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蝶番鯛
これでも水揚げされた直後に撮影したのですが、駄目です。完全に色艶が失われています。
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学名 Oblada melanura、 英名 Saddled beam、 ポルトガル名 Dobradiça、 和名はありません。
ポルトガル名の"Dobradiça"とは「蝶番」(ちょうつがい)のことです。だからと言ってこの魚が中央で折れ曲がるわけではありません。この魚の一番の特徴は尾鰭基部の黒いスポットです。ですからこの黒点が軸になっているが如く魚が左右へ動く様から連想して「蝶番」となったのではと勝手に想像しています。英名ではこれを馬の「鞍」に見たてて"Saddled beam"と呼んでいます。
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タイ科(Sparidae)の1属1種です。北東大西洋、地中海および北アフリカ沿岸に広く生息しているようですが、定置網にはめったに入らない珍しい1種です。群れで泳ぎ、水中では冒頭でも述べたようにもっと光り輝いて見えます。特に黒点はそのコントラストが際立ち、浮き上がっているようにさえ見え、とてもきれいです。
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同じくタイ科のディプロダス属(Diplodus)とは異なりますので、見間違えないように。









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by mobulamobular | 2008-06-28 16:17 | | Comments(0)
クロマグロ
本日をもって、今年のEUの巻き網船によるクロマグロ漁はすべて終了したものと思われます。
このクロマグロはほぼ全量が地中海内のイケスに移され、給餌が行われ丸々と太った後、ほぼ全量が日本に向けて出荷されるものと思われます。

学名 Thunnus thynnus、 英名 Bluefin tuna、 ポルトガル名 Atum rabilho、 和名 クロマグロ。
総量13,000トンほど。200kgのクロマグロが65,000尾ほどイケスの中にいる勘定になります。しかし、これでも日本人全体の胃袋を満たすことはできないようです。

全世界で年間に漁獲されるクロマグロの総量は40,000トンほどだそうです。

日本で消費されるクロマグロも含めた「全マグロ」の量は年間550,000トンほどだそうです。
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by mobulamobular | 2008-06-24 00:39 | マグロ | Comments(0)
水温
昨年(2007年)6月15日に書いたレポートがあります。今年は5月に今まで13年間で最も低い表層平均水温(15.33℃)を記録し、その後6月に入っても低水温の傾向は続き、6月15日現在の表層平均水温は16.20℃、昨年の16.29℃をも下回る超低温となっています。
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6月10日気象庁、地球環境・海洋部の発表によると、「昨年より続いていたラニーニャ現象は春に終息したとみられる」、とのことです。「大陸の西岸」気候は似たような自然条件になっている、と昨年のレポートでも記しましたが、今後、ここでも水温が上昇し、例年並みとなることが望まれます。

問題は大西洋上に次から次へとできる低気圧です。これらは発達しながらイギリスの上を通過します。今年はまるで「道」が出来てしまったかのように、これらが途切れることがないほど続いています。ようするに「パターン化」してしまっていると考えられます。こうなるとポルトガルでは連日この低気圧からの北よりの風を受けることになります。この北よりの風は大西洋を北から南へ流れる「カナリア海流」に力を与え、それによりここでは「湧昇流」(Upwelling)の影響を受け、水温が低下します。この現象についてはNASAの"Ocean Motion"というサイトに詳しい説明があります。夏に向かって気温はあがりますので、表層の海水温は上昇しますが、潜ってみると水深15mあたりからブルブルッと水温が下がるのを感じ、透明度も極端に悪化します。この密度の異なった2層の水(Pycnocline)はなかなか混じり合いません。これらをミックスさせるためにはそれ相当の力が必要ですが、手っとり早いのは「時化」ということになります。しかし6月ともなると「時化」も期待できません。「成るようにしかならない」ということで、回復には時間がかかります。

「湿舌」(しつぜつ)という気象現象がありますが、この「湧昇流」はまるで海洋版の湿舌のようです。海のワンポイントで仕事をしていると冷たい水が深海から出たり入ったりしている様子がよく分かります。

