<   2008年 02月 ( 10 )   > この月の画像一覧
"おとな"のカンパチ
"小カンパチ"、"若カンパチ"に続く「ヒレナガカンパチ」第三弾です。ようやく"おとな"になりました。
d0113817_20335863.jpg

あらためまして。
学名 Seriola rivoliana、 英名 Almaco jack、 ポルトガル名 Charuteiro (Peixe-azeite / Lírio) です。
しかし、この個体はアルガルベのものではありません。大西洋上に浮かぶアソレス諸島から昨晩空輸されたものです。
こうして間近に成魚のヒレナガカンパチを観察してみると、夏場に時々定置網に入る大型のカンパチは、どうやら「カンパチ」
(学名 Seriola dumerili)のような気がしてきました。日本ではヒレナガカンパチの方がカンパチよりも南方系で
島周りに多い種となっていますが、こちらでも似たような生息分布をしているのかもしれません。
また、北東大西洋および地中海海域に生息する多くの魚同様、産卵期になると産卵場所として地中海、あるいは
カディス湾を利用しているのかもしれません。
d0113817_21284315.jpg

カンパチもポピュラーな魚でありながら、その生態についてはあまりよく分かっていないようです。
学者さんたちにはもう少し頑張ってもらいましょう。
さて、卵は"Pelagic eggs"(浮遊卵)です。波に漂い、どこかで孵化します。小カンパチがよく流木や流れ藻の下に
着いていることは知られていますが、「彼ら」はそのままアソレス諸島まで行ったのでしょうか。
d0113817_21551898.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2008-02-29 00:46 | | Comments(0)
食べものだけじゃない
"木材"、"ASAE" に続く、ASAE(アザイ)シリーズ、第3弾です。
d0113817_23235763.jpg

ある事例があります。2004年のことですが、あるイギリス人グループが観光でアルガルベを訪れました。
一般的にアルガルベでの宿泊はホテルのみならず、大人数の場合はこのイギリス人グループのようにプール付きの家を
一軒借り上げて過ごすのがとてもポピュラーです。しかし、宿泊始めてから数日後、グループの一人がプールサイドで
タイルに足を滑らせ転倒し、頭を強打、一命はとり止めたものの後遺症の残る結果となってしまいました。
その後、このイギリス人は事故の原因は「滑りやすいタイル」にあったとこの家のオーナーを相手に訴訟を起こしました。

これは知り合いの不動産屋さんから聞いた話ですが、この事件の前後あたりから観光客用の家(Accommodation)への
規則が非常に厳しくなってきたそうです。この検査を行っているのも"ASAE"です。

例えば。
フランス人に家を貸す場合は、その家はフランスの法律に適合したものになっていなくてはならない。
ドイツ人の場合は、ドイツの。オランダ人の場合は、オランダの、っといった具合だそうです。
その「認定」を受けるには各国から検査官を招くなり、マニュアルを入手して自分で行うことになります。
上記3カ国の場合などはまだ規則が「似ている」ので1国のものを満たせば、他国にも応用できるのですが、
イギリスの場合はずいぶんと異なった条件や状況が要求されるらしく、大いに手間となるそうです。

例えば。
プールサイドには「滑り止めタイル」(こんなものはポルトガルでは今まで見たこともきいたこともありません)が使用されているか。
風呂用湯沸かし器の温度がある一定温度より上昇しないようになっているか、また、その温度計は設置されているか
(彼曰く、「ポルトガルでは湯の温度が熱い時は水をいっしょに出すのが常識だ」。どこでもそうだと思いますが。)。
階段の角度、垣根の高さ、冷房機器・暖房機器の状態、消火器等火災への対策、等々。数え始めたらキリがないのですが、
すべて、家を貸す相手国の規則に適合していなければならないそうです。
なぜならば、それが「ヨーロッパだから」といったところでしょうか。

