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ネズッポ
こちらにはキス(Sillago)がいません。
「鱚」と書き、日本では「シロギス」(Sillago japonica)に代表されるように、海岸近くの比較的浅瀬に生息し、身近で釣りが楽しめて、おまけに至極美味しい魚として有名です。
その「外道」として時々もっと美味しい魚が釣れることがあります。それが「ネズッポ」です。場所によっては「メゴチ」とか「ネズミゴチ」とか呼ばれているものです。
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学名 Callionymus lyra、 英名 Dragonet、 ポルトガル名 Peixe Pau Lira、 和名はありません。
この個体はもちろん、定置網に入ったものです。ネズッポ科(Callionymidae)の魚はたくさんいて分類が非常に難しいとされているようです。ポルトガル近辺では6~7種が生息しているようですが、何れも現地では珍しい魚種です。
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今回のものはどうやら成熟した「オス」の個体のようです。メスや未成熟の雄には、体に「青いマーク」はないとされています。
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上記のポルトガル名ですが、Peixe=魚、Pau=棒、Lira=たて琴、という意味です。第1背鰭の第1棘が長く、寝かせると尾鰭の基部にまで達します。この棘のことを「棒」と表現したものと思われます。また、第1、第2背鰭ともに開くと色鮮やかな膜を見ることができます。これらを総合して「たて琴」を想像したものと考えられます。
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このたて琴は日本では「ライアー」と呼ばれている弦楽器と思われます。古代ギリシャ時代からの古い楽器のようです。学名の"lyra"という種名についても同様です。よって、和名については「タテゴトネズッポ」が適当かと思います。
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英名の"Dragonet"という呼び名はしばしばネズッポ科の魚の総称として用いられているようですが、本種が正真正銘の"Dragonet"です。
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以後、よろしくおねがいします。
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by mobulamobular | 2009-03-31 00:15 | | Comments(2)
網入れ
2009年3月吉日。

いつもどおり、日の出とともに。
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船団を組んで出港です。
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道網(垣網)、ポルトガル名:Rabeira、 英名:Leader Net、 の網入れ作業です。
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多少波のある中、潮も理想とは逆の流れがやや早く、それでもポルトガル人漁師のみでやってのけます。
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翌日は箱網、ポルトガル名:Copo、 英名:Box Net、の網入れも無事終え、いよいよ操業再開です。
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by mobulamobular | 2009-03-29 00:26 | 定置網 | Comments(0)
Madredeus
思いっきり風に吹かれました。
高気圧の縁に沿って一気に春の空気が舞い込んで来ました。
春分の時期、よくあることですが気をつけたいです。

さて、3月21日に地元オリャオで、新しくできたAuditório(公会堂)の落成式が行われます。
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式典に続いて、夜には元Madredeusのボーカルだったテレザ・サルゲイロ(Teresa Salgueiro)のコンサートもあるそうです。
Madredeusはマラソンのロザ・モタ(Rosa Mota)に続く数少ない日本で認知されたポルトガル人の音楽バンドです。
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Madredeusとは「造語」のようです。正確に表すと"Madre de Deus"ということになり、意味はようするに「聖母マリア」となりますが、
"Madre"はちょっと古い単語なので、今では"Mãe"(母)を用い" Mãe de Deus"と言うのが普通のようです。
「聖母マリア」というと"ファティマ"や"祝日"にも出てきたようにいろいろな「呼び名」があります。
"Nossa Senhora"というのも「聖母マリア」の呼び名の一つですが、これのイタリア語になったものが"Madonna"(マドンナ)です。
彼の"Like a Virgin"も血気盛んな若者たちが想像しているような意味とは別に、そういったニュアンスもあるんだなと変に納得してしまいます。

ニュー公会堂は水産加工場の跡地に建設されました。そこはずいぶんと長い間廃墟として放置されたままでしたので、
その間の「実質的オーナー」の意向が「とり」入れられ、中央にそびえ立つ煙突が壊されず、残ることになりました。
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すでに何度も登場しましたが、オーナーのコウノトリです。今も煙突の上には彼らの巣があり、新しい命が芽生えています。

