カテゴリ:マグロ( 89 )
QUOTA
「漁獲割当量」のことを言います。英語でも、ポルトガル語でも"QUOTA"です。もちろん、大西洋クロマグロの"QUOTA"についての話です。

毎年、ICCATの会議において、翌年の各国の大西洋クロマグロの漁獲割当量(獲ってもよい数)が決まります。これにより、その漁獲割当量に達した時点で、マグロ漁は停止となります。
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先日、Lota(市場)に、上の写真のような"お知らせ"が貼り出されました。内容はだいたい下記のようになります。
"販売禁止のお知らせ。ポルトガルのクロマグロ(atum rabilho)の漁獲割当量は使い切りましたので、7月23日から年末まで販売禁止となります。"

しかし、この貼り紙、大切な情報にもかかわらずなんか変な感じです。一番下にミミズが這ったようなサインらしきものがありますが、一般の人には誰のものかは判別不可能です。それにレターヘッドも使われていませんので、出処不明です。「誰が誰のために貼ったのか」謎です。

実は、この貼り紙、市場のセリを管理する「パソコン小屋」の中にあり、市場の上層部より市場の職員に対しての通達だったのです。ですから、外にいる漁師には見えません。販売禁止であれば、外の目立つ場所、例えば掲示板等に貼られて当然と思いますが、市場中見て回りましたが、貼られていたのはこの小屋内の一ヵ所だけでした。

この"お知らせ"を公にすると何かマズイことにでもなるのでしょうか。これでは「獲ってもよいが、売ってはダメ」と誤解されそうです。"QUOTA"終了ということは、獲っても、売ってもダメなのです。
しかし、ちょっと気持ちのよくない状況です。これから年末まで、ポルトガル国内では1尾のクロマグロも水揚げできないのです。ルールと言ってしまえばそれまでですが、マグロ好きな人や日本食レストランにとっては、とてもショッキングなニュースに違いありません。ましてや、漁師はせっかくの苦労が報われません。

ですから、これからは輸入されたマグロや冷凍もの、ということになります。経済状況がひっ迫する中、ポルトガルのお金はどんどん外へ出ていってしまいます。

なんとなく、さびしい感じがします。
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by mobulamobular | 2010-07-28 06:54 | マグロ | Comments(0)
Les Echos.fr_2
漁期も残り10日ほどとなったところで、「病院送り」、ですか。
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それにしても、地中海は水の色がきれいですね。
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by mobulamobular | 2010-06-07 06:07 | マグロ | Comments(0)
Les Echos.fr
Thon rouge - フランス語で「クロマグロ」(Thunnus thynnus)のことです。
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5月15日より巻き網船による地中海内のクロマグロ漁が解禁となります。それに先立ち、フランスの大型巻き網船3隻がフランス南部モンペリエ近くの港から出航する際、環境保護団体Greenpeaceの妨害を受けたというニュースです。
場所は港内、周囲の目があるためフランスの水上警察がこの妨害行為を制圧し、船は無事出港した様子ですが、何れにせよ、とても危険な状況にあると思われます。すったもんだありましたが、とりあえず彼らのクロマグロ漁は認められた訳ですから、彼らは仕事をすることになります。フランス以外からも同様に出漁する船があります。それらが沖で対峙することになったら、ちょっとヤバイことになるかもしれません。彼らが日本人のようにおとなしく漁への妨害行為を見過ごすとは思えないからです。

漁期は6月15日までの1か月間です。
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by mobulamobular | 2010-05-15 00:48 | マグロ | Comments(0)
CITES(ワシントン条約)会議を終えて
「祭りのあと」のような静けさが戻ってきました。
CITESのHPも会議を盛り上げるための開催に向けた「カウントダウン表示」も消え、関係者への「お知らせテロップ」がつまらなそうに流れているのみです。
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結果は惨敗でしたが、それでも彼らの目的は十分果たせたのではないかと思います。

日本を完璧な悪玉に仕立て上げることができました。「ハンニバル・レクター博士」をはっきりさせることができたのです。この点、「第2のクジラ」の誕生とも言えるのではないでしょうか。外交政策における「切られ役」です。彼らの考えそうなことで、メディアも報道の構図がはっきりして、仕事がし易くなったのではと思います。一方、日本国内での報道はどうかと言えば、「久々の日本の国際外交上のヒット」、韓国と一緒になって「日本が最大の勝者」といった具合に煽てあげています。ますます彼らの「思う壺」のような気がします。
多少、彼らの想定外であったことは、意外に"poor nations(貧乏諸国)"からの反発が強かったということです。しかし、相変わらず、そんなには気にしていないでしょう。逆に「あくどい酋長に味方するインディアン」的イメージで考えているのではないでしょうか。正に「南北問題」的様相を呈してきました。
"Monaco's proposal, backed by the United States and the European Union (EU)" という「正義」が、
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ようするに、「アメリカ、ヨーロッパによって支持されたCITES会議(モナコ案等)は、日本によって台無しにされた。」というのが、今回のCITES会議で彼らが得た結果です。

