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日本研修旅行 その5
日本海といえばこの魚ですが、訪問時には漁期も終わりに近く、「イナダ」サイズのものが水揚げされていました。
ブリ(鰤)"Seriola quinqueradiata"です。
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ポルトガルにもいろいろな魚がいます。そのほとんどが、日本のものと種こそ異なれ、同属近種のものが
大概は生息しますが、ブリだけはいません。
いないと分かると余計にほしくなるのが人情で、しかも美味しい魚となるとなおさらです。

時化のため石川県・門前町での定置網乗船をあきらめ、車で富山県へと移動し、
「定置網の街」氷見の漁港を見学しました。
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「定置網の街」と言われるだけあって、海岸線は定置網で埋め尽くされています。
定置網があって、小さな港があって、定置船が係留されていて、網や側張りがそこら中に置かれて出番を
待っているかのような光景は定置網がひとつしかない国から来た二人にはかなりの驚きだった様子です。
氷見の漁港では盛んにサワラ(鰆)"Scomberomorus niphonius" の水揚げが行われていました。
定置網の数、水揚げ量の多さのみならず、その活気の凄さに二人は圧倒された様子でした。
また、船、トラックで次々に魚が搬入され、そのつど仲買人が魚の元へ移動を繰り返し、次々にセリが
行われていく様は、ちょっとノンビリ屋さんの二人には、かなりの刺激だったと思います。
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by mobulamobular | 2007-05-31 15:29 | 日本研修旅行 | Comments(0)
日本研修旅行 その4
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能登・門前町の定置網の現場を訪問しました。未だところどころに地震でうけた被害の跡が残っており、一日も早い完全復興を願うばかりです。
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生憎の悪天候で沖には出られませんでしたが、事業所の教室でそのスケールの大きさに驚愕しました。
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二人にとっては異文化の象徴でもある「畳・ふとん・ゆかた」。ぐっすり寝られたでしょうか。
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by mobulamobular | 2007-05-30 17:15 | 日本研修旅行 | Comments(0)
日本研修旅行 その3
次は定置網作りの工場見学です。
たくさんの人たちの努力の賜物で定置網漁は行われています。決して獲る人間だけのだけのものではありません。
それにしてもプロの仕事の早さ、正確さ、確実さには目を見張るものがあります。
また、勉強させてもらいました。
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しかし、結構疲れました。まだ時差ボケも残っているし、寝れる時に寝る。これ、漁師の鉄則です。
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でも運転手さんは寝れません。お世話になりました。
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by mobulamobular | 2007-05-30 17:14 | 日本研修旅行 | Comments(0)
珍魚(Dentex canariensis)
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魚種の同定にはUNESCOの"Fishes of the North-Eastern Atlantic and the Mediterranean"を使用していますが、そこではポルトガル南部は生息域には入っていないことになっています。キダイ属の一種で「ハナレンコ?」という和名になっている"Dentex canariensis"です。英名ではCanary Dentexです。誤解しないでいただきたいことは、「珍魚」としたのはあくまでもポルトガル南部の海岸線においてはということで、名前ともなっているカナリア諸島近海でどうなのかは知りません。ひょっとしたらたくさん生息しているのかもしれません。ただ、FishBase等WEBサイトにも鮮明な画像はあまりなく、人目に触れることもそんなにないのではと思いました。