"Madonna"がどうだかは知りませんが、ポルトガル語の" Mãe de Deus"や"Nossa Senhora"は、英語の「オーマイゴッド」のように
「ナンテコッタ」、「ビックリシタナ、モー」的にも使われます。
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by mobulamobular | 2009-03-20 00:41 | ポルトガル文化 | Comments(0)
カスベ
「カスベ」にしました。再びガンギエイ科(Rajidae)の1種ですが、なんとなくタイトルは「カスベ」にしてみました。しかし、「ガンギエイ」と「カスベ」の違いについてはよく分かりません。
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学名 Raja(Rostroraja) alba、 英名 White skate、 ポルトガル名 Raia teiroga、 和名はないと思います。
背中の2つの白点は模様ではなく、「傷あと」です。市場にまで運ばれる間にできたものですので、あしからず。ポルトガル名は以前に"Raia tairoga"と記しましたが、どちらでも可です。しかし、名の由来が"arado"(犂)という昔、畑を耕す際に馬牛にひかせた農機具の先端である"teiroga"(このカスベの吻のように尖がっています)だと思われますので、今回は"Raia teiroga"としました。
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よって、和名は勝手ながら「スキカスベ」にしようと思います。
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定置網のものではありません。底曳網船によって漁獲されたものです。アフリカ~ヨーロッパの大西洋岸に広く生息しており、一部は南西インド洋にまで達しているとのことですが、太平洋にはいないようです。
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by mobulamobular | 2009-03-16 00:35 | サメ・エイ | Comments(5)
Mero
定置網は未だですが、春とともに市場に水揚げされる魚たちが若干華やいできました。
そんな中、ハタ科(Serranidae) の1尾です。
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学名 Epinephelus marginatus、 英名 Dusky grouper、 ポルトガル名 Mero、 和名 ありません。
ので、また勝手に命名しようと思いましたが、よい名が出てきません。やはりこの魚には"Mero"という名がよく似合っていると
思いますので、「メロ」と呼ぶことにします。
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この学名にある"marginatus"は他の魚や、いろいろな動植物の学名にも使われている種名です。もとはラテン語なのでしょうが、
意味は「縁取りのある」といったような、英語の"margin"のそれです。
メロは成長するとは1.5mほどにもなるのですが、今回のものは60cmほどの未だ幼い個体ですので、目立った"margin"はありませんが、
大きなもには確かに尾鰭や尻鰭等に鮮明な白い縁取りを見ることができます。
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さて、メロは「雌性先熟の雌雄両性」(protogynous hermaphrodite)です。聞きなれない言葉ですが、サレマと比較して見てください。
雌として成熟した後に雄になります。サレマはその逆です。
メロの場合は前述のとおり、大型魚です。ですが、子育て中(産卵期)はどの動物も同様に外敵に襲われる危険度が増す時ですので、
その時に体が小さく、目立たない方が都合がよいという訳です。逆に大きくなってからは小さな雌たちを外敵から守るということになります。
誰が考えたのかは知りえませんが、神秘です。
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名の由来の別解釈
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by mobulamobular | 2009-03-11 01:33 | | Comments(5)
やってる、やってる
側張りの清掃・点検・補強作業です。
まだまだ天候は安定せず、少し風があったり、少し波があったり、寒かったりです。
今日は「靄」がかかっていました。
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英名 Mist、 ポルトガル名 Nevoeiro、 和名 靄(もや) です。
アフリカからの暖かい湿った空気が南東風としてやってきた時、水温の低い海上を通過する際冷やされ「霧」となります。
「霧」と「靄」は同じものです。違いはどれほど「ガスってるか」です。ポルトガルでは1km先が見えない時を「霧」といい、
1km以上見えれば「靄」と表現しているようです。

ちなみに霧(きり)は、英名 Fog、 ポルトガル名 Neblina です。
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by mobulamobular | 2009-03-03 00:07 | 定置網 | Comments(0)