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天気予報
自然相手の定置網。毎日気になるのが明日からの天気です。
テレビ・ラジオ・無線(ポルトガルの海上保安庁)でも天気の情報収集することはできますが、今ではもっぱらインターネットを利用しています。
こちらの天気予報は比較的よく当たります。しかし、一つの情報だけに頼ると時より「危険」なことになるので、
複数のサイトを見比べ、最後は自分の判断となります。でも、目視観察も大切です。今の天気はまさにここにあるのですから。
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上はCNNです。天気図に前線を表示しており、雨の降り方、風向きなどを知るのに参考にしています。
下はイギリスの"The European Centre for Medium-Range Weather Forecasts"というサイトです。
このような予想気圧配置図が10日先まで表示され、今後の天候の傾向を知る上でたいへん参考になります。
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スペインの"Instituto Nacional de Meteorologia"のサイトです。下の図は風向きとその強さを示したものですが、
他にも同ページで、気圧配置、降雨状況などがこの先48時間後まで6時間毎の予報が表示され、とても便利です。
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定置網にとって必要な海況情報には、気温、天気の他にも風向き・強さ、波の大きさ・その方向、水温、透明度などが含まれます。
続いてポルトガルの"Instituto de Meteorologia"です。全国図上に主要地の天気・気温・風向きおよび強さが、
また、海には波の高さおよび方向、水温がそれぞれ表示されます。
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画面を変えると、向こう4日間の天気予報を読むことができます。
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それぞれの予報には「予報官」の名前も記載されています。
ここで、ポルトガルの天気予報なので、あえて「難点」を言わせてもらえば、時々、上記2画面に著しい違いがある時が
あります。また、週末の予報が極々適当で、1日2~3行で4日間同じ天気、などと言う場合もあります。
長年ここにいますので、文化・習慣の違いは心得ているつもりですが、もうちょっと頑張ってもらいたいものです。

これら以外にも日本に「世界の気圧配置」という優秀なサイトがあり利用しています。ここでは今日明日のヨーロッパの
気圧配置図を見ることができ、画面の端っこですが沖の小さな低気圧の発生にも敏感に反応しているようで、
他の天気予報が「全滅」状態でも、「一人勝ち」といった時も今までに幾度もあります。

今の風向きを知るには"Weather Undergroud"の日本語版や、"Yahoo"を見ています。

ここは丘と海の間にRia Formosaを挟んでいますので、丘からはなかなか海の状況を知ることは難しく、
何がしかの情報に頼ることになります。そんな時、他の漁師からの情報も力強い味方となります。
しかし、船での航海、海での仕事は一歩間違えるとたいへん危険なことになります。
冒頭にも述べたように、天候の判断は、「最後は自己責任」、ということになります。
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by mobulamobular | 2007-11-29 17:59 | 気象 | Comments(0)
ヤリイカ
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"Live fast and die young" これは「イカの一生」を表した言葉です。


毎年この時期になると、ヤリイカは産卵のために接岸し、定置網やそのロープに房状の卵を産みつけますが、今年はどうやら少なめです。


学名 Loligo vulgaris、 英名 European squid、 ポルトガル名 Lula-vulgar、 和名 ヨーロッパヤリイカ


大きなものでは外套長が40cmオーバーになるものもいますが、この海域にはさらにもっと大きくなるヤリイカがいます。


(学名 Loligo forbesi、 英名 Veined squid、ポルトガル名 Lula-riscada、 和名 ヨーロッパオオヤリイカ)


地元の市場では全て"Lula"の呼称で扱われており、ヨーロッパオオヤリイカがどの程度混在しているのかは定かではありませんが、今後調べてみようと思っています。発見した際には、写真をあらためて掲載します。


上記2種の違いとして、まず、触腕の吸盤の形状が挙げられます。
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ヨーロッパヤリイカは中央2列の吸盤が他のものに比べて数段大きいのに対し、ヨーロッパオオヤリイカのそれはほぼ均等の大きさになっています。
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また、外套膜の腹面にある「ミミズの這った」ような斑紋にも違いがあり、下の写真はヨーロッパヤリイカのものですが、ヨーロッパオオヤリイカの場合は、もっと鮮明で数も多くなるということです。
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しかし、地元ではヤリイカの外套膜内に米やゆで卵やソーセージ、イカの頭や脚を細かく切ったものを詰め込んで、トマト煮にした"Lula Recheada"という人気料理用に小さめのヤリイカの方が高値で取引されています。
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by mobulamobular | 2007-11-26 01:31 | | Comments(0)
ソーダガツオの缶詰
出来上がりました。
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ソーダガツオ(Auxis rochei)の缶詰です。
スペイン・アンダルシア地方の名産です。スペインではソーダガツオのことを"Melva"と呼びます。
「ミソ」は缶箱左下に明記してある"de ALMADRABA"です。
"ALMADRABA"とはスペインで「定置網」のことです。よって、この缶詰は「定置網で獲れたソーダガツオの缶詰」ということになります。
スペインにはジブラルタル海峡手前(大西洋側)に古くから定置網の「名門4漁場」がありますが、
どれもクロマグロ・オンリーといっていいほど、他魚種の漁獲は少量です。
そんな中、ソーダガツオを漁獲している最寄りの定置網といえば、ポルトガル・アルガルベの定置網になります。
味は何度も繰り返しますが、最高です。
でも残念なことにポルトガルではほとんど売っていません。


