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ベロンベロン
思いっきり、酔っぱらった訳ではありません。「針魚」と呼ばれている種の学名になります。
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学名 Belone belone、英名 Garfish、ポルトガル名 Peixe-Agulha 和名 ありません。ダツ科(Belonidae)に属しますので、以前は「ダツ」と表記しましたが、いわゆる日本のダツ(Strongylura anastomella)とは異なります。

今日、"ひさびさ"に定置網に入ったのですが、これも普通ではありません。いつもの年ですと当たり前のように時には多すぎるほど入っていたので、まるで空気のような存在でしたが、そういえば、このところ入っていなかったことに気づきました。
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この魚が来たということは、海がまたひとつもとの姿に戻りつつあるということかもしれません。

一方、期待のこの魚、Sargo bicudo(Diplodus puntazzo)は、今日初めてこれだけ入りました。
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アルガルベも徐々に気温が下がってきています。朝晩は若干冷え込みますが、日中は25℃ほどです。雨は未だ、たいして降ってはいません。










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by mobulamobular | 2010-09-28 06:19 | | Comments(6)
十五夜
「中秋の名月」とも呼ばれています。
今年は、残念。ポルトガル、アルガルベの夜空は昨日までとは打って変わって、曇り。期待すると、こんなもんです。

でも、一瞬出ました。
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しかし、これ、「満月」ではありません。正確には「満月の1日前の月」になります。過去2年も「中秋の名月」は今年同様「満月の1日前の月」だったそうです。

「十五夜=中秋の名月=満月」と思っていた者には「目からウロコ」です。
しかし、理由を知って、なるほどと納得しました。そういえばそうですね。ちなみに、来年から3年間は、「十五夜=中秋の名月=満月」となるそうです。

一方、ポルトガルには「お月見」などという風情のある習慣はありません。どちらかというと「バンパイヤ」の世界で、妙な話(満月)の方が多いです。
この場合、「感性」という面においては、ポルトガル人と日本人、どちらに分があることになるのでしょうか。









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by mobulamobular | 2010-09-25 06:38 | 自然 | Comments(4)
モクモク
相変わらず、定置網ではソウダガツオ、サバの漁が続き、時々それらに混じってカツオが入るパターンです。しかし、それ以外は入りません。そろそろ来そうな"トンガリ・サルゴ"も未だ姿を見せません。やはり、ちょっと変なのかな今年は、と思ってしまう瞬間です。
9月に入り、しょっぱなに南東の時化が1日ありましたが、それ以降、潮が停滞し淀んでいるような気がします。トランプゲームにおいて、時おり"シャッフル"が必要な状況と似ています。そうなるための何かよいきっかけが欲しいところです。

ひさびさに海岸に行ってみます。ラグーンを越えた向こう側になります。
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海岸に出ます。やはり気持ちがよいものです。
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人間の数より、鳥の数の方が多くなりました。
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パトロンは何処へ。
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前述の「潮が停滞し淀んでいるような」状態とは決して悪いことではありません。なぜなら、まず海が時化ることはないからです。こうなると、何を望んでいるのか分からなくなりますが、仮にこういった雲が発達すると状況は一変すると思います。
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英名 Cumulonimbus、 ポルトガル名 Cumulonimbus、 和名 積乱雲、 記号は Cb。


アッ、渡り鳥です。








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by mobulamobular | 2010-09-23 06:16 | 気象 | Comments(4)
マンボウ死す
ここでは強烈なインパクトがあったようですが、残念です。
Oceanário de Lisboa(リスボン水族館)の巨大マンボウが死にました。「自然死」です。
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2005年、アルガルベ定置網に入った個体です。約5年の飼育記録でした。日本では未だこんなに長くマンボウが飼育された記録はないと思います。
よく頑張りました。






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by mobulamobular | 2010-09-22 07:06 | マンボウ | Comments(4)
新しい水槽
たぶん、大型トラック4~5台での輸送になると思われます。
そんな大量の活魚を出発の日までキープしておかなければなりません。バルカン半島の東端に新しい大きな水族館ができつつあります。しかし、この手の話は最近の世界経済の鈍化により、しばしば工事が遅れ、開園が伸び伸びとなっているケースが多々あります。ここもそのひとつなのですが、なんとか年内には「納品」できるように願っています。

