<   2007年 08月 ( 17 )   > この月の画像一覧
CORVINA
今年、ここまで最大の個体です。
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4度目の登場です。
学名 Argyrosomus regius、 英名 Meagre、 ポルトガル名 CORVINA、和名 オオニベ。
180cm, 52kg の巨体です。年齢は推測ですが、今までの年齢査定の結果から50歳前後だと思われます。
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by mobulamobular | 2007-08-31 02:29 | | Comments(0)
オルカ
長年定置網をしていると、いろいなものと出会います。
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これは今から9年前の1998年秋に突如訪れた"珍客"とのワンショットです。
学名 Orcinus Orca、 英名 Killer whale、 ポルトガル名 ORCA(オルカ)、和名 シャチ です。

沖からの連絡で、「でかいイルカの群れが定置網のそばにいる」と聞き、皆で沖へ急行してみると、それが10頭ちかいシャチの群れでした。
皆はじめて見る大きな物体に一瞬言葉を失いましたが、次の瞬間、ことの重大さに気づきました。
シャチの群れはなんと定置網の登り運動場と呼ばれるところで、泳ぐでもなく、潜るわけでもなく、まるで日光浴でもしている様子で、
ジッとしているのです。
そのまま放っておくと、箱網(魚を漁獲するところ)に進みかねません。どうにかして定置網から離れてもらわなければなりませんでした。
皆、正直、慌てました。登り運動場の網を切り離し、土俵をつけて沈め、シャチの通り道をつくりました。皆、必死でした。
しかし、その間、当のシャチは慌てもせず、騒ぎもせず、ただ悠然と2~3度小さなターンはしたものの、同じ場所に留まったままです。
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準備完了。さぁ、出て行け。 息を呑む瞬間です。・・・・。
しかし、シャチの群れは待てど暮らせど、いっこうに定置網から離れる様子はありません。
そこで、作業船(小船)に指示です。「気をつけて、シャチの群れを誘導しろ。」
漁師二人が小船でシャチの群れに近づきます。すると群れはいっせいに潜り、小船とは反対側に1頭、また1頭と水面から
姿を出しました。シャチはまったく慌てず、"何食わぬ顔"でいます。定置網を去る気配はありません。
そんなやり取りを数度繰り返していた、その時。突然、群れの中で一番デカイやつが、ゆっくり群れを離れ、小船に近づいて
行きました。「危ない!!!」っと誰が言ったか憶えていませんが、まさに皆そう思いました。
なんと、小船の上で立っていた身長180cmほどの漁師よりも、そのシャチの背鰭の方が大きく見えたのです。

小船を退却させ、待つしかないと思いました。皆、すでにかなり疲れていました。今夜は船の上か・・・。
と、その時。デカイ背鰭の1頭に続くように、群れが動き出しました、が。その方向は、皆が苦労してシャチのためにつくった「出口」
ではなく、進入してきた登り運動場の本来の入り口(この場合は出口となる)で、次々と定置網から出て行きました。
しばらくゆっくり定置網を"横目"で眺めながら泳いだ後、群れは沖へ向きを変え、突然、エンジン全開で海の彼方に消えて行きました。
その姿は大きな水しぶきを上げ、まさに"疾走"そのもので、たぶんシャチと知らない人が見たら、「大きなクルーザーが
スッ飛んで行った」とでも思ったことでしょう。

