カテゴリ:気象( 323 )
12月の雨
もともと12月の降水量がアルガルベでは1年で一番多いのですが、昨年12月は全国的に記録的な大雨となったようです。
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過去30年間(1971-2000)の平均の2倍ほど降ったそうです。ある新聞記事の見出しは「今世紀最大降雨量」とありましたが、まだ10年目ですし、ちょっと大袈裟な感じです。上の記事では「雨・風が国を吹っ飛ばす」となっていますが、これもちょっと的得た表現とは言い難いようです。しかし、「乾いた大地」にはこれほど衝撃的な雨の量だったのしょう。それはよく理解できます。
では、実際どの程度の雨が降ったかというと、「東京の梅雨時」ほどです。この降雨量が「アルガルベの一番雨が降る月の平均の2倍」ということになります。ちなみに東京で一番降雨量が多い月は6月(梅雨時)ではなく、9月だそうです。
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by mobulamobular | 2010-01-15 02:28 | 気象 | Comments(0)
ポルトガル語では"Nevoeiro"と言います。
年に数回程度ですが、ここでも濃い霧が発生し船の航行の妨げになることがあります。
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特にここでは外海に出るまで"RIA FORMOSA"内を走らなければなりませんので、船長は神経をとがらせます。定置網船にはGPSプロッターやレーダーが備え付けてありますので、霧だろうが暗闇だろうがどんどん走っていけますが、他船には気をつけなければなりません。
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一方、ここのところずうっと霧がかかった状態で先行きが読みきれないのが世界経済です。遅ればせながらアルガルベでも景気の悪い噂話を聞くようになりました。とは言え、市場での魚の値段が極端に下がったとかいうことはありませんので、定置にまでは悪影響は達していません。しかし、ここのところ漁獲量の締め付けがより厳しくなった地中海マグロ業界では加えて不景気の逆風が吹き荒れたことから、今までは湯水のごとく投資を繰り返し拡張路線一本だったのが、経費削減の必要性に迫られています。傍目では「質」を落としているように思われ、よい傾向とは言えません。
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先日、"NOAA"などからエルニーニョ現象がおおよそ6年ぶりに発生したという発表がありました。今後来年の冬まで持続する可能性があるとか、これも先が見えません。エルニーニョおよびラニーニャ現象は通常太平洋での出来事として扱われますが、実は大西洋にも同じように「大西洋エルニーニョ」および「大西洋ラニーニャ」が存在すると言われています。双方とも地域の気候に大きな影響を及ぼすことは分かっていますが、両者のエルニーニョ現象の関係については未だはっきりしたことは分かっていないようです。
今月の水温は最低記録を更新中です。過去13年間の7月の平均水温(19.55℃)と比べると3℃ほど低くなっています。これ以上この状態が続けば、また「異常気象」と表現しなくてはならなくなります。
何れにせよ、先の見えないことばかりですが、先が見えないからこそ面白みが増すこともありますので、日々の仕事に精進するのみです。
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by mobulamobular | 2009-07-18 00:32 | 気象 | Comments(0)
Fata Morgana (ファタ・モルガーナ)
2009年4月某日。朝6時出港。
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操業をして。
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沖の道網が未だ入っていませんので、側張りの清掃点検作業をして。
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潮が速くなってきたので、帰ることに。
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ふと、振り返るとスペインが見えました。
蜃気楼です。英名 Mirage、 ポルトガル名 Miragem となります。
定置網からスペイン国境までの直線距離はおおよそ30kmあります。こういうところならではの不思議な自然現象です。
ちなみに、タイトルの"Fata Morgana"ですが、ものによっては「ヨーロッパでは蜃気楼のことをこのように呼ぶ」という記載もありますが、ポルトガルのここらでは呼びません。


Boa Páscoa!! (よいイースターホリデーを。)

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by mobulamobular | 2009-04-10 01:34 | 気象 | Comments(0)
Tempo Chuvoso
「雨天」ということです。
1月からの異常多雨の天候は2月に入っても変わらず、最近1週間の降水量も「異常気象」と認定されたようです。
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修繕のため広げた網は水たまりの中に水没し、仕事が捗りません。

