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カジキ
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カジキにも、「マ」カジキ、「クロ」カジキ、「シロ」カジキ、「メ」カジキ、「バショウ」カジキなど、いろいろあって、
また、普段めったにお目にかかれない魚のため、種の同定が難しいのですが、これは、
学名 Tetrapturus albidus、 英名 Atlantic white marlin、 ポルトガル名 ESPADIM BRANCO、 和名は「ニシマカジキ」 です。
定置網には入る時は入ります。体長2~3mほどの個体が群れをなして入る時もありますが、そんな時はもう、てんやわんやです。
網を締めこんでいって、泳ぐスペースが狭まると、なかにはジャンプする個体も出てきます。思わず、歓声のあがる瞬間です。
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カジキといえば、この上顎が長く伸びた独特の吻を思い出しますが、これ以外にもこの魚はどこを見ても機能的で、独創的な創りになっています。
他の写真はアルガルベの魚類図鑑を参照ください。

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# by mobulamobular | 2007-08-11 22:56 |
シイラ
夏らしい魚と思い、この魚を選びました。
本当はもっともっと言葉では表現できないぐらい、きれいな魚なのですが、ここの定置網の場合、魚は網から取り上げたら、
そのまま直ぐに魚層の中で氷水漬けにされてしまうため、取り出した時はすでにこのような色合いに変化してしまっています。
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学名 Coryphaena hippurus、英名 Common dolphin-fish、ポルトガル名 DOIRADO、和名 シイラ です。
ハワイあたりでは「マヒマヒ」と呼ばれ、観光でハワイに行くと必ず着いたすぐ後の昼食で食べさせられる魚です(?)。
この魚にまつわる話は多く、好き嫌いが分かれる一種のようです。相模湾あたりでは“とんでもない”名前がつけられており、
あまり縁起のよい魚とは言えないようです。ここの漁師は定置網以外ではほとんど漁獲されないため、今までこの魚を食する
機会がなかった様子ですが、初めて口にした一人は「こんなに美味い魚は食べたことがない」とすっかりシイラのファンになった者も
いるくらいです。きれいに澄んだ水を好んで回遊している魚ですので、この魚が定置網に入りだすと、他の濁った水(栄養価の高い)
を好んで生息している種(例えば、タイ類、アジ類、コルビナ等)が入らなくなるサインとなり、これを好まない漁師が多いのも事実です。
シイラ_d0113817_772684.jpg

定置網内では数尾から、時には数十尾で群れをつくり、中央で輪を描くように“わがもの顔”で泳いでいます。
これでは他の魚の脅威となっているとみなされても仕方がないかもしれません。
# by mobulamobular | 2007-08-10 17:19 |
ブラマ ブラマ
神様はなんでこんな格好の魚を創ったのでしょうか。
ブラマ ブラマ_d0113817_6218100.jpg

学名 Brama brama、英名 Atlantic pomfret、ポルトガル名 Xaputa (シャプータ)、和名 シマガツオ です。
定置網にはめったに入りません。しかし、美味しい魚ですので、食べたい時は他の漁師から分けてもらっています。
ブラマ ブラマ_d0113817_6263981.jpg

冒頭で「こんな格好」と述べたのは、なにも「醜い」という意味ではなく、その逆で、「魚としての想定外」の格好というか、「未来型」とも思わせるような自然美とその不思議さを感じる一種だと思います。










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# by mobulamobular | 2007-08-09 05:20 |
タイリクスズキ ?
ポルトガルに来る前のこと、日本ではそれまで近海に生息するスズキは2種類ということになっていましたが、「タイリクスズキ」とか「ホシスズキ」とか命名された1種が追加されました。ことの真実は定かではありませんが、中国あたりから養殖用に輸入された種苗が海に逃げ出し居ついてしまった、いわゆる外来種で、海版の「ブラックバス」であるかのように聞いた覚えがありますが、これは別物です。先にご紹介した「ヨーロッパスズキ」の仲間です。
タイリクスズキ ?_d0113817_4571171.jpg

学名 Dicentrarchus punctatus、 英名 Spotted seabass、 ポルトガル名 Robalo baila、和名は分かりませんので、「ユーラシア大陸スズキ」とか名づけておきましょう。ポルトガル名の"Robalo"はスズキのことで、 "baila"はダンス、踊る(動詞bailar)という意味です。ここからは勝手な推測ですが、このスズキもやはり他のスズキ類同様に、針にかかるとモーレツにファイトをし、「エラあらい」なども見せ、水面、もしくは水面下で「踊りまくる」のではないでしょうか。そんな行動から"baila"と命名されたのかもしれません。










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# by mobulamobular | 2007-08-08 05:45 |
ヨーロッパスズキ
夏の魚といえば、ご存知「スズキ」だと思います。ここには一般的に「ヨーロッパスズキ」と呼ばれているものがいます。
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学名 Dicentrarchus labrax、英名 European seabass、ポルトガル名 ROBALO です。
スズキは昔から一番庶民に親しまれ、最も身近な魚として知られていますが、分類学上は「スズキ科」において諸説あり、見解が分かれています。ここではPerciformes(スズキ目)のMoronidae(スズキ科) としておきます。他の見解ではPercichthyidaeがスズキ科とされていますが、これは先にも述べたように、日本を代表する「スズキ」という魚の名称の奪い合いのようなもので、この際はどちらでもよいと考えます。
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確かに日本のスズキ(Lateolabrax japonicus) に慣れ親しんだ人にとって、ヨーロッパスズキをはじめて見た時には「な~んだ、これがスズキかよ」という気持ちになるのも無理はないと思います。頭がなければまるで「鯉」のような体つき、うろこの形状、尾鰭等に思われます。日本のスズキ独特の、あのギラギラしたものがヨーロッパスズキには感じられません。さらにこの魚の印象を「淡水化」しているのが、ヨーロッパ全土における養殖魚の普及です。このスズキはヨーロッパへダイ(Sparus aurata)に次いでポピュラーな養殖魚で各地で大量に生産されています。しかし、成長が遅いため、出荷時のサイズは、自然界では未だ若魚の段階であるため、スーパーマーケットやレストランの店頭に並んでいるのを見ると到底「スズキ」とは思えず、時には「ニジマス?!」という具合になります。
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しかし、やはり自然界のものは、釣りにおける太公望とのやり取りや、定置網内でのしたたかな遊泳行動等から見ても正真正銘の「スズキ」です。海から揚がってくるものは一般的にサイズも大きく、また養殖ものの貧弱な感じとは違って、精悍さがありますので、余計に異なった種に見えてしまうのでしょう。












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# by mobulamobular | 2007-08-02 04:33 |