<   2008年 03月 ( 14 )   > この月の画像一覧
コケビラメ
"Carta"(カルタ)という名で知られています。「いろはかるた」のそれです。
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学名 Citharus linguatula、 英名 Spotted flounder、 ポルトガル名 Carta de bico、 和名はありません。
コケビラメ科(Citharidae)で1属1種です。
上記ポルトガル名は"Carta"に"bico"(とんがり)という形容する言葉が付いていますが、これについては
あくまでもオフィシャル・ネームということで、漁師、お魚屋さんをはじめ、知っている人はごく僅かと思われます。
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"Carta"には手紙、免許書、カード、トランプ、地図などいろいろな意味がありますが、ようするに「ペラペラなもの」ということです。
アルガルベでは本種以外にもダルマカレイ科(Bothidae)のナガダルマガレイ属(Arnoglosus)の魚が同じく
"Carta"と呼ばれています。
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種によっては両者はとてもよく似ています。ナガダルマガレイも「カレイ」といいつつも「左向き」です。
個人的にはこの2種を識別する際、その両眼の位置を確認します。上眼が下眼より前に出ていればコケビラメ。
またその逆で、上眼が下眼より後ろにさがっていればナガダルマガレイ、といった感じです。
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英名では"Spotted flounder"となっていますが、肝心の「スポット」がよく分かりません。
これはこの種が漁獲される際に魚体を傷めてしまうためです。「スポット」は上の絵のように背鰭、尻鰭の基部に点在します。

食する場合は「干物」が最適です。カラッと、ビールで。
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by mobulamobular | 2008-03-31 00:15 | | Comments(0)
寒のもどり
彼岸が過ぎて「寒のもどり」です。
等圧線が南北に伸び、寒気が南下してきています。風が冷たく、朝晩冷え込みます。一気に乾燥させます。
とはいえ、ここでは朝の気温が10℃以下になると個人的に勝手にそう思っているだけのことです。

海とは反対の北側にできた積乱雲(入道雲)です。
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その前には、天気は少し愚図ついて、虹も出てました。
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週末はまた少し雨模様の天気になるのかもしれません。
天候が落ち着くにはもうしばらくかかりそうです。
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水温が下がり、巻き網船はイワシに混じりカタクチイワシを獲っています。

こうしてボーッとしている時にうれしい知らせです。
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元国営市場よりプレートが贈呈されました。
これが少し説明するのが難しいのですが、直訳すれば「威信ある船主2007年」といったことになります。
ようするに「魚のクオリティー」が評価されたわけです。

さーて、今年もそろそろかな。
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by mobulamobular | 2008-03-28 01:38 | 定置網 | Comments(0)
Mac
また、デカイ看板を立てたものです。
1991年。初めてポルトガルに来た時はまだ1店舗もありませんでした。
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しかし、間もなく最初の店がリスボン近郊にオープンする予定になっていると聞き、少々「遅すぎる」1号店について、
当時、誰かに尋ねた記憶があります。すると彼はこう答えました。
「ポルトガルでは流行らないね。ポルトガルにはうまいパンがある。ポルトガル人はあぁいうパンは嫌いだ。」と。
「なるほど。」と納得したものです。

あれから17年。今ではポルトガル全土で200店舗ちかくとなりました。
数年前にはOlhão(オリャオ)でもオープンしました。
「こんな田舎にまで、世界一元化の波」です。
正直言って、流行っています。あの人は行かないだろう、と思っていた人たちまで行っています。
でも、漁師はごく一部を除いて、行きません。「漁師」とはやはりそういった人種なのでしょうか。

昨今、一般的にこうした「世界中どこへ行っても同じ」というものが増えています。
アルガルベも例外ではなく急速にそうなりつつあるように思われます。
特にスーパーマーケットやショッピングセンターの類はどこもかしこも同じようなところばかりで、興味半減です。
知らないところで知らないものを見て、触れて、得られる刺激のようなものはトンと少なくなりました。

確かに便利です。
知らない土地で、特に一人の時など、体調が良ければ「冒険」も試みれますが、食事が億劫な時など、
時間に余裕がない時などなど、「知ってる」というだけで少し安心した気持ちで入ることができます。

しかし、どっしり大地に腰を下ろした看板を見ていると、早くもその地に根付こうとしている市場原理の物凄さに
圧倒されてしまう反面、その分あの「うまいパン」が売れていないのかなと、ふと、寂しい気持ちになります。

