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マアジ
「アジ(鯵)の旨い鮨屋は上手い」と勝手に思っていますが、そのアジを代表するのが「マアジ」です。
アジ科(Carangidae)にはマアジの他、シマアジやブリ・カンパチが属しており、日本の食文化においてはとても大切なFamily(科)であると思います。
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ポルトガルにおいても「マアジ」は人気種で、食べ方としては焼き魚、フライ、酢漬け等様々です。
北東大西洋および地中海海域では4種類の「マアジ」が生息していることになっていますが、ポルトガルでは内3種がよく水揚げされています。
(写真上) 学名 Trachurus trachurus、 英名 Atlantic horse-mackerel、 ポルトガル名 Carapau、 和名 ニシマアジ。
(写真下) 学名 Trachurus mediterraneus、 英名 Mediterranean horse-mackerel、 ポルトガル名 Carapau do Mediterrâneo、和名はありませんので、今ここで命名します。「地中海マアジ」。
もう1種は 学名 Trachurus picturatus、 英名 Blue jack mackerel、 ポルトガル名 Carapau negrão、これも和名がありませんので、命名します。「黒ニシマアジ」です。しかし、この写真はまだ用意できていないので、追っかけ記載したいと思います。
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さて、「ニシマアジ」と「地中海マアジ」の識別ですが、これがケッコウ難しく、よく見ないと分かりません。
この種の特徴として、体側に「ゼンゴ」(稜鱗=りょうりん)という棘状の鱗がありますが、まずこれが微妙に異なります。
(写真上) ニシマアジの体側前方の稜鱗(幅が広く、数が少ない)
(写真下) 地中海アジの体側前方の稜鱗(幅が狭く、数が多い)
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また、後頭部背鰭沿いの側線の長さが異なります。これは北東大西洋および地中海海域の4種類のマアジ全てにおいて異なっており、最も有効な同定部位だと思います。
(写真上) ニシマアジの後頭部背鰭沿いの側線は、ほぼ第二背鰭の終わりまで続いている。
(写真下) 地中海マアジの後頭部背鰭沿いの側線は、第一背鰭第8棘条下、あるいは第二背鰭第3軟条下までで終わっている。

ちなみに、アルガルベの定置網漁師もアジだけは日本語の「アジ」で覚えており、網内にアジがいる時は、「あじ・アジ・鯵~!!」っという叫び声が、耳に心地よく、船上に響きます。
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by mobulamobular | 2007-10-27 05:35 | | Comments(0)
バターフィッシュ
バターフィッシュ(Butterfish)と呼ばれている魚は世界中にたくさんいるようですが、正式英名が単独で "Butterfish" となっているものはいないようです。必ず"〇×△ butterfish"のように形容詞がついているか、あるいはそれは「地方名」のようです。マナガツオ科(Stromateidae)の1種です。日本近海には生息しないStromateus属の魚です。
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学名 Stromateus fiatola、 英名 Butterfish、 ポルトガル名 Pampo、 和名はありません。
上記英名は「単独」で"Butterfish"となっていますが、これは"Fishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean" (UNESCO)の記述通りです。しかし、"Fishbase"では"Blue butterfish"という英名になっています。
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この属にはこれ以外にS.brasiliens(ゴマシズ)とS.stellatus(ホシゴマシズ)の2種が存在しますが、前者は南西大西洋のブラジル近海、後者は南東太平洋のチリ・ペルー近海にそれぞれ生息しており、ポルトガル近海ではこの"Pampo"のみが生息しています。
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まるで「落書き」のような綺麗な模様ですが、どこが"Blue butterfish"なのでしょうか? イギリス近辺で見られるものは「青い」のかもしれませんが、この辺では"Yellow"「黄色」です。
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by mobulamobular | 2007-10-25 04:40 | | Comments(0)
メジナモドキ
日本人にはメジナ擬(モドキ)かもしれませんが、ここでは逆に本家の「メジナ=Girella punctata」がいませんので、この和名もぱっとしません。
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学名 Spondyliosoma cantharus、 英名 Black sea bream、 ポルトガル名 Choupa、 和名 メジナモドキ(?)
英名の"Black sea bream"ですが、直訳して「黒鯛」となりますが、日本のクロダイ(Acanthopagrus schlegelii schlegelii)の英名はFISHBASEなどでは"Black porgy"となっており、区別されます。
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定置網にはドサッとまとまって入ることはありませんが、周年漁獲される魚です。それだけメジャーな魚ではありますが、ポルトガル名"Choupa"の名前の由来は分かりません。少なくとも周辺の漁師や住民に尋ねたところ、皆目見当がつかない、との答え。手持ちの辞書では"Choupa"は「槍の穂先、両刃の斧、たがね、のみ」などとなっていますが、魚名との関係はありません。もっとも市販されている葡日辞書のほとんどが、ブラジル・ポルトガル語を基本としたものばかりで、しばしばポルトガルのポルトガル語とは異なりますので、ポルトガル人が辞書にある"Choupa"を知らなくとも不思議はありません。









