道網
定置網の"餌"の部分になります。もちろん、定置網では"釣針"は使っていません。魚を効率よく漁獲するための考え方の話です。釣り竿で群れてる魚を狙う場合、釣針の数が多ければ多いほど、魚をキャッチする確率は高くなります。これと同様に、定置網の場合、「道網」が長ければ長いほど、多くの漁獲が得られると定置網の漁師は考えるのです。ですから、定置網免許の範囲内でできるだけ「道網」の距離をとるようにします。
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ようやく網入れ作業開始です。昨日の"登り運動場"に続き、今日は「道網」の網入れ作業を行いました。「道網」は丘から沖の定置網の"主(おも)"まで(通常浅い方から深い方へ)伸びています。この「道網」は魚を獲る網ではなく魚を"主"まで誘導するためのものですから、泳いできた魚が「道網」の存在に気がつかず引っ掛かったり、からんだりしては困りますので、目合いは大きく、黄色やオレンジなどの目立った色の糸を使っています。
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"主"は前述の"登り運動場"と"箱網(魚を漁獲する網)"で構成されています。何もない海中に突然現れた「道網」を見てちょっと身の危険を感じた魚は、とりあえず深い方向へ逃避行動をします。そして「道網」に導かれるごとく、"主"へと泳ぎ進んでいくのです。"登り運動場"という網は囲われていますので、それ以上深いところへは行けません。構造的には魚をグルグルと泳がせるようになっています。こんどは「道網」を見てちょっと焦った魚を落ちつかせるためにスペースを広くとり、網も通常目立たないように黒色の糸を使います。そして、その後、リラックスした魚はもうひとつ奥の"箱網"へと移動し、"万事休す"となるのです。
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「道網」から"箱網"までの間、魚がその気にさえなればいくらでも逃げられるチャンスはあります。魚が入ってきた"入口"は、そのまま"出口"にもなるからです。ですから、通常、定置網の漁師は「仮に100尾の魚が道網に来たとしたら、箱網で獲る魚は20~30尾ほどだ」と考えています。ですから、「乱獲」にはならないのです。以上が、定置網および「道網」の基本的コンセプトとなります。

ちょっと、ややこしいですが、面白いですよ。

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「道網」も海水面にワイヤーロープを張り、それに吊り下げています。1本100mほどのワイヤーロープを何本もつないでいます。このつなぎに鉄製のシャックルを利用していますが、長年の使用によってこんなになってしまうという、という玄人さん向けのワンショットです。
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by mobulamobular | 2011-04-11 06:09 | 定置網 | Comments(2)
Commented by obakappu at 2011-04-13 07:46
うわー、蹴飛ばしたら折れそうに見えます。
もともと、これって、4~5センチくらいのふとさですか??
どのくらいまで、頑張れるんでしょう。
下のほうなんて、かなり細くなってる。
Commented by mobulamobular at 2011-04-14 04:33
ぷーままさんへ。蹴飛ばしても折れないぐらいの強度はまだあります。よく働いてくれた、というのが率直なところですが、このやせ細ったシャックルが訴えている事柄を聞きながら定置網のメインテナンスを行っていくことが肝要となります。
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