ASAEは例によって検査を強行します。家主の事情などおかまいなしです。
アルガルベは「観光以外に産業はない」と言っていいほど、観光業に依存した地方です。漁師(漁業)でさえその恩恵を
多く受けており、「観光業者のピンチ」は他人事とは思えないのが現状です。
d0113817_19591238.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2008-02-27 00:58 | ポルトガル文化 | Comments(0)
"ハタタテホウボウ"
和名がないので、また、命名してしまいます。この手の魚の名前は、今までの習いからどんな和名が適当かおおよそ判断がつきます。参考となるのは"タイ五女"です。
d0113817_19144636.jpg

ホウボウ科(Triglidae)の魚です。学名は文献によって異なりますが、"Fishes of the North-eastern Atlantic and Mediterranean" のものを前に、( )内にはそれ以外のものを記載します。
d0113817_19151166.jpg

学名 Aspitrigla obscura (Chelidonichthys obscurus)、 英名 Longfin gurnard、 ポルトガル名 Ruivo、和名は分かりませんので、タイトル通り"ハタタテホウボウ"とします。
ポルトガル名ですが、"Ruivo"とはホウボウ科の魚の総称として最近は使われているようです。いわゆる「小魚」で、水揚量も少なく、判別も難しく、値段にも差がないことから、市場では皆一緒にして販売されています。しかし、味には差はあります。 例えば"ホウボウ"などは日本でも高級魚です。
d0113817_19473659.jpg

正式には "Cabra de bandeira"といいますが、この名前を知っているのは学者さんくらいだと思います。ちなみにCabra=雌ヤギ(チーズはCabraが一番です)、bandeira=旗、のことです。街では"Ruivo"の代わりに"Cabra"と表記されていることもありますが、この時点ではホウボウ科の魚であることは分かりますが、種までは分かりません。
d0113817_2072992.jpg











______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-25 00:19 | | Comments(0)
サルモネッテ
二度目の登場です。"焼き魚のチャンピオン"です。
d0113817_19575771.jpg

学名 Mullus surmuletus、 英名 Striped red mullet、 ポルトガル名 Salmonete、 和名 ヒメジの一種 です。
日本にはいろいろな種類のヒメジがいるようですが、一般的には黄色いヒゲを持ったUpeneus bensai (あるいはU.japonicus) です。小型のものが多く水揚量も少ないため、産地で消費されることがほとんどなのでしょうか、食べたという記憶はありません。そんなヒメジがこんなに美味しい魚と知ったのはポルトガルに来てからです。
d0113817_215550.jpg

土地柄ですが、ここらでは銀行マンや車の営業マン以外にめったにネクタイ姿の人を見かけることはありませんが、そんな人たちがランチにこのサルモネッテを食べている姿はなかなかカッコいいものがあります。また、リスボンをはじめ、国内からもたくさんのポルトガル人が観光あるいは仕事でアルガルベを訪れて来ますが、そんな人たちと一緒に食事をする時のお勧めの一魚です。鮮度落ちが早いようですので、やはり水揚げ地で食べるのがベストです。
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-23 00:46 | | Comments(0)
Monte São Miguel
英名 "マウント・セント・マイケル" です。
南ポルトガル・アルガルベ地方では"Monchique"という山が一番高く、最高地点は"Foia"で標高902mです。
São Miguel(標高415m)は、アルガルベではたぶん2~3番目に高い「山」だと思います。
"ファロ"を境に西側を"Barlavento"、東側を"Sotavento"と呼びますが、"Monchique"は"Barlavento"側に位置しますので、
São Miguelは"Sotavento"側では最高峰となります。
d0113817_19504288.jpg

今ではGPSのプロッター画面から自船の正確な位置が分かり、迷うことなく漁場にたどり着くことができますが、
今でも多くの地元漁船では「山タテ」が、船の位置と目的地の方向およびおおよその距離を知る手段です。
山タテには丘に指標物が必要なのですが、アルガルベの海岸線は起伏が少なく、その上目立った建築物も少ないため、
このSão Miguelはとてもよい指標となって、地元漁師の役に立っています。

