Development
「発展」、ポルトガル語では"Desenvolvimento"となります。おおよそ20年前に比べれば、いろいろ発展しているのでしょうが、どこが、と聞かれれば、正直、答えに詰まります。ここが、「発展」のむずかしいところで、必ず、「何のため」の、「誰のため」の「発展」であるかを考えてみる必要があると思うからです。
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いつものように港内をぶらぶらすると、例の如く、巻き網船によるサバの水揚げが行われています。この2013年2月28日の写真の風景からは、何の「発展」も見て取ることはできません。強いて言えば、昔、笊だったものが、プラスチックの籠に変わったことぐらいですが、これは「発展」ではなく、単なる規則(法律)の変更です。昔ながらの笊は衛生上よろしくないと御達しがあったからです。実際は、笊の方がグリップ力に富んで、壊れ難く、長持ちでよいものと思います。

そして、相変わらずの手投げです。これを、「この人たちは昨今の地球温暖化、特にCO2の問題をとても憂慮していて、節エネの観点から、機械は使わず、こうして昔ながらのやり方で魚の水揚げを行っている」、と解釈する人は、まずいないと思いますが、もちろん、そんな理由ではありません。これは「未発展」によるものです。

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水揚げの最中、船尾を覗くと網の上で修繕をしているじいさん達がいます。彼らは一世代前の巻き網船の漁師で、引退後もこうして漁具の修理などの手伝いを行っています。まさに、昔の先輩漁師らが彼らのためにやってくれたようにです。文化が継承されています。

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サバにも変化はありません。サバは昔も今もサバです。違いを強いて言えば、水揚げされたサバの上に氷が撒かれていることです。これは「発展」かもしれませんが、肝心の「何のため」かがうやむやです。たぶん、「蠅よけ」かと思いますが、この時期、蠅はあまり見ません。もし、鮮度を考慮してのことであれば、この氷は、ちょっとは鮮度に貢献しているかもしれませんが、その代償として、魚の身を台なしにしています。氷の重さで魚が潰れています。これも「未発展」による勘違いでしょうか。たぶん、それもあるでしょうが、どちらかと言えば、これも取り締まりが恐ろしいからだと思います。

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巻き網船の水揚げが行われている岸壁の前にデカイ看板が"誇らしげに"立っています。いろいろなことが書いてありますが、ようするに「地域の発展のために、この岸壁改修工事はEUの援助で行われた」ということです。工事費用はまで記載があります。でも、"so what ?"なのです。

これでは、「発展」はしない、と思うのです。
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by mobulamobular | 2013-03-01 06:19 | ポルトガル文化 | Comments(0)
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