カテゴリ:魚( 270 )
珍魚 その2と3
今年は今のところ例年になく水温が低く、思ったような漁ができていませんが、えてしてこんな時はかわった魚が入るものです。
まずはイスズミの仲間で英名はBermuda sea chub、ポルトガル名はPreguiçosa-branca、学名はKyphosus sectatorです。
d0113817_440176.jpg
d0113817_4411447.jpg

記憶ではここでは初めて見ます。定置網以外の魚でも見たことはありませんでした。25cmほどです。

[下の記述は間違っています。次の回の「珍魚その3のお詫びと訂正」をご覧ください。]
次は学名Campogramma glaycos、英名はVadigo、ポルトガル名はXareu-palhetaです。
和名は分かりません。日本近海には生息していないと思いますが、これでもブリの仲間です。成魚になると
群れることなく、単独行動が主だそうです。このあたりでも珍しい魚で、誰一人名前を知る者はいませんでした。
d0113817_4505169.jpg
d0113817_451329.jpg

これはけっこう大きく、全長で120cmほどありました。








______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-06-10 04:41 | | Comments(0)
ホウボウ
d0113817_177172.jpg
d0113817_1794724.jpg

和名ホウボウ、英名Tub gurnard、学名はTrigla lucerna(Chelidonichthys lucernus)です。ポルトガル名はこのサイトではIPIMARの魚名辞典を使用していますが、この正式名が時より実際に広く市場で使用されている一般的な魚名と異なる場合が多々あります。今回のホウボウの場合もそのひとつかもしれません。ポルトガル名は"Cabra-cabaço"です。ホウボウの仲間でカナガシラの一種(Lepidotrigla cavillone)が時より市場でもまとまって売られているところを目にしますが、これをRuivoと呼んでいます。ホウボウの方が数が少なく一般的ではないので、このRuivoと混同されている場合が多いようです。
d0113817_1713968.jpg









______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-06-09 15:36 | | Comments(0)
スマ
日本では地方によって「ヤイト」と呼ばれています。
d0113817_15344722.jpg

英名はLittle tunny、ポルトガル名はMerma、学名はEuthynnus alletteratusです。カツオ・マグロ類の一種で、ソウダガツオに近い種です。「ソーダガツオ」を参照下さい。特徴としては①胸に黒い斑点があること、②鰓蓋の黒点が吻先から背中にかけての黒いラインと離れていること、③第1背鰭が第2背びれまでつながっていること、等が挙げられます。
d0113817_15534736.jpg
d0113817_15554172.jpg
d0113817_1605758.jpg

それに比べ、ソウダガツオには胸に黒い斑点がないとされていますが、ここにはいます。たぶん今年も夏から秋にかけて定置網に入網すると思いますので、入り次第ご紹介します。下の写真は上がソウダガツオ、下がスマです。ソウダガツオは800gほど、スマは2kgほどです。
d0113817_167218.jpg

ソウダガツオの鰓蓋の黒点は背中のラインとつながっています。また、第1背鰭は小さく、第2背鰭とはつながっていません。
d0113817_16111466.jpg
d0113817_16173976.jpg

スマは定置網にそれほど大きな群れで入ることはありませんが、時に5kg以上の大型ものが入ることもあります。ソウダガツオに比べ若干水温の低い海水域を回遊していると思われます。双方とも刺身で美味ですが、鮮度には注意が必要です。









______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-06-07 17:56 | | Comments(0)
トビウオ
d0113817_430489.jpg


いわゆるトビウオの一種で和名はハマトビウオ、英名はBennett's flyingfish、ポルトガル名はPeixe Voador、学名はCheilopogon pinnatibarbatus です。トビウオの仲間では最大級で、大きいものでは50cm近くになります。刺身、から揚げで美味。日本ではクサヤにしても一級品です。定置網には春から夏にかけて多く入りますが、漁師たちは特にこの魚をマグロの群れの「随伴魚」として毎年その回遊を注目しています。

d0113817_448137.jpg


d0113817_4483026.jpg


見れば見るほど、飛ぶのに適した体つきです。実際100m以上のフライトを何度も目撃しています。大きな目でけっこう愛嬌のある顔をしていますが、空中ではあまり視力は良くないのか、幾度となく飛んでそのまま船にブチ当たる光景も目撃されています。

d0113817_0262583.jpg


胸鰭のみならず、腹鰭でも風をとらえます。後ろから見るとまるで「ハリアー」の様です。
[PR]
by mobulamobular | 2007-06-06 04:31 | | Comments(0)
珍魚(Dentex canariensis)
d0113817_2522685.jpg

