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小カンパチ
これもこのあたりではあまり見られない魚です。カンパチの幼魚です。
日本ではカンパチも出世魚でこのぐらいのサイズ(25cmほど)のものは「ショッコ」とか呼んでいると思います。
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大きなもの(8~10kg以上)は主に夏場に定置網に入りますが、なぜか決まって2尾ずつ(つがい!?)で量的には
多くありません。地中海内のほうが漁獲量が多いと聞いています。北東大西洋および地中海海域に
生息しているとされているSeriola(ブリ属)は4種とされていますが、南部ポルトガル海域では内2種を
時々見かけるといった感じです。その2種というのが日本でもおなじみの2種でカンパチとヒレナガカンパチです。
本当に日本近海に生息するものと同種なのかは分かりませんが、学名を見る限り同じです。
ちなみにブリ、ヒラマサはいません。残念ですが。
では、はたしてこの魚はカンパチの幼魚なのかそれともヒレナガカンパチのそれなのか、ですが、
いろいろ調べていて面白い記述を見つけました。
Fishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean(UNESCO)ではブリ属の幼魚は
種によって体側の横帯の数が異なり、カンパチは5本、ヒレナガカンパチは6本となっています。
この横帯は大きくなるにつれて不規則になり、次第に消えていくものだそうです。この場合、眼のところの
斜帯と尾の付け根のものは含みません。
どうでしょうか。これは。
結果、スズキ目(Perciformes)アジ科(Carangidae)ブリモドキ亜科(Naucratinae)ブリ属(Seriola)の
学名 Seriola rivoliana、 英名 Almaco jack、 ポルトガル名 Charuteiro (地方名 Peixe-azeite)、 
和名 ヒレナガカンパチ だと思います。
上記の違いの他にカンパチの幼魚の方がもっと黄色がかった色であったり、カンパチの尾鰭の下葉先端は
白くなっているなど、チェックポイントはあるのですが、今回は横帯の数に賭けてみたいと思います。
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ポルトガル名の"Charuteiro"は葉巻(タバコ)を意味する"Charuto"から派生した言葉と考えられます。
ようするに「葉巻のようにずんぐりした格好の魚」ということでしょうか。辞書を見るとCharuteiroで「煙草店主」と出ています。
一方、"Peixe-azeite"ですが、Peixeは「魚」、azeiteは「オリーブ油」のことです。魚の色がオリーブ色だからなのか、
身に脂がのっていてもオリーブ油のようなサラっとした感じだからなのか、どちらかは分かりませんが、
こちらの方がしっくりくる感じがします。
アルガルベでは一般的に人々はPeixe-azeiteと呼んでいます。発音は「ペイシェ・アゼィテ」です。
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by mobulamobular | 2007-06-29 15:43 | | Comments(0)
タイ4姉妹
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学名 Pagellus erythrinus、 英名 Common Pandora、 ポルトガル名 Bica ("尖り"という意味)、 和名 ニシキダイ。
美しい魚です。ポルトガル名の"尖り"というのはちょっと納得いきませんが、形から言えばいたしかたないところでしょうか。
和名「ニシキダイ」というのもよいですね。名ばかりでなく食しても美味です。定置網では夏場によく入ります。
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学名 Pagellus bellottii bellottii、  英名 Red Pandora、 ポルトガル名 Bica-buço(あるいは"Mariana")、 
和名 アサヒダイ。
上のBicaの近種。これも美しい魚です。日本ではどうやら少量ながら「アサヒダイ」というおめでたい名前で
流通しているようです。興味深いのがポルトガル名で、Marianaは単なる女性名で、容易に「美しいもの」を
想像できますが、標準名とされているBica-buçoの"buço"(ブソと発音します)とは、一般的に「女性の口ひげ」
(うぶ毛タイプ)のことを指す言葉です。ちなみに男性の口ひげのことはbigodeといい、猫のそれも同様です。
それでは何故この魚がbuçoなのか?
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上がBicaで、下がBica-buçoです。口元を比べてみるとどちらかと言うと前者の方がゴッツイ口元で、
後者の方が優しい面持ちに感じられますが、いかがでしょうか。
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お気づきかもしれませんが、英名では双方とも"Pandora"という名がついています。あのギリシャ神話の
「パンドラの箱」のそれです。
これらの魚はやはり誰が見ても美しい、神秘的なものに見えるのでしょう。ポルトガル人以外は!?

