<   2008年 07月 ( 10 )   > この月の画像一覧
微睡む
春を終え、夏を迎え、気温の上昇とともに体力的に疲れのピークに入るこの時期、しばしの夢見心地です。
d0113817_1784093.jpg

英名 Forty winks、 ポルトガル名 Soneca、 和名  微睡む(まどろむ) です。

前の晩は上さんや子供や彼女と忙しくして、翌朝5時の出港です。定置網までの45分は貴重な休息時間となっています。
ヒマでは困るので、これも到し方ないことでしょう。

まもなく8月。
公私において一年でもっとも騒がしくなる時期です。

d0113817_17311081.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2008-07-28 17:12 | 定置網 | Comments(0)
行動追跡調査
今年2月に標識放流を行ったマンボウの行動追跡調査の中間報告を受けました。
この調査は昨年も行い、ポルトガル南部で放されたマンボウが、遠くイギリス近海まで移動していることが
分かっています。
d0113817_16165947.jpg

上の図から、2月28日に定置網から放たれたマンボウが3ヶ月後の5月29日はスペイン北部のビスケー湾に
到達したことが分かります。
今後、この時期の海況や潮の流れ等を考え合わせて、マンボウの回遊行動がより明らかになっていくことでしょう。
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-25 18:00 | マンボウ | Comments(0)
つっつけ
特に相手を邪魔者扱いしているわけではありませんが、時々こちらが邪魔ものになってしまいます。
d0113817_1556467.jpg

日本もポルトガルも夏本番となり、たくさんの人たちがどっと海にくり出してきます。いつものことですが、そんな時は天候、特に波や潮汐の状態には注意が必要です。海は時として大変"危険!!"ですので、くれぐれも海難事故などがないように。

残念なことに、今年は操業再開以降すでに2件の「ヨット事故」が起きてしまいました。いずれも夜中未明の出来事です。1件はオートパイロットで寝ていたそうです。完璧な不注意です。もう1件は50m間隔で設置されている定置網の夜間標識灯を確認した上で、真ん中を突っ切ろうとして定置網に捕まりました。これは航海上の知識・認識不足と言えると思います。

船で航行中、何か障害物に出くわしたら、まずは一旦沖へ回避がよいと思います。一般的に漁具(定置網や生簀も含む)や人工物は水深100m以浅に集中して設置されていますので、それ以上深いところを航行していれば比較的安全と言えると思います。

潜る時も、何かロープ等の障害物があったら、「上を越えろ」と習ったように記憶しています。

よい休日を。Boas Ferias!!
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-21 03:12 | 定置網 | Comments(0)
北大西洋振動
太陽も、地球も、空も、みんなひとつだ、ということだと思います。

「エルニーニョ」、「ラニーニャ」に代表される気象現象は、2つ以上の離れた地域の大気圧がシーソー(seesaw:反転作用)のように変化する「テレコネクション」(teleconnection)というメカニズムがもとで起こる現象です。

つまり、「テレコネクション」とは、「風が吹けば桶屋が儲かる」のように一見なんの関係もなさそうな2つの事柄が「遠隔結合」している、ということです。「観天望気」も時にその「遠く隔たりのある2つ以上の事柄の相関関係」を推理して行います。

地球上にはたくさんのテレコネクションのパターンが存在することが知られています。上記のエルニーニョ、ラニーニャに関係するテレコネクションは「南方振動」と呼ばれているものです。ここにポルトガル唯一の定置網にとって、とても関心深いテレコネクションがあります。
英名 North Atlantic Oscillation (NAO)、 ポルトガル名 Atlântico Norte Oscilação、 和名 北大西洋振動。