そのため、造りました。新しい水槽2基です。活魚施設にはすでに直径10mの水槽と直径3mほどの水槽2基があるのですが、これだけでは到底大量の活魚は収容しきれず、今回あたらに直径4mもの2基を建設しました。
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ここにはSargo類、その他の魚が入っています。

もうひとつの水槽ではトビエイ類が飼育されています。
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みんな、アルガルベ定置網に入った魚たちです。ずいぶんと集まった気もするのですが、オーダー数にはまだまだ足りず、今後も採集活動が継続されます。なんとか漁期終了までに望みの魚が入ってくれることを願うばかりです。
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おかげで活魚施設内はすっかり手狭になってしまいました。(上の写真は、完成前、魚を入れる前です。)







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by mobulamobular | 2010-09-20 05:24 | 活魚 | Comments(6)
漁師のお遊び
市場の岸壁。上からはなかなか確認しづらいですが、たくさんの細いロープがぶら下がっています。そのロープは水面下に伸びていっているのでが、その先には約30cm立法の小さなプラスチック製の「カゴ網」が仕掛けられています。

小さな漁船が沖から戻ります。水揚げを終え、船を舫うために岸壁を離れる際、その「カゴ網」は引き揚げられます。いました。

見せてもらいます。「カゴ網」から取り出されたそれは塩(Sal)のタッパーに移され、岸壁で待つ者のところに投げ上げられます。
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学名 Anguilla anguilla、 英名 Eel、 ポルトガル名 Enguia、 和名 (ヨーロッパ)ウナギ です。

マグロだけではありません。ウナギはもっと深刻な資源の枯渇問題のさ中にいます。すでにワシントン条約により規制対象魚種となっています。そういえば、ここ数年、とんと市場ではウナギの姿を見なくなりました。

やはり、獲り過ぎと消費し過ぎ(食べ過ぎ)が原因のようです。
ある統計によりますと、近過去には年間に日本人2000万人がこのウナギを食べていたそうです。

「カゴ網」にはウナギの他、数尾の小魚が入っていましたが、これらは明日の資源として水中に放たれます。ターゲットはあくまでも「ウナギ」です。しかし、聞くところによれば、最近では週に1尾入っているか、どうか、といった具合だそうです。しかし、それでも漁師にとってはとても貴重な"肴資源"です。

「カゴ網」は内部の残留物を除去した後、新たにフレッシュな餌魚が入れられ、再び、水中に投げ入れられました。次回の引き揚げは、明朝、出漁前だとのことです。

これって、超小型ですが「定置網」と同じですね。
いえいえ、あくまでも「お遊び」です。






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by mobulamobular | 2010-09-17 06:28 | | Comments(2)
これが、「秋」です。「秋」は「秋の四辺形」です。

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夏の「夏の大三角」から、話の流れで冬の「冬の大三角」に移行してしまいましたが、秋にもあります。ペガサス座の一部になります。日が暮れてしばらく待つと東の空に見えてきました。

写真の右下にひときわ輝く星は「木星」です。定置網船内にも置いてある7x50の双眼鏡でも4つのガリレオ衛星を見ることができます。木星から斜め左上に4つの星がダイヤモンド型に並んでいます。これが「秋の四辺形」ですが、そこから左にスーッと視線を移すと、なんとなく星が3つ縦に並んでいるのですが、その上、ボーっとしたシミのようなものが見えます。これが「アンドロメダ銀河」(英名 Andromeda Galaxy、 ポルトガル名 Galáxia de Andrômeda)です。昔は「アンドロメダ星雲」と習った記憶がありますが、今は「アンドロメダ銀河」と呼ぶそうです。222万光年の彼方、ということになります。多くの書には「肉眼で見える一番遠い星」となっていますが、実際のところははっきりしないようです。しかし、人間にとっては十分に遠い距離です。

銀河ということはこの地球のある「銀河系」、すなわち今では「天の川銀河」(英名 Milky Way Galaxy、 ポルトガル名 Via Láctea)と呼ばれているところと似たような環境が存在するのでは、と推測される最短の場所です。「地球外生命体」(英名 Extraterrestrial life、 ポルトガル名 Extraterrestre)は科学の発展が著しい今日においても未だ発見されていませんが、もしいたら、と想像力を駆り立てられるとても興味深い話題です。

