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Myliobatidae
1種、Bull rayで登場したトビエイ科(Myliobatidae)のことです。文献によってはMobula mobularも、トビエイ科に属するとなっていますが、FNAMではイトマキエイ科(Mobulidae)が存在し、そこに属しています。
まずは、「シキョウノカンムリトビエイ」です。
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学名 Pteromylaeus bovinus、 英名 Bull ray、 ポルトガル名 Ratão bispo、 和名は前述のとおり。

2種目は、かなり以前に1度登場したことがあります。
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学名 Myliobatis aquila、 英名 Common eagle ray 、 ポルトガル名 Ratão águia、 和名はありません。
ポルトガルでは双方とも市場では"Ratão"(ラタゥン)と呼ばれており、あえて種分けはされていません。今年は例年になく、定置網にこの時期多くの入網があり、せっせと水族館用に活魚として漁獲しています。

実は上の2個体はまだ赤ん坊サイズのため、親サイズのものらとは別にされ、マンボウと一緒に泳いでいました。
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どっちか、どっちだか分かるでしょうか。
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by mobulamobular | 2010-05-28 06:08 | サメ・エイ | Comments(0)
時化の後
幸い、4日目、ありませんでした。新記録ならず、です。やはり、もうこの時期になれば4日連続の時化はないと考えてよい、とあらためて思いました。
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波の高い状態は続きましたが、何とか漁を終え、無事港に戻り着岸するところです。
しかし、後方には「4日連続の時化」を喰らって、岸壁に所狭しと停泊する多くの船が見えます。彼らは漁の形態が異なるため、多くは夜の出漁となります。ですから、波の高い海では闇夜の操業は難しいのです。加えて、彼らは丘のルールに従い、土日を天候の良し悪しにかかわらず、休みとしているため、定置網とは年間で100回ほどの操業回数の差が生じています。漁が減り、魚の値段が伸び悩む現在では非常に厳しい経営状況であると推測される訳です。
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漁の方は相変わらず、サバ、ソウダガツオ、ハガツオなどの漁獲がありました。3kgほどのスマも多少まとまって入ってきましたが、写真取り損ねました。次回に、とします。

最後に前回の記事の訂正とお詫び。雨の心配はない、とか言っていましたが、ポツポツ雨降りました。自信過剰みたいで、いけませんね。それだけ、風の入りがよかったということですが、これ以上の言い訳はいたしません。
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by mobulamobular | 2010-05-26 06:02 | 定置網 | Comments(0)
5月の時化
先々週の北西風、それに伴う湧昇流(Upwelling)によって、気温・水温ともに低下。その反動で先週は連日の東よりの風、表層より暖かい水の流れがアルガルベに接近して気温・水温ともに上昇。しかし、勢いが過ぎて南東からのうねりが大きくなり、週末には「5月の時化」となってしまいました。
Monte São Miguelに登って、定置網の方向を見てみると全体的に白っぽい景色が広がっていました。
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ようするにガスがかかった状態です。海風です。これが過ぎると「雨」になってしまいますが、今回はその心配はないと思われます。
ちょっと引いて、Olhão(オリャオ)の方角を見てみますと、おおむね快晴なのが分かります。
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5月になると、4月までのそれとは打って変わって時化の日が、通常、めっきり減ります。また、時化になったとしても、短期間で終結します。1995年より昨年までの15年間で、「5月の時化」が3日間続いたのは2006年の1回のみでした。が、2010年は2回目となってしまいました。

土曜日。昨日からの時化は今日も続くだろう、と踏んで「休み」としました。案の定、時化、2日目となりました。その代わり、明日の操業を予定し、船に氷を積み込むのに船長と機関士が「出社」しました。
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ご覧の通り、北の空は見事に晴れわたっています。日曜日は氷屋さんは営業していません。それでも長年の付き合いから、呼べば来て、氷を販売してくれます。しかし、せっかくの日曜日に、しかも早朝に定置網だけの為に来てもらうのは、こちらも気が引けてしまいますし、なんと言ってもポルトガルはヨーロッパの中で最も労働者保護政策がタフな国の一つですので、遠慮しています。
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ダーッと、氷を魚槽に流し入れ、明日に備えました。

日曜日。予想に反して、東よりの風は吹きやまず、「5月の時化」3日目となりました。その過ぎた様子が雲となって出現しています。
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15年ほどの経験など、こと自然に関しては全く役に立たず、「普通の天気」さえ知るまでに至っていないのよく分かります。だから、毎年のように「異常気象」を連呼しているのでしょう。
春から夏になる際は、当然のごとく気温は上昇していきます。それをグラフに示すと右肩上がりとなる訳ですが、そのラインはジグザグです。上がったり、下がったりを繰り返しながら全体的には上昇していきます。この「上がったり、下がったり」の起伏が今年は例年に比べ激しいように思っています。

さて。4日目です。新記録なるでしょうか。
ちなみに3日連続の「5月の時化」を喰らった2006年は、漁的には悪い年ではありませんでした。時化が多いということは、ある意味、「高水温」の指標として考えられますので、「漁もよくなる」、といった仕組みです。