少し考えは飛躍しますが、海外で定置網をおこなうということも、「こういうことなのかも」と思ってしまいます。

日本での値段は知りませんが、そんなに高くはないのではと思います。
オリャオで、大きなハンバーガー+飲み物(大)+フライドポテト(大) を注文すると、700円ほどです。
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by mobulamobular | 2008-03-26 02:46 | ポルトガル文化 | Comments(0)
イシナギ
スズキ目(Perciformes)で一見「ハタ」のような魚ですが、実は「イシナギ」という聞き慣れない科(Polyprionidae)の1種です。
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学名 Polyprion americanus、 英名 Wreckfish、 ポルトガル名 Cherne、 和名 アルゼンチンオオハタ。

学名および和名からもこの種がアメリカ大陸側に多く生息している(いた)ことが連想されますが、FishBaseなどによると、大西洋のみならず、インド洋にも太平洋でもその生息が確認されているようです。しかし、日本近海にはいないようです。アルガルベでの水揚量はずいぶんと減少しました。これは資源量の低下というよりは"ユメカサゴ"同様、漁船数の減少に起因するものだと思います。ここで水揚される魚類では一番の高値のつく魚で、当然人気もありますので、定置網の"コルビナ"もこの魚と一緒に市場に並んだ際は値を下げてしまいます。
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和名では「アルゼンチンオオハタ」となっていますが、前述のとおり、「ハタ」ではありませんし、アルゼンチン近海にのみ生息しているものでもありません。よくあることですが、この和名は誤解を生む類のものです。英名では"Wreck(=遭難)fish"と少々恐ろしい名前がついていますが、これはこの魚がたいへん好奇心旺盛で、時に漂流物(=wreckage)などについて泳ぐ習性の持ち主であることから名づけられたものと思います。定置網で漁獲されることはめったにありませんが、定置網の周りでは特にこの若魚(30~40cm)をよく目にします。浮子(アバ)やロープの下に隠れ潜んでいます。そこに石ころでも投げ込むと「何だ」とばかり出てきますが、そんな時、漁師のタモ網ですくわれてしまいます。こんなところは"Balistes capriscus"にも似ています。ポルトガル名"Cherne"(シェルネ)は有名な「ジャスト・ア・ネーム」です。
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by mobulamobular | 2008-03-24 06:45 | | Comments(0)
「贋作」ガンギエイ
こっちが"「聖ペテロ」のガンギエイ"かと思ったくらいです。「コインがふたつ、はっきり落ちている」と思ったのですが、どうやらこれはコインではなさそうです。
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学名 Raja(Leucoraja) naevus、 英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos、 和名はありません。ポルトガル名は鰭の2点を「目」に見立てて「2ッ目ガンギエイ」といったごく普通の魚名になっていますが、問題は英名です。このエイのどこが鳥の「カッコー」に似ているのか皆目見当もつきません。
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「カッコー」はご承知のとおり、他の鳥の巣に托卵することで有名です。世間でこの行動は「無責任で、ちゃっかりもの」と理解されており、それ故かは知りませんが、英語で"Cuckoo"というとあまりよい意味では使われていないようです。日本語でも然り。「カッコー」を「閑古鳥」と表記しますが、これも「さびれた」といったような意味で、物寂しさが漂います。
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「カッコー」といえば、"One flew over the cuckoo's nest"を思い出します。ロバート・デ・ニーロのそれです。この場合も精神科の病院のことを蔑称で"the cuckoo's nest"と表しています。"Cuckoo clock"も日本語では「カッコー」のさびれたイメージが嫌われ、「鳩時計」とかになっています。
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それでは何故、英国人はこのガンギエイを"Cuckoo ray"と呼んだのでしょうか。しないと思いますが、このエイも「托卵」するのでしょうか。このエイを見ていると寂しくなるのでしょうか。このエイが何か悪いことでもしたというのでしょうか。何が「贋作」なのでしょうか。
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ここでは残念ながら結論には至りませんが、英国人が考えるとしたら、この鰭のマークが「カッコーの卵」に似ている、もしくは「托卵された他の鳥の巣の中の様子」に似ている、っていうあたりではないかと思っています。

