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プロフェッショナルのいない国の不幸
まずは「プロフェッショナル」の定義からですが、これについては人によって意見は様々だと思いますが、「責任ある仕事をすること、あるいはその人」であることに異論はないと思いますが、それ以外にあえて一言つけ加えるとするならば、「妥協をしない」という点に重きを置きたいと思います。いわんや自己満足だけではなく、相手の立場で考えた場合においても、「妥協は許されないとする精神」、だと思っています。ものづくり、あるいはその技術において欠かすことのできない精神です。つまり、プロフェッショナルなくしては、ものづくりも技術もないということになります。よって、現世においては、プロフェッショナルのいないことは「不幸」ということになると考える訳です。

ポルトガルは"お気に入り"の国のひとつなのですが、以前より、「プロフェッショナルの少なさ」と「プロフェッショナルが育ちにくい環境と文化」が、とても気になっています。

さて。このたび1985年就航の定置網船のオモテの甲板修理を実行しました。当時、日本の最高の技術と最高の木材で造られたデッキも長年の使用により、梁の部分の腐食が進み、安全上、放置できない状態に至ったためです。
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工事は主に地元造船所の二人の「職人」が担当しました。
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彼らとは長い付き合いで、その技量については熟知しているのですが、「プロフェッショナル」の観点においては、まだまだ疑問の余地が残ります。
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新しい梁を取り付けます。
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そしてデッキを覆います。
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魚槽内も入念に仕上げます。
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FRPを施工します。
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それから、デッキに滑り止め塗装を施し、出来上がりです。あっという間のように思われるでしょうが、この間、約2カ月です。

なぜ、彼らが「プロフェッショナル」として今ひとつかというと、必ず何かをやる際にはそれをどうやって行うか聞いてきます。「責任回避」の言動なのですが、プロが素人に聞いてどうするの、という疑問が生じます。「やりたいようにやれ」ではできない場合もあります。「ベストの方法でお願いします」といっても対応できません。実際、そばにいて「そこはこうして」とか、それは「もう少し右につけて」とか具体的な指示を与えると安心して仕事ができる様子です。「素人はスッこんでろ。ちゃんとやるから、オレに任せとけ」などは皆無なのです。ですから、仕事をオーダーする場合でも、こちらも"プロ"に負けず劣らぬ知識が必要となります。

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そういった彼らに仕事の「責任を持たす」ためには、事後のチェックが重要な要素になります。
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きれいに出来上がっています。仕事の出来栄えに満足であれば、素直に褒めます。これも大切な儀礼です。
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やればできる、といった感じです。もっと自分たちに自信を持てばよい、と思います。
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"ポルトガル・カラー"、ちゃめっ気もあります。しかし、少しでも仕事に不満がある場合は、その場でそれをぶつけます。
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こっちも長年の付き合いから、おさえておくべきポイントは心得ているつもりです。なんか奥の方のペイントが「目につかない」と思って、おろそかになっていないか、です。
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「手が届かない」とかいう理由で、こんなところで「妥協はするな」、なんです。
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彼らは「プロフェッショナル」としての経験は十分にあると思います。ただ、そのプロとしての価値観がポルトガルの社会のそれと大いに異なるため受け入れられないという悲劇があるように思われます。しかし、なにもこのことはポルトガルに限ったことではありません。

「直観」を大切にするプロフェッショナルの言動や考え方は、それ以外の人間にとっては「直感=あてずっぽう」なのでしょう。












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by mobulamobular | 2012-02-21 05:55 | 定置網船 | Comments(4)
雨雲
昨日から今日にかけてのことです。すっかり、雨雲とは縁が遠くなった感じのアルガルベ地方ですが、昨日いつものようにネットで天気の様子を調べていると、「雨雲発生~雨」という予報が出てきました。
赤い点のところがOlhãoです。東よりの風が吹いていました。水温は14℃、気温は12℃ほど、ちょっと南東からのうねりがありました。
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ジブラルタル海峡付近で雨が降っていました。
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それが徐々に東風の乗って、西へ移動すると思われました。
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雨雲がOlhão上空にかかりました。これはひょっとしたら待望の雨になるかもしれません。
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まさにピンポイント状態ですが、それでも雨が降れば大地は乾きからちょっとは解放されます。
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「雨雲」行ってしまいました。