まるで「生き物」のようです。









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by mobulamobular | 2008-06-20 00:41 | 気象 | Comments(0)
アメフラシ
"Sea Slug" 第2弾です。
一般的に、英名 Sea hare、 ポルトガル名 Lebre do mar、 和名 アメフラシです。英名、ポルトガル名共に「海のウサギ」という意味になります。
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学名 Aplysia fasciata 。 北東大西洋、地中海、西アフリカ沿岸に生息しており、日本近海にはいませんので、和名はありません。命名するとなると今までの習いから「ニシアメフラシ」とか「地中海アメフラシ」とかになります。
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写真の個体はオリャオのラグーン(Ria Formosa)内で捕獲したものです。年中いるわけではありませんが、ビーチでもよく見かける、ごく普通のありふれた海洋生物です。そんなところから、ここではより「親しみを込めた」名前で呼ばれています。しかし、すこしポルトガル語を知っている観光客はもとより、リスボンや北方から来たポルトガル人ですら、はじめてこの名前を聞いた時はちょっと驚くのではないでしょうか。"Xoxas de velha"、 ズバリ、下ネタです。ですから辞書には載っていません。しかし、オリャオでは老若男女を問わず、一人としてためらわず、こう呼んでいます。

ちなみに正式なポルトガル名(種名)は"Vinagreira negra"とか"Lebre do mar negra"とかになるようですが、"Olhanense"(オリャオ人)は誰一人として認めないと思います。"Vinagreira"は「お酢」の"Vinagre"から来ています。今はあまり見かけなくなったようですが、一昔前までは"Vinagre tinto"(赤い酢)がbranco(白)よりもポピュラーだったようで、アメフラシが吐き出す紫色の液体がその"Vinagre tinto"に似ていることから、そう呼ばれるようになったようです。

そんな「オリャオ」ですが、今年で市政200周年だそうです。おめでとうございます。
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by mobulamobular | 2008-06-18 00:53 | | Comments(0)
ウミウシ
正直、こんなにいるとは思いませんでした。
形のおもしろさ、色彩の艶やかさにも驚かされました。最近はダイバーやアクアリストにも大人気で、
「ウミウシガイドブック」の類が続々と出版されているそうです。
そんなこともまったく知りませんでした。
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学名 Tethys fimbria です。英名、和名は分かりませんし、日本近海には生息しません。
「ウミウシ」のことを英語では"Nudibranch"(裸鰓目のため)、あるいは"Sea Slug"(海のナメクジ)といいます。
また、ポルトガル語では"Lesma do mar"、英語同様、「海のナメクジ」です。
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上の2枚の写真を見て、何か言っていることと様子が違うように思われるでしょうが、これには少し「訳」があるようです。
この個体は定置網に入ったのですが、はじめはこれが「何者か」、まったく分かりませんでした。
どうやって箱網まで入ってきたのか。泳いできたのか、それとも這ってきたのか。
しかし、信じられないものまで入ってくるのが、定置網です。
"The Sea Slug Forum"でご確認ください。同一種とは思えないでしょうが。

「自切」(じせつ、"autotomy")という動物の行動があります。「トカゲのシッポ切り」のそれです。
なんとウミウシにも「自切」を行うものがおり、まさに本種も何らかの理由で定置網に迷い込み、身の危険を感じ、
背中にある白黒の派手なヒラヒラを自分で切り落としてしまった、と想像されます。

残念でした。The Sea Slug Forumにあるような姿を見てみたかったです。
この個体は撮影後海に戻されましたが、「再生機能付き」だったのでしょうか。
そうだとよいと思いました。
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by mobulamobular | 2008-06-16 02:21 | | Comments(0)
赤潮
英名 Red tide、 ポルトガル名 Maré vermelha 。
赤潮が発生しました。
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「これだから」といった決まった理由はないようです。発生の原因の一つとして考えられているのが、
丘から流れ出す生活排水などによる海域の富栄養化です。ようするに「環境問題」として捉えられています。
また、それに「地球温暖化」の問題もリンクしているようです。
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赤潮とは植物プランクトンが大量発生して海が「赤く」なる自然現象のことですが、この「色」は発生するプランクトンの
種類によって異なります。今回のものはまさに「赤く」、少しすくって見ました。そして顕微鏡で覗いてみると。
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学名 Noctiluca scintillans、 和名 ヤコウチュウ です。 
渦鞭毛藻類の単細胞生物です。
「夜光虫」はその名のとおり夜に光を放ちます。海岸の波打ち際や石などを投げ込んだ時にできる波紋のまわり、
船の追い波の波頭などで青白い美しい光を見ることができます。