魚種の同定にはUNESCOの"Fishes of the North-Eastern Atlantic and the Mediterranean"を使用していますが、そこではポルトガル南部は生息域には入っていないことになっています。キダイ属の一種で「ハナレンコ?」という和名になっている"Dentex canariensis"です。英名ではCanary Dentexです。誤解しないでいただきたいことは、「珍魚」としたのはあくまでもポルトガル南部の海岸線においてはということで、名前ともなっているカナリア諸島近海でどうなのかは知りません。ひょっとしたらたくさん生息しているのかもしれません。ただ、FishBase等WEBサイトにも鮮明な画像はあまりなく、人目に触れることもそんなにないのではと思いました。

d0113817_329870.jpg

[PR]
by mobulamobular | 2007-05-29 21:51 | | Comments(0)
ソーダガツオ
d0113817_23472258.jpg

Auxis rochei (Bullet tuna) マルソウダ だと思います。
ポルトガルではユダヤ人を意味する"Judeu"と呼ばれています。

d0113817_23561874.jpg

定置網で水揚量の一番多い魚です。
漁の最盛期は8月から10月ですが、海況によっては少量ながら年間を通じて姿を見ます。
夏には魚体は1kg以上となり、丸々太り、美味の一言。個人的には、刺身はマグロ以上だと思っています。
水揚げされたソウダガツオは、あまりポルトガル国内では消費されないため、生食用として少量のみ地元の魚屋さんが
買って行きますが、あとは全てお隣のスペインの加工場に売られていきます。いわゆる輸出産品です。
スペイン南部のアンダルシア地方ではソウダガツオを使った料理が古くから郷土料理として地元の人々によって
愛され、今もその人気は衰えることがありません。加工場に送られたソウダガウオはそこで缶詰にされます。
缶詰といっても高級品で中にはツナ缶の数倍の値段のものもあるくらいです。コクがあり、味があり、
これも刺身同様、マグロ以上ではないでしょうか。

この種の同定は難しいのですが、このソウダガツオをマルソウダと断定すると、ヒラソウダはここにはいないのでしょうか。
近種にスマ(Euthynnus alletteratus 近々ご紹介します)がいますが、一般的にはこれは腹部に黒い斑点があり
容易に種分けできるとされていますが、ここには上の写真のソウダガツオに腹部に黒い斑点のあるものがいます。
しかし、ここで漁獲されるスマは、ソウダガツオに比べて魚体が大きな(3-4kg)ものが多いので実際は容易に識別できます。
問題は冬場に入る小型のものです。
この件については、今後随時新しい発見があった時点でご紹介していきたいと思います。

追伸:「まごちゃ」をご存知ですか。ソウダガツオのたたきに味噌、たまねぎ、にんにく、唐辛子を同じくきざんで混ぜ込み、
ご飯の上にのせ、しょうゆをかけ、最後にさーっと熱いお茶(お湯)を注いで食べる食べ方です。
チャンスがあればお試しを。きっと生涯忘れられない一夜になることでしょう。
[PR]
by mobulamobular | 2007-05-10 23:54 | | Comments(0)
コルビナ
d0113817_22461415.jpg

和名ではオオニベ、英名はMeagre、現地名はCorvina(コルビナ)、学名はArgyrosomus regiusです。
定置網では周年漁獲がありますが、特に春から初夏、そして秋に大きな群れでの入網があります。昔の定置網の記録には1日に5~6千尾の入網があったことも記されていますが、今の定置網にはそれほど大きな群れの入網はありません。定置網に入るコルビナの平均サイズは17~20kgほどで、大きなものでは50kg以上あるのもいます。魚体の小さいものはあまり入りません。これはサイズごとにコルビナが棲み分けを行っているためと思われます。クロマグロ同様、コルビナはこの地域において伝統的な魚種ではありますが、長年、マグロの陰に隠れて、それについて調べられるチャンスがなく、その生態はあまりよく知られていませんでした。しかし、近年、リスボン大学(Instituto de Oceanografia- FCUL, Portugal)の研究者によって調査が進められ、その生態が少しずつ明らかになってきています。それによると、コルビナは産卵のために大きな群れをつくり、浅瀬へと移動します。また、汽水域での活発な捕食活動も確認されており、河を遡上し、中には数キロもの上流までいくものもいるようです。また、「蛙」のような声を出し、お互いに鳴きあい、これがコルビナの産卵行動とどのように関係しているかを現在調査中とのことです。

コルビナはイシモチの仲間ですので、頭の中に大きな耳石を左右に一対持っています。これを使って年齢査定の調査も行われており、そのライフスパンも徐々に明らかになっていますが、既に推定年齢50歳以上のものも見つかっています。左下がコルビナの耳石ですが、大きさは3cmほどです。30kgほどのコルビナから出てきました。
d0113817_23394070.jpgd0113817_23404225.jpg










