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ASAE
"アザイ"と発音します。前回の「木材」の続編です。
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"ASAE"とは「食品衛生および経済活動」を取り締まるポルトガルのれっきとした政府機関です。しかし、その取締りが進むにつれ厳しさが増し、最近ではまるで「悪行を重ねる武装軍団」ごときの報道がされるようになっています。

上の写真は、ついこの間アルガルベ地方の一地域で行われた伝統ある「ソーセージ祭り」にASAEが乱入し、祭りをメチャクチャにしたという新聞記事のコピーです。報道によりますと、この祭りでソーセージの直売を行う際、ソーセージを扱う人間が「手袋および白い上着と帽子着用」の義務を怠ったことが、主な取締りの理由だったそうです。衛生上の観点からEUのルールをアップホールドさせようとするASAE側の主張も理解できないことはないですが、これにより祭りの主催者側からは猛反発を招いています。アルガルベ地方の主な産業は観光業です。祭りはポルトガル人のみならず、ヨーロッパ各地からのたくさんの観光客を呼び、これが地域経済と密接に結びついているという現実があります。しかし、このような「武装軍団」の突然の来訪は伝統的な祭りをダメにするばかりでなく、アルガルベ地方を訪れる観光客へも悪影響をおよぼしかねないという懸念があります。

この活動には多くの不満が寄せられています。趣旨には賛同できますが、問題はそのやり方にあることは明らかだ、というのが大勢の意見です。都会の法律をこんな田舎に持ってきても合わない、ということだと思います。また、大国の都合で物事を仕切られては小国は堪ったものではない、ということだとも思います。

しかし、小国が"EU"に加盟するということはこういうことなのかな、というのが率直な感想です。













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by mobulamobular | 2008-01-31 01:27 | ポルトガル文化 | Comments(1)
木材
ヨーロッパ大連合は今や27カ国に拡大し、域内の経済を飛躍的に成長させています。
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一方、27カ国の異なった文化や慣習をひとつにまとめようとする試みは困難な状況が続いています。よいのか悪いのか、市場原理主義とはならない原因がここにあります。経済活動における基本的なルールや線引きは27の加盟国の総意となります。ですから、27の異なった意見をひとつにまとめる作業を行うわけですが、これが大変です。全て「政治」のお話ですので、皆の欲求を満たしたものは肥大化し、時には複雑怪奇な格好で世に登場します。

上の写真は、ポルトガルにおける食品衛生法についての新聞の記事です。レストランでのシチューなどをかき混ぜる「木」のスプーンが禁止されました。代わりにプラスチック製やシリコン製を使うようにとのお達しです。まな板も包丁の柄も同様です。厨房からは一切木製のものは排除されました。
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ここから発展して、漁業にもその影響が出ています。魚を運ぶ木箱や木のパレット、トラックの荷台、漁師のナイフや氷用スコップの柄等、軒並み使用禁止です。そしてついには、木造船禁止です。上の写真の木造巻き網船は近隣の市役所が新しい郷土博物館建設のため買い上げていきました。

全て一気にというのはあまりにも無理がありますので、交換は今後徐々にということになると思いますが、既にEUの皆が満足する法律は施行されていますので、厳密には見つかれば罰金が科せられます。ポルトガルのような小国には脅威とも思われるEUの法律ですが、今日もどこかで抜き打ち検査が行われ、たくさんの民が泣いていることと思われます。この検査は大変組織だったもので一切妥協はなく、完全武装で行われます。たくさんのヘルメットに防弾チョッキにブーツ姿の警官を従え、検査官は木箱に入った魚を挟んで魚屋のオヤジさんに相対します。警官のライフルの銃口はそのオヤジさんに向けられます。ウソのような本当の話です。その場に居合わせた人間はその行動が制限されます。当然、写真撮影は許されず、携帯電話の通話についても警官の注意を受けます。しかし、このあまりにも強行な検査のあり方に疑問を抱く人も多く、実際に裁判沙汰になっているケースもあるようです。