ポルトガルでは、混獲されたクロマグロは時々各地で水揚げされていますが、「マグロ漁」としてクロマグロを水揚げしているのは、この「ユーラシア大陸果ての定置網」のみです。ですから、今回のCITES会議の動向を「ご心配していただいた」リスボン大学、ポルトガル水産局、ポルトガル海洋研究所、スペインの同業者、スペインの仲買人など、各方面からご連絡をいただいたのですが、「モナコ案否決」について、皆さん、一様に"Felizmente" (幸いにも)と結果を歓迎しています。こちらのことを気にかけていただいて"Felizmente"なのかと思いきや、そうでもなさそうで、皆さん、自分たちの考えで「幸い」だった様子です。でも、これは明らかに政府見解、EUの立場、新聞等で報道されている内容とは異なる反応です。「本音と建前」でしょうか。それとも、ただ単に「モナコ嫌い」から出た「ざま~みろ」的反応なのでしょうか。

このように、少なくともイベリア半島ではちょと事情が異なっています。特にスペインは喜んでいます。政府も後押しをして、今年も伝統のAlmadrava(スペインのマグロ定置網)4ヶ統はすべて操業をするそうです。加えて、スペイン当局は「マグロのことなど全く理解していない北ヨーロッパ諸国にこれ以上自分たちにとってとても大切な政策決定を任せておく訳にはいかない」と、自主的な漁獲削減案を明示し、グリーンピースなどの環境保護団体と近々独自の話し合いの場を持つ考えの様子です。そして、例年通り、日本からの買い付け軍団が価格交渉に訪れてくることを期待しています。

もともと「クロマグロ禁輸」の件に直接的に関係しているのは地中海諸国で、前述のとおり、ヨーロッパの政策決定の実権を握っている北ヨーロッパ諸国には「関係のない」話です。ですから、そこに意見の隔たりがあるの当然のことと思われます。「ひとつにまとまりたいが、自分たちの主張も通していきたい」というヨーロッパ各国が持つジレンマです。今回の件でスペインは協調よりも自分たちの「海の文化」をイニシアティブを持って優先さていく方向で進むように思われます。一方、ポルトガルは「現状維持」です。さて、フランス、イタリアはどうするのでしょうか。環境保護団体への対策費とマグロ漁に対する賠償額を比較したところ、後者の方が安く済みそうなので「モナコ案」に賛同したとも聞いています。それが否決された今、何もなかったかのように「現状維持」なのでしょうか。

最後になりましたが、「モナコ案否決」が、「ユーラシア大陸果ての定置網」にとって「幸か不幸か」考えてみます。
結論は、残念ながら「不幸な」結果だったと考えます。
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by mobulamobular | 2010-03-28 07:57 | マグロ | Comments(0)
The Independent
残念ながら、資源保護を目的としたCITESにおける大西洋・地中海クロマグロの国際取引きを禁止するモナコからの提案は否決されました。

採決の際に賛成票を投じた国々の関係者らにはもちろん残念な結果だったでしょうが、他にもWWFやグリーンピースなどの環境保護団体およびそれらの支援者、また自然環境や生態系保全活動をライフワークとされている方々等にとっても、悔しい結果だったと思います。

で下の写真は、ちょっと古い記事になりますが、もうひとつ別のイギリスの新聞(高級紙)である"The Independent"からのものです。
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日本を代表する大企業グループ、岩崎弥太郎のそれ、大手商社。その名前で記述は始まっています。
さて。この一企業にとって、先日のCITES会議での「否決」は残念な結果だったのでしょうか。それとも日本政府同様、頑張った甲斐があった結果だと思っているのでしょうか。
この記事、写真の下方へも記述は延々と続きます。"The Independent"の報道では、当時のMitsubishiをあまりよくは書いていません。「世界の絶滅危惧種であるクロマグロの40%のシェアを持つ、何にでも触手を伸ばす巨大企業が窮地に立つ」みたいに、のっけから批判的です。また、「商業取引禁止を予測して、マイナス60℃で凍らせたクロマグロを大量に保存している」が如くです。でも、これらは全て「事実」ですので、Mitsubishiには反論の余地がなかったと思われます。