このように、どうしてもこちらの都合のよいように考えがちですが、「これが天気」、「これが定置網」、「これが人生」だと思います。
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by mobulamobular | 2010-05-23 19:46 | 気象 | Comments(2)
Mola mola
ひと頃に比べたら、ずいぶんと少なくなりました。一時はその多さにただただ閉口(no comment)するばかりでしたが、数が減って仕事も楽になりました。
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学名 Mola mola、 英名 Sunfish、 ポルトガル名 Peixe lua (Rolin)、 和名 マンボウ です。

以前にも述べましたが、マンボウはポルトガルでは売れない魚です。「毒がある」という記述を目にすることもありますが、ことの真実は定かではありません。また、「毒がある」と「食べれない」は別ものだと思いますので、ポルトガルで販売が禁止されているというのは、「法律だから」と解釈できます。

しかし、水族館等には相変わらずの高い人気です。今も10数尾が水槽内で例のトレーニングを受けています。
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ポルトガルとイギリスとの合同で行っている行動追跡調査も毎年継続して行われています。下の図は昨年のレポートから拝借したものです。
"Long-Term GPS Tracking of Ocean Sunfish Mola mola Offers a New Direction in Fish Monitoring"
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さーて。そろそろ輸送の準備かな。
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by mobulamobular | 2010-05-20 00:20 | マンボウ | Comments(2)
カツオノエボシ
アルガルベの海岸、ゴミの少ないことには感心させられます。
観光地ですので、いつもクリーンなビーチを保つように心がけているのがよく分かります。それに、流れ着くゴミも少ないです。きっと対岸のモロッコでも、ポイポイとゴミを捨てたりはしないのでしょう。
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そんな中、まず最初に発見したのはヨーロッパコウイカのものと思われる「甲」でした。
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このサンド・パターンは昨晩雨が降ったことを物語っています。波に押され、ここまで行き着いた後、雨が降り、今日は未だここまで波が届いていない、という訳です。

しばらく行くと、2つ目の「打ち上げ生物」と遭遇しました。思わず、「デカイ」と叫んでしまいました。日本で通常見ていたものの優に倍以上はあるかと思いました。
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学名 Physalia physalis、 英名 Portuguese Man of War、 ポルトガル名  Caravela-portuguesa、 和名 カツオノエボシ です。
俗に言う「電気クラゲ」です。刺された経験のある方には、ゾッとする物体です。昔、外房の海で刺されたことがありますが、正直、"跳び上がれない"ほどの痛さです。水に浮いているものでも、泡のようなものの先に青い触手が伸びており、比較的簡単に発見でできます。
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この英名がクールです。「ポルトガルの軍艦」と和訳されますが、今時の空母やフリゲート艦のことではりません。ポルトガル名を見れば分かりますが、"Caravela"とは確かに軍艦とか戦艦になりますが、大航海時代の帆船のことです。海面にプカプカ浮かんでいる姿が"Caravela"に似ていることから付いた名前だと思います。
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ポルトガル海軍の現状についてはよく知りませんが、「ポルトガルの軍艦」は今も昔と変わらず、最強のパワーを誇っていますので、海で見かけた際には、触らないようにしましょう。
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by mobulamobular | 2010-05-17 00:48 | 自然 | Comments(2)
Les Echos.fr
Thon rouge - フランス語で「クロマグロ」(Thunnus thynnus)のことです。
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5月15日より巻き網船による地中海内のクロマグロ漁が解禁となります。それに先立ち、フランスの大型巻き網船3隻がフランス南部モンペリエ近くの港から出航する際、環境保護団体Greenpeaceの妨害を受けたというニュースです。
場所は港内、周囲の目があるためフランスの水上警察がこの妨害行為を制圧し、船は無事出港した様子ですが、何れにせよ、とても危険な状況にあると思われます。すったもんだありましたが、とりあえず彼らのクロマグロ漁は認められた訳ですから、彼らは仕事をすることになります。フランス以外からも同様に出漁する船があります。それらが沖で対峙することになったら、ちょっとヤバイことになるかもしれません。彼らが日本人のようにおとなしく漁への妨害行為を見過ごすとは思えないからです。

漁期は6月15日までの1か月間です。
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by mobulamobular | 2010-05-15 00:48 | マグロ | Comments(0)
アジの利用方法
今日は型のよいアジが多く定置網に入りました。
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ニシマアジ(Trachurus trachurus)です。まずは鮮魚として水揚げです。でもこんな時は相場は下がりがちです。
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そこでオーダーのあった「活アジ」を一気に1000尾ほど確保しました。
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船の魚槽から活魚施設に移動します。そこで出荷まで待機です。尾数をカウントします。
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あのチャールトン・ヘストンくんも応援に駆けつけます。
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そして、最後の利用方法が「かぶす」です。北陸地方で漁の分け前のことをだそうです。ポルトガルにもこれと似た言葉がります。"Caldeirada"です。「かぶす」に「かぶす汁」があるのと同様に、"Caldeirada"というポルトガル料理があります。魚・野菜などを入れたごった煮です。また、この漁師の分け前が「当たり前」の語源にもなっているらしいです。とにかく、皆んなでアジを分け合います。
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これ、いい加減にやると争いのもとになるため、配分はかなり神経質になっています。
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by mobulamobular | 2010-05-13 00:20 | 活魚 | Comments(0)
チャールトン・ヘストン
もちろん本名ではないのですが、彼を見ているとどうしても「猿の惑星」のチャールトン・ヘストンを思い出してしまうのです。
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結局は、大昔に見た「猿の惑星」のイメージと毛むくじゃらな外国人の印象がミックスした幻想のようなものが、頭の中でそうさせているだけのことです。

