2012年7月
また、記録更新中です。今年の7月は連日のカシマ(西から東へ向かう潮)急潮、それに低水温で、そろそろこの海況にも飽きてきました。昨年の7月と比べてみてください。今年は、「のんびりモード」などまったくありません。
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上のグラフは1996年から今までのアルガルベ定置網における月別平均表層水温を示したものです。その中で、黒矢印で示した2か所が、一見して他の年と比較して、ちょっと違う傾向にあったことが分かると思います。

ひとつは、2010年8月です。他の年の8月と比べても、また、全体的にもダントツに高い表層水温を記録したことが分かります。

ふたつめは、2001年7月の平均表層水温です。なぜかこの年この時だけは完璧に"夏に乗り遅れた"ような低水温となっています。どれだけ異常だったかを示す"証拠"として、当時のメモがあります。そこには次のような記述があります。「9日 箱網にムラサキイガイの稚貝付着を確認。大量に発生する」、「10日 箱網洗浄作業を開始」、「25日 箱網が部分的に沈み始める」、「29日 箱網奥タコ足部(専門用語です!)、イガイの付着で目が詰まる」。

そして、漁獲に関する記述では、「24日にはアレンケ(ニシンの仲間)が約1トン、サケ(!)(Atlantic salmon)まで入る。冬の海というよりは、まさに『北の海』と化す」。ここで18年間近く定置網漁業をやっていますが、「サケ」が入ったのは、この時の1回のみと記憶しています。
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上の写真は、先の2001年のムラサキイガイの大量発生時、漁期終了後の道網の網抜き作業の様子です。道網には大きく育ったムラサキイガイがべったりでした。

さて。問題は「2012年7月」です。10日を経過した時点ですが、2001年7月よりもさらに低い平均表層水温となっています。
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アルガルベの海岸線には、すでに「低水温循環システム」が完璧に出来上がっています。それはなにかといえば、NW風とUpwellingの繰り返しです。すでにちょっとやそっとじゃ温まらないほど海水は冷たくなっていますので、これを"回復"させるには、思いっきりSE風が入って来てくれなければならない、と思います。はたして、「平均をとること」はこの先可能なのでしょうか。

ちなみに、2001年はその後水温はある程度は上昇しましたが、期待値には届かず、息絶えました。なんとも怖ろしい話です。

















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by mobulamobular | 2012-07-11 04:33 | 気象 | Comments(0)
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