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Correio da Manhã
アルガルベ定置網の漁師数は現在29名です。内、4名がいわゆる「契約社員」もしくは「季節労働者」となっています。このタイプの漁師らとの契約をポルトガル語では"Contrato de Prazo"あるいは"Contrato de Safra"と呼んでいます。
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"Correio da Manhã"という"The Sun"のポルトガル版とも言われているタブロイド紙からのニュースです。ポルトガルはその「非正規雇用社員」の割合がポーランド、スペインに次いで3番目に多くなっているということです。全労働者人口の22%だそうです。この数字については、南ポルトガルの田舎で暮らしている者にはちょっと違和感があるのですが、失業率が10%以上ありますので、そんなものかもしれません。ちなみに日本は「3人に1人が非正規雇用社員」だそうですから、ずいぶん多いのですね。

The Economistにも以前にポルトガルの労働環境について手厳しい記述がありましたが、ちょっとしたイデオロギーの違いから、労働者に対する「過保護政策」が今もこの国の経済発展の枷になっているという事実があります。でも当然のことながら法律を施行している側はそうとは考えていない、と思いますし、別の解釈があるのでしょうが、会社側にはそれがかなりの負担となり、懸念材料となり、労使間にいまいち信頼関係を築けない原因にもなっていると思われます。

具体的には、「正社員」として雇用した場合は、原則、解雇はできません。1カ月間音沙汰なしの無断欠勤とかよっぽどのことでない限り、会社側から解雇通達をしてしまうと補償金を支払う義務が生じ、その上、裁判所に訴えられ、あれやこれや請求され時間と金の浪費となってしまいます。ですから、会社側はできることなら端から「正社員」にはしたくないと考えてしまいます。一方、労働者側では、全員とはいいませんが、多くが法の傘のもと仕事の出来不出来にかかわらず、自分の権利のみを主張するようになってしまい、会社は「組織」(英名 Organization、 ポルトガル名 Organização)とはほど遠いものになってしまいます。

アルガルベ定置網も当初は全漁師と「季節雇用契約」でスタートしました。これは会社側に付いた経営コンサルタントの意見に従ってのことです。理由は前述のとおり、「解雇ができない」からです。このように雇う前からクビにする時のことを考えます。"経営戦略的"にないことではないのかもしれませんが、これから皆で力を合わせて新しいことにチャレンジしようという時に、このような疑いの目で漁師を見ていたら、できることもできなくなります。まさに、本末転倒です。

しかし、「漁師と信頼関係を築く」とはいっても、そう簡単なことではありません。彼らはその「季節雇用契約」にそれまでどっぷりつかっていて慣れっこになってしまっていました。


今では、やる気のある漁師、優秀な漁師、努力をする漁師らはどんどん「正社員」にしています。そして、これが意外と効果ありです。ようするに「この職場が好きで、辞めたくなくて、続けて仕事がしたい」と思いさえすれば、「正社員」になることで、さらに仕事に対する自覚と責任感が出てくるように思います。漁師でも「正社員」であることはステータスとしてもとても魅力のあることのようです。特に結婚をしたり、家を買ったり、車を買ったりなど計画的に生きようと考えている奴らには、この「正社員」システムは大いに意義がある、ということです。

これから秋にかけてさらに忙しくなることを当て込んで、4~5名増員することにしました。皆以前にアルガルベ定置網で働いた経験のある人材です。各々、在勤中に実力を発揮できなかった漁師たちです。これら全員とは年末までの「季節雇用契約」を結ぶことになりますが、もちろん次の「正社員」を目指してもらいたいと思っています。








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by mobulamobular | 2010-08-09 04:04 | ポルトガル経済 | Comments(2)
Corvina 2010
ようやく記事にすることができます。今年のコルビナです。
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学名 Argyrosomus regius、 英名 Meagre、 ポルトガル名 Corvina、和名 オオニベ です。
とにかく、今年は入りませんでした。期待していた6月、7月の入網はほぼゼロに等しく、どこへ行ってしまったのだろうと、やきもきさせられましたが、8月になってやっとちょっとまとまりました。観光シーズン真っただ中です。高値での販売が期待できます。
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浜値(水揚げされた港での取引値)はこの時期11.00~13.00ユーロ/kgほどです。これが港から数km離れた市民市場(Mercado Munincipal)まで行く間に値段が倍以上に跳ね上がります。日本では漁師が受け取る魚の代金は最終小売価格の3割にも満たないといわれていますが、ポルトガルでも似たようなものです。「利益配分がちょっとおかしい」、これって、世界中で漁師は貧乏人と考えられているゆえんです。
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いつだったか誰かがどこかの市場かスーパーで撮ってきた写真です。値段は見えませんが、べらぼーな価格だったそうです。それに、ここにはウソがあります。中央に"CORVINA (ARMAÇÃO)"と明記されていますが、実はこれはアルガルベ定置網のものではありません。あたかも「地元の鮮魚」というイメージをつけるため"ARMAÇÃO"(定置網)と表記してありますが、別ものです。「商いのテクニック」かなんかは知りませんが、こういうやり方はいただけません。
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アルガルベ定置網のコルビナは市場のセリの時点からビニール袋に入っています。だからといって「魚の肉質」が他のコルビナと大きく異なる訳ではありません。決定的に異なる点は「鮮度」です。ですから、絶対的に「品質」がよくなり、違いが出ます。






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by mobulamobular | 2010-08-05 06:47 | | Comments(2)
夏の大三角
日が暮れた直後の東の空にうき上がる、ベガ(おりひめ)、アルタイル(ひこぼし)、デネブで構成された「夏の大三角」(英名 Summer triangle、 ポルトガル名 Triângulo de Verão)を飛行機が横切ります。
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左下のデネブを尾の先端とした「はくちょう座」(英名 Cygnus、ポルトガル名 Cisne)も見ることができます。

一方、向きを変えると北から北西の空には、「北斗七星」(英名 Big Dipper、ポルトガル名 Grande Carro)が見えます。柄杓の先端からの直線上には「北極星」(英名 Pole star、ポルトガル名 Estrela Polar)を見ることができます。
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「北斗七星」は「おおぐま座」(英名 Ursa Major、ポルトガル名 Ursa Maior)の尾の部分になります。そして「北極星」は「こぐま座」(英名 Ursa Mainor、ポルトガル名 Ursa Menor)の「ポラリス」(英名、ポルトガル名ともに Polaris)と定義づけられています。

さて。そろそろ「空飛ぶマグロ」のシーズン開幕です。日本向けの場合は、アルガルベからですと、例えばまずトラックでリスボンまで、そこから飛行機でドイツのフランクフルトまで行き、そこで飛行機を乗り換え成田までとなります。貨物は人より乗り継ぎに多くの時間を要するため、アルガルベを出て成田に着くまでの所要時間は40時間ほどになります。

冷凍魚ではありません。鮮魚(生)ですし夏ですので氷をいっぱい抱かせて発泡スチロールの箱に入れて送ります。成田到着後は日本の各市場に送られセリにかけられます。

ポルトガルから日本への輸出品です。ズバリ、うまく飛んでくれることを願います。
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by mobulamobular | 2010-08-02 05:08 | 自然 | Comments(10)