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by mobulamobular | 2007-10-23 04:58 | | Comments(0)
"鯛鹿"
「馬+鹿」ならぬ「鯛」と「鹿」でこの魚になります。
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学名 Diplodus cervinus cervinus、 英名 Zebra sea bream、 ポルトガル名 Sargo veado、 正式な和名は分かりません。
アルガルベ近海でよく獲れるDiplodus属の魚はDiplodus4兄弟に出てきた4種にこの1種を加えた5種類です。これらの種はポルトガル名では頭にすべて"Sargo"と付きます。
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今回のものは、はっきりした横縞模様が入っていることから、英名の"Zebra sea bream"=「縞馬鯛」はよく理解できるのですが、ポルトガル名の"Sargo veado"が何故"veado"=「鹿」なのかがよく分かりません。ポルトガルで野生の鹿を見たことは未だありませんが、まさか「縞模様」ということはないと思います。誰がいつ決めたのかは分かりませんが、まったく意味不明な名前を付けてくれたものです。

ちなみに、同じポルトガル語を話すブラジルでは"veado"は「鹿」ではなくなりますので、ご注意を。当サイトの品位を汚す恐れがありますので、詳細については割愛しますが、漢字で表すとこうなります(!?)。
「鯛釜」。
なんだか美味しそうな名前になってしまいました。







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by mobulamobular | 2007-10-21 01:43 | | Comments(0)
ガンギエイ
ポルトガルには"Raia Alhada"(ガンギエイのニンニク煮込み)という料理があります。美味この上なく、この魚がこんなに上等なものとは知りませんでした。
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学名 Raja undulata、 英名 Undulate ray、 ポルトガル名 Raia curva、 和名 ガンギエイの一種 です。
ポルトガル名"Raia"はガンギエイ、"curva"は「カーブ」のことで、たぶん魚体の幾何学模様を表現しているものと思います。
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この吻部のあたりのゼラチン質の箇所が特に美味しいです。
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北東大西洋および地中海海域にはガンギエイ属(Raja)の多くの種が生息しています。
その中でもポルトガルで多く水揚されるものは下記のとおり。
Raja (Rostroraja) alba      (英名 White skate、 ポルトガル名 Raia tairoga)
Raja (Rostroraja) brachyura (英名 Blonde ray、 ポルトガル名 Raia pontuada)
Raja (Rostroraja) montagui (英名 Spotted ray、 ポルトガル名 Raia manchada
Raja (Raja) clavata         (英名 Thornback ray、 ポルトガル名 Raia lenga)
Raja (Raja) miraletus (英名 Brown ray、 ポルトガル名 Raia de quatro olhos)
Raja (Leucoraja) naevus (英名 Cuckoo ray、 ポルトガル名 Raia de dois olhos)
Raja (Raja) microocellata (英名 Small-eyed ray、 ポルトガル名 Raia zimbreira)
Raja (Leucoraja) circularis (英名 Sandy ray、 ポルトガル名 Raia de São Pedro)
などがいます。
和名については"Raja (Raja) clavata"が「イボガンギエイ」と呼ばれているようですが、他のものについては「無い」と思います。
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これは今日、定置網に入ったものですが、今後上に列記したガンギエイが入り次第、随時アップロードしていきたいと思います。
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by mobulamobular | 2007-10-19 05:26 | サメ・エイ | Comments(0)
FÁTIMA(ファティマ)
ファティマはポルトガルの首都リスボンから北へ百数十キロほど行ったところにある小さな町の名前です。
そこに1917年5月13日、聖母マリア(英名 Virgin Mary、 ポルトガル名 Virgem Maria)が天から現れ、3つのメッセージ(預言)を
残していった、という事件がありました。
詳細についてはここでは割愛しますが、メッセージの内容は「戦争回避」のためのものと信じられ、平和を願うポルトガル人の中には
いまもなお熱烈な「ファティマ信者」が多く存在します。