実はコルビナは魚体が大きいせいか、ここでは定置網以外にはあまり漁獲されません。ですから、昔の定置網後、今の定置網が始まるまでの間は「幻の魚」とされており、なおさら、この耳石にも希少価値がありました。現地の漁師はそんなコルビナを漁獲すると、その幸運を海神に感謝し、その耳石を取り出し、金細工を施し(写真:右上)、お守りとして身につける風習があり、今では漁師以外の多くの人々の胸元にもきらりと光るコルビナの耳石を見ることができます。現地ではそれを〝JUIZO”(審判)と呼んでいます。

希少価値とされているのは当然耳石のみでなく、鮮魚としてのコルビナです。地元では大変人気のある魚ですが、なにせ数が少ないため漁獲されたその多くは直接レストランに行き、庶民にはなかなか食べるチャンスはありませんが、コルビナの頭の肉を使った「おじや」(Arroz de Corvina)は絶品です。人気はあるが数が少ない時、考えることはどこの国でも同じで、コルビナも近年盛んに養殖が行われるようになってきました。ポルトガルは若干立ち遅れていますが、フランス、スペインでは既に大量の養殖コルビナが生産され、ヨーロッパ市場に広く出回っています。しかし、コルビナは長生きする代わりに成長が遅いため、3kgほどに育った時点で出荷されていますので、市場では天然ものと養殖ものの違いは明らかになっています。

下の写真はコルビナの鱗で作ったアートフラワーです。知り合いのポルトガル人から戴いたものですが、昔はたくさんのこのようなアートフラワーの職人さんたちがいたそうですが、今ではその数はめっきり減ってしまったそうです。何れにせよ、コルビナもマグロ同様大切な海の資源であり、大切な海からの文化だと思います。
d0113817_1404716.jpg











______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-04-30 23:45 | | Comments(1)
焼き魚のチャンピオン
d0113817_4294423.jpg

メダマヒメジ属のStriped Red Mullet(Mullus surmuletus)です。現地ではSalmonete(サルモネッテ)と呼んでいます。定置網にも入りますが、このようにまとまって漁獲されることはありません。これらは地元の刺し網で獲られたものです。前述のイワシを筆頭に、サバ、アジ、タチウオなどが焼き魚の代表として挙げられますが、これらが比較的庶民の焼き魚であるのに対し、このサルモネッテは高級焼き魚(単価が高い)として、多くの人に愛されています。実際、ベントスを中心に海の栄養をたくさん食べているせいか、身に味があります。焼く時には内臓は取り出さず、ウロコだけ取って焼きます。内臓からうまみがしみ出し、いい匂いがします。塩焼きにして、にんにくバターのソースをかけて食べるのが最高だと思います。










______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-04-30 04:32 | | Comments(0)
魚 (サバ)
d0113817_2151430.jpg

マサバ(CAVALA) Scomber japonicus (上)
タイセイヨウサバ(SARDA) Scomber scombrus (下)
d0113817_2155023.jpg

両者を比べてみてください。これって正しいですか?
ゴマサバScomber australasicus はやはり大西洋にはいないのでしょうか?
[PR]
by mobulamobular | 2007-04-23 00:55 | | Comments(0)
その他の魚 王様編
世界中で同様かと思いますが、やっぱりこの魚がいないと漁港は盛り上がりません。「キング・オブ・フィッシュ」こと、マイワシ(Sardina pilchardus)です。ポルトガル名は"Sardinha"、サルディーニャと発音します。
ご多分にもれずオリャオ港も、中心はイワシの巻き網船軍団ですが、最近は漁獲量が減少し、ちょっと元気がありません。イワシは定置網にも入網しますが、網の目から全部抜けてしまい、漁獲はありません。イワシの塩焼きはアルガルベ地方の代表的な料理で、家庭でもレストランでも、たくさん食されています。ちなみにレストランでは普通、一人前で大葉イワシ15尾ほど出てきます。特にオリャオでは年に一度の祭りの主役でもあり、イワシを食べながら、ワインを飲み、歌ったり、踊ったり、おしゃべりしたりして、楽しい一夜を過ごします。イワシは、定置網にとっては漁獲がないので直接的には関係ありませんが、それでも港でのイワシの水揚げの有無やその量は、海のコンディションを知る上での重要な指標であり、イワシの群れの接岸は他の魚群行動にも多大な影響を与えることから、あらゆる面で欠かすことのできない大切な海の資源です。

d0113817_637202.jpg









______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2007-04-15 21:03 | | Comments(0)