケロゥン)です。それも大量です。やはり、こんなことは「今までに見たことも聞いたこともありません。」、となります。

しかし、こう長く超低水温が続いていると、そろそろおどけてばかりもいられない状況になってきます。ちなみに今日の水温は表層が17.5℃、底が15℃でした。










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# by mobulamobular | 2008-08-24 21:54 | 定置網 | Comments(0)
上架
定置網船を架台(船台)の上に載せて陸揚げするのが、上架(じょうか)です。この夏も無事、上架作業を終えました。
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ついでに定期検査も受けて、晴れて合格です。検査項目は「船体」、「舵廻り」、「エンジン」、「救命設備」の4項目です。これらの検査のため、はるばるリスボンから4人の検査官がアルガルベまで来ます。これらの検査官はポルトガル全土の船の検査を受け持っていますので、これらとの日程の調整がひと苦労です。あっちにはそれぞれの予定があります。こっちはこっちで一日も早くすべてをまとめて終わらせたい。下手をすると、検査官の予定がびっしりで、受験ができず、1週間も10日も待たなくてはならない、ってことも。
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その点、「8月のアルガルベ」は怖いものなし、です。というのも、8月には多くのポルトガル人が休暇を取り、たくさんの人たちがアルガルベの青い空、青い海をめがけてやって来ます。よって、8月に仕事をしているということは、某かの理由で休暇を取り損ねた「不運な人たち」です。そんな彼らですので、一声かければアルガルベの場合、スッ飛んでやって来る、という訳です。ミソは「公費で」といったところでしょうか。ガソリン代・食費が出ます。検査は金曜日に行います。すると週末はアルガルベで誰かと"rendez-vous"ってことも可能になります。

ここで問題がひとつ発生しました。今まで1年に1回の船の検査が、これからは2年に1回に変更になりました。そうなるとこっちにも新たな考えがあり、次回からは検査は漁のいそがしい8月は避け、冬期に受験することにします。するとどうなるか、です。「不運な人たち」が増えないことを切に願うばかりです。
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とにかく、全速前進です。













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# by mobulamobular | 2008-08-21 00:55 | 定置網船 | Comments(0)
日の出
この光景を目にするのは何百回、ひょっとしたらもっとかもしれませんが、何回見ても飽きることはありません。
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英名 Sunrise、 ポルトガル名 Nascimento do Sol、 和名 日の出 です。

「お盆」のこの時期、夏でも最も暑くなるころかと思いますが、東京とFARO(ファロ)の天候を比較してみます。
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8月14日のCNNの天気予報です。時間帯が異なりますので、ここではファロの方が気温が高くなっています。しかし、一方、湿度(Humidity)の差(東京69%、ファロ16%)のためでしょうか、体感温度(Feels like)は東京が32℃、ファロが29℃と、気温と逆になっているのが特徴的です。

ポルトガルはサマータイムです。冬期の日本との時差は9時間ですが、夏期は8時間となります。上のCNNでは東京の日の出・日没時間が間違っているようなので×にしましたが、実際は日の出が4時59分、日没が18時32分だったようです。これに対しファロでは、日の出はすでに7時近くの6時49分になっており、日没は20時23分です。ですから日長時間は双方とも13時間33分で、「同じ太陽」ということになります。

もちろん一概には言えませんが、これらの「時間」の違いを見ると、日本人はずいぶんと朝早くから活動しているんだな、という印象を受けます。一方、ポルトガルは如何にもポルトガルらしい時間割で、「朝はゆっくり、夜は遅くまで」生活をエンジョイする風に見えてしまいます。

これが「サマータイム」です。こちらでは時間をも自分たちの都合のよいようにコントロールしています。
「度量がデカイ」と思います。
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# by mobulamobular | 2008-08-18 00:05 | 定置網 | Comments(0)
BEN
毎年必ず誰かに「出産祝い」をわたしています。
ポルトガルの出生率も日本並みに低いと思いますので「ベビーブーム」はあり得ないのですが、それだけ若い奴らが
定置網で働いている証ということで、少し晴れた気分になります。
しかし、実際はそうでもありません。「年をとっても子はできる証」の場合もあります。