日本の気象庁によると異常気象とは、「過去に経験した現象から大きく外れた現象で、人が一生の間にまれにしか
経験しない現象」のこととなります。また、気温や降水量などの異常を判断する場合は「過去30年間に発生しなかった
ような値が観測された場合」に異常気象としているそうです。
世界中にいろいろな天気に関するwebサイトがありますが、気象庁の気象統計情報の中に「世界の天候」のサイトがあります。
そこにある「全球異常気象監視速報」は毎週更新され、世界の異常気象や気象災害の状況を知ることができます。
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一方、ヨーロッパには異常気象の専門サイトがあります。
上述の気象庁のものは異常気象の「結果」であるのに対し、こちらは「予測」です。
今日実際に起きている、あるいは明日起こりそうな異常な気象現象・天候に注意を促すサイトです。
「注意報・警報特集」とも言えるかもしれません。
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"Meteoalarm - alerting europe for extreme weather"です。
ここから各国のお天気サイトに容易にリンクできます。

「ふつうの人」にとっては、天気が晴れようが曇ろうが雨が降ろうが、そんなに日常の生活には影響が及ばないと思います。
当然、各天気にはメリット・デメリットがありますが、「それはそれ」としてやり過ごせる範疇だと思います。
ふつうの人にとって問題になるのは、「ふつうではない天気」です。そんなふつうの人たちにとっても、Meteoalarmは
とても役立つお天気サイトだと思います。
スタートページで自国のところが「緑色」に塗りつぶされていれば、今日の天気が晴れか曇りか雨かは分からないまでも、
「異常なし」ということが分かりますので、安心して過ごせます。もし、「黄色」や「橙色」や「赤色」になっていた場合は、
何がしか天気が「危険な」状況になる(or なりつつある)サインですので、先に進み、その詳細を確認します。
「風」、「雨」、「雷」、「雪」、「波」等の危険要因を把握できます。

ちなみに明日のポルトガルは中央部が「緑色」以外はほとんど「黄色」。危険要因は「風」、「波」、「雪」です。
アルガルベは「風」のみ。
「大雨はない」ってことですね。
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by mobulamobular | 2009-02-05 02:34 | 気象 | Comments(0)
アイスランド低気圧
定置網軍団は今週より作業を再開しました。しかし、まだ操業再開に向けての準備を陸上で行っているところです。

丘に上がった河童から見た朝日です。
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先日お伝えしたように、寒い日が続いています。"Café"に屯する外発的動機づけには十分です。
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天候不順を象徴してかのように、太陽の周りには丸い虹が見えたりもしています。
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さて、この雲群の基軸となっているのが冬になると必ず現れる北大西洋の低気圧です。これを「アイスランド低気圧」と呼びます。北米大陸やメキシコ湾で発生し、北米大陸東岸を北東に進み、アイスランド近海で、時に猛烈に発達します。ちなみに明日の予報では940hPaほどになりそうです。台風並みです。こんなのが冬の間はいつもここらにあります。
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このアイスランド低気圧とアソレス高気圧の大気のシーソーゲームが北大西洋振動(North Atlantic Oscillation)というテレコネクションということになりますが、アイスランド低気圧はそこからヨーロッパに「暖かい」風を送り込み、高緯度の地域でも比較的温暖な気候を保つことのできる要因となっています。北海道・札幌市はおおよそ北緯43°で、1月の平均気温は-0.9℃(最高)/-7.7℃(最低)です。しかし、ヨーロッパには札幌市よりも高緯度の都市が数多くありますが、それらの同月の平均気温ははるかに暖かなものになっています。例えば、北緯51°のロンドンは8℃/5℃、北緯59°のオスロは0℃/-4℃、北緯64°のレイキャビクは2℃/-2℃、といった具合です。
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アイスランド低気圧から送り込まれる風が何故「暖かい」のかは、近海の水温に大いに関係しています。上の図はリアルタイムの表層海水温分布図(SST)でNOAAから拝借したものです。これから北大西洋の高緯度まで水温が高い(8~12℃ほど)ことが分かります。これはメキシコ湾流(Gulf Stream)から北大西洋海流(North Atlantic Current)へと続く世界でも最大級の暖流による恩恵です。
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一方、北海道近海の水温は緯度が低いにもかかわらず、それよりも低水温であることも分かります。つまり、アイスランド低気圧による風はこの暖かい海水の上を通過することによって比較的暖かい空気をヨーロッパに
送り込んでいる、ということになります。では今、何故、ポルトガルは例年に比べ寒いか、ですが。
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もう1枚NOAAより拝借しました。これも同じくSSTですが、こちらは例年の海水温との「差」を示した図です。これによりますと、アイスランド近海の海水温は例年並みか例年に比べ1℃ほど高い値で推移しているのに対し、ポルトガル近海は逆に1℃ほど低くなっています。よってせっかくのアイスランド低気圧による風も、このことから冷やされ、ポルトガルでは例年より寒いと感じている、と勝手に推測しています。