ここまでの過程は下の記事を参照ください。
ソーダガツオ
JUDEU
JUDEUの出荷
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by mobulamobular | 2007-11-23 22:59 | ポルトガル文化 | Comments(4)
バリケン
魚でもなく、定置網についてでもないのですが。
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学名 Cairina moschata、 英名 Muscovy Duck、 ポルトガル名 Pato mudo、 和名 バリケン です。
正確には、南米原産のカモ科の鳥である「ノバリケン」の家禽化されたもの、だそうです。

先日、"Ria Formosa"沿いで作業をしていた漁師が1羽の「得体の知れない」鳥を発見。
近づいてみると歩いてヒョコヒョコ遠ざかっては行くが、一向に飛ぼうとはしないので、彼は「きっと、怪我をしているにちがいない」
と思い、その鳥を保護しました。
嘴から眼にかけて同色になっていること、また、水掻きがあることから、彼はそれを「カツオドリの幼鳥」と思い、
国立公園の管理事務所にその鳥を届けました。
その後、インターネットで"Birds in Europe"なる類のHPでこの鳥の名前を検索しましたが、全くヒットせず、
検索範囲を「日本」にまで拡大したところ、和歌山県立自然博物館のホームページにこの写真の鳥によく似た鳥が
記載されているのを発見しました。早速、この博物館に問い合わせをしたところ、「バリケンに間違いない」との
ご返答を担当の方からいただきました。

別の漁師がこの鳥を見た時すぐにこれは"Pato mudo"だと言っていたのですが、それが「何物」かはわかりませんでした。
"Pato"はカモ・アヒルのことですが、"mudo"とは「口のきけない・無言の」といったような意味なのです。
このバリケンを保護した漁師にこのことを問うと、「たしかに捕まえた時には鳴かなかった」そうです。
カモやアヒルはガーガーゲーゲー鳴くのが常だと思っていましたが、家禽化されたそれは「言葉を失って」しまったのでしょうか。

前述のとおり、原産は南米ですが、食用として全世界に広まったようです。ヨーロッパも例外ではなく、別名「フランスガモ」とも
呼ばれているようです。また、英名では「モスクワのカモ」となっており、原産地からずいぶんと離れてしまっています。
ロシアの首都モスクワ=MOSCOWですが、その「モスクワの」となった時、なんで"MUSCOVY"と"O"が"U"になってしまうのでしょう。
余談すぎました。

もし、この鳥が口を利くことができたら、まず最初に「自分は誰?、ここはどこ?」と問うのではないでしょうか。
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by mobulamobular | 2007-11-21 00:02 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ヒラメ
「左ヒラメの右カレイ」の原則から言って、これは「ヒラメ」です。ですから、「○○○カレイ」ではなく、「×××ヒラメ」という和名がついてもよいと思いますが、残念ながら今はないようです。
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学名 Scophthalmus rhombus、 英名 Brill、 ポルトガル名 Rodovalho です。
周辺海域には数種類の「ヒラメ」が生息しますが、定置網でも他の漁法でもあまり多くの漁獲はありません。この"Rodovalho"によく似た種に「イシビラメ」(和名)というのがいます。外見上はそっくりのようですが、有眼側を手で触れてみると、体表がデコボコしてしています。骨質の突起物が体表に点在しているためです。
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学名 Psetta maxima、 英名 Turbot、 ポルトガル名 Pregado です。

どちらも肉厚、美味、高級魚です。"Pregado"はヨーロッパでは養殖も行われています。「イシビラメ」という和名があることから日本にも入っているのでしょう。ポルトガルでもリスボン周辺で養殖が行われている様子ですが、お店等ではあまり見かけないので、流通量はそんなに多くないのではと推測します。
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by mobulamobular | 2007-11-17 18:36 | | Comments(0)
金環鯛(ドラーダ)
王者の風格というか、りりしい姿が印象的な魚です。なおかつ美味となれば、人気を博すこと間違いなしです。
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学名 Sparus aurata、 英名 Gilthead sea bream、 ポルトガル名 Dourada、 和名 ヨーロッパヘダイ です。
(タイトルの「金環鯛」は勝手に命名したものです。ちなみに英名もそんな感じになっています。)ヨーロッパでドラーダはヨーロッパスズキ(Dicentrarchus labrax)とともに代表的な養殖魚としても知られています。食欲旺盛で成長が早いこの魚はポルトガルはもとより、一時はヨーロッパのいたるところで盛んに養殖が行われました。しかし、近年その場所は人件費の安いギリシャやトルコなどに移り、また、もとからの過剰供給で西ヨーロッパの養殖場は急速に衰退してしまいました。オリャオ近辺にもノルウェー資本の大きな養殖場がありますが、今では一昔前の活気はありません。
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しかし、天然物の人気は衰えることなく、養殖物と比較されることからかえって値段(浜値)は上がったようにも思われ、両者の間には3~4倍の値段の差がつくこともあります。
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眉間に金色のスジがあるのが特徴です。天然物は各鰭がピンと伸び、鱗に当たった光りの反射も直線的で、全体的に綺麗です。他のタイ類が春から夏にかけてが旬であるのに対し、ドラーダは秋から冬にかけてが旬となります。定置網は通常この時期、休漁期となるため、年間を通じドラーダが大量にはまとまって入ることはありませんが、時に50cmオーバーの大型の個体を見ることができます。











