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トリガーな奴
最近、「トリガー・インシデント」なる言葉を目にしました。なにやら米国外交の伝統的な手法で、ある事件を自ら仕掛けて、それを機に物事を変えていこうとするやり方だそうです。つまりは、「ワザと」というやつです。ということは、今まで米国がらみでいろいろな世界中お騒がせインシデントがありましたが、それらすべてがワザとかよ、と疑いたくなりますが、そんなことはないでしょう。そう願います。

さて、魚の話です。「豚魚」という奴がいます。これです。
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学名 Balistes capriscus、 英名 Grey triggerfish、 ポルトガル名 Peixe Porco、 和名 ネズミモンガラ です。
とてもポピュラーな魚で、美味です。「カワハギ」の仲間になりますので、カワハギ同様、慣れるとスッと体皮をきれいにむくことができます。はぎとられた皮が干されているのを、よく見ます。何に使うかは不明ですが、日本では"疑似餌"として使っていたのを憶えています。身の骨離れもよく、さっぱり味。骨の苦手な子供にはうってつけです。
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体表はふつうの鱗とは異なった「かたいウロコ」で覆われています。ですから、この魚をつかんでも、手がウロコだらけになるようなことはありません。どちらかというと、「サメ肌」みたいです。そういえば、「ヤスリ」代わりに使われていたかも、です。
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あいにく、この個体は"Trigger"の先が折れてしまっていて、しゃんとしていませんが、通常、この種は第1背鰭が3棘から成り、それらがピンと立っています。なんだったら、豚魚の写真を参照ください。面白いのが、この第1棘。魚をさばくのに、尖っていて危ないからと、それを倒そうと思っても、それは倒れません。思いっきり全体重をかけても倒れません。この場合は体重にもよりますが、折れるだけです。ですが、先に小さな第3棘を倒すと、第1、2棘も簡単に倒れるのです。

仕掛けがある訳です。なんか危ない奴。ほうっておくと事故や事件をおこしそうな奴。そんなのが「トリガーな奴」です。たとえば今の日本でどんな理由かは知りませんが、まだ原発を継続して運転させようとしている奴、もしくは容認している奴らは、確実に「トリガーな奴」だと思います。周りにいませんか、そんな奴。自分自身も含めてあらためて考えてみたいものです。













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by mobulamobular | 2011-06-30 04:26 | | Comments(0)
リスボンへ
おおよそ1カ月間、Olhãoの活魚施設で飼育された後、めでたくリスボン水族館(Oceanário de Lisboa)へ移送されていきました。まだ一般向けには展示されていません。予備水槽でリスボン水族館の"水"に慣れているところです。

ヨシキリザメの約1カ月間の飼育はOlhãoの活魚施設では最長記録です。餌付けに成功したのがよかったです。2日に1度のペースでマグロやイカの切り身に喰いついていました。給餌は毎日行っていましたが、毎日は喰いませんでした。
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注射の甲斐あってか、すこぶる元気になりました。途中、空腹のためでしょうか平衡感覚を失ったような泳ぎ方をしていましたが、それも治りました。鼻っつらの傷もきれいに癒えてきました。飼育開始後半月ほどたってからは、他の魚に慣れる意味で、ハガツオ数尾とサバを少数同居させましたが、問題はなかった様子です。
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日本でも数カ月の飼育記録はあるようですが、長期飼育はなかなか難しいとのことです。なんとか、ガンバってもらいたいものです。
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上の写真は輸送中のタンク内。リスボンまでの200マイルを耐えました。



いつしか4mほどに成長した君の姿を見てみたい。そしたらお婿さんを連れていきます。100尾の赤ん坊が生まれてくる光景は圧巻だろうて。









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by mobulamobular | 2011-06-28 04:20 | サメ・エイ | Comments(0)
Corvina 2011
本当に獲りすぎてしまったのでしょうか。最近、めっきりアルガルベ定置網に入らなくなった「コルビナ」です。昨年の漁獲量はかつての10分の1ほどまでに減少しています。いくらたくさん獲ったとはいえ、全体の生息数に比べればびびたるものだと思うのですが、だいいち、ひとつの定置網だけでひとつの種を絶滅に追い込んだなど、聞いたこともありません。てな訳で、今年もようやく記事にすることができました。
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学名 Argyrosomus regius、 英名 Meagre、 ポルトガル名 Corvina、和名 オオニベ 。
冒頭の書き出しは冗談です。たしかに、ここ数年、アルガルベ定置網に入ってくるコルビナの数が減っているのは事実です。しかし、この「入網尾数」と「コルビナの資源」とは全くの別問題と考えています。コルビナという魚はもともと「臆病」「用心深い」「繊細」などという言葉でその性格を表現されがちですが、個人的には独立性が強く、他魚種との共存を極端に嫌うタイプではないかと思っています。ですから、定置網内外に別の魚が多くいる場合はその近辺を避けてしまう傾向があり、よって入網が少なくなると考えられます。このことは他の漁法による漁獲結果にも表れており、コルビナを漁獲する時はコルビナのみが漁獲されるということです。
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そんな他の魚に遠慮することなく、どんどん来てください。