これは主に冬の時期、アイスランド低気圧(Icelandic Low)とアソレス高気圧(Subtropical or Azores High)が、ともに強くなったり弱くなったりするシーソー現象です。これによりヨーロッパの冬の天候が決定され、世界の他の地域の天候にも多大な影響を及ぼすようです。NAOの指標(インデックス)は海面気圧偏差の時系列で表されていますが、最近は「負」(マイナス)の値が多くなってきているとのことです。
d0113817_0143881.jpg

d0113817_0151619.jpg

「NAOのインデックスが負の時」はどんなかと言うと、まず北極海の気圧が高くなります。すると中緯度の気圧は低くなります。よってグリーンランドあたりの冬は温暖湿潤、北ヨーロッパやアメリカ東岸では寒冷乾燥、地中海海域は温暖湿潤となります。また、北極を超えた反対側ではオホーツク海高気圧が弱まり、日本の夏は猛暑となる、といった具合です。これは「偏西風も弱まる」ということですので、ここから先は台風関連の話などで盛り上がると思いますが、ようするに「みんな、つながっている」ということです。

変なものを大気中に放つと、アッという間に世界中に広がります。遠く離れていようとも、変なことをすると予想もしていなかったところでとんでもないその影響が現れます。
「テレ・コネクション」です。








______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-18 00:00 | 気象 | Comments(0)
サレマ
これもタイ科(Sparidae)に属し、ごく一般的にスーパーなどでも見かける魚ですが、「謎」も多い1種です。
d0113817_2003317.jpg

学名 Sarpa salpa、 英名 Salema、 ポルトガル名 Salema、 和名 サレマ です。
Ria Formosa内の刺し網でよく漁獲されています。定置網にはふだん多くは入りませんが、秋には大きな群れで来ることもあります。身は水っぽく、小骨も多いことから市場では人気種とは言えません。しかし、色合いがきれいなことと飼育が比較的容易なことから、活魚として水族館には人気があります。
d0113817_20194217.jpg

雑食性ですが、若い内はどちらかというと肉食性(甲殻類等)で、大人になると草食性と変化するようです。FNAMによりますと、夏にイワヅタ科(Caulerpaceae)の海藻を捕食している時期は若干「毒性」があると記述されています。イワヅタ科の海藻とはブドウの房のような葉をもった海藻のことで、珍しいものではなく、よく見られる海藻のひとつです。
d0113817_22172433.jpg

聞きなれない言葉ですが、サレマは「雄性先熟の雌雄両性」(Protandrous hermaphrodite)です。どういうことかというと、ほとんどの魚は「雌雄異体」ですが、サレマの場合は「雌雄同体」です。しかし、まず雄として成熟した後、雌に性転換するためこのように呼ばれています。逆は「雌性先熟」ですが、この場合は雌として成熟した後に雄になるパターンのことをいいます。性転換する魚では後者のパターンの方が多いそうですが、サレマは少数派です。ご存じ、日本の「クロダイ」、世界の「クマノミ」、我らが「ドラーダ」も「雄性先熟の雌雄両性」の仲間です。







______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-14 04:29 | | Comments(3)
Futebol
英名 Association Football (あるいは Soccer)、 ポルトガル名 Futebol、 和名 サッカー。
漁師の会話で尽きることがない話題がこれです。放っておいたら朝から晩までずーっと話をしています。
d0113817_1832023.jpg

「荒野に立つ5人の雄姿」ならぬ歴代および現役のポルトガルサッカー界のスターたちを使ったスーパーマッケットの広告です。
左から、Fernando Chalana(80年代前半のポルトガル代表選手)、Rui Costa(今年で引退。セリエAで大活躍)、
Cristiano Ronaldo(今まさに盛りの選手。背番号も17から7に変更、名前もCristianoが省かれ、"Ronaldo"だけに
なったのはよいが、この先ブラジルのRonaldoのようにはなってはもらいたくありません)、
Eusebio(66年イングランドワールドカップの得点王。「モザンビークの黒豹」、ポルトガルは3位という最高の成績を
おさめました。)、Paulo Futre(80年代後半のポルトガル代表選手、現役最後のプレーは横浜フリューゲルスでした。)