このガンギエイはシリーズ第5弾です。今までに登場した仲間は下記のとおり。

Raja undulata
Raja clavata
Raja(Raja) asterias
Raja(Leucoraja) circularis










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by mobulamobular | 2008-03-22 04:39 | サメ・エイ | Comments(0)
クラインさんのササウシノシタ
たぶん、大昔の生物学者の人物名だと思います。
その方にちなんで命名されたのが、このササウシノシタ科(Soleidae)の1種です。
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学名 Solea kleinii、 英名 Klein's sole、 ポルトガル名 Linguado turco、 和名はありません。
学名についてはその分類の違いによって諸説あるようですが、ここでは"Fishes of the North-Eastern Atlantic
and the Mediterranean"に記載されているとおり、"Solea vulgarisやSolea senegalensis"と同様に
Solea属の1種としました。
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FishBase等ではSynapturichthys属の1種としており(学名 S. kleinii)、この場合は1属1種の分類となっています。
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これも珍しい魚の1種だと思います。
正式なポルトガル名は"Linguado(ササウシノシタ)turco(トルコ)"となっていますが、どこでたずねても通じません。
"Linguado zebra(シマウマ)"といった方が、名の通りがいいと思いますが、それでも普通の人は知りません。
大体、「シマウマ」にはまったく似ていませんし、「シマウマ」のことを知っているのか聞きたいくらいです。
ふと、思ったのですが、ひょっとしたらポルトガル人たちは魚体の有眼側ではなく、無眼側を表現している
のではないかと。無眼側の魚体の「白」と背鰭・尻鰭の「黒」のコントラストを言っているのかもしれません。
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無眼側の先端の鼻孔は"Solea lascaris"ほどではないですが膨れ上がり、"cupola(丸屋根)-shaped"と表現されています。
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胸鰭の黒点は中央に円形で入っています。
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by mobulamobular | 2008-03-20 05:29 | | Comments(0)
地中海コショウダイ
まずは「コショウダイ」(学名 Plectorhinchus cinctus)からです。
日本でも漁獲量はあまり多くなくメジャーな魚ではないと思いますが、斜めのラインと黒い斑点が印象的な魚です。
しかし、残念ながら日本と同じ「コショウダイ」はポルトガル海域には生息していません。
「コショウダイ」の名前の由来は、現代では黒い斑点からイメージして塩・胡椒のコショウとも思われているようですが、
もともとは侍時代に殿様に仕えた小姓の装束がそれに似ているため名づけられたものと考えられているようです。

それでは「地中海コショウダイ」です。
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学名 Plectorhinchus mediterraneus、 英名 Rubber lip grunt、 ポルトガル名 Pargo mulato、 
和名はありません。
日本の「コショウダイ」同様、こちらも漁獲量は少なく市場ではまれに見る程度ですが、スーパーなどでは
どこからか送られてくるようで、時々目にします。ポルトガル名は"Pargo"となっていますが、
タイ科(Sparidae)の魚ではありません。イサキ科(Haemulidae)、コショウダイ属の1種です。
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この魚の特徴は何といっても、その「唇」です。
まずはポルトガル名ですが、"mulato"とはブラックとホワイトの混血の人のことで、ようするに「ちびくろサンボ」から
連想する「ぶ厚い唇」から名づけられています。余談ですが、「不死鳥・村田兆治」もポルトガル語では
「黒人と白人の混血の女の子」(=mulata)になってしまいます。
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次に英名ですが、"Rubber lip"とはまさにその「唇」のことです。
"grunt"とはブタなどがブーブー鳴くことや不平不満をもらすことをいいますが、なぜか「イサキ科の魚の総称」
としても使われています。しかし、この類の魚が「ブーブー鳴く」のかどうかは定かではありません。
再び余談ですが、スラングで"grunt"とは陸軍の「歩兵」を意味するようです。歩兵隊が行進する様は
まさに「ブーブー鳴いている」ように見えるのでしょうか。ここで想い出されるのがG.I.Joeです。
確か"Grunt"という奴もいたと思います。南北戦争の英雄、後の合衆国大統領の「グラント将軍」はどうでしょうか。
やはり「ぶつくさ文句ばかりいう人」だったのでしょうか。違います。「グラント将軍」は"Mr.Ulysses S. Grant"ですので、
"u"ではなく"a"でした。この場合はありがたい「奨学金」という意味になります。
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by mobulamobular | 2008-03-18 06:53 | | Comments(0)
多宝魚
ここで「ギョーザ」の話をするつもりは毛頭ありませんが、昨今、日本で騒がれている「食の安全」にも関連する一魚です。"ヒラメ"でも登場しました。タイトルは中国名です。
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学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado、 和名 イシビラメ。
漁獲量は多くはありません。しかし美味です。それゆえでしょうか、一時ポルトガルをはじめヨーロッパ各地で盛んに養殖が行われるようになりましたが、流行のピークは過ぎたようで、現在ではスーパーの魚売り場等では常時置いてはいるようですが、見た感じでは「人気商品」とはなっていない様子です。写真の個体はもちろん「天然物」です。地元漁師の刺し網にかかってきたものです。
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もともとヨーロッパが原産のこの魚は前述のとおり養殖されてものが世界中をかけ巡りました。そしてそれらが爆発的人気を博したのが中国でした。その後、中国国内で「多宝魚」の養殖が盛んに行われるようになりましたが、今から数年前に養殖魚特有の「薬」の問題が表面化し、一時、全面的に販売が中止されたそうです。
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養殖魚とはいえ、親魚は天然物です。しかし、交配をくり返し、世代が進むにつれ、ややこしいことになってきます。また、閉鎖的な環境で育つ養殖魚はもともと体が弱い(天然魚に比べ)ため、どうしても病気予防や生長促進のため「薬」に頼わざるを得ない状況になることがあります。そんな時、抗生物質や成長ホルモン剤を添加した餌を与えるのですが、これらは魚の体内に蓄積され、これ以上だと食べると人体にも影響が出るという「基準値」を超えることがあります。
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しかし、「天然物」とはいえ、生息海域の環境汚染が広がれば、養殖魚と同じように、もしくはそれ以上に深刻な事態になりかねません。特にこれら"Flat fish"の類は、常に海底にへばりついて生活していますので、「環境」から受ける影響は大きく、また早いと推測できます。
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いつまでも美味しい魚が食べれるように、努力が必要です。