今、皆が注目している「検査品目」がワインです。中には何十年も精魂込めて育ててきた「木樽」の中の熟成ワイン。これらは今後いったいどうなってしまうのでしょう。
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by mobulamobular | 2008-01-28 08:09 | ポルトガル文化 | Comments(3)
すっかり春めいた陽気となっています。
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ギンヤンマ(学名 Anax parthenope、 英名 Lesser Emperor 、ポルトガル名 Anax Imperador Menor)
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Amendoeira(アーモンドの木)も早くも八分咲きです。
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今のところ、春の訪れは例年に比べ若干早いといった印象です。
この時期の天候も後に海のコンディションや魚の回遊に大きな影響を与える場合がありますので、観察は欠かせません。

毎年のことながら、暖かくなるにつれて今シーズンの漁への期待と不安が広がります。
漁師は今、体力を蓄え、網入れの準備に明け暮れています。

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by mobulamobular | 2008-01-24 20:46 | 定置網 | Comments(2)
ヨーロッパコウイカ
ここにはマイカ(スルメイカ)がいないので、時々これで「イカの塩辛」を作ります。ヤリイカには、いわゆる「ミソ」が少なく、塩辛作りには向いていません。
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学名 Sepia officinalis、 英名 Common Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco-vulgar、 和名 ヨーロッパコウイカ です。日本にも多く入っているようで、「モンゴウイカ」とも呼ばれています。ここでは外套長が50cm以上に達するものもあり、体重は7kgにもなります。大きくなればなるほど外套背面の「虎斑紋」が鮮明になります。
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値段は大きなものは安く、小さいものほど高値で取引されているようです。大きいものは肉厚で食べ応えがあります。ここにはサイコロ状に切ったものをトマトシチュー風に煮込んだ"Caldeirada de Choco"という代表的な料理があります。小さいものは何といっても"Choqinhos com tinta"という料理にします。"Choquinho"とはChocoの小さなものを指し、親しみをこめた呼び名です。オリーブオイルとニンニクで、そのままイカ墨ごと(com tinta)サーッと炒めたものです。
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ポルトガル近海では他に下記の2種のコウイカが生息しているとされています。

学名 Sepia elegans、 英名 Elegant Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco-elegante、 和名 ヨーロッパヒメコウイカ
学名 Sepia orbigniana、 英名 Pink Cuttlefish、 ポルトガル名 Choco de cauda、 和名 オルビニコウイカ

一般的にヨーロッパヒメコウイカは成体で10cmほど、オルビニコウイカは12cmほどと言われていますので、サイズ的に大きく異なりす。また、触腕の吸盤の配列や甲(貝殻)の形状にも違いがあります。
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下はS.officinalisの触腕の吸盤の配列です。中央1列が他に比べ大きくなっています。
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一方、S. elegansのものでは中央に他とは異なり極端に大きな3つの吸盤がある、となっています。
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S.orbignianaのものはS.elegansのものとよく似ているようですが、甲(貝殻)の棘が著しく尖っていることから後者と容易に識別できるとされています。ここで水揚されるほとんどのChoco(「ショコ」と発音)はS.officinalisなのですが、マーケットで"Choqinhos com tinta"用のChocoを購入してみると、下の写真のような具合になりました。
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明らかに違う種が混じっていると思われ、早速料理。その後、甲(貝殻)を取り出して比較してみると。Aは棘があり、他の形状からもS.officinalisのものと思われます。BはAとは明らかに異なり、棘もありません。
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Bが棘がないため、これをS.elegans(ヨーロッパヒメコウイカ)のものとしたいところですが、個体が小さいことから(外套長約3cm)触腕の吸盤の配列等、他の特徴についての確認ができないため、今回は「不明」としておきます。










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by mobulamobular | 2008-01-20 07:56 | | Comments(0)
謹賀新年
あけましておめでとうございます。

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定置網の向こう側に日本より9時間遅れの初日の出です。
Boas Entradas 2008.
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by mobulamobular | 2008-01-01 18:44 | ポルトガル文化 | Comments(1)