"BEN" です。
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彼もここのスタッフの息子で、5歳になりました。
ポルトガルとベルギーのハーフです。やんちゃな盛りです。
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少々人見知りの彼も他の子供同様5分後にはこんな形相に早変わり。船よりも飛行機に興味があるようで、
今日は紙飛行機を飛ばしまくり、はしゃぎまくりでしたが、飛んだ紙飛行機を追っかけまくり、勢い余って
壁にデコをぶつけて、ジ・エンド、でした。

次は誰のだ。
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次は9月中旬の予定です。
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# by mobulamobular | 2008-08-15 00:14 | 定置網 | Comments(0)
HACCP
ポルトガルではよく、この国のことを"País de Papel"(紙の国)と表現することがあります。
この言葉は行政のブロクラシーに対する軽蔑語として使われています。
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とにかく"鬼のように"大量の書類が用意され、また出来上がり、ガンガン送られてきます。
食品衛生管理の切り札"HACCP"について、です。
英名 Hazard Analysis Critical Control Point (HACCP)、 
ポルトガル名 Análise de Perigos e Pontos Críticos de Controlo (APPCC)、
和名 ハサップ法、だそうです。

とかく「食の安全」が問われている現在では、世界中でHACCPは「重要な概念」として受け入れられています。
とは言え、もともとが「宇宙規模」のとてもややこしい事柄なので、詳細についてはここでは割愛します。
日本の農林水産省のホームページなどにHACCPについての説明があります。

工場、作業場はもちろんのこと、漁船内での作業においてもこの手法が取り入れられつつあります。
社内もしくは漁船の乗組員内で、まずは「HACCPチーム」を編成し、責任者を決めます。外部より専門家を呼び、
「HACCP講習」を受けます。書類を作成します。検査を受けます。改善点を指摘されれば即時対応します。また受講します。
これの繰り返しです。延々と続きます。まだ、100%ではありませんが、近い将来HACCP手法を取り入れていない
漁船は魚を水揚げできなくなります。工場や魚屋さんは魚を売れなくなります。レストランも同様です。
多くの時間と労力を費やします。国の指導は商売の収益の良し悪しなどお構いなしです。

ここの定置網でもやっています。
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こういったものを作成し、眼のつきやすい場所に掲示しておかなければなりません。
でないとあの恐い"ASAE"にしょっぴかれてしまいます。

日本では…。
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# by mobulamobular | 2008-08-12 01:33 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ヨシキリザメ
定置網にも1尾入りました(Migration)。体長165cm、体重19.5kg、雌の個体です。
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学名 Prionace glauca、 英名 Blue shark、 ポルトガル名 Tintureira、 和名 ヨシキリザメ です。
外洋性のサメ類では最も生息数が多いとも言われ、世界中の温帯から熱帯海域に分布しています。他のサメ類に比べ、とてもシャープな印象を受けますが、クネクネと泳ぎ、グルグルと物に巻きつきます。
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繁殖様式は人間と同じ「胎生」(viviparous)です。35~45cmの仔サメが80尾ほど生まれることもあるそうです。英名のように「淡い青色」がとてもきれいなサメです。和名アオザメ(Isurus oxyrinchus)は別のサメです。
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ここでは活魚としても扱います。幾度となく水族館向けに飼育を試みてはいますが、「外洋性」のためでしょうか、狭い水槽内では飼育は非常に困難です。
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手持ちの日本の書籍にはその資源量の多さを象徴するかのような写真が掲載されていますが、こちらの人間にとっては少々刺激が強すぎるようです。こちらでは大きな生き物は大切にするのが基本的な考え方です。










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# by mobulamobular | 2008-08-09 19:53 | サメ・エイ | Comments(0)
マトウダイ
"São Pedro(サン・ペドロ)の魚"、第3弾です。

伊名 San Pietro(サン・ピエトロ)、 仏名  Saint-Pierre(サン・ピエール)、 英名 Saint Peter(セント・ピーター)などなど、どれも同じ「聖ペトロ」のことです。これまでのサン・ペドロの魚はシビレエイ その2、(おまけ)、聖ペトロのガンギエイに登場してきましたが、本種がその代表格と言えるかもしれません。

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学名 Zeus faber、 英名 John Dory、 ポルトガル名 Galo negro(あるいはPeixe São Pedro)、 和名 マトウダイ。
丘に上がったそれは上品にアッサリした姿かたちになっていますが、水中では鰭をあざやかに開き、とても華々しい魚です。

