バレンツ海
「バレンツ海」という聞き慣れない海域は、北極海の南部でスカンディナヴィアおよびロシアの北側に位置しています。

しかし、こんなところまでメキシコ湾流(Gulf Stream)の続きである北大西洋海流(North Atlantic Current)~ノルウェー海流(Norwegian Current)という暖流が流れ込んでいるため、北緯68度のロシアの港も"不凍港"だそうです。ちなみに北緯44度の北海道の網走は"流氷観光"で有名です。

あらためて、北赤道海流(North Equatorial Current)から始まる~メキシコ湾流~北大西洋海流~ノルウェー海流という流れが地域の天候や人々の暮らしや生物全般の生存にまで大きな影響を与えていることが分かりますが、さすがにこの暖流を外れると北極海の一部ですので海氷が発生するそうです。

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この「バレンツ海」での氷のでき具合が、中緯度(日本を含む)の気候変動に密接に関連しているという研究結果が日本の独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)からこのたび発表されました。サブタイトルは「日本の冬の寒さを説明する新たな知見」だそうですから、この時季、厳冬にやっつけられている人々にとっては注目に値する話です。

「一般的に日本の冬の寒さは、エルニーニョ/ラニーニャなど低緯度の影響と、北極振動指数の正/負など高緯度の影響の組み合わせで暖冬/寒冬が説明されます。」ということです。しかし、「冬季バレンツ海を発生源とする低気圧の経路が近年の海氷減少に伴い通常より北側を通過していることを気象データの解析により示しました。この低気圧経路の変化によって、北極海上はより暖められる一方、シベリアでは北からの寒気が入り込みやすい状況が形成されます。これは地球温暖化が進行するにもかかわらず、近年の日本の冬が寒い原因の一つであることを意味し・・・」だそうです。

ようするに、地球温暖化によってバレンツ海の氷が少なくなると、その影響を受け低気圧の通過経路が北上し、これにより北極海上がより暖かくなる一方、大陸上では寒冷化が起こりやすい状況になる、らしいです。

つまり、「地球温暖化によって、日本の冬はより寒くなる」ということが実証されつつある、という話でした。









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by mobulamobular | 2012-02-02 08:20 | 気象 | Comments(2)
Commented by へそまがり at 2012-02-02 17:30 x
と云うことは、、、、日本は冬の間は地球上に存在しないと云う事ですね。
地球温暖化とは、何なんでしょうね。
Commented by mobulamobular at 2012-02-03 05:37
へそまがりさんへ。自分で自分にコメント入れたかと錯覚しました。けっして「へそまがり」などではなく、逆にとても素直な疑問と思われます。京都議定書で定義される「地球温暖化」は科学の問題ではなく、政治の問題なのでしょう。この知見を発表した日本の科学者たちが、純粋に地球の今のメカニズムを解明しようとしていることについては大いに関心があります。しかし、「漁師50年の経験など何の役にも立たない」と言ったら語弊があるかもしれませんが、地球46億年の歴史に比べると50年の云々は屁のつっぱりにもなりません。51年目には必ず今まで見たことも聞いたこともないことが起きるのが「自然」だと考えています。確かに「エネルギーの使い過ぎ」は問題だと思います。でもそこは現世を生きる一人一人の問題なのでは、と考えます。
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