ナショナリズム
ちょっと胡散臭いキャッチフレーズですが、そんなかた苦しい話ではありません。"ソウダガツオの缶詰"の話です。
d0113817_6184783.jpg

ソウダガツオ(Auxis rochei)は、ポルトガル名 Judeu、スペイン名 Melva です。スペインのアンダルシア地方Isla Cristina(Heulva)の缶詰工場のものです。この工場は150年以上もの歴史がある老舗です。スペインというと北のガリシア地方の缶詰が有名なようですが、アンダルシア地方にもこういった昔からの缶詰工場が今もごろごろあります。それだけ、まだ缶詰の需要がたくさんあるということなのでしょう。

"Black Label"と呼ばれているこの缶詰の箱には、"Melva de Andalucía"(アンダルシアのソウダガツオ)と書かれていますが、この缶詰工場で使われている原魚のソウダガツオのほとんどはアルガルベ定置網からのものです。もっとも、スペイン人に言わせるとアルガルベもアンダルシア地方の一部ということですから、記載に間違いはないということになります。

ソウダガツオはアルガルベ定置網にはたくさん入りますので、地中海内の近隣諸国でもさぞかし多くの漁獲があるものと考えがちですが、そんなに多くはないようです。大半はバイキャッチ(混獲)のようで、ターゲットフィッシュ(漁獲対象魚種)はハガツオスマカツオになるみたいです。ある資料によるとスペインでさえソウダガツオの漁獲量は年間800トンほどだということですし、ポルトガルでもアルガルベ定置網がなければ、ほとんど漁獲されない魚種ということになると思います。つまり、漁獲が少ないということは、人々があまり食べない魚ということになりますので、現にソウダガツオはポルトガルではほとんど消費されていません。

こんな美味しい魚を食べないなんてちょっともったいない気もしますが、「食え」と押しつける訳にもいきませんので、致し方ない、といったところです。

ところで、この写真のソウダガツオの缶詰は内容量が78gのものですが、地元Isla Cristinaの販売店で3.5ユーロほどの値段(360円)です。これって、けっこういい値段です。高級品ですね。というか、自信がなければ売れませんね。









______________________________________________________________
[PR]
by mobulamobular | 2010-09-02 06:41 | ポルトガル文化 | Comments(6)
Commented by obakappu at 2010-09-03 07:08
これは、形状からすると細くしてオイルサーディンみたいになっているのでしょうか。
日本ではカツオの缶詰って見ないですよね。キャットフードはあるけど。
ふぅーん。高級品なんだ。
Commented by mobulamobular at 2010-09-04 05:24
ぷーままさんへ。よくは分からないのですが、"canutera"とは"樽"という意味のスペイン語ではないかと思います。これが「プックリ太ったソウダガツオ」のことなのか、缶に入った時の形状を表しているのかは定かではありません。こんど聞いてみます。日本では"シーチキン"というのが、カツオを使っていると思いますよ。「カツオ缶」という表示は見ませんね。
Commented by obakappu at 2010-09-04 19:19
今までシーチキンはマグロだと信じていました。
カツオのもあるんですね。
はごろもフーズのHP見たら、キハダ、ビンチョウ、かつおが原料でした。フレークになっているのがカツオらしいです。
食べていても気付きませんでした。
Commented by chie at 2010-09-05 19:14 x
この前のとんちんかんちんなコメント、ごめんなさい。MELVAがソウダガツオだったのですね! 試食したBONITO缶は、美味しかったのですが、ハガツオ?  amnesiaのアタマにいまさらポルトガル語とスペイン語を詰め込もうというのは無理で、次回からは単語表でも持参しましょう。 ところで、ナショナリズムという命題、ポルトガルとスペインの関係、特に国境付近の人々の意識 みたいなコト、興味があります。そのうち話題にして頂ければ・・・ここはスイスとの国境が近く、笑い話がいっぱいです。
Commented by mobulamobular at 2010-09-06 04:43
ぷーままさんへ。昔、「シーチキンはカツオ、ツナ缶と呼ばれているものがマグロ」と聞いた憶えがあります。なぜ、「カツオ缶」として売らないのでしょうかね。カツオのイメージって"ハトヤのコマーシャル"以来そんなに悪くはないと思いますが。
Commented by mobulamobular at 2010-09-06 04:56
chieさんへ。そうですね。Bonitoといえばスペインではハガツオ(Sarda sarda)のことになると思います。ナショナリズムについてですが、これをここでマジに論ずると大変なことになると思われます。そういえばその辺りまでスイス国境が行っているのですね。以前にCervinoが見えるスイスのThyonというところに行きましたが、そこでさえスイス人がイタリア人のことを面白おかしく話していたのが思い出されます。
<< 2010年8月の水温 シュモクザメの不思議 >>