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PS vs PSD
「経済」。どん底のポルトガルですが、こんどの日曜日に総選挙です。果たして、「右」か「左」か。
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現政権与党の社会党(PS:Partido Socialista)に、二大政党の一翼を担う社会民主党(PSD:Partido Social Democrata)が挑みます。事実上の一騎打ちです。政権奪回を目指し、「変革」を訴えるPSDに対し、政権を堅守、ポルトガルを守ることに必死なPS。どちらが勝っても恨みっこなしです。

最新の世論調査によると、PSDがやや有利。
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しかし、どちらが勝っても単独政権とはいかず、連立政権を余儀なくされます。そのお相手となるのが、PSDには人民党(CDS:Centro Democrático e Social)。一方、PSには元共産党の統一民主同盟(CDU:Coligação Democrática Unitária) と左翼ブロック(BE: Bloco de Esquerda)です。

上の下馬評によるとPSDグループが47.6%なのに対し、PSグループは46.1%という僅差です。「手に汗握る」、ここ何十年もなかった、まさに激戦となっています。

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中傷合戦も盛んです。おきまりの党首の所得比較です。そして乗ってる車の比較です。PS・Sócrates(ソクラテス党首、現ポルトガル首相)はベンツ。PSD・Coelho(コエーリョ党首)はオペル・コルサ。といった具合です。

小国ゆえに、中央政府の影響が田舎の末端まで、もろに及ぶポルトガルです。ちなみに、OlhãoはもともとPSが強い地域です。現市長もPSの人間です。明日、5月31日は恒例の漁師の日です。今年はアルガルベ定置網の漁師たちが全員招待されています。

何か臭います。








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by mobulamobular | 2011-05-31 05:59 | ポルトガル経済 | Comments(2)
Pomatomus saltatrix
何だか世界の広域で生息しているみたいですけど、太平洋の北半球側にはいないようです。
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2度目の登場になります。大きなものでは1m以上になるようですが、通常は60cmほどだそうで、それに比べると今回の個体はデカイです。体長87cm、体重7.5kg でした。

前回は、『学名 Pomatomus saltator (あるいは P.saltatrix)、 英名 Bluefish、 ポルトガル名 Anchova、 和名 アミキリ』 としたのですが、いろいろ調べてみると、間違いではないのですが、ちょっとメジャーな分類とは異なるようですので、今回は次のようにします。

学名 Pomatomus saltatrix (あるいは P.saltator)、 英名 Bluefish、 ポルトガル名 Anchova、 和名 オキスズキ (あるいは アミキリ)。
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これまた、前回は「ブリに似ている」としたのですが、アルガルベ定置網の漁師たちには「サーモンに似ている」となるそうです。見た目のみならず、ボソボソッとした食感がサーモンに似ているかもしれません。何れにせよ、おいしい魚です。
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第1背鰭は棘条が8本ありますが、皮下に完全に埋没します。
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こういうのが、たくさん入ってくれるとよいですね。












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by mobulamobular | 2011-05-29 03:08 | | Comments(2)
Prionace glauca
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Scientific Name : Prionace glauca
Common Names : Blue shark (English), Tintureira (Portuguese), ヨシキリザメ(Japanese) 








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by mobulamobular | 2011-05-29 03:07 | 活魚 | Comments(2)
マンボウ探索隊
このブログを見てくれた日本のH大学でマンボウの研究をしている博士課程の学生さんが、これまたマンボウ好きの友人2名を連れてアルガルベ定置網にやって来ました。

