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クロマグロ 2009
おおよそ1年前になりますが、クロマグロの記事を投稿しました。あれから今日まで地中海を中心とするクロマグロ事情はがらりと変わったように思われます。理由はふたつ。昨今の「経済危機」とICCATによる「漁獲割当量(Quota)の削減」です。
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まずは前者ですが、経済危機により今まで見えにくかったいろいろな問題が露呈してきたと思います。これもちょうど昨年の今頃、「将来、品薄でマグロが食べれなくなるのではないか」という新聞テレビ等の報道をよく目にした記憶がありますが、一年後の現在の個人的な見解としては、需要の減少により必然的にマグロは余っている状況だと思います。前述のとおり()、蓄養マグロではそれでも後がつかえているので無理して出荷しようとして質を落としている結果となっているように見えます。次に後者ですが新たな漁獲については割当量の削減により、漁を見合わせたり、すでにイケス内にいるものを逃がしたりするところもあるようです。しかし、これについても今の経済状況が大いに影響していると思います。

こう景気が悪い方に向いていると、本来の目的である「マグロ類の資源を最大の持続的漁獲を可能にする水準に維持するための漁獲量削減」などという大義名分はどこかへ行ってしまい、理由はとてもシンプルに「売れないから」もしくは「ペイしないので」漁獲量を減らす方向に自ずと動いている様子です。