これが皆との、1998年秋の一日の思い出です。

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by mobulamobular | 2007-08-28 05:08 | 定置網 | Comments(0)
"活"シロシュモクザメ
来ました。入りました。捕まえました。
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ハンマーヘッドシャークで登場したのと同じシロシュモクザメです。しかし、今回のものは"活魚"です。
体長1.2mほどのメスの個体です。捕獲後、船の魚層に入れて陸上施設まで運んで来ましたが、
ここの水槽でシロシュモクザメを飼育するのは初めての経験です。
どの魚も同様ですが、水槽に移してから落ち着くまで数時間はかかります。しかし、このシロシュモクザメは遊泳速度が早いうえ、
真っ直ぐ水槽の壁に激突し、ドスンドスン音をたてていました。彼女にとってはパニック状態なのでしょうが、それにしても危険回避の
本能はどこへ行ったのか、ロレンチーニびんは作動していないのか、といった感じでした。
それでも数時間後にはターンのコツをつかみ、ぶつからなくはなりました。
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いろいろな文献には「シロシュモクザメはアカシュモクザメよりも水槽飼育が難しい」と記載されていますが、
具体的にどのように難しいのか、その違いが何なのかが分かりません。
そこで、シュモクザメの飼育経験豊富な日本の水族館勤務の先輩にアドバイスをお願いしたところ、やはり「この魚の性格的に、
動きが直線的なので注意が必要」とのことでした。どうやら、不器用な魚のようです。
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これから餌付けを開始します。イワシなどの活魚を入れるとよいという同先輩のアドバイスも受けています。
一日も早く、うまくこの環境に順応してくれることを祈るのみです。
学名 Sphyrna zygaena、英名 Smooth hammerhead、 ポルトガル名 TUBARÃO MARTELO、 和名 シロシュモクザメ でした。
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by mobulamobular | 2007-08-26 02:03 | 活魚 | Comments(0)
RIA FORMOSA
南部ポルトガル・アルガルベ地方のオリャオは"RIA FORMOSA"(リア・フォルモーザ)という国立自然公園の中に位置しています。RIA(リア)とは「河」のことですが、厳密にはここは河ではなく、「ラグーン」と表現するのが一番適しているように思います。
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海はこのラグーンの外になりますので、定置網船は毎日このラグーンの中を航行していますが、水深が1~3mと浅いのが難点です。ラグーン内ではアサリやカキなどの養殖が盛んに行われています。干潮時のみ姿を出す養殖場で、腰を折りメインテナンス作業に追われる人々がいます。この自然がいつまでも続くことを祈るのみです。春には時に、フラミンゴが飛来することもあります。
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オリャオは海に面しているのではなく、河に面しています。よって、海水浴に行くには船を使いRIA FORMOSAを渡らなければなりません。これがいつまでも海の自然を保つ大きな役割を果たしています。海岸線は100年前とほとんど変わず、街の明かりや騒音は届きません。RIA FORMOSAは街と海との間でその緩衝材的存在となっています。また、生活排水等が直接流れ出すのを防ぐ、フィルター的存在ともいえます。このような環境があるので、今でも大型魚を中心とした多くの魚が接岸するのだと考えています。
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バックはオリャオの街並みです。
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by mobulamobular | 2007-08-22 02:51 | ポルトガル文化 | Comments(0)
コバンザメ
この魚はよく見かけるのですが、今まではあまり気にもとめず、剥がしてはポイポイ海に捨てて(戻して)いましたが、漁師が気を利かせて写真撮影用に持って帰ってきました。今回のものは大きめのマンボウについていたそうです。
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学名 Remora brachyptera、 英名 Spearfish remora、 ポルトガル名 PEGADOR、 和名 クロコバン です。
"PEGADOR"はズバリ「ひっつくもの」という意味です。
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なんといっても背鰭が変化してできた頭部の吸盤がこの魚の売りで、何種類か存在するコバンザメごとにその形状や大きさが異なり、種の同定の際の判断部位となります。日本には昔、「小判」というものが存在したので、こういう名前がついたのだと思いますが、日本の文化を感じるよい一種です。今回は和名の「勝ち」です。
















