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スティングレイ
スティングレイ(Stingray)と聞いてアメ車の名前を思い出すのは、ちと年をとったということでしょうか。
もともとはアカエイ科(Dasyatidae)のエイの英名です。名前のとおり、尾に鋭い棘を持っています。
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学名 Dasyatis violacea、 英名 Violet stingray、 ポルトガル名 Uge violeta、 和名 カラスエイ です。
世界中の熱帯~温帯海域に生息していまが、他のアカエイ科の仲間が比較的浅瀬の砂や泥の底にベッタリ(Benthic)と
生活しているのとは異なり、この種は外洋性で遊泳して(Pelagic)生活しているそうです。
Fishbaseなどでは英名は"Pelagic stingray"となっています。
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もう一つの特徴は、他のエイ類は腹側が白っぽく(時にまだら模様)なっているのに対し、カラスエイは上の写真のように
背側も同様の色彩となっています。
"ovoviviparous"です。この個体は体盤長60cm、6.3kgでした。この時期、しばしば定置網に入ってきます。

もう1尾、アカエイです。
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学名 Dasyatis pastinaca、 英名 Common stingray、 ポルトガル名 Uge、 和名 分かりません。
"Common"となっていますが、この種の方がここの定置網では珍しくなっています。
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by mobulamobular | 2008-08-31 01:23 | サメ・エイ | Comments(0)
うらはら
8月のにぎやかさとは裏腹に海は静まりかえっています。"よくあること"ですが、今年は「今までになく」涼しい(過ごしやすい)8月となっており、水温も8月としては「過去に記憶がない」ほどの超低温となっています。Praia(ビーチ)は海水浴客でごった返していますが、誰も海に入っていないというのが実情です。こういった「異常気象」はとたんに定置網の漁にも影響を与えます。
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例年ですとめったに入ることのないXaputa(シャプータ)です。今年は他の漁師から分けてもらう必要もなく、逆に、みんなに分けるほどです。冷水が運んでくれたちょっとしたプレゼントです。
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下がニシマアジです。低水温域にいたことを物語るように、肉厚で脂ののった、丸々とした絶品です。一方、上は黒ニシマアジです。これはやはり酢漬けにでもなるのでしょう。何れにせよ、いつもの8月にはあまり見ることのない魚たちです。

加えて、Biquerão(ビケロゥン)です。それも大量です。やはり、こんなことは「今までに見たことも聞いたこともありません。」、となります。

しかし、こう長く超低水温が続いていると、そろそろおどけてばかりもいられない状況になってきます。ちなみに今日の水温は表層が17.5℃、底が15℃でした。










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by mobulamobular | 2008-08-24 21:54 | 定置網 | Comments(0)
上架
定置網船を架台(船台)の上に載せて陸揚げするのが、上架(じょうか)です。この夏も無事、上架作業を終えました。
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ついでに定期検査も受けて、晴れて合格です。検査項目は「船体」、「舵廻り」、「エンジン」、「救命設備」の4項目です。これらの検査のため、はるばるリスボンから4人の検査官がアルガルベまで来ます。これらの検査官はポルトガル全土の船の検査を受け持っていますので、これらとの日程の調整がひと苦労です。あっちにはそれぞれの予定があります。こっちはこっちで一日も早くすべてをまとめて終わらせたい。下手をすると、検査官の予定がびっしりで、受験ができず、1週間も10日も待たなくてはならない、ってことも。
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その点、「8月のアルガルベ」は怖いものなし、です。というのも、8月には多くのポルトガル人が休暇を取り、たくさんの人たちがアルガルベの青い空、青い海をめがけてやって来ます。よって、8月に仕事をしているということは、某かの理由で休暇を取り損ねた「不運な人たち」です。そんな彼らですので、一声かければアルガルベの場合、スッ飛んでやって来る、という訳です。ミソは「公費で」といったところでしょうか。ガソリン代・食費が出ます。検査は金曜日に行います。すると週末はアルガルベで誰かと"rendez-vous"ってことも可能になります。

ここで問題がひとつ発生しました。今まで1年に1回の船の検査が、これからは2年に1回に変更になりました。そうなるとこっちにも新たな考えがあり、次回からは検査は漁のいそがしい8月は避け、冬期に受験することにします。するとどうなるか、です。「不運な人たち」が増えないことを切に願うばかりです。
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とにかく、全速前進です。