では。
「アンドロメダ銀河」にも地球と同じような星が存在するのでしょうか。もし、あったら、「海」もあるのでしょうか。もし、海があったならば、そこでは「定置網漁業」が行われているのでしょうか。いいですね。行ってみたいし、見てみたい。そこの漁師と話がしてみたい。
でも、ことはそんなにうまくはいかない気がします。ひょっとしたら、その星の定置網では「人間と魚」の関係が逆転しているかもしれません。「魚が人間を捕まえる」のかもしれません。人間は魚の役に立っているでしょうか。「高級人間」は存在するでしょうか。それを"世界中"からその星の「築地市場」みたいなところに送っているのでしょうか。「ヤケの問題」は存在するのでしょうか。魚は人間の首筋の頸動脈あたりにすばやくナイフを入れ、一気に血抜きをおこない、氷水の中に頭から突っ込み、毛細血管を収縮させ、筋肉内の血液すべてを押し出してしまう、といったような技術と知識はすでに習得しているでしょうか。それで、生臭さもいっしょに排除しているのでしょうか。そして、それを"スーパー"などで「獲りたて」とかいって、売っているのでしょうか。それを刺身で食べた小魚は「これ脂がのってて、おいしい」。親魚は「それは養殖人間だからね」。

ぶるる~、っと。行かない方がよいかもしれません。


「秋の夜長」。












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by mobulamobular | 2010-09-15 06:34 | 自然 | Comments(0)
単一魚種
定置網の方は順調に毎日漁を続けています。マグロ漁はすでに終了しましたが、その後のソウダガツオとともに例年以上の豊漁の年となっています。

ところが。それはよいのですが、今、ソウダガツオとサバ以外、定置網に入らなくなってしまいました。

「単一魚種」を対象とした漁業においてはこれは狙い通りということでよいのかもしれませんが、定置網においては毎日違った魚が日替わりメニューのように入ってくるのもひとつの大きな魅力であると考えているので、この現象はちょっと面白くありません。もちろん手間のかかる選別作業などほとんどありませんので水揚げ作業は楽勝です。

例年ですと、やはりサバ、ソウダガツオがメインですが、他にタイ類、イカ、サメ・エイ類など、また珍しい魚もこの時期入ります。それらが今年は皆無です。何かの海からのサインでしょうか。

そんなある日、カツオが入りました。
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学名 Katsuwonus pelamis、 英名 Skipjack、 ポルトガル名 Bonito gaiado、 和名 カツオ です。

これを一番喜んだのは漁師たちです。サバもソウダガツオも食べ飽きたそうです。みんなで分けて食べました。アルガルベではカツオもあまり水揚げされない魚ですので、一般的には好きも嫌いもないようです。でも、定置網の漁師は違います。やはり、カツオは美味しいんだそうです。






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by mobulamobular | 2010-09-13 07:17 | | Comments(6)
老人と海
朝。夜明け前。まだ9月だというのに空はすでに冬の様相です。
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一般には冬の星座として知られている「オリオン座」も、すでにこの時期この時間帯に南東の空に見ることができます。加えて下から"シリウス"がちらほら出てきますので、「冬の大三角」も確認することができます。「冬の大三角」の一角に「オリオン座」の"ぺテルギウス"があり、その対角線上に位置するのが"リゲル"です。上の写真ではオリオン座の四角(体)で一番右で輝いている星です。英語読みでは"ライジェル"となります。

さて。タイトルの「老人と海」はご存じのとおりアーネスト・ヘミングウェイのノーベル文学賞作品から拝借したものです。実はこの「老人と海」でサンチャゴが巨大魚をひっかけたのが「9月」のことでした。彼は数日間昼夜を問わず巨大魚と格闘を繰り広げますが、何日目かに陽が沈んだ後、疲労困憊で朦朧としている中、その日最初の星を見ます。それが"ライジェル星"だったのです。彼には星の名前は分からなかったけれど、とにかくそれが見えた、という記述になっています。