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by mobulamobular | 2007-08-21 04:18 | | Comments(0)
地球温暖化
ポルトガル名 Aquecimento global、英名 Global warming です。
世界各地で気温の上昇や海水面の上昇など、地球温暖化の問題はいろいろのようですが、大西洋に面するここでも、非常に深刻な諸問題が各方面から指摘されています。その最も憂慮すべきことが、ヨーロッパの更なる寒冷地化の問題です。ヨーロッパはただでさえ寒いところです。それは緯度でみれば、一目瞭然で、パリは49度ほど、ロンドンは51度ほど、スウェーデンのストックホルムにいたっては59度にもなります。日本のそれと比べるともっと事態ははっきりすると思いますが、最北端とされている(異論あります)ところでも45度ほどですので、ヨーロッパの主要各地は日本よりずっと北に位置していることが分かります。ポルトガルはというと、首都リスボンは38度ほどで、定置網のあるアルガルベ地方の州都"FARO"でも36度ほどの緯度になります。仙台がリスボンとほぼ同じで、FAROは水戸と同じぐらいです。しかし、それでもポルトガルではほとんど雪は降りませんし、北海道よりずっと北のロンドンでは雪は降るものの、あんなドカ雪はまずありません。ではなぜ高緯度にもかかわらず、人が住めるほど「温暖」でいられるかというと、それは大西洋に面しているからなのです。大西洋には南からの「黒潮」のような暖流(メキシコ湾流~北大西洋海流)が北極海にまで流れており、これが高緯度のヨーロッパを温暖な気候に保つ重要な働きをしていると考えられています。この海流は北に行くにつれて水温が下がり、塩分濃度が増加し相対的に重くなるため、海底に沈み込み、深層海流となっています。このシステムが暖流を高緯度まで「吸い寄せている」訳ですが、地球温暖化により北極の氷が溶け出すと、塩分濃度が増加せず、海水の沈み込みがゆるやかになり、結果、南からの海流を「吸い寄せる」力が弱まる、ということになります。ですから、暖流が流れてこないとこれまでの温暖な気候は維持されず、一気に気温は下がり、寒冷地となる、という推測が成り立つ訳です。
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定置網漁業はもとより、漁業全般に従事する漁師たちは海で作業を行っているため、自然の変化には敏感にさせられます。また、この「気候変動」による影響を他の誰よりもいち早く受け、感じる状況下にいると思います。しかし、「口下手」の漁師はその現実をうまく丘の人間に伝えられないでいます。また、伝えたところでどうせ信じてもらえないと思っているのか、はたまた、本当に信じられていないのか。確かに、漁師の言うことは大雑把で、時に非常に混乱した情報が多いです。しかし、それは相手が海だったり、自然だったりするので、無理のないことだと思います。大切なのは、これらの情報をどのように処理し、どのように伝え、役立てていくかと思っていますが、現実は難しいです。

「地球温暖化によって気温が上がり水温が上がることによってもっと多くの魚たちが、このアルガルベ地方の海岸に押し寄せるからよい」、という話も聞いたことがありますが、上記のように、ことはそう単純ではなさそうです。むしろ、その逆で、「気温が下がり水温も下がり魚も減る」、「漁業はさらに衰退し、定置網の維持も難しくなる」、「食糧難となる」、「北ヨーロッパはすでに人間の住める状況にあらず、大量の難民が、少しでも温かいポルトガルにどっと押し寄せてくる」、「もっと、食糧難になる」、「・・・・・?!」。