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全身ギザギザです。

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ここの定置網では年に数尾程度入るのみです。

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ほぼ世界中の温暖なところのちょっと深海(50-150m)に生息しているようですが、日本のものと同一種であるかは定かではありません。FNAMには、「"Zeus japonicus"という種がいて、絶滅しているかも」という不安な記述があります。
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# by mobulamobular | 2008-08-06 02:55 | | Comments(0)
Migration
夏になるとアルガルベ地方にどっと押しよせてくるのは、なにも「人」ばかりではありません。
英名 Migration、 ポルトガル名 Migração、 和名 「回遊」もしくは「渡り」 です。

市場には回遊性の大型のサメがぞくぞくと水揚げされています。
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オナガザメ(Alopias vulpinus)アオザメ(Isurus oxyrinchus)ヨシキリザメ(Prionace glauca )など
何れも日本の海でも見慣れたサメたちです。
そんな中、ヨシキリザメの「瞬膜」(しゅんまく)とアオザメの歯のワンショットです。
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「瞬膜」とは眼を守るための「まぶた」ですが、下から上に閉じます。これはメジロザメ科のサメの特徴で、
だから「メジロ」という訳です。オナガザメ(オナガザメ科)やアオザメ(ネズミザメ科)にはこの機能はなく、
眼球自体をグルッっと反転させ、敵からの攻撃を防ぐようです。

こんなサメが近海にはウヨウヨいるとは知ってか知らぬか、今日もPRAIA(ビーチ)は人だかりの山です。
そんな中には祖国の太陽を一身に浴びたいがために来たたくさんの「里帰り組」の人たちが含まれます。
16世紀の大航海時代から多くのポルトガル人が世界中に移り住んで行きました。近年も経済活動を目的に
多くのポルトガル人がブラジルやヨーロッパ諸国に出て行っています。国民1人当たりのGDPが世界No.1の
ルクセンブルグでは全人口の5人に1人がポルトガル出身者とも言われています。
英名 Immigrant、 ポルトガル名 Imigrante、 和名 「移民」 です。

未確認ですが。
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# by mobulamobular | 2008-08-02 14:51 | ポルトガル文化 | Comments(0)
微睡む
春を終え、夏を迎え、気温の上昇とともに体力的に疲れのピークに入るこの時期、しばしの夢見心地です。
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英名 Forty winks、 ポルトガル名 Soneca、 和名  微睡む(まどろむ) です。

前の晩は上さんや子供や彼女と忙しくして、翌朝5時の出港です。定置網までの45分は貴重な休息時間となっています。
ヒマでは困るので、これも到し方ないことでしょう。

まもなく8月。
公私において一年でもっとも騒がしくなる時期です。

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# by mobulamobular | 2008-07-28 17:12 | 定置網 | Comments(0)
行動追跡調査
今年2月に標識放流を行ったマンボウの行動追跡調査の中間報告を受けました。
この調査は昨年も行い、ポルトガル南部で放されたマンボウが、遠くイギリス近海まで移動していることが
分かっています。
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上の図から、2月28日に定置網から放たれたマンボウが3ヶ月後の5月29日はスペイン北部のビスケー湾に
到達したことが分かります。
今後、この時期の海況や潮の流れ等を考え合わせて、マンボウの回遊行動がより明らかになっていくことでしょう。
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# by mobulamobular | 2008-07-25 18:00 | マンボウ | Comments(0)
つっつけ
特に相手を邪魔者扱いしているわけではありませんが、時々こちらが邪魔ものになってしまいます。
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日本もポルトガルも夏本番となり、たくさんの人たちがどっと海にくり出してきます。いつものことですが、そんな時は天候、特に波や潮汐の状態には注意が必要です。海は時として大変"危険!!"ですので、くれぐれも海難事故などがないように。

残念なことに、今年は操業再開以降すでに2件の「ヨット事故」が起きてしまいました。いずれも夜中未明の出来事です。1件はオートパイロットで寝ていたそうです。完璧な不注意です。もう1件は50m間隔で設置されている定置網の夜間標識灯を確認した上で、真ん中を突っ切ろうとして定置網に捕まりました。これは航海上の知識・認識不足と言えると思います。