Figo(フィゴ)という超有名なスーパースターもポルトガルにはいます。今はイタリアのインテル・ミラノで
現役最後のプレーに励んでいますが、彼の場合はバー、レストラン、ホテルなどの事業家としても目立っています。
以上のように数多くの有名なサッカープレーヤーがポルトガルにはいるのですが、漁師の会話に耳を欹ててみると
あまりプレーヤーの話はしていません。皆、やや興奮して話をしていますので、ネイティブのポルトガル語は
聞きとりにくいのですが、圧倒的に多く出てくる単語は「ベンフィカ」、「ポルト」、「スポルディング」です。
ようするに自分のひいきチームの自慢話の繰り返しです。まったくもって「子供顔負け」のはしゃぎようです。

ここの漁師も一般のポルトガル人同様、サッカーは観戦するのみならず、プレーするのも大好きです。
もう昔の話ですが、定置網チームとして地元のサッカーリーグに参加したことがありました。
しかし、大会期間が2カ月ほどと長く、週2回ほどのペースで試合をこなしていかなくてはならない上、
試合開始時間が早くても夜の10時過ぎで、帰宅は午前様。早朝から働いている漁師には少々きつい日程で、
成績は散々。しかし、何よりもこれでは体がもたないということで、翌年からは出場を断念したことがありました。
今は楽しかった思い出となっていますが、机上の「昔のイレブン」の写真を見つつ、今でもリーグ戦へのリベンジを
誓っているとか、いないとか。
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-11 05:57 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アマシイラ
世界中の温帯海域に生息しているようですが、通常は深海にいて何かの拍子に浅いところに出て来た時、「運悪く」人目に触れることがあるようです。
d0113817_22201.jpg

学名 Luvarus imperialis、 英名 Luvar、 ポルトガル名 分かりません、 和名 アマシイラ です。
この個体は全長61cm、体重3.7kgほどのものですが、"FNAM"には188cmほどまでに成長すると記載されており、また、オーストラリアでは全長2m、150kgのものが捕獲された記録があることから、まだまだ若い個体であると思われます。頭部の形状がシイラに似ているため、このような和名がついていると思われますが、シイラとは全く別の種です。同じスズキ目(Perciformes)ですが、シイラがシイラ科(Coryphaenidae)であるのに対し、こちらはアマシイラ科(Luvaridae)で1科1属1種の魚です。
d0113817_2054437.jpg

モサっとしていそうですが、ひょっとしたらけっこう泳ぐのも速いのかもしれません。尾柄にはマグロ・カツオのようなスタビライザー(水平キール)がついています。しかし、腹鰭は退化してしまっているようにちょこっと小さなものがついています。
d0113817_20132280.jpg

もちろん、定置網には初めて入りました。漁師も口を揃えて「初めて見た」と言っています。入る筈のないものが入る、獲れそうにないものが獲れるのが定置網。それがおもしろいのが海です。
d0113817_20284259.jpg

しかし。アカマンボウ、リュウグウノツカイ、サケガシラ等、この体の色彩には何か意味があるのでしょうか。この特徴的は赤色の使い方には、何か「深海の法則」めいたものでもあるのでしょうか。


本種最新記事は、コチラ
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-08 01:02 | | Comments(0)
デコッパチ
思春期壮年期を経て、3度目の登場です。
d0113817_05946.jpg

学名 Dentex gibbosus、英名 Pink Dentex、 ポルトガル名 Pargo Capatão de Bandeira、 和名 「ハタタテ・デンテックス」 です。
数もそれほど多くはなく、いつもいるわけではありませんが、この時期になると必ず定置網に入ってきます。この個体は全長85cm、体重11.5kg、「百戦錬磨」のデコッパチでした。
d0113817_0374283.jpg