「これはまずい」と思い、まずはの「地球温暖化対策」です。定置網の漁師たちは、今、車やオートバイの使用をやめ、自転車や徒歩で通勤するように心がけています。
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by mobulamobular | 2007-08-20 05:21 | 気象 | Comments(0)
ハンマーヘッドシャーク
どちらかと言うと季節ものです。
夏に定置網に興味津々で近づいて来ます。登り運動場内でよくその姿を眼にしますが、時に箱網に深入りし、漁獲されてしまいます。
市場では当然、高値でセリ落とされます。
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学名 Sphyrna zygaena、 英名 Smooth hammerhead、 ポルトガル名 TUBARÃO MARTELO(トゥバロン マルテイロ)、
和名はシロシュモクザメです。
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このサメの最大の特徴であるシュモク(撞木)型の頭=ハンマーヘッドです。
ちなみにポルトガル名はTUBARÃO=サメ、MARTELO=ハンマー です。
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噛まれたら、痛そうです。
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ありました。ロレンチーニびんです。
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2.5m、115kgほどの、メスの個体でした。
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by mobulamobular | 2007-08-19 00:15 | サメ・エイ | Comments(0)
定置網船
検査と修理・点検のため、年に二回、定置網船を港に隣接する造船所に上架しなくてはなりません。
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検査は厳しく、船体、舵回り、エンジン、救命緊急設備等と項目が分かれていて、日数を要します。ですから、あらかじめ準備万端で臨まないと、とんでもないことになってしまいます。この点は断然日本の方が簡略化されていると思います。
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「とんでもない」ことになっている船は数多くあり、まさに「商売上がったり」の状態に陥ります。人命最優先。労働者(漁師)の労働環境は断固として守られるものです。もっと分かりやすく言えば、「漁船の上でもフォークとナイフで食事できるスペースと設備が必要」ということです。当然、どんなルールにも一長一短ありますが、まずはコンプライアンスです。
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by mobulamobular | 2007-08-17 05:14 | 定置網船 | Comments(0)
アオザメ
もっともサメらしく、俊敏でたくましい一種ではないかと思います。
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学名 Isurus oxyrinchus、 英名 Shortfin mako、 ポルトガル名 TUBARÃO ANEQUIM、 和名 アオザメ です。
この場合の「アオ」は「青」ではなく、「蒼」でもなく、「藍ザメ」だと思います。もっと落ち着いた色で、逆にそれが威厳めいた感じにも見れます。ちなみに英名で"Blue shark"はヨシキリザメ(学名 Prionace glauca)のことで、ポルトガル名でも時にヨシキリザメは"Tubarão azul"(Tubarão=サメ、 azul=アオ)と呼ばれています。正式には"TINTUREIRA"といい、「色染めしたように」美しいサメ、という意味です。
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定置網には年に十数尾の入網がありますが、比較的小型のものが多いと思います。食用となり、市場では高値で取引されますが、ここでは、入網した個体はすべてまず活魚として扱い、水族館への搬入に挑戦しています。しかし、水槽での飼育は非常に難しく、残念ながら未だ水族館には展示できていません。港の陸上施設の水槽でも一週間ほどの飼育記録が最長です。
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この個体は若いオスでした。サメには吻に第六感こと、「ロレンチーニびん(瓶)」という感覚器官があります。これにより電磁波を感じ取り、餌のありかや、他の生物の動向を見極めることができる優れものです。
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いつかこういったサメを飛行機に載せて飛ばすのを目指しています。










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by mobulamobular | 2007-08-15 05:45 | サメ・エイ | Comments(0)
定置網 その2
d0113817_0162873.jpg定置網の設置場所とは、実際は諸先輩方の長年の尽力によって既に最適の場所に設置されており、新たに何もないところから場所を選んで設置するようなことは、現在ほとんどありません。ですから、今の漁師たちはその場所で定置網の伝統を守り、将来に向けて海の文化を継続していく努力をしているのです。

ここポルトガルの定置網も1970年代初頭に一度は途絶えたものの、1995年より再び新たな1ページを拓きました。僅か20年ほどのブランクでしたが、その間にほとんど全てのものが失われ、伝統のもろさの一面を垣間見た気がします。定置網は縦2km、横1kmほどの人間にとっては大きなスケールのものですが、それでも10万分の1の地図上では点にしかなりません。人と海との接点はご覧の写真のとおり、小さな船の上でもっと小さな人間が細いロープで網を吊り上げて、そこに入っている魚を獲っているだけのことです。全世界的に3Dで想像してみてください。なんとちっぽけな挑戦か。

でも、それが定置網の仕事です。。
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by mobulamobular | 2007-08-13 05:21 | 定置網 | Comments(0)