そんな中、定置網漁師の最年長者が奥さんとファティマを訪れ、聖母マリアを連れてきてくれました。
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ついにオリャオにも聖母マリアが出現しました。
そして、「ユーラシア大陸果ての定置網」に関する重大なメッセージが託されました。
しかし、それは公表できません。
なぜならばそれは「メッセージ」ではなく、「秘密」だったからです。

和名 ファティマのメッセージ(預言)、 英名 The three "secrets" of Fatima、 ポルトガル名 "Segredo" de Fátima
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by mobulamobular | 2007-10-17 05:38 | ポルトガル文化 | Comments(0)
秋カツオ
秋カツオの到来です。
日本ではこの時期南下してくるカツオを「戻りカツオ」と呼び、脂ののった美味しいものが食べれます。
ポルトガルでもカツオは春には大西洋を北上し、秋には南下してくるものと考えられますが、途中、彼らが地中海をどのように
利用しているのかは大変興味深い点ですが、不明です。
カツオは本来沖の魚で定置網にはなかなか入りませんが、この時期、南よりの風がカツオを岸近くまでつれて来てくれます。
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夏の初カツオの時に比べ、魚体は太って丸くなっています。
学名 Katsuwonus pelamis、 英名 Skipjack、 ポルトガル名 Bonito gaiado、 和名 カツオ。
日本を代表する魚ですし、食べても美味しい魚ですので、これからどんどん入って来てくれることを望みます。
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by mobulamobular | 2007-10-15 05:42 | | Comments(0)
水族館会議
先日、オーストリアのザルツブルグで、ヨーロッパ(EU)の水族館会議が開かれました。
ヨーロッパは今水族館ブームで、特にトルコを含む東欧諸国での新水族館建設計画が目白押しです。
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イギリス、フランス、ドイツ、ノルウェー、ポーランド、ギリシャ、スペイン、ポルトガル等の若い水族館スタッフらの活動実績が
報告され、活発な意見交換が行われました。
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来年は北京でオリンピック、上海で「国際水族館会議」です。
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by mobulamobular | 2007-10-14 01:21 | 活魚 | Comments(0)
PILOTFISH
この魚は1属1種で世界中どこでも同じ。それだけでも「珍しい種類」といえるのではないでしょうか。
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学名 Naucrates ductor、 英名 Pilotfish、 ポルトガル名 Peixe piloto、 和名 ブリモドキ です。
サメやエイなどの大型魚の随伴魚として有名ですが、それが魚を先導しているように見えるので"Pilotfish=Peixe piloto"という名で呼ばれています。前述の通り、アジでもイワシでも日本近海のものと大西洋のものでは種が異なりますが、何故かこれは同じです。大型魚にくっついて世界中を旅しているのでしょうか。しかし、大型魚でもそう簡単にマゼラン海峡を通過できるとは思えません。パナマ運河を利用しているのでしょうか。そうすると単独行動か。ひょっとして、南回りか。
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よく見ると脂瞼が発達しています。
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チビのくせに尾柄はおおきなスタビライザー付きです。泳ぐのは得意そうです。チャームポイントは尾鰭の白い先端です。











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by mobulamobular | 2007-10-12 00:30 | | Comments(0)
PERIGO(危険!!)
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「桟橋は危険な状態ですので、立ち入りは規制されています…」
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定置網に限らず養殖場など、ある一定海域を占有している場所では、しばしば起きる事故です。
写真は定置網の道網の上にヨットが乗り上げ、立ち往生しているところです。
大きなキールが網とロープの間に挟まり、自力での脱出は不可能な状態です。
事故は双方にとってとても危険な状態になります。
ポルトガルの定置網はアルガルベの一ヶ統のみですので、地元の人たちは別としても、たまに定置網付近を航行する船には
周知が行き届いておらず、今まで毎年数件の事故が発生していました。
夜間標識灯は完備されていますが、その数を増やしたり、大きなものを使用するなど、いろいろ対策を講じてきましたが、
事故は一向に減りませんでした。そこで、今年は定置網についてのチラシを作成し、周辺のマリーナやフィッシングクラブに配布したところ、
なんと、今までのところ「事故件数ゼロ」となっています。

定置網の漁師も「夜勤」がなくなり喜んでいます。

あえて一言
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by mobulamobular | 2007-10-10 06:32 | 定置網 | Comments(0)