問題はどこからこの単細胞軍団がやって来るかですが、こんな時、海が本来持つ「活力」のようなものが少し
欠けているように思います。何層もの水が存在し、かつ自己主張が強くて互いに打ち溶けあえずにいます。
混ざり合うことによって元来の浄化作用が機能するのですが、自然は沈黙を維持しているようです。
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by mobulamobular | 2008-06-14 00:15 | 気象 | Comments(0)
漁師養成学校
船主組合によるストが終わったかと思ったら、今度はトラックの運転手らによる、やはり「燃料費高騰」に抗議するストが始まってしまいました。これにより物流の遅れが必至となり、少なからず国民の生活に影響が出てきそうな雰囲気です。

さて、ポルトガルも「ご多分にもれず」漁師の後継者不足が日に日にその深刻さを増しています。問題はいろいろあると思いますが、社会の傾向として成り手が少なくなっており、この度、オリャオの港に隣接する国立漁師養成学校(FORPESCAS)も閉鎖されることになりました。

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ポルトガルでは漁師は「免許制」となっていますので、この学校はただ単に漁業について学ぶだけではなく、若者が漁師として働きたい場合、この学校にある一定期間通うことが義務付けられています。そして、実習を経て晴れて卒業となった暁に「漁師免許」(CÉDULA MARÍTIMA)を手にすることができるのです。

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定置網では現在1名、来月からは合計4名のこの学校からの最後の実習生を受け入れます。皆まだピカピカの将来が楽しみな10代の若者たちです。

FORPESCASは解体後、別の組織に吸収されるそうで、漁師の「免許制」に変化はないようです。では、今後どうやってオリャオの若者たちは漁師の資格を得たらよいかというと、300km近く離れた首都リスボンまで通うことになりそうだ、とのことです。

ちょっとそのストーリーには無理があるのでは、と思います。
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by mobulamobular | 2008-06-12 00:54 | ポルトガル文化 | Comments(0)
カマス
「カマス」と聞くと、尾頭付きの背開きの干物が美味しかったことを思い出します。しかし、残念なことにここではそういうものにはお目にかかれません。
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学名 Sphyraena sphyraena、 英名 Barracuda、 ポルトガル名 Bicuda、 和名 「地中海カマス」としておきます。
定置網にはめったに入りませんし、市場でもあまり見ることはないと思います。全長80cm近い大型の個体ですが、FNAMによりますとこれの倍の160cmにもなるものもいるようです。
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"Barracuda"(バラクーダ)というと、「人をも襲う恐ろしい魚」というイメージがありますが、 それは「オニカマス」という本種よりももっと大きくなる"Great Barracuda"(学名 Sphyraena barracuda)のことで、ポルトガル近海には生息していません。
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が、こいつもケッコウ鋭い歯の持ち主でした。
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by mobulamobular | 2008-06-10 06:46 | | Comments(0)
スト中止
政府の提案を船主組合が受け入れ、ストは中止となりました。
しかし。
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せっかく盛り上がったところに突然の「スト中止」の知らせが来たため、オリャオでは一部の漁師が、
妥結案に反対し引き続きストを強行しようとしたため、朝には港でちょっとしたイザコザがありました。

一方、昨日より次のような話題が出てきています。
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ポルトガル南部・アルガルベ地方は16の市に分かれており、それぞれに市役所(Câmara)が存在していますが、
燃料代高騰の影響で市役所の公用車でさえ、国境を越え、お隣のスペインまで燃料補給をしに行っているとのことです。
ちなみにスペインのガソリン価格は日本のそれと同じか少々高い程度だと聞いています。

「頑張れば、何でもできる。」などと言うと、もう笑われてしまいそうです。
ということで、ストで暇になった氷屋さんはこんなことして遊んでいました。
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by mobulamobular | 2008-06-06 00:29 | ポルトガル文化 | Comments(0)
激昂
とかく「漁師」が何ごとにおいても前面に出がちですが、今回のストライキの主謀者は「船主組合」なのです。
ポルトガルの全国紙"Correio da Manhã"からのカッティングです。
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まさに「激昂する漁師たち」です。
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政府との交渉は難航中です。
担当大臣は「漁師」との話し合いを避け、裏山にて「猟師」の残したゴミ拾いをしていた、という陳腐な新聞記事です。

オリャオでは何者かに操られた漁師が仲買人といざこざを起こし、数名のケガ人が出ています。

たった今入ったニュースによりますと、本日の政府との交渉は決裂し、あす再度話し合いをすることになったそうです。
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by mobulamobular | 2008-06-04 01:21 | ポルトガル文化 | Comments(0)