船で航行中、何か障害物に出くわしたら、まずは一旦沖へ回避がよいと思います。一般的に漁具(定置網や生簀も含む)や人工物は水深100m以浅に集中して設置されていますので、それ以上深いところを航行していれば比較的安全と言えると思います。

潜る時も、何かロープ等の障害物があったら、「上を越えろ」と習ったように記憶しています。

よい休日を。Boas Ferias!!
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# by mobulamobular | 2008-07-21 03:12 | 定置網 | Comments(0)
北大西洋振動
太陽も、地球も、空も、みんなひとつだ、ということだと思います。

「エルニーニョ」、「ラニーニャ」に代表される気象現象は、2つ以上の離れた地域の大気圧がシーソー(seesaw:反転作用)のように変化する「テレコネクション」(teleconnection)というメカニズムがもとで起こる現象です。

つまり、「テレコネクション」とは、「風が吹けば桶屋が儲かる」のように一見なんの関係もなさそうな2つの事柄が「遠隔結合」している、ということです。「観天望気」も時にその「遠く隔たりのある2つ以上の事柄の相関関係」を推理して行います。

地球上にはたくさんのテレコネクションのパターンが存在することが知られています。上記のエルニーニョ、ラニーニャに関係するテレコネクションは「南方振動」と呼ばれているものです。ここにポルトガル唯一の定置網にとって、とても関心深いテレコネクションがあります。
英名 North Atlantic Oscillation (NAO)、 ポルトガル名 Atlântico Norte Oscilação、 和名 北大西洋振動。

これは主に冬の時期、アイスランド低気圧(Icelandic Low)とアソレス高気圧(Subtropical or Azores High)が、ともに強くなったり弱くなったりするシーソー現象です。これによりヨーロッパの冬の天候が決定され、世界の他の地域の天候にも多大な影響を及ぼすようです。NAOの指標(インデックス)は海面気圧偏差の時系列で表されていますが、最近は「負」(マイナス)の値が多くなってきているとのことです。
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「NAOのインデックスが負の時」はどんなかと言うと、まず北極海の気圧が高くなります。すると中緯度の気圧は低くなります。よってグリーンランドあたりの冬は温暖湿潤、北ヨーロッパやアメリカ東岸では寒冷乾燥、地中海海域は温暖湿潤となります。また、北極を超えた反対側ではオホーツク海高気圧が弱まり、日本の夏は猛暑となる、といった具合です。これは「偏西風も弱まる」ということですので、ここから先は台風関連の話などで盛り上がると思いますが、ようするに「みんな、つながっている」ということです。

変なものを大気中に放つと、アッという間に世界中に広がります。遠く離れていようとも、変なことをすると予想もしていなかったところでとんでもないその影響が現れます。
「テレ・コネクション」です。








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# by mobulamobular | 2008-07-18 00:00 | 気象 | Comments(0)
サレマ
これもタイ科(Sparidae)に属し、ごく一般的にスーパーなどでも見かける魚ですが、「謎」も多い1種です。
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学名 Sarpa salpa、 英名 Salema、 ポルトガル名 Salema、 和名 サレマ です。
Ria Formosa内の刺し網でよく漁獲されています。定置網にはふだん多くは入りませんが、秋には大きな群れで来ることもあります。身は水っぽく、小骨も多いことから市場では人気種とは言えません。しかし、色合いがきれいなことと飼育が比較的容易なことから、活魚として水族館には人気があります。
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雑食性ですが、若い内はどちらかというと肉食性(甲殻類等)で、大人になると草食性と変化するようです。FNAMによりますと、夏にイワヅタ科(Caulerpaceae)の海藻を捕食している時期は若干「毒性」があると記述されています。イワヅタ科の海藻とはブドウの房のような葉をもった海藻のことで、珍しいものではなく、よく見られる海藻のひとつです。
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聞きなれない言葉ですが、サレマは「雄性先熟の雌雄両性」(Protandrous hermaphrodite)です。どういうことかというと、ほとんどの魚は「雌雄異体」ですが、サレマの場合は「雌雄同体」です。しかし、まず雄として成熟した後、雌に性転換するためこのように呼ばれています。逆は「雌性先熟」ですが、この場合は雌として成熟した後に雄になるパターンのことをいいます。性転換する魚では後者のパターンの方が多いそうですが、サレマは少数派です。ご存じ、日本の「クロダイ」、世界の「クマノミ」、我らが「ドラーダ」も「雄性先熟の雌雄両性」の仲間です。