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by mobulamobular | 2008-08-21 00:55 | 定置網船 | Comments(0)
日の出
この光景を目にするのは何百回、ひょっとしたらもっとかもしれませんが、何回見ても飽きることはありません。
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英名 Sunrise、 ポルトガル名 Nascimento do Sol、 和名 日の出 です。

「お盆」のこの時期、夏でも最も暑くなるころかと思いますが、東京とFARO(ファロ)の天候を比較してみます。
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8月14日のCNNの天気予報です。時間帯が異なりますので、ここではファロの方が気温が高くなっています。しかし、一方、湿度(Humidity)の差(東京69%、ファロ16%)のためでしょうか、体感温度(Feels like)は東京が32℃、ファロが29℃と、気温と逆になっているのが特徴的です。

ポルトガルはサマータイムです。冬期の日本との時差は9時間ですが、夏期は8時間となります。上のCNNでは東京の日の出・日没時間が間違っているようなので×にしましたが、実際は日の出が4時59分、日没が18時32分だったようです。これに対しファロでは、日の出はすでに7時近くの6時49分になっており、日没は20時23分です。ですから日長時間は双方とも13時間33分で、「同じ太陽」ということになります。

もちろん一概には言えませんが、これらの「時間」の違いを見ると、日本人はずいぶんと朝早くから活動しているんだな、という印象を受けます。一方、ポルトガルは如何にもポルトガルらしい時間割で、「朝はゆっくり、夜は遅くまで」生活をエンジョイする風に見えてしまいます。

これが「サマータイム」です。こちらでは時間をも自分たちの都合のよいようにコントロールしています。
「度量がデカイ」と思います。
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by mobulamobular | 2008-08-18 00:05 | 定置網 | Comments(0)
BEN
毎年必ず誰かに「出産祝い」をわたしています。
ポルトガルの出生率も日本並みに低いと思いますので「ベビーブーム」はあり得ないのですが、それだけ若い奴らが
定置網で働いている証ということで、少し晴れた気分になります。
しかし、実際はそうでもありません。「年をとっても子はできる証」の場合もあります。

"BEN" です。
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彼もここのスタッフの息子で、5歳になりました。
ポルトガルとベルギーのハーフです。やんちゃな盛りです。
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少々人見知りの彼も他の子供同様5分後にはこんな形相に早変わり。船よりも飛行機に興味があるようで、
今日は紙飛行機を飛ばしまくり、はしゃぎまくりでしたが、飛んだ紙飛行機を追っかけまくり、勢い余って
壁にデコをぶつけて、ジ・エンド、でした。

次は誰のだ。
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次は9月中旬の予定です。
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by mobulamobular | 2008-08-15 00:14 | 定置網 | Comments(0)
HACCP
ポルトガルではよく、この国のことを"País de Papel"(紙の国)と表現することがあります。
この言葉は行政のブロクラシーに対する軽蔑語として使われています。
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とにかく"鬼のように"大量の書類が用意され、また出来上がり、ガンガン送られてきます。
食品衛生管理の切り札"HACCP"について、です。
英名 Hazard Analysis Critical Control Point (HACCP)、 
ポルトガル名 Análise de Perigos e Pontos Críticos de Controlo (APPCC)、
和名 ハサップ法、だそうです。

とかく「食の安全」が問われている現在では、世界中でHACCPは「重要な概念」として受け入れられています。
とは言え、もともとが「宇宙規模」のとてもややこしい事柄なので、詳細についてはここでは割愛します。
日本の農林水産省のホームページなどにHACCPについての説明があります。

工場、作業場はもちろんのこと、漁船内での作業においてもこの手法が取り入れられつつあります。
社内もしくは漁船の乗組員内で、まずは「HACCPチーム」を編成し、責任者を決めます。外部より専門家を呼び、
「HACCP講習」を受けます。書類を作成します。検査を受けます。改善点を指摘されれば即時対応します。また受講します。
これの繰り返しです。延々と続きます。まだ、100%ではありませんが、近い将来HACCP手法を取り入れていない
漁船は魚を水揚げできなくなります。工場や魚屋さんは魚を売れなくなります。レストランも同様です。
多くの時間と労力を費やします。国の指導は商売の収益の良し悪しなどお構いなしです。

ここの定置網でもやっています。
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こういったものを作成し、眼のつきやすい場所に掲示しておかなければなりません。
でないとあの恐い"ASAE"にしょっぴかれてしまいます。