それでか、どうかは分かりませんが、その後、Mitsubishiから「怪文書」的声明が発表されました。
2009年9月16日- 大西洋・地中海クロマグロに関する声明
いろいろ、あーじゃないこーじゃない、グーたらスーたら書いてありますが、今回の議題に一致する一文に目が止まります。そこは次のような記述となっています。

(2009年)11月の会合において、ICCATがICCAT科学委員会の推奨に従わなかった場合、健全な管理と真に持続可能なクロマグロ産業の実現の為、ICCATに加えて「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(通称ワシントン条約)」を含む管理手法や枠組みを、当社として支持することとします。

「獲れるうちに獲れるだけ獲る」。それが彼らの与えられた使命です。「いつになるかは分からないが、獲りたくても獲れなくなる日が必ず来る」というのが、彼らの読み、です。
冷凍技術の発達のお陰で、数年、またはそれ以上の年月の間、ほとんど品質の低下なしにマグロが冷凍保存できるようになりました。だから「貯めれるだけ、貯める」ことになったのです。クロマグロは、ついこの間まで、完全な売り手市場でした。経済危機、世界不況のせいで、こんなにもクロマグロの相場が崩れるとは夢にも思わなかったことです。「彼らの読み」は外れました。

「クロマグロの在庫処理」が大きな課題です。冷凍庫にマグロを保管しておけば、品質は落ちないものの、「経費」は掛かります。ということは日に日に「マグロの値段」は上がっていくことになります。でも相場は安くなって、下がったままです。「物が高価」なだけにこの在庫処分、厄介です。

だから、「残念だった」のではないでしょうか。「チャンス到来」だったかもしれません。CITES。もうこれ以上マグロが来ないことがはっきりすれば、安心して小分けで(高値で)在庫処理ができたように思います。「経済効果」とか考えれば、どっちがよかったのか。そこまで考えた結果、頑張ったのでしょうか。農林水産省。

「どうせ、禁輸は数年のみ。その内に冷凍庫を空にして、また貯める時が来る。仮にずっと来なくても、次の一手は打ってある。」とか、考えませんでしたか。で、今年はどうするのですか。まだ、買うのでしょうか。せっかく農林水産省が自らの頑張りで、「否決」を勝ち得たと思っているのですから、買わないとシャレになりません。
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by mobulamobular | 2010-03-21 02:36 | マグロ | Comments(2)
Mr.George Monbiot
昨日同様、イギリスのBroadsheet(高級紙)であるguardian.co.ukです。Cites会議における「大西洋マグロ禁輸の提案が否決された」記事の続報です。
だいぶ、怒っている様子です。
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「バカ、まぬけ、アホ、キチガイ」。みたいなで出しで、まるで日本らが「金で票を買った」如く記述もあります。

しかし、このコラムニストはちょっと有名な過激な環境保護活動家です。「政治的活動好きな環境ジャーナリスト」ということですので、この記事もイギリス人の「一般的な意見」とは多少異なるものと思われます。
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by mobulamobular | 2010-03-20 06:40 | マグロ | Comments(0)
guardian.co.uk
お騒がせのCITES会議、マグロの国際取引禁止の案件は、「日本やカナダ、それにたくさんの貧乏諸国の経済的理由により、反対された」、というイギリスの新聞の一報です。
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少々、アングロサクソンの血が騒いだ様子です。

他にも。
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by mobulamobular | 2010-03-19 06:55 | マグロ | Comments(0)
Telegraph.co.uk
ついでに載せておきます。
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たぶんこの人たちは別の団体に属していると思いますが、「マグロを救うために裸になってポーズをとるグレタさん、エミリアさん、テリーさん」です。

この記事、"意図"するところも少々分かりずらいのですが、一番に疑問に思うことは抱えている魚の種類です。たぶん、"フィッシュ・アンド・チップス"にでも使われる白身魚ではないかとも思うのですが、これは推測です。

これは"The Daily Telegraph"というイギリスの新聞のWEB版ですが、これでも一応"Broadsheet"(高級紙)で、発行部数はNo.1だそうです。