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# by mobulamobular | 2008-07-14 04:29 | | Comments(3)
Futebol
英名 Association Football (あるいは Soccer)、 ポルトガル名 Futebol、 和名 サッカー。
漁師の会話で尽きることがない話題がこれです。放っておいたら朝から晩までずーっと話をしています。
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「荒野に立つ5人の雄姿」ならぬ歴代および現役のポルトガルサッカー界のスターたちを使ったスーパーマッケットの広告です。
左から、Fernando Chalana(80年代前半のポルトガル代表選手)、Rui Costa(今年で引退。セリエAで大活躍)、
Cristiano Ronaldo(今まさに盛りの選手。背番号も17から7に変更、名前もCristianoが省かれ、"Ronaldo"だけに
なったのはよいが、この先ブラジルのRonaldoのようにはなってはもらいたくありません)、
Eusebio(66年イングランドワールドカップの得点王。「モザンビークの黒豹」、ポルトガルは3位という最高の成績を
おさめました。)、Paulo Futre(80年代後半のポルトガル代表選手、現役最後のプレーは横浜フリューゲルスでした。)

Figo(フィゴ)という超有名なスーパースターもポルトガルにはいます。今はイタリアのインテル・ミラノで
現役最後のプレーに励んでいますが、彼の場合はバー、レストラン、ホテルなどの事業家としても目立っています。
以上のように数多くの有名なサッカープレーヤーがポルトガルにはいるのですが、漁師の会話に耳を欹ててみると
あまりプレーヤーの話はしていません。皆、やや興奮して話をしていますので、ネイティブのポルトガル語は
聞きとりにくいのですが、圧倒的に多く出てくる単語は「ベンフィカ」、「ポルト」、「スポルディング」です。
ようするに自分のひいきチームの自慢話の繰り返しです。まったくもって「子供顔負け」のはしゃぎようです。

ここの漁師も一般のポルトガル人同様、サッカーは観戦するのみならず、プレーするのも大好きです。
もう昔の話ですが、定置網チームとして地元のサッカーリーグに参加したことがありました。
しかし、大会期間が2カ月ほどと長く、週2回ほどのペースで試合をこなしていかなくてはならない上、
試合開始時間が早くても夜の10時過ぎで、帰宅は午前様。早朝から働いている漁師には少々きつい日程で、
成績は散々。しかし、何よりもこれでは体がもたないということで、翌年からは出場を断念したことがありました。
今は楽しかった思い出となっていますが、机上の「昔のイレブン」の写真を見つつ、今でもリーグ戦へのリベンジを
誓っているとか、いないとか。
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# by mobulamobular | 2008-07-11 05:57 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アマシイラ
世界中の温帯海域に生息しているようですが、通常は深海にいて何かの拍子に浅いところに出て来た時、「運悪く」人目に触れることがあるようです。
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学名 Luvarus imperialis、 英名 Luvar、 ポルトガル名 分かりません、 和名 アマシイラ です。
この個体は全長61cm、体重3.7kgほどのものですが、"FNAM"には188cmほどまでに成長すると記載されており、また、オーストラリアでは全長2m、150kgのものが捕獲された記録があることから、まだまだ若い個体であると思われます。頭部の形状がシイラに似ているため、このような和名がついていると思われますが、シイラとは全く別の種です。同じスズキ目(Perciformes)ですが、シイラがシイラ科(Coryphaenidae)であるのに対し、こちらはアマシイラ科(Luvaridae)で1科1属1種の魚です。
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モサっとしていそうですが、ひょっとしたらけっこう泳ぐのも速いのかもしれません。尾柄にはマグロ・カツオのようなスタビライザー(水平キール)がついています。しかし、腹鰭は退化してしまっているようにちょこっと小さなものがついています。
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もちろん、定置網には初めて入りました。漁師も口を揃えて「初めて見た」と言っています。入る筈のないものが入る、獲れそうにないものが獲れるのが定置網。それがおもしろいのが海です。
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しかし。アカマンボウ、リュウグウノツカイ、サケガシラ等、この体の色彩には何か意味があるのでしょうか。この特徴的は赤色の使い方には、何か「深海の法則」めいたものでもあるのでしょうか。