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by mobulamobular | 2011-06-27 04:13 | | Comments(2)
いよいよ、出番
新網がいよいよ、出番をむかえました。お約束通り、6月下旬です。
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残念ながら、網入れには参加することはできませんでしたが、バッチリ、だったようです。しかし、2点ほど疑問を呈する箇所があったそうです。ひとつは魚獲り部の幕網がとてもつっ張っていたことと、ふたつめは、やっぱりボタンは浮子綱に仕込んだ、とのことでした。

網を広げた時に気がついたのですが、東西の中央の合わせ部にフリーの"タコ足"がいくつかついているのはサービスですか。






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by mobulamobular | 2011-06-26 17:08 | 定置網 | Comments(0)
インタビュー
時々、マスコミの取材を受けることがあります。でも、ことわる回数の方が多いと思います。なぜならば、あやしげな取材の申し込みが多いからです。活魚部ではドキュメンタリータッチの番組制作の取材が多く、それなりにフロンティアチックに描かれますので、放映後は好意的な反響が得られるのですが、「定置網」についてとか、「マグロ」についてなどというものは、なにがしか政治的思惑が絡んでいるようで、ちょっと胡散くさげです。

もちろん、メディアにもよりますが、全般的にはマスコミはどんな分野においても予想外にド素人さんたちですので、単なる話題探しのケースがほとんどです。そんな訳で、とても世の中の役に立つような内容とはなり得ません。少ない経験ですが、知っている内容のことの記事のほとんどがほぼデタラメであると感じることは、すべての記事についても同じことが言えるのではないかと思っています。

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今回、アルガルベ定置網のキャプテンがラジオのインタビューを受けたのは"理由あり"で、インタビューワーの女性ががポルトガル国立海洋研究所の部長さんの奥さんで、その部長さんを通じての「お願い」だったからです。

話した内容は「定置網とマグロ」について。翌日の放送を聞きましたが、"無難"にまとまっていました。これも「仕事」のうち、ということでしょうか。

「マグロ、獲れてますか?」

「ハイ、獲れてます。」






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by mobulamobular | 2011-06-25 07:38 | マグロ | Comments(0)
Assunção Cristas
本名 "Maria da Assunção de Oliveira Cristas Machado da Graça" とやたらに長いです。1974年アフリカ・アンゴラ生まれの若干36歳ですが、3人の息子のお母さんです。そして、2011年6月21日にポルトガルの"Ministra da Agricultura, do Mar, do Ambiente e do Ordenamento do Território" とこれまたやたらに長い、つまり「農業、海洋、環境および国土計画大臣」に就任しました。どうしてこんなに長いかというといくつもの省庁を統合したからです。ちなみに彼女は連立政権の少数派の党CDS-PP(人民党)所属です。
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はじめ、"Assunção Cristas"と聞いた時、それが人名とは思いませんでした。また、"Assunção"が女性の名前としてあることなど、ぜんぜん知りませんでした。女性の名前は必ず"a"で終わるものと信じ込んでいましたので、まさしく、へぇ~、といった感じですが、逆にとても印象に残ってよかったかもしれません。これなら忘れることはないと思います。このへんの"人種"の名前は覚えていた方がなにかとよいのは分かってはいるのですが、今まではついついないがしろにしていました。やっぱり、自分らの"所管"大臣の名前くらい憶えていることにしましょう。

"Assunção"と聞いて唯一思い出すことは、8月15日の祝日の"Assunção de Nossa Senhora"でした。

さてさて、今後彼女との"ドラマ"はあるのでしょうか。やはりあるとしたら"ドタバタ劇"なのでしょうか。

Dra. Assunção Cristas でした。

「がんばります。」と言っています。











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by mobulamobular | 2011-06-23 03:25 | ポルトガル経済 | Comments(0)
獣医さんのタマゴ
リスボンの大学で"Veterinária"(獣医さん)になるべく勉強している学生さんの訪問を受けました。ポルトガルでは獣医さんの社会的地位は高く、大学受験の際は人のお医者さんになるよりも高得点を要求されるとか聞いています。人のお医者さんが人が病気になってから(当然予防もあります)治療を施すのに対し、獣医さんの場合は家畜の治療の他、全般的な食品の衛生管理・衛星許可の仕事が任されています。ようするに、人の口に入る前に食品のチェックを行い、病気の蔓延を防ぐ大切な仕事です。例えば、食品工場などの衛生面の指導や許可の発行は獣医さんによってなされます。
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獣医さんの仕事は幅広く、もちろん犬猫のペットの仕事から、ありとあらゆる動物の世話をします。そんな中、この「獣医さんのタマゴ」の場合は数年前に趣味でスクーバダイビングを始めたことから、魚好きになり、今回の訪問となりました。

