カテゴリ:ポルトガル文化( 335 )
É a vida
「エ・ア・ヴィーダ」と発音します。
英名 That's life、 和名 それが人生。
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時化、不漁。
なぜ、なのでしょうか。

そんなにシビアな話ではありませんが、不思議でならない話です。「雨女雨男」、「遠足の日には必ずお腹が痛くなる」、といった類の話です。どこの定置網も同様でしょうが、ここでもやはり時々「お客さん」を連れて沖に行きます。でもそんな時に限って、海が波立ったり、漁が少なかったりします。その度合いの傾向を見ますと、こちらが「このお客さんにはどうしても、いい漁を見せたい」という気持ちが強ければつよいほど海が時化たり、漁が少なかったりします。また、その逆にお客さんによっては口には出さねど「どうしても大漁の瞬間に居合わせ、日本に帰ってから皆んなに自慢したい」、「漁師から『また来てください』と言ってもらいたい」といった気持ちが強ければつよいほどダメな時が多いのです。
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今シーズンも早速ありました。
連日、好漁が続いていたのですが、お客さんが行った日に限り極端に不漁でした。おまけに、この時期としてはめずらしく海が波立ちました。まるで、海が「見慣れない侵入者を拒むように」。

決して信心深いことはありませんが、「縁起」は気にするのが漁師です。ほとんどの訪問者がそのことに気がついていますので、是が非でも良い漁を望んでしまいます。すると、その「気」が、まるで、逆効果のように結果に出てしまうのは何故でしょう。

訪問者を迎える側には何もできないのが実情です。毎日同じことをやるだけです。しかし、こういう現象がたびたび起きてしまうと、海神様の存在を本当に信じたくなってしまいます。

当事者だった方々へ。
大変な目に遭いましたが、単なる巡り合わせですので、どうか気にすることなく、またいらして下さい。

ポルトガル人がこんな時いつも口にする言葉が、"É a vida" です。
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by mobulamobular | 2008-05-07 06:35 | ポルトガル文化 | Comments(0)
Mac
また、デカイ看板を立てたものです。
1991年。初めてポルトガルに来た時はまだ1店舗もありませんでした。
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しかし、間もなく最初の店がリスボン近郊にオープンする予定になっていると聞き、少々「遅すぎる」1号店について、
当時、誰かに尋ねた記憶があります。すると彼はこう答えました。
「ポルトガルでは流行らないね。ポルトガルにはうまいパンがある。ポルトガル人はあぁいうパンは嫌いだ。」と。
「なるほど。」と納得したものです。

あれから17年。今ではポルトガル全土で200店舗ちかくとなりました。
数年前にはOlhão(オリャオ)でもオープンしました。
「こんな田舎にまで、世界一元化の波」です。
正直言って、流行っています。あの人は行かないだろう、と思っていた人たちまで行っています。
でも、漁師はごく一部を除いて、行きません。「漁師」とはやはりそういった人種なのでしょうか。

昨今、一般的にこうした「世界中どこへ行っても同じ」というものが増えています。
アルガルベも例外ではなく急速にそうなりつつあるように思われます。
特にスーパーマーケットやショッピングセンターの類はどこもかしこも同じようなところばかりで、興味半減です。
知らないところで知らないものを見て、触れて、得られる刺激のようなものはトンと少なくなりました。

確かに便利です。
知らない土地で、特に一人の時など、体調が良ければ「冒険」も試みれますが、食事が億劫な時など、
時間に余裕がない時などなど、「知ってる」というだけで少し安心した気持ちで入ることができます。

しかし、どっしり大地に腰を下ろした看板を見ていると、早くもその地に根付こうとしている市場原理の物凄さに
圧倒されてしまう反面、その分あの「うまいパン」が売れていないのかなと、ふと、寂しい気持ちになります。