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by mobulamobular | 2008-03-16 07:44 | | Comments(1)
観天望気
先週末、パーッと晴れました。一面の青空をふと見上げると、飛行機雲です。
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こういうのを見ると、いつも「観天望気(かんてんぼうき)」です。結果、この飛行機雲はなかなか消えませんでした。このまま一気に夏かとも思いましたが、まだ早いようです。やはり、二日後には雲が広がり、ポツポツ雨もありました。
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少し見にくいですが、西に傾く太陽を中心にできた「丸い虹」です。「朝虹は雨、夕虹は晴れ」となります(でもこの場合は少しちがいますけど)。

ようするに、「あ~した、てんきにな~れ」の下駄のようなものですが、いろいろあって面白いです。なかには知っててとてもタメになるものもありますが、けっこういい加減なものも多いです。それでもしゃれっ気があってよいと思います。例えば「ネコが顔を洗うと雨が降る」とかは、ちょっと疑わしいです。逆に考えるとアルガルベのネコは夏の約半年間は顔を洗わないことになってしまいます。また、「東の雷は雨は降らない」というのもあります。これは一理あります。通常天気は西から東へと移動するからです。
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しかし、その時の風向きによってはグングンこちらに攻めてくる東からの雷もありますので、注意が必要です。

飛行機雲については、水滴の塊ですので直ぐに消えない場合は「上空が湿っている」と判断します。よって、天気は下り坂、ということになります。
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20th Century Fox の映画の始まりではありません。上空に残った飛行機の航跡です。











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by mobulamobular | 2008-03-14 08:01 | 気象 | Comments(1)
聖ペトロのガンギエイ
ガンギエイ・シリーズ第4弾です。
(既に登場した3種は"Raja undulata"、"Raja clavata"、"Raja asterias"です。)
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学名 Raja(Leucoraja) circularis、 英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro、 和名はありません。「聖ペテロ」(= São Pedro)に関係する魚は数多くいます。以前にも登場した"目玉シビレエイ"もその1種ですが、今回のものは、例の「聖ペトロが落としたコイン」が見当たらないようですが。
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ありました。クリーム色をした小さなコインで見落としがちですが、確かにあります。しかも"目玉シビレエイ"よりも多い6個です。このコイン数には個体差があるようですが、通常4~6個だそうです。
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そもそも魚名と宗教を関連つけるのは感心しかねますが、日本にも"ネンブツダイ"というのがいますので、これも文化のひとつなのでしょう。










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by mobulamobular | 2008-03-12 05:38 | サメ・エイ | Comments(0)