正直、若干失礼な言い方かもしれませんが、「とても愉快な3人組」でした。

2泊3日の強行軍で、加えて中日は5月としては珍しい土砂降りの雨天、沖は時化で定置網見学&マンボウのサンプリングはおあずけとなりました。しかし、こんなこともあろうかと、前もって定置網の優しい漁師らがマンボウ15個体を冷凍保存しておいてくれました。
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今回のミッションの大きな目的は大西洋・地中海海域に生息するマンボウが太平洋のものと同種であるか否かをDNA鑑定によって調査するというものです。マンボウ(学名 Mola mola、 英名 Sunfish、 ポルトガル名 Peixe lua)は、フグ目マンボウ科マンボウ属となりますが、同属にはもう1種、ゴウシュウマンボウ(Mola ramsayi)というのが存在しているそうですが、ひょっとしたらもっといるかもしれないというのが彼らの考えです。例えば、コレ。ふつうのマンボウに比べ、頭が隆起したようになっていて、舵鰭が波打っていないもの。こんな個体をどこかで見つけたら、要チェック、だそうです。名付けて「ウシマンボウ」だそうです。なんか、見たことのあるような格好です。
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青色のシャツの「381番」が、今回の主役の学生さんです。
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さっそく、計測開始です。計測個所は40以上もあり、これはこれでたいへんな作業です。なにせ、正確さが求められますので、日本より自前の測定デバイスを持ちこみ、ひとつひとつ丁寧に計測作業が行われていました。
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DNA鑑定のため、鰭の先端をちょこっと切り取って、アルコール付けにしてお持ち帰りです。
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アルガルベ定置網には時として大量のマンボウの入網があります。しかし、ここでは「フグの1種」ということで販売が禁止されています。かといって食べるのは勝手ですので、実際、好んで食べる人も多いです。しかし、如何にせん多すぎますので、どちらかといえば厄介ものでした。しかし、サンプル個体を嬉しそうに扱う彼らを見ていると、なんだかこちらまで救われたような不思議な気分になりました。
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元は彼の研究だったそうです。ですから「381番」の「先輩」になります。今はすでに就職をして一線を離れているのかと思いきや、自らの研究をホームページにして発表しています。
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3人目は地中海でマンボウの研究をしている「スイス人の学者さん」です。もとはチェコ出身だそうですが、なにせゆっくり話をする時間もなかったので、詳細不明ですが、「ただ者ではない」とお見受けしました。彼によると地中海の中もマンボウがたくさん生息しているとのことでした。
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実はこの3人、全員がインターネットを介してお友達になったのだそうです。「先輩」は自分のマンボウ研究の後継者をインターネットを通じ公募したそうで、それに引っ掛かってきたのが「381番」だそうです。「スイス人の学者さん」はやはり「先輩」のホームページを見てコンタクトをとったのが、始まりとか。「時代」というかなんというか、です。そして、「ユーラシア大陸果ての定置網」にもやはりインターネットでのお知り合いとなりました。

やっと、計測が終わったところで、こんどは解剖です。
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なんと1尾処理が終わるのにおおよそ1時間。ということは、15尾ですから、オイオイ、全部終わるのに15時間。そんなことなどまったく意に介さず、珍しい骨の形態を見つけて、ハイポーズ。
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こんどは、どれどれとエラに目をやります。寄生虫探しです。
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いました。寄生虫については自分の研究というよりは、研究仲間への"お土産"だそうで。さぞかし、喜ぶことでしょう。
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ここまでやってくれたら、マンボウも本望。こちらも、やっと責任が果たせたというか、日ごろの殺生に対する多少の供養になったのではと、ちょっと安心感が漂います。ありがとうございました。
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適当なところで、夕食に誘いました。何れにせよ、今日中には終わりそうにありません。

みんなで楽しいひと時を過ごした後、すでに夜も更けてきましたが、「381番」はひとり作業場に戻って行きました。日程が詰まっています。明日は定置網を見学した後、スペインの次の目的地まで数百kmの旅です。2人の先輩たちに迷惑はかけれれません、と。徹夜の作業だったようです。

翌朝、時化もなんとかおさまり、沖に出ることができました。しかし、まだちょっとうねりが残っていました。"効果てきめん"だった様子です。
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お疲れさん。