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by mobulamobular | 2007-11-12 01:50 | | Comments(0)
黒ニシマアジ
マアジで記載できなかった「黒ニシマアジ」です。
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学名 Trachurus picturatus、 英名 Blue jack mackerel、 ポルトガル名 Carapau negrão です。
「黒ニシマアジ」の後頭部背鰭沿いの側線は、第二背鰭第5~10軟条下で終わっています。
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体側の「ゼンゴ」(稜鱗=りょうりん)という棘状の鱗の違いは下図のようになっています。
「黒ニシマアジ」は3種の中では数が一番多く、細かくなっているのが特徴です。
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ポルトガル近海では一番多い種ですので、魚価的には一番安くなってしまいますが、アルガルベ名物Carapau limado(アジの酢漬け)では
抜群の威力を発揮します。しかし、上記「ゼンゴ」の数は身の小骨数と比例していますので、少々「骨っぽく」なりますので、ご注意を。
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by mobulamobular | 2007-11-10 01:48 | | Comments(0)
ドラムフィッシュ
コルビナと同じニベ科(Sciaenidae)の1種ですが、あんなには大きくなりません。周辺海域に生息していますが、漁獲されることはめったになく、珍しい魚の部類に入ると思います。
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学名 Umbrina canariensis、 英名 Canary drum、 ポルトガル名 Calafate das canarias、 和名はなく「カナリードラム」と呼ばれているようです。
Umbrina属には世界中で約10種いるとされていますが、北東大西洋および地中海海域には、このカナリードラムとU.cirrosa、U.ronchusの3種がいることになっています。になみに日本近海には生息していません。Umbrina属の特徴としては、下顎に「ヒゲ」のような突起物があることです。これはヒラヒラしたものではなく、硬いものです。
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また、今回の種の同定の決め手となったのが尾鰭の形状で、縁が"S字"になっているのが他の2種とは異なります。
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ニベ科の魚と言うとすぐにイシモチ(石持ち)を思い出しますが、このカナリードラムの頭の中にも大きな「耳石」が入っているはずです。日本ではこの類の魚にまつわる四方山話が多く存在します。例えば、素気ない態度を「ニベもない」といいますが、これもこの魚の「ニベ」のことです。ニベの鰾(うきぶくろ)を使って接着剤(膠)を作ることから、「ニベもない」~「接着していない」~「愛想ない、素気ない」となります。また、ニベ科の魚で「グチ」と呼ばれるものがいますが、これはこの魚が釣り上げられた際、よく鰾を振動させグーグーと鳴くことから「愚痴」をこぼしているようなので「グチ」となったようです。この「グーグー、ガーガー鳴く」習性は英名にも現れています。「ドラムフィッシュ」のドラム(Drum)はズバリ「太鼓」のことです。また、近種に"Croaker"と呼ばれる魚がいますが、"croak"は蛙やカラスがガーガー鳴く様を表しています。






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by mobulamobular | 2007-11-08 01:02 | | Comments(0)
ブルーフィッシュ
海でのルアーやフライフィッシング愛好家の方々にはおなじみの1種かもしれません。日本にはいません。アメリカものがよく知られているようです。「ブルーフィッシュ」と言ってもイワシやサバの「青魚」の総称ではありません。
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学名 Pomatomus saltator (あるいは P.saltatrix)、 英名 Bluefish、 ポルトガル名 Anchova、 和名 アミキリ。
アミキリ科(Pomatomidae)で1属1種です。全く違うのですが、「ブリ」のいないポルトガルではこのアミキリが「ブリ」に似ているような印象を受けています。色・形もありますが、網内での遊泳行動が「ブリ」に似ており、網と網の隙間を見つけると果敢に突っ込んで行き、逃げようとします。定置網には多くの漁獲はありませんが、美味しい魚として地元では評判です。
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「Anchovaがアンチョビー?」の話
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by mobulamobular | 2007-11-04 04:48 | | Comments(0)