定点観測
定点観測とは、「海洋上の定点で、気象観測船によって行う連続的な観測」のことだそうです。しかし、"気象観測以外"にも行われる定点観測はある筈です。

早いもので、今年も6月となりました。そして集計の結果、2011年の5月はとんでもなく記録ずくしであったことが、アルガルベ定置網の定点観測(海況測定)で判明しました。

やり方は以前と何ら変わりはありません。相変わらず、空き瓶を海に放りこんで底の水を採取しています。これがその都度観測データを書き込む記録紙です。すべてアナログ式です。
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上から、日付、時間、表層水温、底水温、気温、潮流、風、透明度、波、天気、といった具合です。水温・気温は「℃」です。潮流は流れていく方向と"7mの間隔"をお手製の潮流計が流れた速度(秒数)を表し、それを後に「ノット/時間」に換算しています。ちなみに6月1日午後の潮流は「東方向へ11秒=1.24ノット/時間」ということでした。これは「急潮」です。次に、風ですが、風向と風力を0~4の5段階で表示しています。もっとも"風力4"とかになると、海は時化になり、よって船も沖へは出られなくなる訳ですから、観測もできず、今まで記録したことはないと思います。その次の透明度は「メートル」表示です。21mというのはほとんど海底見えるぐらいの透明度ですが、急潮によって透明度板(直径30cmの白円盤)はほぼ真横に吹き上げられていたと思いますが、それでも21m先まで見えた訳です。そして波ですが、これも風と同様で、波の来る方角と高さ(0~4の5段階)で表示しています。ですから、今まで"波高4"はありません。最後に天気ですが、"Limpo"とは「快晴」の意味です。ちなみに「晴れ」は"Pouco Nublado"(ちょっとだけ曇った)となります。

さて、「5月の記録」ですが、水温(朝)が表層・底ともに過去16年間で最高(19.22℃/17.91℃)を記録しました。今までの最高表層水温は2000年に記録した17.95℃で、過去15年間の平均値は16.76℃でしたから、今年がいかに飛び抜けて高水温だったかが分かります。また、今までの最高底水温は1996年に記録した16.95℃でしたから、これも1℃以上高かったことになります。

水温のみならず、気温(朝)も過去16年間で最高(18.13℃)でした。そのためか、時化の日も多く、「6日」も記録しました。例年ですと5月にもなると海はずいぶんと安定してきて時化日は2~3日ほどですが、今年はその倍でした。時化日が6日もあると、その前後も含め"海の荒れた日"(当然出港した日もあります)が約半月ほどあったことを意味します。

これらの傾向は4月から続いています。しかし、3月までは過去最低に並ぶほどの低い水温だったのです。その反動でしょうか、水温が低かった年(e.g.2008年)の8月の水温を上回っています。この先が注目されますが、ちなみに6月1日の水温は「東への急潮」で、ガクッと下がりました。しかし、これは低水温というよりは、今まで高かった分、"ふつう"になったといった感じです。

5月11日には日本気象庁から、「昨年夏から発生していたラニーニャ現象は終息したとみられる。夏は平常の状態が続く可能性が高いが、不確実性が大きく、エルニーニョ現象が発生する可能性もある」、との発表がありました。

さてさて。4月5月というのはこれからの本格的な今年の漁のシーズンを占う意味で、大切な時期となりますので、よってこういった天候や気象や海況の話題が多くなります。そして、今年は大きな話題がもうひとつあります。"未だ"忘れてはいません。

そんな中、気になるニュースがありました。

「"1F"前の海で、海洋汚染に関する定点観測を行っていない」、というものです。政府も東電も被害を小さく見せたいためか、「やっていない」、という解説でした。あ~ぁ、ですが、このことは、後々、きっと後悔することになると思います。



アルガルベ定置網の「海況測定結果」は右のリンクから見ることができます。
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by mobulamobular | 2011-06-03 05:39 | 気象 | Comments(0)
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