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ヨーロッパスズキ
夏の魚といえば、ご存知「スズキ」だと思います。ここには一般的に「ヨーロッパスズキ」と呼ばれているものがいます。
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学名 Dicentrarchus labrax、英名 European seabass、ポルトガル名 ROBALO です。
スズキは昔から一番庶民に親しまれ、最も身近な魚として知られていますが、分類学上は「スズキ科」において諸説あり、見解が分かれています。ここではPerciformes(スズキ目)のMoronidae(スズキ科) としておきます。他の見解ではPercichthyidaeがスズキ科とされていますが、これは先にも述べたように、日本を代表する「スズキ」という魚の名称の奪い合いのようなもので、この際はどちらでもよいと考えます。
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確かに日本のスズキ(Lateolabrax japonicus) に慣れ親しんだ人にとって、ヨーロッパスズキをはじめて見た時には「な~んだ、これがスズキかよ」という気持ちになるのも無理はないと思います。頭がなければまるで「鯉」のような体つき、うろこの形状、尾鰭等に思われます。日本のスズキ独特の、あのギラギラしたものがヨーロッパスズキには感じられません。さらにこの魚の印象を「淡水化」しているのが、ヨーロッパ全土における養殖魚の普及です。このスズキはヨーロッパへダイ(Sparus aurata)に次いでポピュラーな養殖魚で各地で大量に生産されています。しかし、成長が遅いため、出荷時のサイズは、自然界では未だ若魚の段階であるため、スーパーマーケットやレストランの店頭に並んでいるのを見ると到底「スズキ」とは思えず、時には「ニジマス?!」という具合になります。
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しかし、やはり自然界のものは、釣りにおける太公望とのやり取りや、定置網内でのしたたかな遊泳行動等から見ても正真正銘の「スズキ」です。海から揚がってくるものは一般的にサイズも大きく、また養殖ものの貧弱な感じとは違って、精悍さがありますので、余計に異なった種に見えてしまうのでしょう。












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by mobulamobular | 2007-08-02 04:33 |
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