さて。その結果です。
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東から、案の定、雨雲が攻めてきました。
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そして夕方、上空に雨雲が広がりました。

しかし、夜半から明け方にかけて、確かに雨は地面を濡らしたのですが、ほんの"お湿り程度"でした。

今の冷気が強いことを物語っているのでしょうか。通常、雨が降る時はふっと風が止み、ちょっと気温が上昇したように感じるものですが、その雰囲気は残念ながらありませんでした。









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by mobulamobular | 2012-02-19 05:35 | 気象 | Comments(0)
Carnaval 2012
今年の"カーニバル"は間違いなく「晴れ」だと思います。来週の火曜日(21日)となります。なのに、今年のカーニバルは何だか苦々しい雰囲気が漂っています。

まずは、天候からです。ヨーロッパは猛烈な寒気の再来です。ユーラシア大陸の果てまで冷気が吹き抜けてきていますので、ちょっと北の方はたいへんなことになっているなと容易に想像できます。天気は相変わらずの快晴続きで、約1か月間雨がありません。今年のアイルランド低気圧(Icelandic Low)とアソレス高気圧(Subtropical or Azores High)はともにとても強いです。乾燥によって、手や顔、唇がガビガビです。この傾向はまだまだ続きそうですので、先述のような予測となりました。

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"Algarve Resident"の記事から拝借です。

今年の"カーニバル"がいつもと違うのは、言わずもがな、ですが、「経済危機」の影響です。いつだったか述べたように、"カーニバル"は祝日ではないにもかかわらず、慣例として「祝日扱い」されてきた特別な日です。それにポルトガル政府が目をつけ、「今年は働け」コールを国民に向け発信しました。ですから、今年は"カーニバル"の日を休みたかったら、有給休暇を取得しなければなりません。「大人」にとっては大した問題とは思いませんが、子供のいる家庭にはちょっと不利なような気がします。"カーニバル"の日には学校でも、生徒たちが仮装をして周辺市街をパレードしてまわり、お祝いをする習慣があります。こんな日に我が子の晴れ姿を見たいと思うのは親としての人情で、これがちょっとやり辛くなります。

これは南ヨーロッパ人は働きが少ないと北ヨーロッパ人から揶揄されるのをかわす目的のポルトガル政府のパフォーマンスのひとつに過ぎないのですが、そんな甲斐あってか、ドイツの大臣には「ポルトガルやスペインはギリシャに比べ、よくやっている」とお褒めの言葉を頂戴したりしていますが、一方では「ギリシャとアイルランドは経済の落ち込みに歯止めがかけられ回復基調にあるが、ポルトガルは未だ底を打っていない」とか暴露されたりして、前途多難な様相にさほど変化はありません。

ユーロ導入後、10年でこんなんなってしまったのですから、何かがおかしいと思って然るべき、とも思うのですが、「壮大な実験」はまだ続くのでしょうか。最後まで気力の持続が可能かどうかが心配です。


さて。アルガルベ定置網ですが、来週火曜日の"カーニバル"の日は神(漁労長)の一声で、「休み」とします。大切なものは守ればよい、と思います。










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by mobulamobular | 2012-02-14 06:57 | ポルトガル文化 | Comments(2)
KENYA
ますます社会の合理性が問いただされる世の中になっていますが、ポルトガルでは「政府vs民間」の姑息なまでの稼ぎの争奪戦が繰り広げられていますが、民間においても生き残りをかけた価格の攻防、せめぎ合いが方々で見られるようになっています。

さて。話題はアフリカの"KENYA"です。友人によりますと「ケニヤ」という表記が正しいそうで、確かに発音は「ケニャ」だったと想いますから、それには正当性はあると思います。昔は学校でも「ケニヤ」って習ったのかも。「少年ケニヤ」が基本ですから。

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"allafrica.com"でこの記事を発見したのですが、写真付きの"businessdailyafrica.com"の方を拝借しました。

西ケニヤのキスムでは、干ばつにより野菜が不作となり、魚の値段が高騰している、とのことです。で、どのくらい魚の浜値が高騰しているかというと、あのナイルパーチが210~228シリング/kg、ティラピアが177~213シリング/kg、だということです。ということは、いつの間にか、ティラピアよりナイルパーチの方が値段が高くなっている、当時では信じられない状況の様子です。ちなみ1ケニヤ・シリング=0.93円ほどだそうです。