本種最新記事は、コチラ
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# by mobulamobular | 2008-07-08 01:02 | | Comments(0)
デコッパチ
思春期壮年期を経て、3度目の登場です。
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学名 Dentex gibbosus、英名 Pink Dentex、 ポルトガル名 Pargo Capatão de Bandeira、 和名 「ハタタテ・デンテックス」 です。
数もそれほど多くはなく、いつもいるわけではありませんが、この時期になると必ず定置網に入ってきます。この個体は全長85cm、体重11.5kg、「百戦錬磨」のデコッパチでした。
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鋭い歯でバクバクッとサバなどを捕食しているのでしょう。この魚は、定置網に入り網が絞られ泳ぐスペースが少なくなると、ジャンプをして逃げようとします。スーッと一度下に潜った後、水面めがけて一気に駆け上がり、海から飛び出してきます。実際、自ら船の中に飛び込んで来たこともありました。誰かが"パルゴ(Pargo)、パルゴ~"と叫ぶと、網を引き揚げる手にも一層力が入ります。










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# by mobulamobular | 2008-07-06 00:31 | | Comments(0)
実習生
やることはやるのですが、時にそれに思いっきり時間をかけてしまうのがポルトガルの流儀です。
だから結果、「やらない」ことになります。体力的に堪えきれなくなるのでしょう。
「時間」に対する概念はここでも仕事上大きな問題です。
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英名 Trainee、 ポルトガル名 Estagiário(ェシュタジアリオ) 。  漁師養成学校から来た「実習生」達です。
ポルトガルでは現在、中学、高校、大学、各専門学校からの「実習生シーズン」を迎えています。
漁業のみならず、いろいろな職場でその初々しい姿を見ることができますが、ちょっと頼りない、じれったい存在でもあります。
ここでは当初の予定よりも1名増えて、今月から新たに4名の実習生を受け入れています。何れも15~18歳の若者です。

初日初っ端の出来事。
朝9時集合のところ、1名が9時15分に登場。早々、キャプテンから一喝を喰らいましたが、傍から見ていると
なんでそんなに怒られているのか分からないか、軽いジョークとでもとらえている様子。
しかし、いつまでも変わらぬキャプテンの形相に、最終的には「これはマジだ」と気づいたみたいでしたが。
一仕事終えて、昼食のため一旦解散。14時再集合し、出港、午後の網持ち。
しかし、彼が自転車で番屋に到着したのが14時02分。しかし、その時無情にも番屋のカギはすでに閉められ、
港を出る本船の快音が轟いていました。
「漁師が14時と言ったら、トモ切り(出港)が14時なんだ」ということ学びました。

大丈夫でしょうか。この先やっていけるのか、真ん中の君(15歳)。
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# by mobulamobular | 2008-07-04 00:11 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アサヒダイ
3度目の登場ですが、今回のものは以前のものとは少し違って見えます。タイ4姉妹"buço" = 「女性の口ひげ」で登場しています。
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学名 Pagellus bellottii bellottii、  英名 Red Pandora、 ポルトガル名 Bica-buço、和名 アサヒダイ です。
ここのPescador(ペシュカドール=漁師)は"Mariana"と呼んでおり、こちらの方が通りがよいようです。定置網によく入る魚ではありません。"FNAM"では通常120mの深さあたりに生息していると記載されています。また、日本近海には生息していないにもかかわらず、「アサヒダイ」という立派な名前がついていることから、過去には(現在も?)大量に日本に輸入されていた時期があったことが容易に想像されます。ある記述によると、この時期の大量漁獲により資源の減少が余儀なくされたとありました。

定置網によく入る、いわゆる「赤いタイ」は"Pagrus pagrus"です(下の写真)。
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似ていますが、異なる種です。

さて、今回の「アサヒダイ」のどこが以前のものと異なるかというと、その鰭が「キビレ」と呼びたくなるほど黄色いことです。
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個体差の範疇なのでしょうか、それとも婚姻色とかでしょうか。何れにせよ、これほど黄色いものは初めて目にしました。しかし、FNAMにもFishbaseにも鰭がこんなに黄色くなるといった記述はありません。ひょっとしたら違う種なのかもしれませんが、消去法でこれ以外には見当たりませんでした。
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Fishbaseにはすごい写真が掲載されています。合成写真なのでしょうか。一昔前の「シーラカンス並」の写真です。