35歳。もうじき2歳になる長男が生まれたころ、定置網にやってきました。趣味は酒、ではないのですが、けっこうな酒豪です。
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定置網の漁師は何でもやらなければなりません。ですから他に「特技」を持った漁師は歓迎されます。彼の場合、もともと漁師ではありませんでした。定置網に来る前に漁師免許を取得したのです。その前は十数年にわたり腕前には定評のある左官屋さんでした。これはちょうどよい、ということで、入社したての彼を海には行かせず、活魚水槽のベースをセメント施工する仕事を任せました。2~3日後、現場の様子を見に行くと、なんとそこにはベロンベロンに酔っぱらった彼の姿がありました。
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水代わりにビールを飲むのはごく普通のことなので、飲酒自体どうってことないのですが、ちょっと飲み過ぎです。即刻クビ、とも思ったのですが、一応、話をと思い、翌日キャプテンとともに彼に理由を尋ねると、はじめグズグズ言っていた彼が突然泣き出し、「オレはもう~左官屋の仕事はイヤなんだ~。海に出てもっと自由に伸び伸び仕事がしたいから定置網に来たのに~。」と、なってしまいました。
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でもその後は定置網の状況を理解してくれたらしく、「昔取った杵柄」で、今回も新処理場の排水溝の修理をやってくれました。

何があったかは知りませんが、イヤなものは嫌だという気持ちは分かります。でも周りのサッカー話に構うことなく、排水溝の段差をミリ単位で整える時の彼の目はプロのものでした。ちょっともったいないな、とも思いますが、これは彼が決めたことです。

それって、最高だね。
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by mobulamobular | 2010-05-11 00:35 | 漁師 | Comments(2)
随伴魚
たぶんこの魚をポルトガルで水揚げしているのは、アルガルベの定置網ぐらいだろうと思っています。それほどメジャーな魚でありながらポルトガルでは知られていない様子です。
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上の写真はマグロです。漁獲され、船上処理され、水揚げされたところです。専門用語では「ドレス」の状態と言います。シーズンオフにはいろいろすったもんだありましたが、なんとか始まりました。ぼちぼち入網があります。

話をもとに戻しますが、この魚が何に随伴するかというと、マグロに随伴するのです。しかし、通常「随伴魚」というと、流れ藻や流木、あるいは船などにピッタリついて一緒に泳ぐ小魚のイメージなのですが、この場合は違います。実際目で見たことがないのでなんともですが、ようするに「マグロと同じ水を回遊している」と考えています。この魚が定置網に入り始めると漁師は「マグロがすぐ近くまで来ている」と思うのです。そんな意味での「随伴魚」です。
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学名 Cheilopogon pinnatibarbatus pinnatibarbatus 、 英名 Bennett's flyingfish 、 ポルトガル名 Peixe Voador 、 和名 ありません。
トビウオです。トビウオ科(Exocoetidae)には世界で70種類あまりが存在し、近辺ではそのうち8種類が生息するそうですが、今まで定置網で漁獲できたのは本種のみです。
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胸鰭です。
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そして、腹鰭です。

背開きで、塩ふって、干します。
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by mobulamobular | 2010-05-09 00:44 | | Comments(0)
カレイ
本当はもっと早くに出発予定だったのですが、例のアイスランドの火山の影響でずいぶんと遅くなりました。
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学名  Pleuronectes platessa、 英名 (European) Plaice、 ポルトガル名 Solha (-legitima)、 和名 プレイス です。
カレイ科(Pleuronectidae)、ツノガレイ属(Pleuronectes)の1種です。でも、未だ全長15cmほどの幼魚です。成魚では1mにもなるそうです。そして、これは養殖魚です。図鑑等では「ヨーロッパで一番多く獲れるカレイ」とかになっていますが、天然物はアルガルベではあまり見ません。もっと北の方に多く生息している様子です。ポルトガルでは前述の"Solha"という名前でいろいろな種類の魚が呼ばれ、売られています。参考までにカッコ書きで"legitima"と記載しましたが、一般的には通用しないと思います。上の写真では水中のため、赤色が減衰していますが、鰭や体表に赤い斑紋が点在していますので比較的容易に見分けられると思います。
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1尾ずつビニール袋に入れ、酸素を満たし、しっかり密封をして、発泡スチロールの箱に入れ、それをさらに段ボール箱に入れ、トラックに載せ、一路空港へ。

何だか、また、風向きが悪く、飛行機がキャンセルになったとか。
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by mobulamobular | 2010-05-05 00:50 | 活魚 | Comments(3)