ちょっと"デリカシー"がないですね。
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by mobulamobular | 2010-03-12 05:42 | マグロ | Comments(2)
timesofmalta.com
ひとつ、結論が出たようです。
下の記事は、日本でも古くから愛玩犬として人気の高い「マルチーズ」の故郷でもある、地中海の島国・マルタ共和国からのものです。
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「EUはマグロの国際取引禁止措置支持の最終的決断を下した。」といった内容です。マルタは最後まで孤軍奮闘した様子ですが、最後は寄り切られたみたいです。

マルタは近年、スペイン、イタリア、クロアチア、ギリシャ、チュニジアなどの国々と並んで地中海養殖マグロの一大基地です。ですから、かなり多くの漁師が養殖マグロ事業に携わっており、かなり多くの人々がマグロに関連した仕事をしているものと思われます。当然、経済的にも養殖マグロ事業からかなりの恩恵を受けているとも想像できます。そして、そのほとんどのマグロの出荷先が日本であったことも明らかです。しかし、上記の決定により、「すべてが終焉を迎える」危機に直面することになります。

上の記事に続き、このWEBではコメント欄があります。ちょっと興味があったので切り抜いてみました。
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どれも、おもしろい反応ですが、一番下のオレンジ色のラインを引いたコメントを見た時、随分昔に読んだイギリスの新聞記事を思い出しました。それは確かこんな感じだったと記憶しています。
インタビュー形式でした。
記者「マグロの漁獲が禁止されるかもしれませんが、どう思いますか?」
市民「いいんじゃないか。オレは"SASHIMI"なんか食わないし、第一、マグロの資源保護が大切だよ。」
記者「マグロを食べないんですか?"SUSHI"も嫌いですか?」
市民「嫌いだね。生魚なんて。」
記者「でも、マグロの漁獲が禁止されたら、ツナ缶も食べれなくなるかもしれないですよ。」
市民「本当か?それは、困る。問題だ。オレは毎朝ツナ缶を食べているんだ。サラダに入れたり…。」

ここには、その後もいろいろなコメントが寄せられている様子です。
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by mobulamobular | 2010-03-11 07:09 | マグロ | Comments(0)
速報 大西洋クロマグロ Heisei22222
これも翻訳が難しい文章です。EUのポータル・サイトである"Europa"の"Press Releases RAPID"からです。もちろん22言語で発行されています。
"ヨーロッパ委員会(EC)は、ヨーロッパ連合(EU)が大西洋マグロの国際取引禁止案を支持することを提案する"
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ここに来て、俄然、動きが見えてきました。というのも、今まで比較的冷静を装っていたお隣りスペインからいろいろな情報が流れ始めてきたからです。やはり先日のヨーロッパ議会(EP)のプレス・リリースが後押しをしているみたいです。スペインは大変です。かなり問題は複雑です。もはや国を2分する騒ぎになっています。スペインはポルトガル以上に古くから深くマグロ漁にかかわってきている「マグロ大国」です。釣り漁は全国各地で行われていますが、今では"Cataluña(カタルーニャ)地方の巻き網漁"、それに"Andalucía(アンダルシア)地方の定置網漁"が代表的なスペインのマグロ漁の2大勢力として君臨しています。それらが自治体政府も巻き込み、マグロの漁獲量や、どっちがより"artisanal fishing vessel"かとか、その存続問題をめぐり対立を深めている様子です。スペインでは自治体政府が政治的にも強固ですので、スペイン・メディアも「マグロ戦争」と銘打って、この件について右往左往する中央政府を揶揄するように騒ぎを煽っているようにも見えます。

そのスペインの首都マドリードでは、時を同じくして、最近はその威厳もすでに地に落ちた感のあるICCAT(International Commission for the Conservation of Atlantic Tunas)の会議も開かれているそうです。会議は26日(金)まで続くそうなので、まだメディアにもこの件はあまり取り上げられていませんが、初日の情報として、「喧嘩両成敗」かどうかは知りませんが、「巻き網漁の定置網漁もダメ。唯一小型船による釣り漁だけが認められるようになり、そのマグロはEU域内では販売できる」、という方針が打ち出されたという「噂」が流れています。
ですから、スペインでは「火に油をそそぐ」ような状態になっています。

一方、ポルトガルは静かです。いつもEUと同じ考えです。しかし、"artisanal fishing vessel"がどんな船を指しているのかは分かりません。

2月22日はウチの漁労長の35回目の誕生日でした。ですから2022年2月22日には47歳となる訳ですが、その時のポルトガル、定置網、マグロ漁はどうなっているのでしょうか。
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by mobulamobular | 2010-02-24 07:20 | マグロ | Comments(0)