問題は、「干ばつ」ですが、この自然現象をビジネス・チャンスとかと思い、暴利をむさぼる仲買人の存在がより問題を深刻化させている様子です。実際、浜値の4倍もの値を付けて売っていたり、買い付け後地元では売らず遠方まで持って行って売りさばくため、キスムにおける魚価の高騰に拍車をかけているのかもしれません。

"相変わらず"、魚の公正な取引のため漁協組織の必要性が問われているみたいです。

"ハランベー"の精神は今も健全なのだろうか、と気になっています。









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by mobulamobular | 2012-02-10 06:29 | | Comments(0)
NAOが正
NAO(North Atlantic Oscillation : 北大西洋振動)のインデックスが昨年10月ごろより、ずっと「正」の状態が続いています。(NOAAから拝借)
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だから、この冬のポルトガルは雨がなく乾燥してしまっているのです。NAOは、冬の天候から次の夏の天候を占う大切な指標でもあります。2010年は反対に「負」が続いていました。

これは明らかに、この夏は「冷夏」でしょう。

景気のさらなる落ち込みが心配されますが、これで「地球温暖化論争」も終焉を迎えるかもしれません。







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by mobulamobular | 2012-02-09 07:04 | 気象 | Comments(0)
終焉の理由
これは、どちらかというと個人的な趣味の分野で、今さらどうでもよいことなのでしょうが、「歴史は繰り返される」ということもありますので、こだわっています。

それは南部ポルトガル・アルガルベ地方の海の文化として400年以上もの歴史があるとされていた定置網漁業が1970年代初頭に、なぜ終焉を迎えたか、という理由についてです。

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このことは17年前にアルガルベ定置網の再開プロジェクトを進めるにあたり、一番大きな障害となりました。なぜならば、その理由のいかんによってはプロジェクトそのものが意味をなさないものになってしまうからです。しかし、理由を突きつめる努力はしたものの、結局、クリアになることはありませんでした。

上の写真は昔の定置網の操業風景ですが、漁師がなんとも愉快そうに大きなマグロを手鉤で引っ掛け、船の中に放り込んでいる様子が見てとれます。こんなに楽しそうだったものが何故突然終わってしまったのか、それにはちゃんとした理由がある筈なのです。

「終焉の理由」については、プロジェクトが始まった後も事あるごとに関係者と思しき人たちには、その質問をぶつけているのですが、「漁獲量の減少」、「海況の変化」、「政変」、「魚価の伸び悩み」、「人件費の高騰」など、確かにひとつの理由としては考えられるのですが、それだけですべてを終える理由になるとは自分には到底思えず、また、複合的な理由ではないかという意見もありますが、それにも納得できず、今までずーっともやもやが続きました。

しかし、最近になって、ようやくある確証を得た気分になっています。とはいえ、まだまだ推測の域を脱したものではなく、これから実証を試みますが、かなりの時間と労力が必要になると思われます。

その「終焉の理由」としての推測は、昔のアルガルベ定置網は「マグロのみを漁獲対象魚種」としていたのではないか、というものです。いわゆる「単一魚種漁法」であったがゆえに、"何らかの理由により"、マグロが獲れなくなった、あるいは扱えなくなってしまった結果、定置網そのものを止めざるを得ない状況に陥ってしまったのではないかと考えるようになりました。

単純なようで、奥の深い問題だと思います。

逆説的に、仮に昔のアルガルベ定置網がマグロ以外の魚も漁獲対象としていたならば、マグロ漁は終わっても、定置網までは止める必要はなかったのではないかと思います。そして、もし、定置網漁を続けていたならば、再びマグロを獲れるようになったことは、新アルガルベ定置網が実証済みです。

マグロはいろいろな意味で「デカイ」です。人間はデカイものには憧れを抱く習性があるようで、この意味からもマグロはとても魅力的な魚です。ましてや、それが『大きな利益を生み出すもの』となれば、現代人にとっては麻薬のような存在となり得ます。一度手にすると、止められなくなるのです。また、他の魚が目に入らなくなり、魚を差別化してしまいます。このことにより、「マグロがダメ~即、定置網おしまい」となったのいではないか思うのです。

なんという体たらくな、とも思いますが、人間として致し方のない状況なのかもしれません。

歴史から学ぶことは数々あると思います。結局は地道にコツコツやることが肝要である、ということになると思うのですが、今の時代にこういった考え方はヤボ、あるいは"KY"と表現されてしまうのかもしれません。

