紆余曲折
間もなく、師走。今年もいろいろありましたが、なんとかリセットする時期を迎えられました。
海岸もこの通り、すっきりとした風景にもどっています。
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さて、17日からフランス・パリで開かれていた大西洋マグロ類保存国際委員会(ICCAT)の年次会合が27日閉幕しました。小国ポルトガルにとってはアルガルベの定置網でマグロを漁獲しているとはいえ、お隣りスペインやフランス、イタリアに比べその量は微々たるものですので、今まで毎年特に気にすることはなかったのですが、今年はちょっと事情が異なった様子です。また、かねがね問題となっているのは地中海内の巻き網船による無秩序な大量漁獲とそれに伴う違反操業であった筈ですから、大西洋側に位置し、しかも巻き網によるマグロ漁は行っていないことから、なおさら「他人ごと」の向きがありました。

ときに、お役人さんたちは「ベストの選択」を早々あきらめ、「ベターな選択」をする嫌いがあります。それは彼らの多くが最善策を追求するよりもその場の話をまとめ上げることに重きを置くためと考えています。とかく「逃げ」とか「問題回避」とか批判されがちですが、多くの人の集まりにおいては、その考え方も致し方ないと一定の理解はできます。世界経済危機、特にヨーロッパは最悪の状態が続いていますので、これ以上の経済的打撃を被りたくないと切望する結果、2011年度の大西洋・地中海産クロマグロの総漁獲枠はほぼ今年と同量の12,900トンとなったようです。

これに対し、ICCAT年次会合が終わって未だ間もないのでさしたる騒ぎは起きていませんが、「お肉屋さん連合」が黙っている訳がないと思われます。たぶん、日本人1人当たりが年間に消費するクロマグロの量は300gほどだと思いますから、彼らが当初要望していた総漁獲枠6000トンとした場合、それは250gほどとなります。このせめぎ合いです。この分魚が売れなくなれば、代わりに肉が消費される、という考えなのかもしれません。

とばっちリ、と言ってよいと思います。「お肉屋さん連合」は今回のICCATの日本政府代表団に対し、総漁獲枠を6000トン以下にするよう要望したとともに「漁業規則の強化」を日本がイニシアチブをとって実行するようにはっぱをかけていました。前者については上記のように実現はなりませんでしたが、後者については言われた通り実行しています。その相手先のひとつがポルトガルだったのです。

完璧なパフォーマンスです。しかし、その対象国のひとつに加えられてしまったのがポルトガル政府代表団にとっては運の尽きでした。「悪いのは地中海内、ウチらは外」と言っても、「例外はなし」と突っぱねられ、日本にとってはよい鴨葱。

対岸の火事がまさに飛び火した感じです。今まで無関心だった分、不勉強がたたり、問答がしどろもどろだったことが想像できます。一方、日本のお役人さんは「マグロ資源の管理プログラムとしては、まあまあのものができた」とご満悦。なにはともあれ、これも会合の「成果」ではあります。

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真っすぐ行こうぜ、ポルトガル。



ところで、来年ウチは何トン? 本当は、そういうのは気にしないでいきたいです。










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by mobulamobular | 2010-11-30 07:55 | マグロ | Comments(0)
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