約半世紀前の"Armação de Atum"(マグロ定置網)の写真を見たことがありますが、同じようにMt. São Miguelが写っていました。
ふもとの「白い部分」が多くなったとはいえ、その容姿は昔も今も変わらぬやさしい情景です。

「山」について
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-21 00:19 | 定置網 | Comments(0)
LEITÃO(レイタゥン)
ズバリ、「子豚」という意味です。ポルトガルでは、"Leitão"と聞けば「子豚」の丸焼き料理を思い出すのが普通です。
d0113817_6364953.jpg

学名 Galeus melastomus、 英名 Blackmouth catshark、 ポルトガル名 Leitão、 和名 ヤモリザメの仲間 です。
日本では近種のヤモリザメ(G.eastmani)やニホンヤモリザメ(G.nipponensis)が見られるようですが、この種はいません。メジロザメ目、トラザメ科、ヤモリザメ属のサメです。口腔内が黒いので「ブラックマウス」とも呼ばれています。oviparous(卵生)です。地中海内で年間を通じて産卵活動は行われているようですが、ピークは春から夏にかけてです。小型のサメですが、成体ではメスの方が大きくなり90cmほどです。オスは60cmほどにしかなりません。
d0113817_6552952.jpg

なんだかたくさんの「動物の名前」が出てきました。ブタ・ネコ・ヤモリ・トラ・・・。サメなのに"dogfish"というのもいます(例:"マルバラユメザメ")。こんがらがりますね。実際に多くの文献で"catshark"を"dogfish"と間違えて記載をしているもの、またその逆もよく目にします。
d0113817_78412.jpg

注) 以前に"LITÃO(リタォゥン)"というのが出てきましたが、「別物」です。








______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-18 03:48 | サメ・エイ | Comments(0)
no comment
d0113817_636098.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2008-02-13 21:31 | マンボウ | Comments(0)
ウロコアイザメ
前回の"ovoviviparous"で種の同定が間違っていました。
仕切りなおしです。
d0113817_024998.jpg

d0113817_0243094.jpg

学名 Centrophorus granulosus、 英名 Gulper shark、 ポルトガル名 Barroso、 和名 ウロコアイザメ です。
同じくovoviviparous(卵胎生)です。
ポルトガル名は「粘土質の」といった意味ですが、これが色からきたものか、肉質等からきたものかは定かではありません。
しかし、この種からは大量の肝油が採取できるため、そこから名付けられたのかもしれません。
サメの肝油はスクアレンのもととなるものですが、世界中で需要が多く、そのため今では資源維持が危惧されています。
市場に水揚げされる時は既に肝臓は除去されています。
比較的小型のサメで、最大で1.5mほどです。やはり深海ザメで、近隣海域では通常350mから500mの水深に生息しています。
d0113817_1325781.jpg

鰾(うきぶくろ)を持たず、大きな肝臓を利用して浮力調節をするのがサメ類の特徴ですが、アイザメ類等では「第三の眼」(松果体窓)を
持つことで光の少ない深海に適応しています。松果体(しょうかたい)は頭部背面の皮膚が局所的に色素を失い、
半透明化した部分で、光りを感じる細胞を持っています。
d0113817_4404422.jpg

話題は変わりますが、"Barroso"(バローゾ)と言って思い出すのは、やはり、ポルトガル人の欧州委員会委員長である
"José Manuel Durão Barroso" だと思います。
d0113817_1493495.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2008-02-12 06:24 | サメ・エイ | Comments(0)
ovoviviparous
「卵胎生」のことです。
これは魚の生殖様式のひとつで、サメ・エイ類、メバルやカサゴ、またはシーラカンス、馴染み深いところではグッピーなども卵胎生です。具体的には卵が母親の体内で孵化し、胎児は黄卵物質のみから栄養を摂取し成長していくものとされています。
d0113817_6464884.jpg