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by mobulamobular | 2011-05-26 07:31 | マンボウ | Comments(6)
メダイ
全長15cmほどの幼魚です。アルガルベ定置網でのバイキャッチですが、初めて見る魚です。たぶん「メダイ」の仲間だと思います。成魚では80cmほどにもなるそうです。
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学名 Hyperoglyphe perciformis、 英名 Barrelfish、 ポルトガル名 分かりません、 和名 ないと思います。
ちなみに、FishBaseなどでは、スペイン名 Rufo Derivante となっています。イボダイ科(Centrolophidae)、メダイ属の1種です。日本には"Hyperoglyphe japonica"(メダイ)というのがいます。
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この類の魚がポルトガルではあまりお目にかかりません。だからでしょうか、ポルトガル名も調べましたが分かりませんでした。たぶん"Liro~"、あるいは"Pampo~"とかになると思います。
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成魚はちょっと深い大陸棚あたりに生息しているようですが、若魚(30cmほどまで)は流れ藻や漂流物と一緒になって大西洋を泳いでいるようです。これが英名(Barrel = 「樽」のこと)のもとになっているようです。ただし、"クラゲ"には付いていないそうです。









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by mobulamobular | 2011-05-15 02:09 | | Comments(4)
太陽
先週の日曜日の「太陽」です。

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アルガルベから見える"核融合"です。

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あまり近づくと"被曝"するぞ。

冗談はさておき。

「未だ1万人ほどの行方不明者がいる一方、おおよそ12万の人々が避難生活を強いられています。」

ウソのような本当の話です。










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by mobulamobular | 2011-05-12 05:09 | 自然 | Comments(0)
標語
また、時化です。
ポルトガルにもこういうのがあります。ここでも"人命最優先"です。
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"Se fores ao Mar, tens de voltar"  「もし海に出るのなら、戻ってこなきゃだめだよ」

自然に対して勇敢、なんてものはありません。自然の前では謙虚さだけが唯一の方策です。

昔、日本の船頭さんが言っていました。勇敢に見える船頭さんもやはり海は恐いそうです。だから考える。恐くなかったら考えない。危険を想定して、それが怖いから一所懸命に考える。どうしたらよいかを考える。

危険を想定できなかったら人は考えない。だから、その時点で「負け」です。人命を最優先に考えない。だから、"あんな有様"なんだと思います。








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by mobulamobular | 2011-05-11 06:26 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ビッグ 3
定置網が操業再開してからおおよそ1か月になりますが、心配していた「冷温」や「急潮」の顕著化もなく、今のところ"まぁまぁ"の結果が出ていると思います。これをポルトガル語で表現すると、"mais ou menos" ということになります(英語でいう"more or less"ということです)。 魚種はサバ、アジ、カツオ類が中心です。強いていうならば、タイ類などの"赤い魚"が少ないことがちょっと不満です。

そんな中、次の3種において"今までで最大"とまではいかないまでも、それに近い大きな個体の入網が続いています。
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学名 Sparus aurata、 英名 Gilthead sea bream、 ポルトガル名 Dourada、 和名 ヨーロッパヘダイ 。
「 全長 65 cm 、 体重 3.6 kg 」 でした。 ふつうは 大きめでも40cmぐらい、1kg前後といったところだと思いますが、ざっと3倍の体格の持ち主でした。
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こんなのが数日間数尾ずつ入っていましたので目立ちました。婚姻色なのでしょうか、"頬紅"がきれいでした。もちろん"天然もの"です。


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学名 Sarda sarda、 英名 Atlantic bonito、 ポルトガル名 Sarrajão、 和名 タイセイヨウハガツオ。
「 全長 80 cm 、 体重 5.8 kg 」 でした。今年の春も"Sarrajão"から始まった、といった感じです。主に全長60cmほど、体重2~3kgのものが中心ですが、そんな中で飛びぬけて大型の1尾でした。もっと大きくなるそうですので、そのうち獲ってみたいものです。
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"歯ガツオ"です。精悍な魚といったイメージがあります。逃げ足が早く、ブリのように網と網のすき間を狙って泳ぎ去ります。ですから、きっちり網持ちをすることが肝要です。