しかし、当然のことながら、これらのことだけで今の天候を理解することはできません。風が海流をつくり、地球の自転がその向きを変えます。高水温の海水が低気圧にパワーを与え、風力を増します。その姿は刻々と変化します。まさに4Dの世界です。

"こんなもん"と深い関係を持つ定置網です。
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満開です。










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by mobulamobular | 2009-01-23 17:52 | 気象 | Comments(0)
気温
あくまでも、定置網での計測値です。
今年は過去13年間の海況測定中、最も低い年間平均表層水温(16.96℃)を記録しました。そしてすべては船上での作業ですので、そこで働いている漁師たちの体感温度はこの表層水温の影響を強く受けます。ようするに、「今年は寒かった」ということです。
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確かに最近、冗談まじりで「ポルトガルは寒いなぁ」という文句を会話でよく使います。上のグラフは年間平均温度を示したものです。縦軸が温度(℃)、横軸が年度で、青線は表層水温、赤線は底層水温、緑線が気温です。10年前に比べ、気温が約1℃下がっているのが分かります。水温については「変動範囲内」とも思われますが、今後の推移を見守りたいところです。ふつうなら、来年は水温上昇に転ずるのでは、と期待はしています。

やはり「地球温暖化」の影響でしょうか。気温が下がり、寒冷地化するのは好ましい状況とは言えません。

さらに。
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by mobulamobular | 2008-12-26 18:30 | 気象 | Comments(0)
北大西洋振動
太陽も、地球も、空も、みんなひとつだ、ということだと思います。

「エルニーニョ」、「ラニーニャ」に代表される気象現象は、2つ以上の離れた地域の大気圧がシーソー(seesaw:反転作用)のように変化する「テレコネクション」(teleconnection)というメカニズムがもとで起こる現象です。

つまり、「テレコネクション」とは、「風が吹けば桶屋が儲かる」のように一見なんの関係もなさそうな2つの事柄が「遠隔結合」している、ということです。「観天望気」も時にその「遠く隔たりのある2つ以上の事柄の相関関係」を推理して行います。

地球上にはたくさんのテレコネクションのパターンが存在することが知られています。上記のエルニーニョ、ラニーニャに関係するテレコネクションは「南方振動」と呼ばれているものです。ここにポルトガル唯一の定置網にとって、とても関心深いテレコネクションがあります。
英名 North Atlantic Oscillation (NAO)、 ポルトガル名 Atlântico Norte Oscilação、 和名 北大西洋振動。

これは主に冬の時期、アイルランド低気圧(Icelandic Low)とアソレス高気圧(Subtropical or Azores High)が、ともに強くなったり弱くなったりするシーソー現象です。これによりヨーロッパの冬の天候が決定され、世界の他の地域の天候にも多大な影響を及ぼすようです。NAOの指標(インデックス)は海面気圧偏差の時系列で表されていますが、最近は「負」(マイナス)の値が多くなってきているとのことです。
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「NAOのインデックスが負の時」はどんなかと言うと、まず北極海の気圧が高くなります。すると中緯度の気圧は低くなります。よってグリーンランドあたりの冬は温暖湿潤、北ヨーロッパやアメリカ東岸では寒冷乾燥、地中海海域は温暖湿潤となります。また、北極を超えた反対側ではオホーツク海高気圧が弱まり、日本の夏は猛暑となる、といった具合です。これは「偏西風も弱まる」ということですので、ここから先は台風関連の話などで盛り上がると思いますが、ようするに「みんな、つながっている」ということです。

変なものを大気中に放つと、アッという間に世界中に広がります。遠く離れていようとも、変なことをすると予想もしていなかったところでとんでもないその影響が現れます。
「テレ・コネクション」です。








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by mobulamobular | 2008-07-18 00:00 | 気象 | Comments(0)
水温
昨年(2007年)6月15日に書いたレポートがあります。今年は5月に今まで13年間で最も低い表層平均水温(15.33℃)を記録し、その後6月に入っても低水温の傾向は続き、6月15日現在の表層平均水温は16.20℃、昨年の16.29℃をも下回る超低温となっています。
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6月10日気象庁、地球環境・海洋部の発表によると、「昨年より続いていたラニーニャ現象は春に終息したとみられる」、とのことです。「大陸の西岸」気候は似たような自然条件になっている、と昨年のレポートでも記しましたが、今後、ここでも水温が上昇し、例年並みとなることが望まれます。

