<   2009年 08月 ( 6 )   > この月の画像一覧
ソウダガツオの来襲
今年は昨年からの記録的な低水温の後、一気に気温・水温ともに上昇、「暑い夏」となりました。そのせいか、今年はちょっと早めのお出ましです。
d0113817_2216354.jpg

今回で6度目の登場となりますが、あらためまして。 学名 Auxis rochei、 英名 Bullet tuna、 ポルトガル名 Judeu、 和名 マルソウダ です。
ここの定置網の稼ぎ頭です。昨年は低水温により少ない漁獲となったため、チャンピオンの座をサバに明け渡してしまいましたが、今年は王座奪回を期待しています。
d0113817_23281916.jpg

気になる水温はここのところ22℃前後(表層)で推移しています。南からの風が吹けば入りますし、北よりの風に変われば沖へと離れてしまいます。
d0113817_2331409.jpg

以前にも述べたように、ほぼ全量がスペインに行きます。市場にはスペイン人も買い付けに来ています。スペインで漁獲が少なければ高値ですし、多ければセリ値は半減します。
d0113817_2343375.jpg

ソウダガツオに混じってカツオ(Katsuwonus pelamis)も入っています。食べましたけど、美味しかったです。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-28 01:16 | | Comments(5)
フランス・アジ
暑くなりました。熱帯夜です。でも一年で一番暑くならなくてはいけない時なので、暑くなって安心、といったところです。でないと、後の海況や漁に悪い影響が出てきます。
これも数年ぶりに入って来ました。
d0113817_23565131.jpg

学名 Caranx rhonchus 、 英名 False scad、 ポルトガル名 Charro amarelo、 和名はありません。
ポルトガルでは"Charro-francês"と言った方が通りがよいかもしれません。ですから、「フランス・アジ」となります。ちなみに"Charro"はポルトガル語で「アジ」のことで、"amarelo"は「黄色い」という形容詞ですので、くっつけると「黄アジ」となります。魚体中央の黄色いラインがその名の由来と思われますが、もともとアジ類のポルトガル名には「白」や「黒」など種によって色分けする傾向がありますので、これもそのひとつと考えられます。
d0113817_054254.jpg

これもやはり脂瞼が発達しています。全長38cm、体重420g、背鰭条数はVIII+I+29、尻鰭条数はII+I+26、鰓杷数は16+39 でした。ギンガメアジ属の1種ですが、体型は丸みをおびた(体高のある)ものとは異なります。
d0113817_21373586.jpg

小離鰭(しょうりき)もあります。尾鰭下葉先端がカンパチのように白くなっています。体型が細身であること、魚体中央に黄色いラインがあることなども考え合わせると、「ぜいご」がなければカンパチやブリに間違えそうです。
d0113817_2138340.jpg

英名では"False scad"となっていますが、ギンガメアジ類は多くが"~trevally"とか"~jack"と呼ばれています。"~scad"はマルアジとかメアジとかムロアジとかに付く英名です。ですから、「ニセモノ=False」扱いされています。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-17 04:23 | | Comments(0)
Boops boops
ここの定置網付近で一番多く生息していると思われる魚と言えば、この種です。しかし、商業的価値はほとんどなく、地元小型巻き網でもイワシ、サバ等と混獲され市場に出ることもありますが、値がつく保証はありません。
d0113817_2355266.jpg

学名 Boops boops、 英名 Bogue、 ポルトガル名 Boga、 和名 ありません。
しかし、それでもタイ科(Sparidae)の魚です。定置網では前述のとおり、その内と外で水面下に時にあふれかえるほどの数を見ることができますが、漁獲はありません。性格が素早しっこいので、箱網に入ってもすべて網の目から外に出て行ってしまいます。
d0113817_2384639.jpg