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学名 Dentex gibbosus、英名 Pink Dentex、 ポルトガル名 Pargo Capatão de Bandeira、 和名 不明。
「 全長 87 cm 、 体重 14.1 kg 」 でした。この1尾のみの入網です。通常夏場に多く入る魚種ですので、今年はちょっと早いお出ましです。
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"老練"な感じがします。しかし、魚体の大きさの割りには魚顔は若々しくも感じます。う~ん、ちょっと獲ってしまったのが残念な1尾のような気もしますが、これも商売ですので致し方ありません。


以上、「今年の魚はデカイ」という印象です。









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by mobulamobular | 2011-05-08 03:00 | | Comments(18)
ガンギエイ類のまとめ
「ガンギエイ」の仲間を8種まとめてみます。

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学名 Raja(Rostroraja) alba、 英名 White skate、 ポルトガル名 Raia teiroga、 和名はありません。


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学名 Raja(Raja) asterias、 英名 Starry ray、 ポルトガル名 Raia pintada、 和名はありません。


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学名 Raja (Rostroraja) brachyura、 英名 Blonde ray、 ポルトガル名 Raia pontuada、 和名はないと思います。
このガンギエイは初登場です。未だちゃんと撮影もできていません。ひとつ上のR.asteriasによく似ていますが、胸鰭(pectoral fin)の"てんてん"模様が鰭の先端まで広がっていることで識別できます。


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学名 Raja(Leucoraja) circularis、 英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro、 和名はありません。


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学名 Raja(Raja) clavata、 英名 Thornback ray、 ポルトガル名 Raia lenga、 和名 イボガンギエイ。
この種の同定は難しいと思っています。胸鰭の模様は大理石のように千差万別です。体表にあるとされている種名にもなっているトゲやイボのような"鉤状の突起物"はあったり、なかったりで、そのポジションも1尾1尾違っています。ここで唯一、"これが決めて"と思っている識別箇所は"尾部"で、模様が明暗を繰り返す帯状になっていることです。


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学名 Raja (Raja) miraletus、 英名 Brown ray、 ポルトガル名 Raia de quatro olhos、 和名はありません。


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学名 Raja(Leucoraja) naevus、 英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos、 和名はありません。


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学名 Raja (Raja) undulata、 英名 Undulate ray、 ポルトガル名 Raia curva、 和名はありません。













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by mobulamobular | 2011-05-05 07:31 | サメ・エイ | Comments(2)
養殖魚
「世界の水産資源の保護と管理 (Conservação e gestão dos recursos marinhos mundiais)」には、まずその全体量を把握する必要がありますが、"見えないもの"を相手にするため、しばしばややこしい課題として関係者の前に立ちはだかります。
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ポルトガルの科学雑誌に、アルガルベ定置網で数年にわたりコルビナ(Argyrosomus regius)の資源調査を行っていたリスボン大学の博士課程の学生のレポートが掲載されました。彼の名前は"Nuno"(仮称)といいます。こうした調査に漁師の協力は不可欠です。ですから、彼が初めて調査依頼に訪れた時、まずは"漁師と仲良くなる"ことを勧めました。あとは、"漁師のためになる"調査・研究を行うことをお願いしました。彼も現場に出ることによって、今までとは違った角度から「水産資源」というものを見ることができたと思われます。

さて、コルビナについてもうひとつ、おとなりスペインからのニュースです。
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養殖コルビナ、です。結論からいうと、"売れていない"様子です。最近はボチボチですが、かつてはアルガルベ定置網からかなりの数のコルビナを親魚としてスペインやフランスの養殖業者さんに活魚販売しました。その後、彼らの努力の甲斐あって養殖コルビナが市場に出回るようになり、ポルトガルでもスーパーなどでふつうに見る「養殖魚」として定着しつつあったのですが、最近になって見ないな、と思っていたらこのニュースです。理由はコルビナという魚が"広く知られていないため"だそうです。確かにそれも売れない理由のひとつだとは思いますが、問題は他にもあるようです。

