大学ではサメの研究室に属していました。ですから、興味はあるのですが、正直、よくは分かりません。それも「分類」についてですので、「味」についてなど、まったくダメです。でも、そこで「未利用資源の有効利用」とかを勉強していた訳ですから、少しは「食料」としてのサメについても知っていてもよさそうなものですが、これが、"ジョーズ世代"ですので、サメというと、あのホオジロザメの恐いイメージが先行してしまい、情けない限りです。それでも、「サメ」と聞いたり「サメ」を見たりすると他人事とも思えず、ついつい気になってしまいます。
ずいぶん前の新聞記事ですが、イギリスのフィッシュ・アンド・チップスとサメの話がありました。 多くのサメがフィッシュ・アンド・チップスの材料として使われていたことが分かります。そして、それを食べている人たちがそれが「サメ」であることを知らないでいたことも。 しかし、それを知らされても、それが「サメ」であることが分からないかもしれません。なぜならば、名前が"Spiny dogfish"だからです。確かに「サメ」も魚類の1種ですが、これが"dogshark"とかにはならなかったものかと思ってしまいます。 上の写真はLove先生からいただいた本から拝借したものです。"Spiny dogfish"とは、こんなような小型のサメ(全長1mほど)のことです。 学名 Squalus suckleyi、 英名 (Spotted) spiny dogfish、 ポルトガル名 分かりません、 和名 アブラツノザメ。 この本は、もともと太平洋に生息する魚種について記述されているものですので、正確には大西洋のイギリスでは、種が異なる可能性があります。大西洋の場合は下記の通り。 学名 Squalus acanthias、 英名 Picked dogfish (Atlantic spiny dogfish) 、 ポルトガル名 Cação galhudo、 和名 アブラツノザメ。 この太平洋種と大西洋種について、「最近、北太平洋のアブラツノザメについて、形態学的・遺伝学的な比較により、Squalus suckleyiであるとする論文が発表された」というニュース(日本水産庁)がありましたので、ここでは分けて記載しました。つまり、以前は太平洋に生息するアブラツノザメもSqualus acanthiasだとされていた、ということです。ですから、和名は"ニシアブラツノザメ"とかにしないといけないかもしれません。 上のイギリスの新聞記事は、「サメ肉は野蛮」、とか言っているのではなく、「保護」の観点からの指摘です。実際にアルガルベで定置網漁をしていても、サメが減っている印象は否めません。これは定置網に入網するサメの数のみならず、地元の市場に水揚げされるものを含めての感想です。 過激な反対運動は解せませんが、ポルトガルでも「サメ好き」が集まって、サメの保護と種の保存の大切さをアピールしています。 ______________________________________________________________
by mobulamobular
| 2011-11-29 07:40
| サメ・エイ
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