心温まる一尾
この時期、夜になると何かの都合で深海の暗闇からモソッと浅場に出てくるようです。
そして、定置網に入ってしまう。
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学名 Phycis phycis、 英名 Forkbeard、 ポルトガル名 Abrotea da costa、 和名はありません。
タラ目(Gadiformes)の1種で、最近の分類ではピュキス科(Phycidae)という聞き慣れない科に属します。
カタカナ表記からも想像できるように、本種はもとより同属種のもの(他に2種)も日本の周辺には生息しません。
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一般にいう「タラ」の特徴である「背鰭が3基」とも異なり、全体の形状はチゴダラ(ドンコ)に酷似しています。
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英名の"beard"とは「あごひげ」のことを意味します。確かにこの種には顎にひげがあります。
しかし、この場合の"Forkbeard"(フォークのようなあごひげ)とは、「顎のひげ」のことではなく、
先が二又に分かれた長い腹鰭のことを指していると思われます。
ちなみにこの種の腹鰭は、尻鰭前方の肛門近くにまで達しますが、近種の"P.blennoides"のそれは
肛門を跳び越え尻鰭まで達し、英名は"Greater forkbeard"となっています。
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歯は食虫植物の捕虫器のようで、歯というよりは「棘」の集まりのようです。
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思わず「鍋」にしたくなるような、とってもハートフル(和製英語)な一尾でした。
(写真は上顎「奥歯」です。)
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by mobulamobular | 2008-05-24 01:11 | | Comments(0)
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