見た目にもこれといった特徴もなく、水族館方面から声がかかることもありません。何でも食べる(omnivorous)本種は、よく潮の早い時などは定置網の"潮下"側で流されてくるものを盛んに捕食していることがありますが、ひょっとしたらこのせいで、ここの定置網にはムラサキイガイなどの付着生物が少ないのかもしれません。
目立ちはしませんが、必ずきっと何かの役に立っているのだと思います。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-14 01:33 | | Comments(0)
"<クロマグロ>国際取引の禁止を ワシントン条約提案へ"という報道について
ここに来る前、"<クロマグロ>国際取引の禁止を ワシントン条約提案へ"というexciteニュースを見ました。"大西洋(地中海を含む)クロマグロを、絶滅の恐れがある野生生物を保護するワシントン条約の対象に加え、国際取引を全面的に禁止する動きが浮上している。"そうです。この提案は"2010年3月13~25日にカタールの首都ドーハで開かれる同条約締約国会議に向けモナコが提案し、英仏独、オランダなど欧州諸国が賛意を示している。"そうです。
一方、米国は"太平洋の個体群も含めたクロマグロすべての国際取引を禁止する"提案を同上会議に出すことを検討しているそうです。
ワシントン条約(CITES:Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)ですので、クロマグロ漁が禁止になるのではありません。例えば、「日本にはクロマグロは輸入されなくなる」という話です。日本に来る海外からのクロマグロが途絶えれば、これは「日本ではもうクロマグロは食べられない」に等しい状況になると思われます。ですからこれは大変な問題です。しかし、もっと大変なことになると思われるのが、地中海海域でクロマグロの仕事に携わっている人たちです。彼らにとってクロマグロを日本に売れなくなることは、クロマグロを缶詰屋さんにしか売れなくなることに等しい状況となるからです。
いつだったか「クロマグロの漁獲割当量違反トップ国はイタリア、スペイン、フランス、日本」という記事を見た憶えがあります。ことの真実は知りませんが、こういうことを書きたてられること自体に日本は自嘲しなければなりません。だからこそ、ICCATの会議では率先して「漁獲量50%削減」を打ち出したのですが、押しの弱さで、世界には受け入れてもらえませんでした。もしワシントン条約でクロマグロの国際取引全面禁止が可決されれば、「時すでに遅し」となり、ついに「第2のクジラ」の誕生です。
上記違反国で個人的に一番気になるのがフランスです。この10年ほど地中海で養殖マグロ事業が盛んに行なわれるようになる中、フランスは自国でのマグロ養殖を許可しませんでした。しかし、沖でのマグロ漁はどんどんやらせ、それらを近隣諸国のマグロ養殖場に売り渡しました。これらはすべて「沖」での話です。フランスの港に帰港するマグロ船にマグロの姿はなく、それを見たその筋の人たちには「フランス船は問題なし」と思えたことでしょうが、実は違反国トップスリーに入っていたのです。それが今度はクロマグロの国際取引全面禁止の提案に早々に賛意を示しています。大国の考え方というか、これは経済ニュースではなく、まさに「びっくり」ニュースです。
EU内での取り引きは「国際取引ではない」とか言うのかもしれません。EUに入りたくても未だ入れないで、かつ、クロマグロ養殖事業を盛んに行なっているクロアチアとかトルコとかも大変です。EU諸国に囲まれているにもかかわらず、EUには属していないスイスはいわゆる「海なし国」ですから、これからは「永世中立国」に加え「永久にマグロが食べれない国」と呼ばれるようになるかもしれません。
経済不況の中、なんかいろいろな人間やグループの思惑が見え隠れしています。「世知辛い世の中」です。
d0113817_23415096.jpg

ポルトガルはEUの一員です。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-12 00:28 | マグロ | Comments(6)
山火事
アルガルベでは6月の中旬に少々のお湿りがあった以降、連日の晴天でそこらじゅうがカラカラの状態になっています。
こうなってくると思いだされるのが何年か前にあった大規模な山火事です。今回も「またか」と思いました。
d0113817_032064.jpg

ポルトガル語では"Incêndio"と言います。夏の午後特有の強い南西風にあおられ、さらに勢いを増すかに見えた先日の山火事は、幸いにも前回の教訓が見事に生かされ、大規模であったにもかかわらず、初期の迅速な消火活動が功を奏し、一昼夜のうちに見事に消し止められました。
「やればできるじゃん。」といったところです。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-10 00:59 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ムロアジ
記録破りの低水温からようやく例年並みとなり、海もやっと「夏っぽく」なった中での1尾です。記憶が正しければ、定置網への入網はもちろん初めて、市場でも今まで見たことがなかったと思います。群れで生息しているものと思いますが、漁獲はこの1尾のみでした。
d0113817_532368.jpg

学名 Decapterus tabl、 英名 Roughear scad、 ポルトガル名 Carapau cauda、 和名 オアカムロ、 です。
ムロアジ属の1種です。ムロアジと聞くと干物の「クサヤ」をすぐ思い出しますが、この種は刺身でも美味しいそうです。いつも魚種の同定で利用している"FNEAM"ではムロアジ属はD.macarellus(クサヤモロ)とD.punctatus(クロホシムロアジ)の2種のみが記載されており、本種は載っていません。ではこの海域には生息していないのかというと、そうではなく、世界中の海はつながっていますので、今回のようにたまに珍しい魚が入ることがあるのが定置網で、それが定置網の面白いところであり、驚きでもあります。
d0113817_632456.jpg

脂瞼が発達しています。ふだんは比較的深い海を泳いでいるようですが、何を間違えたのでしょうか。全長34cm、体重400g。背鰭は9本の棘条と32本の軟条、尻鰭は3本の棘条と24本の軟条でそれぞれ成り立っていました。
d0113817_64739.jpg

和名通り、尾鰭はうっすら赤く色づいており、小離鰭(しょうりき)があります。どう見てもオアカムロだと思いますが、たぶん実際にこの魚を見なければ「アルガルベにはオアカムロは生息しない」ということになっていると思います。
d0113817_2104252.jpg

ちょっと鰓も調べてみました。鰓杷は40でした。
それにしても、昨年投稿した「アマシイラ」しかり、これらの銀と赤の配色の魚にはますます謎めいたものを感じさせられます。上記ポルトガル名ですが、Fishbaseに記載されているアフリカ・モザンビークでの呼び名です。ポルトガルではもし呼び名があるとすれば"Charro-?"となると思いますが、不明です。
[PR]
by mobulamobular | 2009-08-03 02:32 | | Comments(0)