[後記]下記の記述に誤りがありましたので、訂正いたします。
学名 Centrophorus granulosus、 英名 Gulper shark、 ポルトガル名 Barroso、和名 ウロコアイザメ、 です。
学名 Squalus blainvillei、 英名 Longnose spurdog、 ポルトガル名 Galhudo、 和名 ヒレタカツノザメ。
ポルトガル名はちょっと発音しにくいのですが「ガリュード」といい、背びれにある棘が大きく特徴的であるため、このサメの場合、「大きな角」といった感じの意味になります。通常、水深400m以上に生息する深海ザメで「卵胎生」です。
これはオリャオの市場に水揚げされたものを写真に撮りました。
d0113817_745274.jpg
d0113817_7455671.jpg

学名 Deania calceus、英名 Birdbeak dogfish、 ポルトガル名 Sapata、 和名 ヘラツノザメ。
吻がとても特徴的であるため、何れの名前も前方に出っ張った吻を表すものとなっています。ポルトガル名は"Sapato"となると一般的な「靴」のことになるのですが、"Sapata"と女性形になると、特に幅がだだっ広い「靴」のことを意味するそうですが、ちなみに鉄道のレールの下の枕木も"Sapata"といい、何かもののベースになるものを言うケースが多いようです。同様に深海ザメで「卵胎生」です。これもオリャオのものです。

話をもとに戻しますが、サメ類の生殖様式は卵生(oviparous)と胎生(viviparous)に大別されます。そして胎生種の中で主に外卵黄嚢依存型のものを卵胎生(ovoviviparous)としているようです。しかし、矢野博士(サメ)によると、最近の研究では、サメ類の多くが特異的な生殖様式をもつことが判明してきたため、卵胎生の区分が曖昧になってきたそうで、博士の考えでは、サメは「卵生」と「胎生」の二分にするのがもっとも適切な方法、だそうです。

何れにせよ、サメは生殖様式のみならず生態、姿かたち、生息域、行動等、どれをとっても実に不思議な動物です。
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-12 00:02 | サメ・エイ | Comments(0)
メルルーサ
日本でもお馴染みの白身魚です。同属異種が世界中の海に生息しますが、北東大西洋および地中海海域には2種が生息しています。
d0113817_2359737.jpg

学名 Merluccius merluccius、 英名 (European) Hake、 ポルトガル名 Pescada branca、 和名 メルルーサ。
もう一種は写真はありませんが、学名 Merluccius senegalensis、 英名 Black hake、 ポルトガル名 Pescada negra、 和名 メルルーサ、 です。
この属の魚の和名はすべて「メルルーサ」で統一されているようです。ポルトガルでは総称で"Pescada"(ペシュカーダ)と呼ばれていますが、上記の通り、"branca"(白)と"negra"(黒)とに色分けされています。鮮魚の段階で両者はすでに見分けが難しいので、そんな時は鰓杷数を数えます。「鰓杷」とはエラの内側にある棘のことです。鰓蓋を開けると見ることができます。鰓杷数に個体差はありますが、12本以内であればP.branca、12本以上あればP.negraというのが一応の目安です。
d0113817_627931.jpg

地元では刺し網船が漁獲し、水揚げをしています。深海魚のイメージが強いようですが、夜には浅瀬へと移動し、数は多くありませんが、時々定置網にも入ります。冷凍魚の流通量が多く安価なイメージもありますが、鮮魚の値段はけっして安くはありません。市場では腹の割かれたメルルーサが並びます。そして、卵は別売りされるのが普通です。大きな魚体のものは、それはまさに「たらこ」の様です。ここでもポピュラーな魚で、皆んなに好んで食されています。
d0113817_1475525.jpg

けっこう鋭い歯の持ち主です。












______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2008-02-02 02:33 | | Comments(0)