5月と6月の水温と潮流
1年1年が大切であることに変わりはないのですが、その中でも今年は特に大切な年と考えていますので、海況についてあれやこれや考えることが多くなっています。総体的には「天候不順」が続いていると思われます。ですから、残念ながら未だ天気のバランスがとれていないようです。それは定置網の海況測定の偏った実測値にも表れています。

まずは水温ですが、下のグラフを見ると昨年(2011年=緑ライン)に比べ、とても低くなっているのが分かります。この時期、「理想の水温」は17℃以上なのですが、昨年が連日17℃以上であったのに対し、今年(2012年=赤ライン)はあの異常気象の時に水温が一気に上昇し20℃まで達したのですが、その後15~16℃あたりを推移し、なかなか再上昇してくれません。しかし、この温度変化は漁に直結しますので、要注意なのです。
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これには理由があります。水温は「水の温度」ですので、どんな類の水がアルガルベの海岸線に到達しているのかが、重要なポイントです。つまり、それは「潮流」ということになります。下のグラフは定置網における潮流の向きと速さを水温同様、昨年と今年で比べたものです。同じく緑が2011年、赤が2012年です。

潮流の向きですが、アルガルベの海岸に立って南を向いて海を見た時、左(東)から右(西)へ流れる潮が「W」となります。グラフでは縦軸の「0より上」に伸びた棒が、この潮流です。一方、同じく、アルガルベの海岸に立って南を向いて海を見た時、右(西)から左(東)へ流れる潮が「E」となります。グラフでは縦軸の「0より下」に伸びた棒が、この潮流です。マイナス表示になっています。

また、潮流の速さは、棒が長いほど速い潮流を示しています。縦軸の値で確認できます。単位は「ノット(1時間に1852m進む速度)」です。アルガルベ定置網では潮流の速さが0.7(-0.7も同じ)ノット以上に達すると、それを「急潮」と判断しています。「急潮」とは、定置網の"網なり(形状)"や漁にかなりの悪影響を及ぼすことを意味し、これがさらに速くなったり、長時間続くようであれば、定置網そのものに危険が及ぶ可能性が出てくることを示唆します。
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この「急潮」は、定置網にとって、あるいは海にとって、はたまた自然において、「必要悪」と考えていますので、来ている時はじっと耐えるしかないのですが、どちらかに偏ったことはなく、通常は昨年のようにバランスをとった動きをしてくれます。Eへ行ったら、次はWへ、そしてまたEへ、といった具合です。それがどちらか一方にばかり行くようですと、片方側の水がなくなってしまいます。というのは冗談です。

それが今年は、今までのところ、どうも大西洋側から地中海方面に向けて流れる潮が多く、ちょっと偏った印象を受けています。これが上記の低水温の原因になっています。こっから先の原因について探ろうとすると、それこそグローバルな気象状況にまで話が及びますので、今日はここまで。


追記。赤い下へ長く伸びた棒は、今現在も継続中です。ちなみに、気温は海水温に大きく左右されます。













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by mobulamobular | 2012-06-12 05:00 | 気象 | Comments(0)
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