少し考えは飛躍しますが、海外で定置網をおこなうということも、「こういうことなのかも」と思ってしまいます。

日本での値段は知りませんが、そんなに高くはないのではと思います。
オリャオで、大きなハンバーガー+飲み物(大)+フライドポテト(大) を注文すると、700円ほどです。
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by mobulamobular | 2008-03-26 02:46 | ポルトガル文化 | Comments(0)
食べものだけじゃない
"木材"、"ASAE" に続く、ASAE(アザイ)シリーズ、第3弾です。
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ある事例があります。2004年のことですが、あるイギリス人グループが観光でアルガルベを訪れました。
一般的にアルガルベでの宿泊はホテルのみならず、大人数の場合はこのイギリス人グループのようにプール付きの家を
一軒借り上げて過ごすのがとてもポピュラーです。しかし、宿泊始めてから数日後、グループの一人がプールサイドで
タイルに足を滑らせ転倒し、頭を強打、一命はとり止めたものの後遺症の残る結果となってしまいました。
その後、このイギリス人は事故の原因は「滑りやすいタイル」にあったとこの家のオーナーを相手に訴訟を起こしました。

これは知り合いの不動産屋さんから聞いた話ですが、この事件の前後あたりから観光客用の家(Accommodation)への
規則が非常に厳しくなってきたそうです。この検査を行っているのも"ASAE"です。

例えば。
フランス人に家を貸す場合は、その家はフランスの法律に適合したものになっていなくてはならない。
ドイツ人の場合は、ドイツの。オランダ人の場合は、オランダの、っといった具合だそうです。
その「認定」を受けるには各国から検査官を招くなり、マニュアルを入手して自分で行うことになります。
上記3カ国の場合などはまだ規則が「似ている」ので1国のものを満たせば、他国にも応用できるのですが、
イギリスの場合はずいぶんと異なった条件や状況が要求されるらしく、大いに手間となるそうです。

例えば。
プールサイドには「滑り止めタイル」(こんなものはポルトガルでは今まで見たこともきいたこともありません)が使用されているか。
風呂用湯沸かし器の温度がある一定温度より上昇しないようになっているか、また、その温度計は設置されているか
(彼曰く、「ポルトガルでは湯の温度が熱い時は水をいっしょに出すのが常識だ」。どこでもそうだと思いますが。)。
階段の角度、垣根の高さ、冷房機器・暖房機器の状態、消火器等火災への対策、等々。数え始めたらキリがないのですが、
すべて、家を貸す相手国の規則に適合していなければならないそうです。
なぜならば、それが「ヨーロッパだから」といったところでしょうか。

ASAEは例によって検査を強行します。家主の事情などおかまいなしです。
アルガルベは「観光以外に産業はない」と言っていいほど、観光業に依存した地方です。漁師(漁業)でさえその恩恵を
多く受けており、「観光業者のピンチ」は他人事とは思えないのが現状です。
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by mobulamobular | 2008-02-27 00:58 | ポルトガル文化 | Comments(0)
ASAE
"アザイ"と発音します。前回の「木材」の続編です。
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"ASAE"とは「食品衛生および経済活動」を取り締まるポルトガルのれっきとした政府機関です。しかし、その取締りが進むにつれ厳しさが増し、最近ではまるで「悪行を重ねる武装軍団」ごときの報道がされるようになっています。

上の写真は、ついこの間アルガルベ地方の一地域で行われた伝統ある「ソーセージ祭り」にASAEが乱入し、祭りをメチャクチャにしたという新聞記事のコピーです。報道によりますと、この祭りでソーセージの直売を行う際、ソーセージを扱う人間が「手袋および白い上着と帽子着用」の義務を怠ったことが、主な取締りの理由だったそうです。衛生上の観点からEUのルールをアップホールドさせようとするASAE側の主張も理解できないことはないですが、これにより祭りの主催者側からは猛反発を招いています。アルガルベ地方の主な産業は観光業です。祭りはポルトガル人のみならず、ヨーロッパ各地からのたくさんの観光客を呼び、これが地域経済と密接に結びついているという現実があります。しかし、このような「武装軍団」の突然の来訪は伝統的な祭りをダメにするばかりでなく、アルガルベ地方を訪れる観光客へも悪影響をおよぼしかねないという懸念があります。

この活動には多くの不満が寄せられています。趣旨には賛同できますが、問題はそのやり方にあることは明らかだ、というのが大勢の意見です。都会の法律をこんな田舎に持ってきても合わない、ということだと思います。また、大国の都合で物事を仕切られては小国は堪ったものではない、ということだとも思います。