しかし、これは十中八九「ライジェル星」ではないですね。9月に見える「ライジェル星」は「日没後」ではなく、「日の出前」と思うからです。ですが、こんなところでノーベル受賞作品にいちゃもんつける気は毛頭ありません。それどころか、記述内容がとても共感できる点が多く、とても好きな作品です。サンチャゴは「ビールの缶詰がなにより好きだ」そうで、それもそのひとつですが、「海が女性である」と感じている点、「ハリケーン(悪天候)が来る前は何日も前から空にその兆候が現れる。沖に出てさえすれば、すぐにそれが分かる。陸では何もわかりはしない。どこにも手がかりがないからだ。」と考えているところ、「ありがたいことに、やつら(魚)はやつらを殺すおれたち人間ほど頭がよくないんだ。もっともおれたちよりは気高くて、りっぱじゃあるけど。」と思っているところ、「天にましますわれらの父よ」よりも「めでたし、聖寵みちみてるマリア」の方がやさしそうだという気がしている点、「(魚に対し)おれは人間ってものがどんなことをやってのけられるのかを、やつ(魚)にわからせてやるんだ。人間が耐えていかなければならないのも教えてやるんだ」という高飛車な態度、「いいことは長続きしないものだ」と心底感じている点、「たぶん罪なんだろう、魚を殺すってことは」と落ち込むあたり、なおも「おまえが魚を殺したのは、ただ生きるためでもなければ、食糧として売るためだけでもない。おまえは誇りをもってやつを殺したんだ。漁師だから殺したんじゃないか。おまえは、魚が生きていたとき、いや、死んでからだって、それを愛していた。もしおまえが愛しているなら、殺したって罪にはならないんだ。それとも、なおさら重い罪だろうか、それは?」
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昔の写真です。たしか、1996年9月だったと記憶しています。みんな、若かったな~。








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by mobulamobular | 2010-09-10 08:27 | 書籍 | Comments(5)
2010年8月の水温
やっと、ながいながい8月が終わってせいせいしています。とにかく8月は周囲の状況が普段とは一変してしまうので、何もしていないのですが疲れます。漁師も大変だと思います。古典的な習慣をこなしながら、一方では仕事に精を出さなければいけないのですから、体が二つ三つ欲しいところでしょう。特に今年の夏は例年に比べ気温が4℃以上も高く暑い日が続きましたので、夏の盛り上がりとしては最高だったろうと思います。「経済」とは酷なものです。"É a vida" ですね。

さて、さて。今回は「経済」の話ではありません。今年の「8月の水温」についてです。
ほぼ毎日の"海況測定結果"から8月の平均水温を求め、それを過去15年間の月別平均水温のグラフにしてみると次のようになりました。まずは「表層水温」です。
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ぴょんと飛び出ました。黄色いラインが今年(2010年)の月別平均水温の推移を表しています。他方、青いラインは過去の月別平均水温の推移です。24.08℃です。月別平均表層水温では過去最高を記録しました。今までの最高が1997年9月の平均水温22.47℃でしたから、実にそれよりも1.6℃以上高い水温です。ダントツ、です。表層水温は気温の影響をもろに受けますので、この夏の暑さを物語っています。まさに「温まった」、といった感じです。猛暑、でした。次に「底層水温」のグラフです。アルガルベ定置での「底層」ですので、だいたい水深は25~30mほどです。
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同じく、黄色いラインが今年の月別平均水温の推移です。8月は19.54℃でした。おやっ、と思われるかもしれませんが、「ダントツ」ではありません。それどころか、1997年9月に記録した20.89には遠く及ばず、また、複数の他の月別平均水温よりも低い値となっています。8月の"チャンピオン"もゲットできませんでした。2006年の19.71℃を若干下回っています。ですから、「底層水温」だけ見ている限りでは、今年も「フツーの年」であったようにも思われます。

地球温暖化」が騒がれ始めてひさしいですが、こうも気温が高いと皆さん、あらためてやはり心配となるのがこの問題です。しかし、そんな時でも海の底は何事もないかのように平常心を保ち、このグラフを見ると、海は頑張っているな、と思ってしまうのです。周囲の挑発にはのらず、あくまでも、粛々と自分の任務を遂行しているように見えるのです。海水温、海水の流れ等は「気象」に密接しています。異常事態へと発展しないためにも何とか穏便にお願いしたいものです。

とは言え、今年の高気温は9月になっても継続中です。今後も水温の推移を注意深く見守っていく必要がありそうです。







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by mobulamobular | 2010-09-06 05:00 | 気象 | Comments(2)