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明けても暮れても
魚はサバ(Scomber japonicus)です。ふつう魚は海から丘へと向けて運ばれ水揚げされますが、この「サバ」は反対です。丘から海へと運ばれていきます。それもたくさん、それも毎日、です。
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はじめのうちは、こういう作業も面白くてなんてことないのですが、そのうち、その量の多さと、回数の多さに驚かされ、だんだんと単なる肉体労働であることに気づき、イヤになってくるようです。
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朝も午後もこの作業の繰り返しです。でも、なんとか早く、一日でも早く肥ってもらいたいので、総力戦で頑張っています。
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これ、アイツらの餌ですが、平均するとおおよそ1か月に自分の体重以上の量を食います。人間がどのくらいの量の食べ物を1か月に消費しているのか知りませんが、たぶん、べらぼうに多いのではと思います。

ということで、最近明るい話題がありません。









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by mobulamobular | 2011-07-22 05:57 | | Comments(8)
無駄
ポルトガル新政権。発足と同時に間髪入れず「集金活動」にやっきになっています。まずはこともあろうに庶民の大切なクリスマスのお小遣いに手を付けようとしている様子です。
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先日、漁師に言われました。「今年はクリスマス手当は払わんでもよいよ」って。"ちょっと左よりの"ポルトガルの社会では、「年間11か月労働で、給与は14カ月分」という大原則があります。ようするに、1か月の有給休暇と夏の「休暇手当」、そして冬の「クリスマス手当」(何れも1カ月分の給与に相当)が当たり前の社会なのです。ちなみに漁師の世界では「休暇手当」は存在しません。「差別」です。「一般的な労働」からは除外されていて、未だに「漁師の休暇手当」は法令化されていません。

政権発足直後だからこその不人気政策を断行できるのでしょうが、庶民の大切な「クリスマス手当」に50%もの税金をかけようという政府の企みが明らかになっています。裏を返せば、それだけポルトガルの経済再建が紛糾していることを表していると思われます。上記の漁師の"文句"はそんなに税金で持っていかれるのなら、いっそのこと支給なしの方がよい、「無駄だ」というやけくそ言葉です。


節約とは、「無駄」をなくすこと、もしくは少なくすることだと思います。しかし、今の世の中で「無駄」をなくすことなんてできるのか、ちょっと考えてしまいます。世の中無駄だらけですし、身の回りにも無駄なものがあふれかえっています。「無駄」で生きています。現状、「無駄」がなくなったら、人間は生きていけません。哲学的に「世の中には無駄なものなどない」という考え方には、とりあえず賛同できますが、物質的にはかなり「無駄ばかり」だと思います。民主主義、そのものが無駄であるという極論をいうつもりは毛頭ありませんが、「生活」に「金」が密着している現代では、「無駄」がなくなる訳がなく、「節約」なんて茶番にすぎないのではと思っています。

その辺りを上手く次世代の子供らに説明できたら、と思います。








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by mobulamobular | 2011-07-18 03:30 | ポルトガル経済 | Comments(0)
Pop-up
こんなもん、隠していてもしようがありません。"Tag"です。
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アルガルベ定置網の入ったクロマグロ(Thunnus thynnus)の1尾に「ポップアップ式衛星通信型タグ」がついた個体がいました。さっそく、タグに表記してあった研究所に連絡を入れると、"Thank you very much for your cooperaton and the detailed information provided. We do not usually have that positive feedback from many companies, and you know, since some colleagues have worked in your company in some occasions, how difficult and expensive it is to tag bluefins." といった回答がありました。こうしてタグが回収されることはなかなか難しいそうです。そういえば、以前にウチも協力したことがありました。だから、その難しさや貴重さが分かっていて、こうして連絡をくれたものと解釈している様子です。
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米国Wildlife Computers社製のポップアップタグです。これで50万円ぐらいはするのではないでしょうか。ポップアップタグとはあらかじて日時を設定しておくと、その時自動的にタグが魚から離れ、上昇し、海面に出た時から衛生を介してデータを送信する仕組みの標識です。また、今回のものは「アーカイバルタグ」と呼ばれる様式のもので、「温度、圧力、照度等海洋観測の基礎的データを収集するためのセンサーと、各種センサーが取得したデータの簡単な加工を行うためのチップ、データを保存するメモリ、そして、これらを駆動するためのバッテリーを防水性気密容器に収納した標識」だということです。これら2つのシステムを合体させたものが"PAT"(Pop-up Archival Transmitting tags = アーカイバルポップアップタグ)となります。
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ややこしいですが、簡単にいえば、日時をセットしてタグを魚から"ポップ"させ、海面まで"アップ"した時にそれまでの魚の行動情報が衛星を経由して得られる、ことになります。ですから、研究所からは "I would be grateful if you could place the tag outdoors, if possible with the antenna upwards and in a place with no high structure over it, so that it can transmit the data. " との指示がありました。よって事務所の窓の外でこういうことになっています。
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研究所の説明によりますと、この標識放流は6月吉日にスペイン、ジブラルタル海峡のTarifaの定置網に入ったマグロにこのタグを付けられて行われたそうです。だとすると、約1か月かかって約250km離れたOlhãoまで来たことになりますが、ちょっと寄り道のし過ぎのような気がします。その辺をグルグル回っていたのかもしれません。それとも1度地中海の中に入って、それから出てきたのかもしれません。データの解析結果をぜひとも聞きたいものです。しかし、こういった類の情報はなぜだか秘密にしたがるのです。なんか、都合の悪いことでもあるのですか、と疑いたくなりますが、「情報命」の人たちにはそれなりの理由があるのでしょう。
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それでも"協力"した今回の目的は別にちゃんとあるのです。