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by mobulamobular | 2007-05-29 21:51 | | Comments(0)
コルビナの雌雄判別
日本研修旅行の話の続きの前にちょっと別の事柄を紹介します。
コルビナでも述べたように近年この魚の(オオニベ、Argyrosomus regius)の養殖がスペイン、フランスを中心に盛んに行われるように
なってきています。
そこで養殖に必要な親魚を提供しています。
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定置網に入ったコルビナを活魚として船の魚層に入れ、港まで運び、その後陸上施設に移します。
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養殖では親魚から卵と精子を取り出し、それらをかけ合せて稚魚を生産するわけですから、当然、
オスとメスが必要になります。しかし、コルビナの場合、外見ではほとんど雌雄の見分けがつかないため、
カテーテルを体内に注入し、実際に卵、精子を取り出して雌雄の確認を行います。他に血液検査による
雌雄判別方法などもありますが、この場合魚を傷つけることになり、ここでは行っていません。
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by mobulamobular | 2007-05-29 14:22 | 活魚 | Comments(0)
日本研修旅行 その2
小田原では相模湾試験場を訪問し、回流水槽での定置模型実験を見学しました。
潮の流れを受けて定置網がどのように変形し、漁にどのような影響があるか。
どこにどのぐらいの力が掛かり、それを予測することによって最悪の事故を回避する手段を
あらかじめ講じる、等々。とても勉強になることばかりでした。
神奈川県水産技術センター相模湾試験場

新幹線の待ち時間を利用して小田原城見学です。
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そして、いざ北陸・金沢です。
金沢ではまず小型の定置網船に乗船させていただきました。
少人数でいかに効率よく定置網漁業を行っていくかを実践されているところです。
これからのポルトガルでの定置網の発展には欠かすことのできないノウハウがぎっしり詰まった現場でした。
一仕事終えて帰路での朝飯です。漁師さんから「ミソ・スープ」と「サシミ」をご馳走になりました。
これもきっと忘れられない思い出になったことでしょう。
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帰港後、早速獲れた魚の選別です。無駄のない一連の作業の流れとそのリズムが勉強になりました。
本当にありがとうございました。
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by mobulamobular | 2007-05-25 14:34 | 日本研修旅行 | Comments(0)
日本研修旅行
ポルトガル人スタッフ2名を連れて日本に研修旅行に行ってきました。
その様子をこれから数回に分けてご紹介します。
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ファロからTAP(ポルトガル航空)でリスボン経由フランクフルトまで。そこからJALで成田です。
おおよそ24時間の長旅です。二人にとってはもちろん初めての日本への旅でした。
今回、縁あって神奈川県のご協力を得ることができました。まずは横浜の県庁にご挨拶です。
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その後、三崎・城ヶ島の神奈川県水産技術センターを訪問させていただき、日本の漁業、神奈川県の漁業、
定置網等多くのことを学ぶことができました。
また、隣接する神奈川県栽培漁業協会ではポルトガルでは未だない「育てる漁業」という考え方についての
貴重なお話を聞くこともできました。
小田原では市の漁業協同組合の定置網に乗船させていただき、日本の定置網を初めて見学しました。
まず驚いたのが、朝早い(夜中?)出港時間です。2時に港を出て二ヶ統の操業を終え、港に戻った時に
ようやく東の空が白々してきました。地元の漁師さんにとっては毎日大変な作業と思いますが、二人には
かえって新鮮な作業に映った様子でした。
次に、失礼を承知で言わせていただければ、二人にとって意外だったことは「日本の漁師は若い」ということでした。
見学させていただいた定置網では漁師さんの世代交代が上手に行われ、若い方がたくさん働いていました。
それだけで、一昔前の漁業に対する印象とはちょっとちがうものを感じました。
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by mobulamobular | 2007-05-24 16:44 | 日本研修旅行 | Comments(0)
水揚げ
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水揚げは必ず魚市場(DOCAPESCA)で行われます。この市場は今でこそ民営化されましたが、つい最近まで国営でした。しかし民営化後も魚の水揚げはDOCAPESCAのみで行うことが国の法律で定められたままになっています。

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ポルトガルは小国であるがゆえに現在の資本主義社会においては少なからずハンデがあります。
この魚市場も存在自体が法律で保護された形になっていますし、業界ではモノポリーですので、競争のない企業の弊害のようなものが随所に見られます。しかし、漁師たちは毎日せっせと影の部分と日の当る部分を行き来しながら水揚げ作業を行っています。