昨今の政治の問題、資本主義の問題、ブロクラシーの問題、メディアの問題、はたまた、CO2や原子力の問題等、なんか引っ掛かっているところは、みんな同じに思われますが、こういったことが「すべての終焉の理由」にならないことを、未来に期待するひとりの人間として、切に願うばかりです。















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by mobulamobular | 2012-02-07 08:38 | 定置網 | Comments(2)
アルプスの冷気
「アルプスの冷気」がダイレクトに流れ込んできています。"日本並"に寒くなりました。
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これはここではちょっと異常な寒さで、こんなのが数日でも続いたら、人々への影響は大、と考えられます。
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日本で買った寒暖計。上が外気温、下が室内です。

沖での作業。漁師、半ベソ状態です。連絡は「寒くて着こみ過ぎて身動きとれないので仕事にならないから、帰る。」、でした。たまにはこういうのもいたし方ありませんね。行かなくてよかった。








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by mobulamobular | 2012-02-04 06:25 | 気象 | Comments(6)
何やってるの
何やってるの?
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何してんの?
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どうしたの?
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だから、何なの?
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何とってるの?

ちょっと古典的な方法の様だけど、これは海水貯水槽の底に溜まったアカ(ヘドロ)取りをしているところです。1年間でずいぶんと溜まるものです。

よい心がけです。まずは掃除から。みんなきれいにしてから、仕事を再開しましょう。
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今年もやるぜ。 "Flyingsharks"









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by mobulamobular | 2012-02-03 05:44 | 活魚 | Comments(0)
バレンツ海
「バレンツ海」という聞き慣れない海域は、北極海の南部でスカンディナヴィアおよびロシアの北側に位置しています。

しかし、こんなところまでメキシコ湾流(Gulf Stream)の続きである北大西洋海流(North Atlantic Current)~ノルウェー海流(Norwegian Current)という暖流が流れ込んでいるため、北緯68度のロシアの港も"不凍港"だそうです。ちなみに北緯44度の北海道の網走は"流氷観光"で有名です。

あらためて、北赤道海流(North Equatorial Current)から始まる~メキシコ湾流~北大西洋海流~ノルウェー海流という流れが地域の天候や人々の暮らしや生物全般の生存にまで大きな影響を与えていることが分かりますが、さすがにこの暖流を外れると北極海の一部ですので海氷が発生するそうです。

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この「バレンツ海」での氷のでき具合が、中緯度(日本を含む)の気候変動に密接に関連しているという研究結果が日本の独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)からこのたび発表されました。サブタイトルは「日本の冬の寒さを説明する新たな知見」だそうですから、この時季、厳冬にやっつけられている人々にとっては注目に値する話です。

「一般的に日本の冬の寒さは、エルニーニョ/ラニーニャなど低緯度の影響と、北極振動指数の正/負など高緯度の影響の組み合わせで暖冬/寒冬が説明されます。」ということです。しかし、「冬季バレンツ海を発生源とする低気圧の経路が近年の海氷減少に伴い通常より北側を通過していることを気象データの解析により示しました。この低気圧経路の変化によって、北極海上はより暖められる一方、シベリアでは北からの寒気が入り込みやすい状況が形成されます。これは地球温暖化が進行するにもかかわらず、近年の日本の冬が寒い原因の一つであることを意味し・・・」だそうです。

ようするに、地球温暖化によってバレンツ海の氷が少なくなると、その影響を受け低気圧の通過経路が北上し、これにより北極海上がより暖かくなる一方、大陸上では寒冷化が起こりやすい状況になる、らしいです。

つまり、「地球温暖化によって、日本の冬はより寒くなる」ということが実証されつつある、という話でした。









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by mobulamobular | 2012-02-02 08:20 | 気象 | Comments(2)
冬のさそり座
2012年1月末、午前6時の南東の空です。
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パソコンのモニターをきれいにしていないとよく分からないかもしれません。夏の星座としてよく知られている「さそり座」ですが、1月にも見ることができます。その斜め右上には「てんびん座」です。

アルガルベはすでに「夏」です。というか、雨季のはずが雨がありません。今後の天候の推移が心配されます。

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ピンクが「さそり座」、黄色が「てんびん座」です。








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by mobulamobular | 2012-02-01 05:36 | 自然 | Comments(2)