しかし、小国が"EU"に加盟するということはこういうことなのかな、というのが率直な感想です。













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by mobulamobular | 2008-01-31 01:27 | ポルトガル文化 | Comments(1)
木材
ヨーロッパ大連合は今や27カ国に拡大し、域内の経済を飛躍的に成長させています。
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一方、27カ国の異なった文化や慣習をひとつにまとめようとする試みは困難な状況が続いています。よいのか悪いのか、市場原理主義とはならない原因がここにあります。経済活動における基本的なルールや線引きは27の加盟国の総意となります。ですから、27の異なった意見をひとつにまとめる作業を行うわけですが、これが大変です。全て「政治」のお話ですので、皆の欲求を満たしたものは肥大化し、時には複雑怪奇な格好で世に登場します。

上の写真は、ポルトガルにおける食品衛生法についての新聞の記事です。レストランでのシチューなどをかき混ぜる「木」のスプーンが禁止されました。代わりにプラスチック製やシリコン製を使うようにとのお達しです。まな板も包丁の柄も同様です。厨房からは一切木製のものは排除されました。
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ここから発展して、漁業にもその影響が出ています。魚を運ぶ木箱や木のパレット、トラックの荷台、漁師のナイフや氷用スコップの柄等、軒並み使用禁止です。そしてついには、木造船禁止です。上の写真の木造巻き網船は近隣の市役所が新しい郷土博物館建設のため買い上げていきました。

全て一気にというのはあまりにも無理がありますので、交換は今後徐々にということになると思いますが、既にEUの皆が満足する法律は施行されていますので、厳密には見つかれば罰金が科せられます。ポルトガルのような小国には脅威とも思われるEUの法律ですが、今日もどこかで抜き打ち検査が行われ、たくさんの民が泣いていることと思われます。この検査は大変組織だったもので一切妥協はなく、完全武装で行われます。たくさんのヘルメットに防弾チョッキにブーツ姿の警官を従え、検査官は木箱に入った魚を挟んで魚屋のオヤジさんに相対します。警官のライフルの銃口はそのオヤジさんに向けられます。ウソのような本当の話です。その場に居合わせた人間はその行動が制限されます。当然、写真撮影は許されず、携帯電話の通話についても警官の注意を受けます。しかし、このあまりにも強行な検査のあり方に疑問を抱く人も多く、実際に裁判沙汰になっているケースもあるようです。

今、皆が注目している「検査品目」がワインです。中には何十年も精魂込めて育ててきた「木樽」の中の熟成ワイン。これらは今後いったいどうなってしまうのでしょう。
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by mobulamobular | 2008-01-28 08:09 | ポルトガル文化 | Comments(3)
謹賀新年
あけましておめでとうございます。

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定置網の向こう側に日本より9時間遅れの初日の出です。
Boas Entradas 2008.
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by mobulamobular | 2008-01-01 18:44 | ポルトガル文化 | Comments(1)
ソーダガツオの缶詰
出来上がりました。
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ソーダガツオ(Auxis rochei)の缶詰です。
スペイン・アンダルシア地方の名産です。スペインではソーダガツオのことを"Melva"と呼びます。
「ミソ」は缶箱左下に明記してある"de ALMADRABA"です。
"ALMADRABA"とはスペインで「定置網」のことです。よって、この缶詰は「定置網で獲れたソーダガツオの缶詰」ということになります。
スペインにはジブラルタル海峡手前(大西洋側)に古くから定置網の「名門4漁場」がありますが、
どれもクロマグロ・オンリーといっていいほど、他魚種の漁獲は少量です。
そんな中、ソーダガツオを漁獲している最寄りの定置網といえば、ポルトガル・アルガルベの定置網になります。
味は何度も繰り返しますが、最高です。
でも残念なことにポルトガルではほとんど売っていません。


ここまでの過程は下の記事を参照ください。
ソーダガツオ
JUDEU
JUDEUの出荷
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by mobulamobular | 2007-11-23 22:59 | ポルトガル文化 | Comments(4)
バリケン
魚でもなく、定置網についてでもないのですが。
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学名 Cairina moschata、 英名 Muscovy Duck、 ポルトガル名 Pato mudo、 和名 バリケン です。
正確には、南米原産のカモ科の鳥である「ノバリケン」の家禽化されたもの、だそうです。