水揚げするときは必ずこのオレンジ色の箱の中に15kgの魚を入れてください。
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by mobulamobular | 2007-05-11 22:19 | 定置網 | Comments(0)
ソーダガツオ
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Auxis rochei (Bullet tuna) マルソウダ だと思います。
ポルトガルではユダヤ人を意味する"Judeu"と呼ばれています。

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定置網で水揚量の一番多い魚です。
漁の最盛期は8月から10月ですが、海況によっては少量ながら年間を通じて姿を見ます。
夏には魚体は1kg以上となり、丸々太り、美味の一言。個人的には、刺身はマグロ以上だと思っています。
水揚げされたソウダガツオは、あまりポルトガル国内では消費されないため、生食用として少量のみ地元の魚屋さんが
買って行きますが、あとは全てお隣のスペインの加工場に売られていきます。いわゆる輸出産品です。
スペイン南部のアンダルシア地方ではソウダガツオを使った料理が古くから郷土料理として地元の人々によって
愛され、今もその人気は衰えることがありません。加工場に送られたソウダガウオはそこで缶詰にされます。
缶詰といっても高級品で中にはツナ缶の数倍の値段のものもあるくらいです。コクがあり、味があり、
これも刺身同様、マグロ以上ではないでしょうか。

この種の同定は難しいのですが、このソウダガツオをマルソウダと断定すると、ヒラソウダはここにはいないのでしょうか。
近種にスマ(Euthynnus alletteratus 近々ご紹介します)がいますが、一般的にはこれは腹部に黒い斑点があり
容易に種分けできるとされていますが、ここには上の写真のソウダガツオに腹部に黒い斑点のあるものがいます。
しかし、ここで漁獲されるスマは、ソウダガツオに比べて魚体が大きな(3-4kg)ものが多いので実際は容易に識別できます。
問題は冬場に入る小型のものです。
この件については、今後随時新しい発見があった時点でご紹介していきたいと思います。

追伸:「まごちゃ」をご存知ですか。ソウダガツオのたたきに味噌、たまねぎ、にんにく、唐辛子を同じくきざんで混ぜ込み、
ご飯の上にのせ、しょうゆをかけ、最後にさーっと熱いお茶(お湯)を注いで食べる食べ方です。
チャンスがあればお試しを。きっと生涯忘れられない一夜になることでしょう。
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by mobulamobular | 2007-05-10 23:54 | | Comments(0)
潮流
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「海況測定」の記事の中でも述べましたが、ここの定置網では「水が魚を定置網まで運んで来る」という考え方です。よって、水の流れ = 潮流が必要なのですが、時にはこの潮流が定置網の根底をも脅かす存在になる場合もあります。潮流がない時、水は淀み、活力を失います。魚はより新鮮な水、より新鮮な酸素を追い求め、回遊をしていますので、あまり魅力的でない生活環境のところには来なくなります。ですから、定置網にとってはあまり早くなく、ほどほどの、見た目にはうっすらと流れるぐらいの潮流があると良いのです。上の写真は道網の丘側から沖方向(北から南方向)を見ているものですが、早い潮が右から左へ(西から東へ)流れているところです。潮流は通常ノット(1.852km/hr)で表示されますが、ここでは特に0.7ノット以上のものを「急潮」と呼び、1ノット以上になると「驚異的な急潮」と呼んでいます。速度的には赤ん坊がハイハイする程度の早さなのですが、水の流れとなると爆発的な破壊力が潜んでいます。この急潮により時にはロープが破断したり、網が破れたりする被害を受けることもあります。また、潮の流れが早過ぎて魚が網の中へ入って来れないこともあります。こんな時、自然に対する人間の無力さを痛感しますが、こういった自然の驚異には逆らわず、流されるぐらいの気持ちで対処するのがよいと思います。









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by mobulamobular | 2007-05-08 06:15 | 定置網 | Comments(0)