コルビナという魚は50kg以上にもなる大型魚ですが、とても成長の遅い魚なのです。当然個体差はありますが、全般的には1kg育つのに1年かかることがNunoの耳石による年齢査定調査などで明らかになっています。(ですから、30kgのコルビナはおおよそ30歳ということになります。) 養殖魚は、その魚を養殖し販売して最終的にペイできなければ何の意味もありません。しかし、コルビナの場合、その成長の遅さゆえ、最短でも数年の養殖が必要になります。ですから、養殖経費がかさみます。それでも、もともとが大きな魚ですから、小さな個体では身質は異なりよって味も異なります。つまり、消費者側から見れば、"高い割りには味は期待外れ"、ということになっているのではないかと"勝手に"想像しています。

"人気種"を養殖の対象魚種とすることは養殖の大原則でしょうが、"成長が早い"ことが事業としてとても大切なファクターであることも事実です。今後、彼らのさらなる研究により難局を打開していくことを期待しています。



最後に、「養殖魚」について、基本的なポイントをおさえておこうと思います。なぜならば、市場において「養殖魚」の定義が混乱しているように思えるからです。ひと口に「養殖魚」といってもいろいろな形態のものがあります。しかし、これはあくまでも"私見"です。なにせもう大昔の知識を元にしていますので。

上記の養殖コルビナは、「増殖魚」のカテゴリーに入ります。養殖場で親魚を用いて種苗(稚魚)生産から行っています。日本の養殖マダイや養殖ヒラメと同様です。また、ヨーロッパではSparus aurataDicentrarchus labraxの養殖が同様に種苗生産から盛んに行われています。ですからすべてが人為的に行われた結果の魚です。そして親魚も「増殖魚」であった場合、これを"ちまた"では完全養殖と呼んでいますが、これは「完全増殖魚」となります。

次に、"ようまん"と呼ばれる養殖ウナギのようなパターンが「養殖魚」のカテゴリーになります。ハマチ(養殖ブリ)や"日本で行われている"マグロも同様です。つまり、稚魚は人為的に行われた種苗生産によってではなく、"天然"の稚魚を捕獲して育てています。これが本来の「養殖魚」です。

もうひとつは「畜養魚」というカテゴリーになります。これも「養殖魚」同様、元となる魚は"天然"ものになります。じゃ、何が「養殖魚」との違いかというと、いろいろあると思いますが決定的な違いは元となる魚(あるいは稚魚)にすでにある程度の商品価値があるかないか、だと思っています。「畜養魚」の元となる魚はすでに稚魚ではなく商品価値がある成魚なので、育てるというのではなく、もっと太らせたい(脂をのせる)とか出荷の時期を調整したいとかいうさらに付加価値を高める理由により一時的にイケス網内等に入れて必要に応じて給餌を行うことになります。もちろん「養殖魚」の天然の稚魚も養殖用としては商品価値はありますが、本来の「食品」としてとなると価値はないということです。

ざっと、こんな感じですが、もうひとつ「栽培漁業」というカテゴリーがあります。これは「増殖魚」のカテゴリーで得られた稚魚(人為的種苗生産)をある程度の大きさに育った時点で海に放つものです。ですから"収穫"は天然魚の漁獲と同様になります。日本ではマダイやアワビなどで行われていると思います。

この「養殖魚」の識別の混乱は英語表記においても見られますが、最近ではちょっとは改善されつつあるように思われます。「増殖魚カテゴリー= Aquaculture(Fishculture)」、「養殖魚カテゴリー= Fish Farming」、「畜養魚カテゴリー=Fish Fattening あるいは Capture-based aquaculture 」。

誰でもよいですから、ちゃんと決めていただければ助かります。







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by mobulamobular | 2011-05-02 03:05 | | Comments(0)