やはり、獲る側、売る側のみならず、もう少し「買う側」あるいは「地中海マグロを輸入する側」の規制を強化すれば、今のような現場での混乱は避けられるのではないかと思います。
この点、日本人の責任は重大です。
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by mobulamobular | 2009-07-25 12:51 | マグロ | Comments(0)
Hmmm...
やっぱり、といった感じでしょうか。あの"ASAE"に裁判所から「違憲」との判決が言いわたされました。
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運よく、前回利用した新聞の切り抜きの写真と同じものが、再び別の新聞に使われていました。やはり、「市民とASAEとショットガン」の構図は誰の目にも異様に見えたことなのでしょう。
適正な食品衛生状態、ルールに基づいた経済活動を検査するのは大いにけっこうなことなのですが、そのために武装することがどうしても理解できませんでした。裁判所も同様に、検査そのものは認めていますが、それに伴う「警察活動」が憲法違反であるとのことでした。ようするに逮捕や罰金を課したり、市民に銃口を向けたりすることはできないということです。
今後、さらなる裁判所の判断に注目です。
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by mobulamobular | 2009-07-21 00:21 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ポルトガル語では"Nevoeiro"と言います。
年に数回程度ですが、ここでも濃い霧が発生し船の航行の妨げになることがあります。
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特にここでは外海に出るまで"RIA FORMOSA"内を走らなければなりませんので、船長は神経をとがらせます。定置網船にはGPSプロッターやレーダーが備え付けてありますので、霧だろうが暗闇だろうがどんどん走っていけますが、他船には気をつけなければなりません。
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一方、ここのところずうっと霧がかかった状態で先行きが読みきれないのが世界経済です。遅ればせながらアルガルベでも景気の悪い噂話を聞くようになりました。とは言え、市場での魚の値段が極端に下がったとかいうことはありませんので、定置にまでは悪影響は達していません。しかし、ここのところ漁獲量の締め付けがより厳しくなった地中海マグロ業界では加えて不景気の逆風が吹き荒れたことから、今までは湯水のごとく投資を繰り返し拡張路線一本だったのが、経費削減の必要性に迫られています。傍目では「質」を落としているように思われ、よい傾向とは言えません。
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先日、"NOAA"などからエルニーニョ現象がおおよそ6年ぶりに発生したという発表がありました。今後来年の冬まで持続する可能性があるとか、これも先が見えません。エルニーニョおよびラニーニャ現象は通常太平洋での出来事として扱われますが、実は大西洋にも同じように「大西洋エルニーニョ」および「大西洋ラニーニャ」が存在すると言われています。双方とも地域の気候に大きな影響を及ぼすことは分かっていますが、両者のエルニーニョ現象の関係については未だはっきりしたことは分かっていないようです。
今月の水温は最低記録を更新中です。過去13年間の7月の平均水温(19.55℃)と比べると3℃ほど低くなっています。これ以上この状態が続けば、また「異常気象」と表現しなくてはならなくなります。
何れにせよ、先の見えないことばかりですが、先が見えないからこそ面白みが増すこともありますので、日々の仕事に精進するのみです。
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by mobulamobular | 2009-07-18 00:32 | 気象 | Comments(0)
Sunday Fishermen
これは世の常です。
定置網の仕事に携わっている人であれば、この問題の奥深さはご理解いただけると思います。
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これから夏本番ともなれば日曜日に限った話ではなくなりますが、今の時期は特に日曜日にどっと数が増えます。
ここにも規則(法律)みたいなものはありますが、ほとんど効力をなしてはいません。かと言って、法は破るためにあるもの的無秩序集団がごった返しているわけでもありません。
海とポルトガルは切っても切り離せないほど密接な関係であることは大航海時代以降変わりはありませんが、意外とポルトガルでは一般の人が自由に海に出れるようになってからはまだ日が浅いのです。よって、海のことはよく知られていないというのが実情です。
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定置を始めた1995年にはこんなにサンデーフィッシャーマンは存在しませんでした。沖だけではなく、丘っぱりの釣り人の姿もまれにしかお目にかかれませんでしたが、今では日本の釣り具メーカーのタックルをそこら中で見ることができます。
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知らないことが災いして沖での釣りも褒められたものではありません。でも好きだからやめられません。潮の流れが早かろうが遅かろうが、彼らは釣りをするために船を停めたがります。そのため処かまわずアンカーを打ちたがります。ここではスパンカーやシーアンカーの類を使用する者は皆無です。エイっと投げ入れられたアンカーが後に定置の土俵や碇綱に引っ掛かり回収不可能となります。そのままあきらめてくれればよいのですが、不得要領の太公望が無理をする場合があります。
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「危ないですからやめてください。」「もうちょっと向こうの方で釣りしてください。」ってやってます。
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by mobulamobular | 2009-07-15 00:23 | 定置網 | Comments(0)
肥満
英名 Obesity、 ポルトガル名 Obesidade、 和名 肥満 です。
最近、「健康」に関する話題は猛威をふるう新型インフルエンザに乗っ取られ、「肥満」に対する関心は少々薄らいでいるようにも思われますが、成人病の元凶であるため引き続き何人とも注意が必要です。
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上の新聞コピーの内容はポルトガルにおける「肥満」についてです。「2004年から今までおおよそ9000人が肥満が原因で亡くなった」といったところでしょうか。「年間1500人以上が亡くなっている」勘定です。人口1千万人足らずのポルトガルにおいて、この数字が他国に比べ多いのかどうかは分かりませんが、「外国人」の目から見たポルトガル人は太った人が多いようにも思えます。その証拠がけっこう身近にありました。
週末にイヤな知らせがありました。62歳になる定置網の漁師が倒れて救急車で病院に担ぎ込まれた、というのです。原因は「高血圧」でした。幸い、大事には至らず、病院で診察を受け薬を処方してもらい、今日にはちょこっと事務所にも顔を出すほどに回復しました。この漁師もご多分にもれず、コテコテした食べ物が大好きで、おまけに孫娘と一緒にアイスクリームやケーキの類をバクバク食べていると以前からの評判でした。プックリ太っているわけではありませんが、ポッテリ腹が出ています。ちょっと「ポッテリ」が過ぎるので、最近の会話でも「そろそろ気をつけろよ」なんていうのもあった矢先でした。
そこで漁師全員の肥満度チェック(BMI)を実行しました。結果は、(実はやる前から分かっていたことですが、) 全体の約6割強が「肥満」および「肥満予備軍」でした。個々のプライベートに関する事柄ですが、ここは「内々で公」にすることで、全員に注意を促すことにしました。
せっかくですので、チャンピオンの腹を少し観察です。
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彼は1995年の定置網創業以来のメンバーの一人で、この間の苦楽をともにしてきた仲間です。皆からはCavaco(カヴァコ)と呼ばれています。当時のポルトガルの首相がカヴァコ・シルバ(現ポルトガル大統領)だったため、それにあやかり、通常はファーストネームで呼ぶところをあえて彼の名字で呼ぶようになりました。今では副船長として後進の指導も彼の大事な役割なのですが、「自分でやる」ことが少なくなってきたためか、ここ数年でこの有様です。貫禄あり過ぎです。
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by mobulamobular | 2009-07-08 06:38 | 漁師 | Comments(0)
アカエイ
訳ありで、2度目の登場です。過去の記事(スティングレイ)を参照ください。
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学名 Dasyatis pastinaca、 英名 Common stingray、 ポルトガル名 Uge、 和名 未だないと思います。
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アカエイというと「人なつっこいエイ」というイメージがあると同時に、「よっぽどドジをしない限り大丈夫だけど、間違って刺されたらけっこう痛そうな尾っぽにある棘の持ち主」、といった印象を持っています。
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では、なぜ「訳あり」かというと。先日、定置網のアンゴラ出身の黒人漁師が、船上に水揚げされてまだピシャピシャしているアカエイの棘を足に刺してしまいました。刺さった瞬間に激痛が走ったようで、「ウァオー」と奇声をあげ、片足でデッキ上を飛び跳ね、あっち行ったりこっち行ったり。それを別の船から見ていたミゲルが思わず、「マイケル・ジャクソンだ!!」と叫んだのです。

数日後、その「M・ジャクソン」が亡くなってしまうとは、その時誰もが想像しなかったことです。

同世代ということもあって、M・ジャクソンの歌はよく聞きました。勝手ながら、「お世話になった」とも思っています。それはというと、昔、初めてアフリカに行った時、右も左も分からない中、すべてが想像を絶する雰囲気に少々ハイな気分で、異文化と自分との接点を追い求め、さまよい歩き、行き着いたレストランで聞いたM・ジャクソンの歌に、とてつもない安堵感をおぼえた記憶があるからです。
何もかもが異なる世界で、それが唯一の「共通点」でした。

pelo "Wacko Jacko".


追記 - アカエイの棘を足に刺した黒人漁師は仲間から愛称で「グレーリャ(Grelha)」と呼ばれています。"Grelha"とは「魚などを焼く網」のことです。いつもながらこちらの人間のユーモアに富んだあだ名付けのセンスには感心します。ようするに色が黒いことから「焦げた」イメージでそう名付けられたのですが、親しみを込めて皆から呼ばれることで、本人もこのあだ名に満足している様子です。
足の方は大事には至らず、翌日からまた元気に沖に出ています。
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by mobulamobular | 2009-07-03 20:21 | サメ・エイ | Comments(1)