先日、"Ria Formosa"沿いで作業をしていた漁師が1羽の「得体の知れない」鳥を発見。
近づいてみると歩いてヒョコヒョコ遠ざかっては行くが、一向に飛ぼうとはしないので、彼は「きっと、怪我をしているにちがいない」
と思い、その鳥を保護しました。
嘴から眼にかけて同色になっていること、また、水掻きがあることから、彼はそれを「カツオドリの幼鳥」と思い、
国立公園の管理事務所にその鳥を届けました。
その後、インターネットで"Birds in Europe"なる類のHPでこの鳥の名前を検索しましたが、全くヒットせず、
検索範囲を「日本」にまで拡大したところ、和歌山県立自然博物館のホームページにこの写真の鳥によく似た鳥が
記載されているのを発見しました。早速、この博物館に問い合わせをしたところ、「バリケンに間違いない」との
ご返答を担当の方からいただきました。

別の漁師がこの鳥を見た時すぐにこれは"Pato mudo"だと言っていたのですが、それが「何物」かはわかりませんでした。
"Pato"はカモ・アヒルのことですが、"mudo"とは「口のきけない・無言の」といったような意味なのです。
このバリケンを保護した漁師にこのことを問うと、「たしかに捕まえた時には鳴かなかった」そうです。
カモやアヒルはガーガーゲーゲー鳴くのが常だと思っていましたが、家禽化されたそれは「言葉を失って」しまったのでしょうか。

前述のとおり、原産は南米ですが、食用として全世界に広まったようです。ヨーロッパも例外ではなく、別名「フランスガモ」とも
呼ばれているようです。また、英名では「モスクワのカモ」となっており、原産地からずいぶんと離れてしまっています。
ロシアの首都モスクワ=MOSCOWですが、その「モスクワの」となった時、なんで"MUSCOVY"と"O"が"U"になってしまうのでしょう。
余談すぎました。

もし、この鳥が口を利くことができたら、まず最初に「自分は誰?、ここはどこ?」と問うのではないでしょうか。
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by mobulamobular | 2007-11-21 00:02 | ポルトガル文化 | Comments(0)
FÁTIMA(ファティマ)
ファティマはポルトガルの首都リスボンから北へ百数十キロほど行ったところにある小さな町の名前です。
そこに1917年5月13日、聖母マリア(英名 Virgin Mary、 ポルトガル名 Virgem Maria)が天から現れ、3つのメッセージ(預言)を
残していった、という事件がありました。
詳細についてはここでは割愛しますが、メッセージの内容は「戦争回避」のためのものと信じられ、平和を願うポルトガル人の中には
いまもなお熱烈な「ファティマ信者」が多く存在します。

そんな中、定置網漁師の最年長者が奥さんとファティマを訪れ、聖母マリアを連れてきてくれました。
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ついにオリャオにも聖母マリアが出現しました。
そして、「ユーラシア大陸果ての定置網」に関する重大なメッセージが託されました。
しかし、それは公表できません。
なぜならばそれは「メッセージ」ではなく、「秘密」だったからです。

和名 ファティマのメッセージ(預言)、 英名 The three "secrets" of Fatima、 ポルトガル名 "Segredo" de Fátima
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by mobulamobular | 2007-10-17 05:38 | ポルトガル文化 | Comments(0)
空飛ぶ “サバ”
昔、「空飛ぶマグロ」という本がありましたが、最近のマグロはめったに空を飛びません。その原因となっているのが、「太り過ぎ!?」です。
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地元巻き網船軍団の「サバ大漁」の知らせが入り、見に行きました。本来、カタクチイワシやイワシを狙って漁をしていますが、前にも述べたように、それらの資源量減少(?)により、最近はサバを多く水揚げしています。これらのサバも主にお隣りのスペインや他国に向けて出荷されます。生食や缶詰用としても販路はありますが、その量には限りがあり、現在もっとも需要として多いのが、「蓄養マグロ」の餌としてです。この豊富な餌の供給によって、現在の地中海マグロの蓄養ものは「太り過ぎ」、折からの日本の景気低迷と円安とが重なって飛べなくなっています。
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いち・に・の~・さん、で投げわたします。巻き網船軍団の水揚げは、今もすべてが手作業で行われています。小さなバスケットに魚を入れて、下から上に投げ上げます。大漁の時は一日中、この作業の繰り返しですので、結構な重労働です。マグロほど飛行距離は長くはありませんが、サバが空(くう)を飛んでいます。

魚が何であれ、市況がどうであれ、やはり大漁の時の漁師の顔はほころびます。










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by mobulamobular | 2007-09-19 04:26 | ポルトガル文化 | Comments(0)