鋭い歯でバクバクッとサバなどを捕食しているのでしょう。この魚は、定置網に入り網が絞られ泳ぐスペースが少なくなると、ジャンプをして逃げようとします。スーッと一度下に潜った後、水面めがけて一気に駆け上がり、海から飛び出してきます。実際、自ら船の中に飛び込んで来たこともありました。誰かが"パルゴ(Pargo)、パルゴ~"と叫ぶと、網を引き揚げる手にも一層力が入ります。










______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-06 00:31 | | Comments(0)
実習生
やることはやるのですが、時にそれに思いっきり時間をかけてしまうのがポルトガルの流儀です。
だから結果、「やらない」ことになります。体力的に堪えきれなくなるのでしょう。
「時間」に対する概念はここでも仕事上大きな問題です。
d0113817_14341066.jpg

英名 Trainee、 ポルトガル名 Estagiário(ェシュタジアリオ) 。  漁師養成学校から来た「実習生」達です。
ポルトガルでは現在、中学、高校、大学、各専門学校からの「実習生シーズン」を迎えています。
漁業のみならず、いろいろな職場でその初々しい姿を見ることができますが、ちょっと頼りない、じれったい存在でもあります。
ここでは当初の予定よりも1名増えて、今月から新たに4名の実習生を受け入れています。何れも15~18歳の若者です。

初日初っ端の出来事。
朝9時集合のところ、1名が9時15分に登場。早々、キャプテンから一喝を喰らいましたが、傍から見ていると
なんでそんなに怒られているのか分からないか、軽いジョークとでもとらえている様子。
しかし、いつまでも変わらぬキャプテンの形相に、最終的には「これはマジだ」と気づいたみたいでしたが。
一仕事終えて、昼食のため一旦解散。14時再集合し、出港、午後の網持ち。
しかし、彼が自転車で番屋に到着したのが14時02分。しかし、その時無情にも番屋のカギはすでに閉められ、
港を出る本船の快音が轟いていました。
「漁師が14時と言ったら、トモ切り(出港)が14時なんだ」ということ学びました。

大丈夫でしょうか。この先やっていけるのか、真ん中の君(15歳)。
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-04 00:11 | ポルトガル文化 | Comments(0)
アサヒダイ
3度目の登場ですが、今回のものは以前のものとは少し違って見えます。タイ4姉妹"buço" = 「女性の口ひげ」で登場しています。
d0113817_2333019.jpg

学名 Pagellus bellottii bellottii、  英名 Red Pandora、 ポルトガル名 Bica-buço、和名 アサヒダイ です。
ここのPescador(ペシュカドール=漁師)は"Mariana"と呼んでおり、こちらの方が通りがよいようです。定置網によく入る魚ではありません。"FNAM"では通常120mの深さあたりに生息していると記載されています。また、日本近海には生息していないにもかかわらず、「アサヒダイ」という立派な名前がついていることから、過去には(現在も?)大量に日本に輸入されていた時期があったことが容易に想像されます。ある記述によると、この時期の大量漁獲により資源の減少が余儀なくされたとありました。

定置網によく入る、いわゆる「赤いタイ」は"Pagrus pagrus"です(下の写真)。
d0113817_07342.jpg

似ていますが、異なる種です。

さて、今回の「アサヒダイ」のどこが以前のものと異なるかというと、その鰭が「キビレ」と呼びたくなるほど黄色いことです。
d0113817_0152411.jpg

個体差の範疇なのでしょうか、それとも婚姻色とかでしょうか。何れにせよ、これほど黄色いものは初めて目にしました。しかし、FNAMにもFishbaseにも鰭がこんなに黄色くなるといった記述はありません。ひょっとしたら違う種なのかもしれませんが、消去法でこれ以外には見当たりませんでした。
d0113817_023921.jpg

Fishbaseにはすごい写真が掲載されています。合成写真なのでしょうか。一昔前の「シーラカンス並」の写真です。












______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-07-02 01:04 | | Comments(0)