さて、3種目ですが、これは以前「魚その5」でもご紹介したものです。
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学名 Pagrus pagrus、 英名 Common Seabream、 ポルトガル名 Pargo legitimo、和名 ヨーロッパマダイ。
マダイはどこでも「真ダイ」といった感じで、タイの基本形、魚の原点のような存在です。これもきれいな個体でした。

最後に4姉妹目としてご紹介するのは、これも以前に「珍魚」でご紹介したものです。
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学名 Dentex canariensis、 英名 Canary Dentex、ポルトガル名 Dentão quissanga、
和名は定かではありませんが、あえて言えば「カナリア・キダイ」とでもなるでしょうか。これまたきれいな魚ですが、
外見上はBicaとPargoを足して2で割ったような形をしています。
しかし、決定的に違う箇所がひとつあります。学名が示すように"Dentex"というのは「歯」のことを指しますので、
この魚は鋭い歯とか、大きな歯を持っているとか、すぐ噛み付くとか、そういった歯にまつわる特徴があることが
容易に分かります。
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で、口の中を覗いてみますと。ありました。確かに鋭い歯が。こういった歯は上記のPagellus属やPagrus属の
魚にはありません。もちろんタイ類ですので、皆歯がありますが、Dentexのものが一番鋭いという意味です。
それにしても。もうお気づきかもしれませんが、学名、英名、日本名ともに西アフリカ沖のスペイン領カナリア諸島の
「カナリア」という名前が入っていますが、ポルトガル名のみ"quissanga"というカナリアとは違った名前がついています。
では、一体"quissanga"とは何かというと、旧ポルトガルの植民地であった東アフリカのモザンビークの一地区の名前です。
ようするに、ポルトガル人は「この魚はカナリアではなく、モザンビークの"quissanga"地区によくいる魚だ」
と言っているのです。
ここからも、旧大国の威信が見え隠れする一方、良い悪いは別として、オリジナリティーの現れと言えるでしょうか。
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by mobulamobular | 2007-06-26 03:33 | | Comments(0)
カツオ3兄弟
まずはこれをご覧ください。
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上からヒラソウダ(Auxis thazard)、スマ(Euthynnus alletteratus)、マルソウダ(Auxis rochei)、と思いきや・・・・・。

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3尾とも1kgオーバーの丸々と太ったカツオたちです。
(上)一番上は背鰭の形状が明らかに違うのでヒラソウダではありません。
(中)でも、スマだったら腹部に黒い斑点があるはずですが、一番上のにはありません。
(下)よ~く見ると一番下のマルソウダに黒い斑点があります。
これらのカツオ3兄弟は同日同じ時に漁獲されたものですので、同じ群れで移動してきたものと考えられます。
あるべきものになく、通常ないものにあることが分かります。結果、一番上のものは二番目のものと同様にスマで、
スマの中には腹部に黒い斑点がないものも存在するということ、また、三番目のものはマルソウダですが、
スマと一緒に回遊していることから"ハイブリッド"の可能性が高いということが言えると思います。
また、これらのことは今回が初めてではなく、たびたび見られる状況です。
長年の観察からもうひとつ言えることは、この海域にヒラソウダが生息、あるいは回遊している可能性は
非常に低いということです。しかし、これらはあくまでも私見ですので、ご参考までに。
ヒラソウダ発見の暁にはぜひともご紹介したいです。
結局、今のところ単なる「カツオの兄弟」でした。
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by mobulamobular | 2007-06-24 21:47 | | Comments(0)
ラージスケール スコーピオンフィッシュ
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学名:Scorpaena scrofa、英名:Largescaled scorpionfish、ポルトガル名:Rascasso、だと思います。
日本では近種でS.neglecta(イズカサゴ)やS.onaria(フサカサゴ)などがいますが、同種でも個体によって色彩に大きな違いがあり、種の同定はむずかしいです。5月に「魚顔」でフサカサゴとして紹介したものと同種で、今回のは大型となります。ポルトガルでは他にS.elongata(Slender rockfish)という種がいますが、生息数は少ないとされており、漁獲されるフサカサゴ類ではこのS.scrofaは一番メジャーな種です。背鰭に黒い斑点がありますが、S.onaria(フサカサゴ)の場合はメスの個体にはなく、オスにだけ見られる特徴です。S.scrofaでも同様なのか定かではありません。Fishes of the North-eastern Atlantic and the Mediterranean(Unesco)では黒い斑点についての記載はありますが、それが雌雄によって異なることについては言及していません。
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by mobulamobular | 2007-06-20 17:09 | | Comments(0)
ムラサキイガイ
[2010年1月24日記載内容一部訂正済み]
定置網にとって代表的な付着性汚損生物であるムラサキイガイ(Mytilus galloprovincialis)です。
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世界中で広く食用とされていますが、原産地は地中海で、船底などに付着して全世界に広まった話は有名だと思います。一般的にはムール貝と呼ばれ、いろいろありますが、いわゆる地中海料理の中によく入っています。前述の通り、ムラサキイガイは定置網にとって「百害あって一利なし」の存在です。外来種としてのムラサキイガイは世界中のいろいろなところに大量発生、大量付着し、多大な被害を与えています。
ここでは冬から春にかけて産卵をし、卵は潮により流され漂った末、定置網のロープや網に付着します。付着した時は肉眼では見えませんが、1~2ヶ月ほどすると米粒大となり、その後4~5ヶ月で殻長が4~5cmほどまでに成長し、この間体重はおおよそ10倍になります。天文学的数量で付着をしますので、例えば卵から孵化し幼生となり定置網に付着し、その後米粒大にまでなった時の総重量が仮に100kgであっても、その数ヵ月後には1トンもの重量になってしまいます。実際はその何十倍、何百倍ものムラサキイガイが付着するわけですから、その全体量は計り知れないものになってしまいます。この重さによってロープや網が破断したり、定置網そのものが海中に沈んでしまい、漁ができなくなる事態を招きます。漁師にとっては正に恐ろしいの一言です。