日本では…。
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by mobulamobular | 2008-08-12 01:33 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ヨシキリザメ
定置網にも1尾入りました(Migration)。体長165cm、体重19.5kg、雌の個体です。
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学名 Prionace glauca、 英名 Blue shark、 ポルトガル名 Tintureira、 和名 ヨシキリザメ です。
外洋性のサメ類では最も生息数が多いとも言われ、世界中の温帯から熱帯海域に分布しています。他のサメ類に比べ、とてもシャープな印象を受けますが、クネクネと泳ぎ、グルグルと物に巻きつきます。
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繁殖様式は人間と同じ「胎生」(viviparous)です。35~45cmの仔サメが80尾ほど生まれることもあるそうです。英名のように「淡い青色」がとてもきれいなサメです。和名アオザメ(Isurus oxyrinchus)は別のサメです。
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ここでは活魚としても扱います。幾度となく水族館向けに飼育を試みてはいますが、「外洋性」のためでしょうか、狭い水槽内では飼育は非常に困難です。
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手持ちの日本の書籍にはその資源量の多さを象徴するかのような写真が掲載されていますが、こちらの人間にとっては少々刺激が強すぎるようです。こちらでは大きな生き物は大切にするのが基本的な考え方です。










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by mobulamobular | 2008-08-09 19:53 | サメ・エイ | Comments(0)
マトウダイ
"São Pedro(サン・ペドロ)の魚"、第3弾です。

伊名 San Pietro(サン・ピエトロ)、 仏名  Saint-Pierre(サン・ピエール)、 英名 Saint Peter(セント・ピーター)などなど、どれも同じ「聖ペトロ」のことです。これまでのサン・ペドロの魚はシビレエイ その2、(おまけ)、聖ペトロのガンギエイに登場してきましたが、本種がその代表格と言えるかもしれません。

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学名 Zeus faber、 英名 John Dory、 ポルトガル名 Galo negro(あるいはPeixe São Pedro)、 和名 マトウダイ。
丘に上がったそれは上品にアッサリした姿かたちになっていますが、水中では鰭をあざやかに開き、とても華々しい魚です。

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全身ギザギザです。

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ここの定置網では年に数尾程度入るのみです。

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ほぼ世界中の温暖なところのちょっと深海(50-150m)に生息しているようですが、日本のものと同一種であるかは定かではありません。FNAMには、「"Zeus japonicus"という種がいて、絶滅しているかも」という不安な記述があります。
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by mobulamobular | 2008-08-06 02:55 | | Comments(0)
Migration
夏になるとアルガルベ地方にどっと押しよせてくるのは、なにも「人」ばかりではありません。
英名 Migration、 ポルトガル名 Migração、 和名 「回遊」もしくは「渡り」 です。

市場には回遊性の大型のサメがぞくぞくと水揚げされています。
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オナガザメ(Alopias vulpinus)アオザメ(Isurus oxyrinchus)ヨシキリザメ(Prionace glauca )など
何れも日本の海でも見慣れたサメたちです。
そんな中、ヨシキリザメの「瞬膜」(しゅんまく)とアオザメの歯のワンショットです。
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「瞬膜」とは眼を守るための「まぶた」ですが、下から上に閉じます。これはメジロザメ科のサメの特徴で、
だから「メジロ」という訳です。オナガザメ(オナガザメ科)やアオザメ(ネズミザメ科)にはこの機能はなく、
眼球自体をグルッっと反転させ、敵からの攻撃を防ぐようです。

こんなサメが近海にはウヨウヨいるとは知ってか知らぬか、今日もPRAIA(ビーチ)は人だかりの山です。
そんな中には祖国の太陽を一身に浴びたいがために来たたくさんの「里帰り組」の人たちが含まれます。
16世紀の大航海時代から多くのポルトガル人が世界中に移り住んで行きました。近年も経済活動を目的に
多くのポルトガル人がブラジルやヨーロッパ諸国に出て行っています。国民1人当たりのGDPが世界No.1の
ルクセンブルグでは全人口の5人に1人がポルトガル出身者とも言われています。
英名 Immigrant、 ポルトガル名 Imigrante、 和名 「移民」 です。

未確認ですが。
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by mobulamobular | 2008-08-02 14:51 | ポルトガル文化 | Comments(0)