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# by mobulamobular | 2008-07-02 01:04 | | Comments(0)
蝶番鯛
これでも水揚げされた直後に撮影したのですが、駄目です。完全に色艶が失われています。
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学名 Oblada melanura、 英名 Saddled beam、 ポルトガル名 Dobradiça、 和名はありません。
ポルトガル名の"Dobradiça"とは「蝶番」(ちょうつがい)のことです。だからと言ってこの魚が中央で折れ曲がるわけではありません。この魚の一番の特徴は尾鰭基部の黒いスポットです。ですからこの黒点が軸になっているが如く魚が左右へ動く様から連想して「蝶番」となったのではと勝手に想像しています。英名ではこれを馬の「鞍」に見たてて"Saddled beam"と呼んでいます。
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タイ科(Sparidae)の1属1種です。北東大西洋、地中海および北アフリカ沿岸に広く生息しているようですが、定置網にはめったに入らない珍しい1種です。群れで泳ぎ、水中では冒頭でも述べたようにもっと光り輝いて見えます。特に黒点はそのコントラストが際立ち、浮き上がっているようにさえ見え、とてもきれいです。
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同じくタイ科のディプロダス属(Diplodus)とは異なりますので、見間違えないように。









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# by mobulamobular | 2008-06-28 16:17 | | Comments(0)
クロマグロ
本日をもって、今年のEUの巻き網船によるクロマグロ漁はすべて終了したものと思われます。
このクロマグロはほぼ全量が地中海内のイケスに移され、給餌が行われ丸々と太った後、ほぼ全量が日本に向けて出荷されるものと思われます。

学名 Thunnus thynnus、 英名 Bluefin tuna、 ポルトガル名 Atum rabilho、 和名 クロマグロ。
総量13,000トンほど。200kgのクロマグロが65,000尾ほどイケスの中にいる勘定になります。しかし、これでも日本人全体の胃袋を満たすことはできないようです。

全世界で年間に漁獲されるクロマグロの総量は40,000トンほどだそうです。

日本で消費されるクロマグロも含めた「全マグロ」の量は年間550,000トンほどだそうです。
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# by mobulamobular | 2008-06-24 00:39 | マグロ | Comments(0)
水温
昨年(2007年)6月15日に書いたレポートがあります。今年は5月に今まで13年間で最も低い表層平均水温(15.33℃)を記録し、その後6月に入っても低水温の傾向は続き、6月15日現在の表層平均水温は16.20℃、昨年の16.29℃をも下回る超低温となっています。
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6月10日気象庁、地球環境・海洋部の発表によると、「昨年より続いていたラニーニャ現象は春に終息したとみられる」、とのことです。「大陸の西岸」気候は似たような自然条件になっている、と昨年のレポートでも記しましたが、今後、ここでも水温が上昇し、例年並みとなることが望まれます。

問題は大西洋上に次から次へとできる低気圧です。これらは発達しながらイギリスの上を通過します。今年はまるで「道」が出来てしまったかのように、これらが途切れることがないほど続いています。ようするに「パターン化」してしまっていると考えられます。こうなるとポルトガルでは連日この低気圧からの北よりの風を受けることになります。この北よりの風は大西洋を北から南へ流れる「カナリア海流」に力を与え、それによりここでは「湧昇流」(Upwelling)の影響を受け、水温が低下します。この現象についてはNASAの"Ocean Motion"というサイトに詳しい説明があります。夏に向かって気温はあがりますので、表層の海水温は上昇しますが、潜ってみると水深15mあたりからブルブルッと水温が下がるのを感じ、透明度も極端に悪化します。この密度の異なった2層の水(Pycnocline)はなかなか混じり合いません。これらをミックスさせるためにはそれ相当の力が必要ですが、手っとり早いのは「時化」ということになります。しかし6月ともなると「時化」も期待できません。「成るようにしかならない」ということで、回復には時間がかかります。

「湿舌」(しつぜつ)という気象現象がありますが、この「湧昇流」はまるで海洋版の湿舌のようです。海のワンポイントで仕事をしていると冷たい水が深海から出たり入ったりしている様子がよく分かります。

まるで「生き物」のようです。









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# by mobulamobular | 2008-06-20 00:41 | 気象 | Comments(0)