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セニョール・ゼカ
今年の活魚出荷もこれが最後となります。最終目的地は"コペンニャーガ"(デンマークの首都コペンハーゲンをポルトガル語で言うとこうなります。)です。
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いつものようにトラックをを手配し、円形水槽を積み込みます。まずはリスボン空港まで陸路ですので水槽の蓋の上にはフィルターや循環ポンプ用のバッテリーが置かれていますが、飛行機に載せ換え後はそれらは全て外され水槽は密閉されます。
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ミゲルがビニール袋に入れたハガツオを持ってタンクからトラックへと走ります。
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アカエイも出発です。おっかない尾っぽの棘がピンと立っています。
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そんな若輩者らの傍で一人の紳士がせっせと出荷されていく魚の尾数をカウントしています。この人が"セニョール・ゼカ"です。若輩者らのよき協力者です。信じられないくらい元気なのですが、もうすぐ81歳になります。ですからオリャオの港を中心としたこの地域の生き字引的存在です。最近、港内で大掛かりな清掃作業が行われたのですが、誰も前回の清掃作業の記憶がありません。それをセニョール・ゼカに尋ねると、「そうだなぁ~、前回は25年くらい前だったかな。」、てな感じです。この日現場にいたほとんどの若輩者らが生まれる前の出来事、もしくは赤ん坊時代のことでした。
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1991年、この地を定置網プロジェクトの視察で初めて訪れた時、彼はもうここでこうしていたように記憶しています。昔は、IPIMAR(ポルトガル海洋研究所)の職員でした。定年退職後も施設の管理などを任され、今では仕事の合間に息抜きで彼のもとを訪れる人も少なくありません。そんな時はワインとショリッソ(ソーセージ)とチーズをこよなく愛します。しかし、人柄なのでしょう。皆さん、セニョール・ゼカの顔を見るとなんとなくホッとするようです。
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by mobulamobular | 2009-11-29 03:14 | 活魚 | Comments(2)
我武者羅
15年目のシーズンが終わろうとしています。
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この時に過去をどのような言葉で表現したらよいかを考えたのですが、「我武者羅だった」が適当のようです。
異なった文化の中、言葉も生活習慣も違う仲間らと一緒に一つの目標に向かって突き進んできた月日は、それなりに楽しくもあり、刺激的でもありました。
互いに影響を受け影響を与え、ただでさえ毎日のように魚と戯れていることで半魚人化した脳ミソで考える世界観は凡人の域にあらず、しばしば旧友を困惑させ実世界の叱責を受ける事態に陥ってしまいました。
外人から家族や友人とはまったく異なった意見を聞かされ、時にはそれを厳守し実行しなければならない立場の儚かさ。一方、右側通行を危険を顧みず逆走する愚かさ。
すべてが我武者羅に行なわれてきました。「異文化の融合」とは人と人との交りあいです。決してモノのみではありません。身をもって実感した我武者羅な15年でした。
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by mobulamobular | 2009-11-14 01:57 | 定置網 | Comments(6)
サグレス
ちょっと用事があってサグレスまで行ってきました。定置網の母港であるオリャオからは、西へおおよそ100kmの距離です。今ではほとんどが高速道路ですので1時間ほどで到着です。
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ユーラシア大陸最南西端となるCabo de São Vicente(サン・ビンセント岬)とそこの灯台です。昔はこの灯台の敷地内に入れたのですが、今回は閉っていました。三方が海というロケーションですので、いつもは大概風がビュービュー吹いているのですが、この日は比較的穏やか天候でした。さて、"Sagres"というといろいろなことが思い浮かびますが、ポルトガルで生活しているとまずは「ビール」ということになるのではないでしょうか。
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ビールにはSagres他、数種類のポルトガル製ビールがありますが、これが一番のお気に入りです。
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こんな感じで、いろんなところを走っています。次に思い出すのは、やはりサッカーです。ポルトガルのプロサッカー1部リーグの呼称が"Liga Sagres"(サグレス・リーグ)とかになっています。
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しかし、やはりここはポルトガル大航海時代の拠点で、昔の勇者が見た光景をそっくりそのまま見ることができ、体感できる、正に武者震いしそうな地の果てなのです。こんな断崖絶壁のところから、よく日本まで行こうなどという気持ちになったものだと、あらためて感心させられます。昔のポルトガル人はよっぽど凄かったのでしょう。しかし、今も昔もサグレスは"end of road"ですから、ここから先へ進むには海に出るしかなく、血気盛んな探検家たちは迷うことなく大海原へ旅立って行ったのかもしれません。
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最後にもうひとつ。サグレスにとても縁深い人物がいました。大昔のポルトガルの王子様である「エンリケ王子」です。彼は航海術の基礎を築き、国の発展に大いに貢献した今も昔も変わらぬポルトガルのスーパーヒーローです。ですから「航海王子」と呼ばれています。これのポルトガル名が"Infante de Sagres"となり、今回利用した前述のアルガルベの高速道路(A22号線)も"Via Infante de Sagres"(航海王子通り)と呼ばれています。
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by mobulamobular | 2009-11-09 00:19 | ポルトガル文化 | Comments(2)
ハガツオ
面が似ていることから「キツネガツオ」と呼ばれることも多いです。今まで幾度となく脇役での登場はありました。
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学名 Sarda sarda、 英名 Atlantic bonito、 ポルトガル名 Sarrajão、 和名 タイセイヨウハガツオ。
鋭い歯が特徴的なので、こう呼ばれています(魚顔参照)。こちらでは広く「ボニート」の愛称で呼ばれていますが、市場等では「鋸」を連想させる"Sarrajão(サラジョン)"、もしくはSerrajão(セラジョン)という魚名になっています。この2つの魚名については発音が微妙で「言う人」、「聞く人」によって異なるのが現状です。
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ハガツオは通常春先に2~3kgの個体が比較的多く入る魚ですが、今回は珍しく秋に、しかも小型(1kgほど)のものが、少々まとまって入りました。
他のカツオ類と並べて見るとこんな感じになります。
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中央がハガツオですが、上がソウダガツオ(Auxis rochei)で下の2尾がスマ(Euthynnus alletteratus)です。
魚体が小さくなると、そろそろ今シーズンも終わり近しかな、と思うようになります。
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by mobulamobular | 2009-11-06 02:59 | | Comments(0)