つき合いから、この冷凍魚を既存のお客さんに紹介することになりました。ところが、一応、担当の販売員がいるのですが、普段はマグロしか売ったことがなく、他の魚についての知識不足により、魚を紹介する際の学名を間違える、ちょっとしたハプニングがありました。
しかし、これが日本だったら、昨今の"食品偽装問題"とか、トレーサビリティの問題に発展する可能性もあり、笑って済まされることではないのかもしれません。 学名 Anoplopoma fimbria、 英名 Sablefish、 ポルトガル名 分かりません、 和名 ギンダラ です。 ここに届いた時から、頭のない魚ですので、これが何種だと聞かれて分からないのも当然と思いますが、ですから、なおさら元の情報が大切になります。元の情報は、"GINDARA"、"Black cod" だったそうです。 担当の販売員はポルトガル人女性です。よって、"GINDARA"に関しては ??? でしたので、英名の"Black cod" で検索を始めたようです。彼女は、「きっと、黒いバカリャウ(タラ)のことよ。」と思ったのでしょうが、たどり着いたFishbaseでは、写真も掲載されていないBlack cod = Notothenia microlepidota(学名) となってしまいました。もちろん、彼女には、タラ科の魚は、「背鰭が3基あるのが特徴」、という知識もありませんでした。 「ギンダラ」 という名前ですが、"タラでもないのに~ダラ"、というのは変な話です。これはきっと、流通の際の便宜上、付けられた名前と思われます。一方、"cod(タラ)ではないにもかかわらず、Black cod" と呼ばせているのも、同じ理由によるものと思います。これがすべての混乱の原因ですので、悪いのは知識不足のポルトガル人女性ではないと思います。 FAO(国際連合食糧農業機関)によると、ギンダラの英名は"Sablefish"となっています。確かに、地方名等、時と場合によっては、"Black cod"と表記される場合もあるようですが、ことが"流通"に関しては、"Black cod"の方が受けがよいとか、売りやすいとかいう考え方は、捨てた方がよいと思います。 しかし、「ギンダラ」は、名前の問題は別として、とても美味しい魚です。日本ではほとんど獲れず、大半が米国やカナダから輸入されているそうです。この冷凍魚の輸入は、今に始まったものではなく、ずいぶんと昔から大量に日本に入ってきているようですので、一度や二度はどこかで食べたことがあるのがふつうみたいです。昔は、"ムツ"という名前で流通していたそうです。 この種に限らず、こういった紛らわしい名前の魚が多いのが実情です。例えば、"バターフィッシュ" とかです。 最後に、この件で、ご迷惑をおかけしたところもあるかもしれませんが、どうかご容赦を、よろしくお願いします。
by mobulamobular
| 2013-12-20 06:00
| 魚
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