アイスランド低気圧
定置網軍団は今週より作業を再開しました。しかし、まだ操業再開に向けての準備を陸上で行っているところです。

丘に上がった河童から見た朝日です。
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先日お伝えしたように、寒い日が続いています。"Café"に屯する外発的動機づけには十分です。
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天候不順を象徴してかのように、太陽の周りには丸い虹が見えたりもしています。
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さて、この雲群の基軸となっているのが冬になると必ず現れる北大西洋の低気圧です。これを「アイスランド低気圧」と呼びます。北米大陸やメキシコ湾で発生し、北米大陸東岸を北東に進み、アイスランド近海で、時に猛烈に発達します。ちなみに明日の予報では940hPaほどになりそうです。台風並みです。こんなのが冬の間はいつもここらにあります。
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このアイスランド低気圧とアソレス高気圧の大気のシーソーゲームが北大西洋振動(North Atlantic Oscillation)というテレコネクションということになりますが、アイスランド低気圧はそこからヨーロッパに「暖かい」風を送り込み、高緯度の地域でも比較的温暖な気候を保つことのできる要因となっています。北海道・札幌市はおおよそ北緯43°で、1月の平均気温は-0.9℃(最高)/-7.7℃(最低)です。しかし、ヨーロッパには札幌市よりも高緯度の都市が数多くありますが、それらの同月の平均気温ははるかに暖かなものになっています。例えば、北緯51°のロンドンは8℃/5℃、北緯59°のオスロは0℃/-4℃、北緯64°のレイキャビクは2℃/-2℃、といった具合です。
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アイスランド低気圧から送り込まれる風が何故「暖かい」のかは、近海の水温に大いに関係しています。上の図はリアルタイムの表層海水温分布図(SST)でNOAAから拝借したものです。これから北大西洋の高緯度まで水温が高い(8~12℃ほど)ことが分かります。これはメキシコ湾流(Gulf Stream)から北大西洋海流(North Atlantic Current)へと続く世界でも最大級の暖流による恩恵です。
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一方、北海道近海の水温は緯度が低いにもかかわらず、それよりも低水温であることも分かります。つまり、アイスランド低気圧による風はこの暖かい海水の上を通過することによって比較的暖かい空気をヨーロッパに
送り込んでいる、ということになります。では今、何故、ポルトガルは例年に比べ寒いか、ですが。
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もう1枚NOAAより拝借しました。これも同じくSSTですが、こちらは例年の海水温との「差」を示した図です。これによりますと、アイスランド近海の海水温は例年並みか例年に比べ1℃ほど高い値で推移しているのに対し、ポルトガル近海は逆に1℃ほど低くなっています。よってせっかくのアイスランド低気圧による風も、このことから冷やされ、ポルトガルでは例年より寒いと感じている、と勝手に推測しています。

しかし、当然のことながら、これらのことだけで今の天候を理解することはできません。風が海流をつくり、地球の自転がその向きを変えます。高水温の海水が低気圧にパワーを与え、風力を増します。その姿は刻々と変化します。まさに4Dの世界です。

"こんなもん"と深い関係を持つ定置網です。
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満開です。










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by mobulamobular | 2009-01-23 17:52 | 気象 | Comments(0)
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