せっかくですから、先日のヨシキリザメに元気の出る注射をしてもらいました。ちょっと緊張していた様子ですが(もちろん初体験のため)、上手にできました。これでこのヨシキリザメももっと元気になることでしょう。










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by mobulamobular | 2011-06-19 05:51 | 活魚 | Comments(0)
夏の風物詩
一昨日から日中の気温が30℃を越えています。ちょっと暑すぎます。それでも海はUpwelling(湧昇流)の影響で、水は冷たいのです。この潮流がなかったら何℃まで上がっているやら、です。

今年もちょっと異常気象で、彼らの出現もちょっと早いのではないかと思います。
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渡りのフラミンゴです。ざっと200羽ほど東から西に向かってRia Formosa上空を飛んでいました。なんとなく腰を折ったような飛び方が独特で、遠くからでもすぐに分かります。
学名 Phoenicopterus roseus、 英名 Greater Flamingo、 ポルトガル名 Flamingo comum、 和名 オオフラミンゴ です。
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やっぱり、いいですね。こういうのが見れるところって。

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急潮、いってます。









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by mobulamobular | 2011-06-18 06:03 | 生き物 | Comments(0)
イスズミ
6月11日。あれから3カ月。まだ続いている混乱。先は見えてきているのか気になるところですが、いぜんとして避難生活を強いられている人々の心中いかばかりでしょうか。また、福島第1原発から近距離内で放置されたままの遺体は収容されたのでしょうか。

こちらはシーズンも盛期に入りつつある中、今年も何か例年とはちょっと違うような、そんな感じを抱いています。どこがどうと理解したり、説明したり、納得したりすることは難しいのでいい加減なこともいやですが、せっかくのブログですから記しています。これも「自然」ということかと思います。

さて、1尾比較的大きな珍しい魚が活魚水槽に入ったという知らせを受け見に行きました。活魚部もいつの間にやら常駐スタッフが3名となり、内新人のひとりが「初めて見る魚、調べても名前が分からない」とちょっと興奮気味。どれどれと水槽の中を覗くと、なるほど、初めてかもしれません。
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でも、"Choupa"のような、"Salema"のようなこの魚、以前に見たことがあるような気がします。で、考えました。

学名、Kyphosus sectator (あるいは Kyphosus saltatrix)、 英名 Bermuda sea chub、 ポルトガル名 Preguiçosa-branca、 和名 ありません。

ではないかと。論点となったのが、「体表にある白っぽいスポット・マーク」です。実はこの種、4年前にいちど登場しています。そのときに使用した写真が、これです。
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25cmほどの個体です。でもこれには体表に白いスポットはありません。これについてFishBaseでは次のような記載があります。"The young may display pale spots nearly as large as eye on the head, body and fins." ということは、若い個体の全身に白っぽいスポットマークが見られる、ということですが、上の2個体、どちらが小さいかといえば、下の25cmほどの個体です。上の活魚部が捕獲した個体は正確には分かりませんが、全長が40cm以上はあると思います。まさか年齢を重ねるごとに体が小さくなることはないでしょうから、"The young"の定義が曖昧です。
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ということで、ここまで盛り上げておいて恐縮ですが、"Kyphosus sp."とすることが現時点では無難と考えます。もう1種ここらの海域で生息しているとされている"Kyphosus incisor"である可能性もあります。何れにせよ、このへんの同定は外見だけでは難しそうですが、何れにせよ、とても珍しい個体であることは確かなようです。
















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by mobulamobular | 2011-06-11 04:16 | | Comments(5)
政権交代
予想通り、もしくは予想以上に国民の関心が高かったせいかポルトガル総選挙の結果は大差でPSDが第1党となりました。
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しかし、これも予想通り、PSDも過半数には至らず、第3党のCDSとの連立政権となります。この連立政権はじきに発足されるようですが、どこまで今の経済危機にうまく立ち回ることができるかははなはだ "?" だと思います。

何れにせよ、「政権交代」です。どちらがやっても大差ないかもしれませんが、順番にやるしかありません。ちょっとは「ピリッ」とした気持ちになることを期待します。

ちまたでは、もはや「IMF+EC+ECB」の連立政権への「政権交代」という声がささやかれていますが、ここではあえて、ポルトガルの政党に期待を寄せたいと思います。








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by mobulamobular | 2011-06-07 16:32 | ポルトガル経済 | Comments(0)