Pop-upを回収すると、この研究所の場合、「謝礼金300€」だそうです。










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by mobulamobular | 2011-07-14 05:49 | マグロ | Comments(2)
Chelidonichthys obscurus
最近めきっり定置網に入ってくる魚種の数が減り、当ブログの魚カテゴリとしては面白くない時期となっています。等圧線が立って、ここ数日間夜から明け方にかけて北風がビュービュー吹く日が続いており、おけげでUpwelling(湧昇流)で水温は底層で14℃まで下がり、透明度もぐっと落ち込みました。潮も駈けました。でも、快晴。日差しは強く、日中は暑いです。そろそろ本格的な観光シーズン。経済状況は暗雲立ちこめる中ですが、今年はちょっとは観光客も増えるのではと期待しています。

さて。

学名が "Aspitrigla obscura"という場合もあります。 今朝の操業時にデッキの上に転がり込んできたところをキャッチしました。
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学名 Chelidonichthys obscurus、 英名 Longfin gurnard、 ポルトガル名 Ruivo、 和名は"ハタタテホウボウ" です。
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この種の魚はいわゆる底魚で、アルガルベ定置の場合は日本式で落し網方式ですので、ここまで来る途中、えっちらほっちら網の上り坂を登って来たことになります。
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胸鰭前方の3本の軟条が足代わりです。これを使って海底を歩いてしまう訳です。
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ひとりで来ることはないだろう、ということで、撮影後、この個体は海にもどりました。


こういった小さな個体の価値観を問うています。










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by mobulamobular | 2011-07-12 05:07 | | Comments(2)
そよ風
彼はアルガルベ定置網創業以来残っている数少ないメンバーのひとりです。1940年の真夏の生まれですから、もうすぐ71歳です。もちろん仲間の内では最年長。ということは、ここで働きはじめた時は55歳だった、ということです。あらためて、烏兎怱怱、です。

彼の名前は"Aragem" (= そよ風、発音はアラージェン)といいます。もちろん、本名ではなく親しみを込めたあだ名です。なぜかは、つき合ってみると分かります。うまくつけたもので、なるほど、ということになります。

もう漁師業は引退しています。しかし、身長150cmほどの小男ですが、若い奴らに慕わられ、今も現場に残って経験を生かして働いています。ですから、すっかり、いないと困る存在になっています。

新しい船を買いました。作業船ではなく、監視用の船というと大げさですが、ちょっと見回り船です。これに名を付けなくてはいけなくなった時、すぐにみんなが思い浮かんだのが"Aragem"でした。

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この日、ようやっと書類が出揃い、検査も終え、晴れて進水式と相成りました。
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記念撮影。この船でまた沖へ行ったら、そよ風みたいに。でも、ひょっとしてそれっては15~6年前に初めてみんなで作ったおそろいのTシャツじゃない? もの持ちがよいというか、なんというか。あいかわらず、しぶといね。"アラージェン"。







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by mobulamobular | 2011-07-10 06:02 | 漁師 | Comments(0)
2011年7月
6月の平均表層水温は19.70℃。4月5月とドンと上がった水温も、6月には例年よりやや高めの水温に落ちつきました。また、6月中旬より連日30℃以上の蒸し暑い日が続きましたが、7月に入り雲が出て、その暑さも一段落です。

何れにせよ、海ものんびりモードに突入です。こんなところにありました。トリガーの表皮です。ウチの漁師の仕業です。
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むずかしい話は抜きにして、今は今のこの時を楽しむってわけにはいかないものでしょうか。
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夏ですから。







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by mobulamobular | 2011-07-06 04:34 | 気象 | Comments(0)