ポルトガルではMexilhão(発音は難しく、"ムシリョン"といえば通じると思います。)と言います。イガイ類には冒頭の"M.galloprovincialis"の他にもいろいろな種がいて、ヨーロッパ(地中海外)では"M.edulis"の方がメジャーな存在のようです。

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by mobulamobular | 2007-06-19 19:58 | 定置網 | Comments(0)
活サバ
サバは水族館等で大変人気の魚種です。
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多数のサバを水槽に入れると群れを形成し、その群れは球状になります。
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でも今回のものはちょっと用途が違いました。
研究機関用コルビナの餌となります。コルビナは大変用心深く、また臆病な魚で、毎回餌付けには苦労をします。
過去にリスボン水族館ではコルビナの餌付けに2ヶ月以上要した記録もあります。この時は鮮魚や冷凍魚を与えていましたが、
まったく食べようととはしませんでした。ようやく食べ始めた時はすでにコルビナは皮と骨のみの状態になっていました。
死んでしまっては元も子もないので、今では活サバを与えています。それでも日中、人が見ている前では食べません。
どうやら夜にバシャバシャやっている様子です。
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プレデーターが近づいて来ます。すると群れはいっせいに逃げ出します。
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by mobulamobular | 2007-06-16 20:36 | 活魚 | Comments(0)
珍魚その3のお詫びと訂正
前回、「珍魚その3」に誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします。
側線の走り方が特徴的ですので、今回は間違いないと思います。
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英名Leerfish、ポルトガル名Palombeta、学名Lichia amiaです。
何れにせよ日本近海では見かけない種で、アジ科(Carangidae)ですが、Fishes of the North-eastern Atlantic
and the Mediterranean(Unesco)によると一属一種で、和名は不明です。
魚体が大きいこと、時に水面下や河口付近で見られることからスポーツフィッシングの対象魚となっています。
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by mobulamobular | 2007-06-11 16:40 | | Comments(0)
珍魚 その2と3
今年は今のところ例年になく水温が低く、思ったような漁ができていませんが、えてしてこんな時はかわった魚が入るものです。
まずはイスズミの仲間で英名はBermuda sea chub、ポルトガル名はPreguiçosa-branca、学名はKyphosus sectatorです。
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記憶ではここでは初めて見ます。定置網以外の魚でも見たことはありませんでした。25cmほどです。

[下の記述は間違っています。次の回の「珍魚その3のお詫びと訂正」をご覧ください。]
次は学名Campogramma glaycos、英名はVadigo、ポルトガル名はXareu-palhetaです。
和名は分かりません。日本近海には生息していないと思いますが、これでもブリの仲間です。成魚になると
群れることなく、単独行動が主だそうです。このあたりでも珍しい魚で、誰一人名前を知る者はいませんでした。
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これはけっこう大きく、全長で120cmほどありました。








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by mobulamobular | 2007-06-10 04:41 | | Comments(0)
ホウボウ
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和名ホウボウ、英名Tub gurnard、学名はTrigla lucerna(Chelidonichthys lucernus)です。ポルトガル名はこのサイトではIPIMARの魚名辞典を使用していますが、この正式名が時より実際に広く市場で使用されている一般的な魚名と異なる場合が多々あります。今回のホウボウの場合もそのひとつかもしれません。ポルトガル名は"Cabra-cabaço"です。ホウボウの仲間でカナガシラの一種(Lepidotrigla cavillone)が時より市場でもまとまって売られているところを目にしますが、これをRuivoと呼んでいます。ホウボウの方が数が少なく一般的ではないので、このRuivoと混同されている場合が多いようです。
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by mobulamobular | 2007-06-09 15:36 | | Comments(0)
スマ
日本では地方によって「ヤイト」と呼ばれています。
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英名はLittle tunny、ポルトガル名はMerma、学名はEuthynnus alletteratusです。カツオ・マグロ類の一種で、ソウダガツオに近い種です。「ソーダガツオ」を参照下さい。特徴としては①胸に黒い斑点があること、②鰓蓋の黒点が吻先から背中にかけての黒いラインと離れていること、③第1背鰭が第2背びれまでつながっていること、等が挙げられます。
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それに比べ、ソウダガツオには胸に黒い斑点がないとされていますが、ここにはいます。たぶん今年も夏から秋にかけて定置網に入網すると思いますので、入り次第ご紹介します。下の写真は上がソウダガツオ、下がスマです。ソウダガツオは800gほど、スマは2kgほどです。
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ソウダガツオの鰓蓋の黒点は背中のラインとつながっています。また、第1背鰭は小さく、第2背鰭とはつながっていません。
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スマは定置網にそれほど大きな群れで入ることはありませんが、時に5kg以上の大型ものが入ることもあります。ソウダガツオに比べ若干水温の低い海水域を回遊していると思われます。双方とも刺身で美味ですが、鮮度には注意が必要です。









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by mobulamobular | 2007-06-07 17:56 | | Comments(0)