問題は大西洋上に次から次へとできる低気圧です。これらは発達しながらイギリスの上を通過します。今年はまるで「道」が出来てしまったかのように、これらが途切れることがないほど続いています。ようするに「パターン化」してしまっていると考えられます。こうなるとポルトガルでは連日この低気圧からの北よりの風を受けることになります。この北よりの風は大西洋を北から南へ流れる「カナリア海流」に力を与え、それによりここでは「湧昇流」(Upwelling)の影響を受け、水温が低下します。この現象についてはNASAの"Ocean Motion"というサイトに詳しい説明があります。夏に向かって気温はあがりますので、表層の海水温は上昇しますが、潜ってみると水深15mあたりからブルブルッと水温が下がるのを感じ、透明度も極端に悪化します。この密度の異なった2層の水(Pycnocline)はなかなか混じり合いません。これらをミックスさせるためにはそれ相当の力が必要ですが、手っとり早いのは「時化」ということになります。しかし6月ともなると「時化」も期待できません。「成るようにしかならない」ということで、回復には時間がかかります。

「湿舌」(しつぜつ)という気象現象がありますが、この「湧昇流」はまるで海洋版の湿舌のようです。海のワンポイントで仕事をしていると冷たい水が深海から出たり入ったりしている様子がよく分かります。

まるで「生き物」のようです。









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by mobulamobular | 2008-06-20 00:41 | 気象 | Comments(0)
赤潮
英名 Red tide、 ポルトガル名 Maré vermelha 。
赤潮が発生しました。
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「これだから」といった決まった理由はないようです。発生の原因の一つとして考えられているのが、
丘から流れ出す生活排水などによる海域の富栄養化です。ようするに「環境問題」として捉えられています。
また、それに「地球温暖化」の問題もリンクしているようです。
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赤潮とは植物プランクトンが大量発生して海が「赤く」なる自然現象のことですが、この「色」は発生するプランクトンの
種類によって異なります。今回のものはまさに「赤く」、少しすくって見ました。そして顕微鏡で覗いてみると。
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学名 Noctiluca scintillans、 和名 ヤコウチュウ です。 
渦鞭毛藻類の単細胞生物です。
「夜光虫」はその名のとおり夜に光を放ちます。海岸の波打ち際や石などを投げ込んだ時にできる波紋のまわり、
船の追い波の波頭などで青白い美しい光を見ることができます。

問題はどこからこの単細胞軍団がやって来るかですが、こんな時、海が本来持つ「活力」のようなものが少し
欠けているように思います。何層もの水が存在し、かつ自己主張が強くて互いに打ち溶けあえずにいます。
混ざり合うことによって元来の浄化作用が機能するのですが、自然は沈黙を維持しているようです。
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by mobulamobular | 2008-06-14 00:15 | 気象 | Comments(0)
観天望気
先週末、パーッと晴れました。一面の青空をふと見上げると、飛行機雲です。
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こういうのを見ると、いつも「観天望気(かんてんぼうき)」です。結果、この飛行機雲はなかなか消えませんでした。このまま一気に夏かとも思いましたが、まだ早いようです。やはり、二日後には雲が広がり、ポツポツ雨もありました。
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少し見にくいですが、西に傾く太陽を中心にできた「丸い虹」です。「朝虹は雨、夕虹は晴れ」となります(でもこの場合は少しちがいますけど)。

ようするに、「あ~した、てんきにな~れ」の下駄のようなものですが、いろいろあって面白いです。なかには知っててとてもタメになるものもありますが、けっこういい加減なものも多いです。それでもしゃれっ気があってよいと思います。例えば「ネコが顔を洗うと雨が降る」とかは、ちょっと疑わしいです。逆に考えるとアルガルベのネコは夏の約半年間は顔を洗わないことになってしまいます。また、「東の雷は雨は降らない」というのもあります。これは一理あります。通常天気は西から東へと移動するからです。
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しかし、その時の風向きによってはグングンこちらに攻めてくる東からの雷もありますので、注意が必要です。

飛行機雲については、水滴の塊ですので直ぐに消えない場合は「上空が湿っている」と判断します。よって、天気は下り坂、ということになります。
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20th Century Fox の映画の始まりではありません。上空に残った飛行機の航跡です。











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by mobulamobular | 2008-03-14 08:01 | 気象 | Comments(1)