Belga
ポルトガル語で「ベルギー人」という意味なります。

前回の記事でお伝えしたように、愚図ついた天気が続き、海は連日の時化模様となっています。そして、カーニバルの週となりました。"カーニバル休み"は暦から毎年、「火曜日」となります。ですから、定置網漁が再開される前のこの時期、仕事の進み具合や天候の良し悪しを考慮しながら、前日の月曜日に皆でいっせいに有給休暇を使い、日月火の3連休にする企てを毎年試みます。実際、丘での仕事は遅れもなく、また天候も沖に出れる見込みはなく、今年は3連休ゲットの最高のチャンスに思われたのです。


土曜日。「じゃ、水曜日に。よい、カーニバルを。」と終業後、全員いそいそと家路につきました。そして、日曜日の夕方、日が暮れてから電話が鳴りました。Capitania(海上保安庁)からで、いつもながらの一方的な連絡で、「定置網にヨットが引っ掛かったようだから、現場を確認するように」との内容でした。電話を受けたのは定置網の船頭(Capitão)で、すでに相手のその口調に慣れている彼はひるまず、「ちょっと、待った。もう日が暮れて外は真っ暗だし、第一、時化で沖へ出るのは危険だ。定置網は法令に従った夜間標識灯を設置しているし、なんの問題もないことはアンタらが一番よく知っているはずだ。人命第一に考えるのであれば、まずはCapitaniaが現場を確認するのが道理だろう。」とまで、カッコよくいえたかどうかは定かではありませんが、そんなことを伝えたところ、Capitaniaは一転して、「ちょっと、夜だし、定置網のことよく分からないから、一緒に行ってくれる?」、だったそうです。で、根負けした定置網の船頭は開演目前に迫った映画のチケットを捨て、沖に行きました。

その甲斐あって、無事、ヨットに乗って助けを求めていた「自称ベルギー人、29歳」を救出し、丘に連れ戻すことに成功したのです。ヨットは定置網の道網の側張りに横になってへばりつき、波風で身動きできない状態でした。理由は、「前方を見ていなかった。海図は見たけど、何のことやら分からなかった。」だそうです。「気をつけよう。一人旅」です。

そして、月曜日。皆で有給休暇を使うはずの日でした。半分だけ、朝7時集合となりました。沖に行ってヨットを回収するためです。これも海上保安庁からの「お願い」です。しかし、その時にはすでに、ヨットは近くの海岸でこんな風になっていました。
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定置網の船頭は再びCapitaniaからの要請で現場に直行です。Capitaniaはこうした丘に上がった大きな"物体"の扱いに慣れていないらしく、また「お願い」でした。定置網漁師残党は、即、解散でした。
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ちょうど、砂浜の整備で重機がいたので、定置網の船頭の意見で、とりあえずヨットを波の当たらないところまで上に引き上げようとしたのですが、自称ベルギー人、29歳は、「イヤだ。海にもどる」といい出す始末。重機に頼んで穴をあけヨットを立てて沖に出る算段をしますが、そんなのどう見ても、無理。「ヨットをダメにするぞ」という定置網の船頭の忠告にも耳を貸さず、作業を進めました。一方、Capitaniaは「オーナーのお好きなように」と未知の世界へ行ってしまう有様。
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「こんなデッカイキールがあるんだから、ヨットが立つわけないっしょ。」といったところで、定置網の船頭の仕事は、ジ・エンド。時計の針は、ゆうにお昼を過ぎていました。

そんな彼を迎えに行って、「ショウガナイ、な」。 「ショウガナイ、ね」。











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by mobulamobular | 2011-03-10 07:27 | 定置網 | Comments(2)
Commented by obakappu at 2011-03-12 01:36
どこにもいるんですね、こういう人種。
Commented by mobulamobular at 2011-03-12 21:52
ぷーままさんへ。結局、脱出はできず、船に穴をあけてしまったそうです。「緩く」いきたいと思います。
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